すべての高評価レビュー
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Posted by ブクログ
辞書の編集を題材にした小説という内容に惹かれてしまい、読み始めからあっという間に読んでしまいました。
馬締さんの、髪の毛モサモサで腕にはアームカバーをつけ、他の人とちょっと違っていて少しズレてて不器用で。でも辞書を想う情熱は誰にも負けない。かなりの辞書オタク言語オタクなところに、私はとても好感をもちました。そんな馬締さんとのやりとりをするかぐやさん、松本先生や荒木さん、岸辺さん。なんだか憎めない西岡さん。個性豊かでいい人たち。
辞書は私も持っていたけれど、一冊作るのにこんなにもこだわりをもって作っているなんて知らなかった。紙のぬめり感。初めて聞きました。言葉一つ一つ慎重に記載されていたのですね。
登場人物たちの辞書に対する思い、仕事への情熱に胸が熱くなりました。
かぐやさんの作る料理も魅力的。
コミカルなところもあり、くすっと笑ってしまいました。
面白かったです。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ数学とは本当に面白い。
ここでは、割引とポイント還元どちらがお得?という大して違わなそうな数字が思わぬ要因で影響してくる話から始まる。以前、ちびまる子ちゃんがおじいちゃんと家電量販店に行って「その場で安くなる方がいい」と言い放つCMがあったが、まさにあの理由が説明されている。なぜ、その場で安くなる方がいいのか…。なかなかそこまでは考えないのでは?
各章には章末問題が3問づつついていて理解度を確認できるようになっている。
特に面白いと思ったのは、ケーキを分ける話と17頭のラクダの話。
ケーキは丸ではなく1辺30センチの正方形のケーキを三等分するというもの。単に縦に割ったんじゃ周りのコーティングチョコレートの分量が違ってケンカになるという。
そこで、外側が40㎝になるようにして、中心点からカットするとどれも同じになるという。なるほど・・・。
ラクダ17頭を相続した3兄弟、遺言では長男が1/2、次男が1/3、三男が1/9相続するというもの。
え?17頭で1/2て無理じゃ???って思うんだけど、そもそもこの相続、割合を全部足すと17/18で1には1/18足りていない。ここはなかなかの盲点。人はちゃんと確認せず、当然1になると思い込んでしまう。
ちょっとしたところに目が行くかどうかで、解決できるものはたくさんあるのかもしれない。
いつでも思い込みが邪魔しないようにしたい。 -
Posted by ブクログ
ネタバレとにかく「中年版『君たちはどう生きるか』」がついてまわる。つまり一言でいって仕舞えば、これは「ロスジェネ小説」だ。主人公は仕事がつまらないようだが、それでも一種「トレンディ」な職種をしている。「中年版『君たちはどう生きるか』」のベースだ。ある意味では「トレンディ」後の世界が語られている。
そして20代の同僚がいて、多くの場合はそこに目が行くようだが、そこは構成のうまさ、つかみのうまさに感じた。
もう一人男性の登場人物がいて、彼こそ「中年版『君たちはどう生きるか』」の核になる人物だと思った。彼はぼくのイメージでは、山⚪︎被告のifだ。現実の彼は、カルト宗教によって家族を奪われ人生を奪われ、いたはずの妻子も奪われた哀れな男でもある。その⚪︎上被告のあったかもしれないやり直し人生が描かれている。これはロスジェネ世代にはグッとくるだろう。またSNSなどで被告に同情的な発言が炎上したことから、彼に向けた憐れみの表現手法とか、彼の魂を救おうとする日本人らしい表現形態なのだと感じた。
一応言っておくが、犯罪者を英雄視はしない。すべて情報からしかわからないが、そこから知れることがあり、ひとつのレイヤーには哀れで同情を禁じ得ない人生が見えてくる。そこに目を向けている。そして著者が書いたものも、このようなものだったのではないかとぼくにはそう見えた。
これを書いてしまったらもう書くことがない。ともかく、不思議な読書体験だった。実をいうと、途中まではそこまで惹きつけられる話ではなかった。しかし文章はぼくに合っていて読むのが苦痛ではないし、内容もまあ他人の世界のようでピンとは来なかったが理解はできた。なので脱落せずに読み切ることができた。終わり頃になって、このようなイメージがやってきた。印象がひっくり返った。
やはり同時代・同世代小説は面白い。あったかもしれない人生を感じることも面白い。やり直すことは面白い。やってみることができることは素晴らしい状態だ。 -
Posted by ブクログ
待ちに待った日本語訳本!読めることが幸せでした!
