すべての高評価レビュー
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Posted by ブクログ
ネタバレとても面白かった。
小説の中で島田が小説を読んでいるという構造。
その小説の中で起こる殺された作家たちが書いた小説を準えた連続殺人。
『迷路館の殺人』の犯人は誰なのか。
そして、『迷路館の殺人』の作者鹿谷門実は誰なのか。
色々な次元が入れ子構造になっていて複雑なように見えるけど、読んでいくとちゃんと明確に謎が解けてきて最後はとても読んでいてすっきりする。
今回は館のからくりをふんだんに使って犯行を行っていて、ミステリーのトリックとしては微妙なのかもしれないけれど、それが今までの館シリーズで中村青司のからくり癖がよく作中に活きていて自分はワクワクした。
しかも、この物語の肝はそこではなく、犯人は宮垣、と思わせての、鮫島という点。
鮫島はずっと男性と思わされていたが実は女性だったという点。
最初に鹿谷門実から送られてきた本を読み始めた"島田"は島田潔ではなく、その兄島田勉だったという点。
そして、鹿谷門実は島田潔だったという点。
もう全てが予想外で本当に綺麗に騙された。
本当に綺麗な叙述トリックだったなと思う。
キャラはそこまですごく魅力的かと言われたら十角館ほどは魅力的でなかったけれど、宇多山という編集者視点固定で語られるのはとてもわかりやすくて良かった。
犯人の意外性、そして冒頭にあとがきがあるという物語の構造のワクワク感、実際に事件が起こる時系列で物語が進んでいく臨場感がとてもよかった。
十角館よりも満足感が高かったので5をつけた。 -
Posted by ブクログ
誰もが「あの人こそスターだ」と認める存在がスターだった時代から、誰しもがスターになれる時代へ。本書はそんな今を生きる二人の若者を描いている。
主人公の尚吾は、細部へのこだわりを大切にし、長い時間をかけて作品を仕上げ、対価を払った人にだけ届ける映画の世界へ。一方の紘は、生産から消費までのサイクルが速く、瞬く間に拡散されていくYouTubeやネット配信の世界へ。それぞれの道を進みながらも、互いを羨み、もがき、葛藤し、自分が本当に成し遂げたいことを模索していく二人の姿に、深く心を動かされた。
主人公以外の人物の言葉にも、まるで今の自分に向けられているかのような、はっとさせられるものがあった。30代を目前にした今、自分の生き方を見つめ直すきっかけになった。
また、夜空の星が実際には星型をしていないように、現代のスターのあり方も、誰もが思い描く形とは限らない。星を用いたこの表現も秀逸だと感じた。
何を大事にするのか。誰の姿を思って行動するのか。それを考えながら、自分が何を成し遂げたいのかを見つけていきたいと思う。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ本当に面白かった。
ミカの思考と口調があまりにも大人びていて3歳の発言とは到底思えないので、亡くなっているんだろうなとは思っていた。ただ、それを受け入れられない母親のことを思いミチオも妹を存在しているかのように振舞っているんだなと思っていたけれど、ミチオが誰よりも狂っていたとは…(登場人物全員狂気を感じるけど群を抜いてミチオがやばい)
どんでん返しが1回で終わらなかったのも面白かった。色んな人の視点で物語が進んでいくので、語り手の主観が入り、辻褄が合わない部分が出てくるところで一気に話に引き込まれたし、登場人物たちの言動に完全に騙されてしまったのが悔しいし痛快だった。
道尾秀介大好きになりました。 -
Posted by ブクログ
ネタバレアイドルおたくなのだが何故か坂道系にハマってこなかった。なので影山優佳さんは卒業後に自分が好きな男性アイドルとドラマやバラエティ番組で共演をしたことで顔と名前が一致した。
書店の目立つ場所に置いてあり名前からとっただろう本のタイトルが印象的で手にとって読んだ。
読んでみたら元アイドル現女優さんとは思えない程に人間らしい文章が書いてあって大好きな1冊になった。生理の話とか今までだったらタブーだったかもしれない。容姿の話や性別についての話やペットとの日常だったり。
逆にアイドル時代をよく知らないからこそ変な偏見やイメージがなく読めたのもよかったのかもしれない。これからもぜひ文章を書き続けてほしいなぁ -
Posted by ブクログ
何かを創る仕事をしているひとには刺さるはず。
特に私はSNSで活動しているので、刺さり、えぐられ、八つ裂きにされ、最終的に転生した。
細部に神が宿ると信じ、質を求め続ける尚吾。
自分の感覚を信じ、センスを磨き続