世間の目や、責務による重圧に、なんとか抗えないかと、思い悩んでる姿に、もっと優しい世界になってくれ!って思いながら読みました。キップも大好きな人といられれば、って思いもあるけど、家族にも言えないのはきつい。心から愛する人に出会えたことで、怖気ながらも、気持ちを強く持てたことに、最後は込み上げるものが、、。
いろんな人がいて、いろんな立場の人がいる。それぞれの愛の形があって、それぞれに悩みもある。それは想い合ってる2人が、2人で乗り越えないといけないものなのかな。2人に関係を話せる人がいて良かったです。
そして海外ものは、会話が軽快で読んでて楽しいから好き! -
Posted by ブクログ
ネタバレ天才調香師 小川朔、香りシリーズの2作目
今回は赤い月に囚われた男の子が洋館で働くことになり、様々な悩みや欲望を持った客が朔の元に現れる。今作では加害された人、加害した人、加害していた人達の記憶を象徴する香りが多い。ただ、嗅覚と記憶は密接に関係しているからと言って、同じ香りでも同じ記憶を共有できる訳ではない。そして加害を愛として執着する人間もいるようだ。
1作目後半で一香は朔の仕事部屋に並ぶ香料瓶になりたいと願望を意識する。ガラス瓶に閉じ込められて朔の目に晒されたいという欲望を。
2作目で朔さんは一香を想って香料瓶に洋館の庭の香りを詰め、一香の書いたラベルを貼り付け並べて、きっと眺めている。部分的に一香の願いは叶えられていることに気づいた時、彼女はどう動くんだろうか。
今作も五感を刺激するお話だった。 -
Posted by ブクログ
紀元前500年頃のピュタゴラスから影響を受けた、17世紀頃のフェルマーが証明したとされる定理を、三世紀半をかけて証明される。
多くの天才が一歩ずつ様々な研究を進め、その点と点を繋げて、完全証明に至るまで、凄く壮大でロマンがある物語だった。
証明したワイルズだけの半生でも、読み応えがあるが、三世紀半の間に関わった一人一人の歩みや人生についても細く書かれている。
算数レベルしか分からないが、出てくる定理等は補遺を交えて細く説明されている。「なるほど」と分かる事もあれば、何となくも分からない内容もあった…ただ細かな理論が分からなくても十分に楽しめた。 -
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話せない
異性と緊張して話せない。何話していいかわからない。それが好きな人だとなおさら。だから好きなのにいっしょにいるのが苦しいときもある。初々しくて胸が苦しい。
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Posted by ブクログ
ネタバレ戦時中の恋、幼馴染への想い、祖母の恋の3編な2巻。
どれもこれもすごく温かくて切ない。
そしで泣いてしまう。
ララグラスの自分で自分を抱きしめるシーンが
すごく苦しくて切ないけど温かくて好き。
抱きしめるって人の体温を感じられるから
慎くんがしーちゃんを抱きしめるシーンに引くほど泣いた。
1巻もだけど、すごくすごくいろんなことを感じるのに
語彙力がないせいで文字にすると違うな…って思って
消してしまう。
でも全部の話、それぞれに感じることが違って余韻もあって
一話読切なのにものすごく読み応えがある。
とっても素敵な作品に出会えたことが嬉しい。
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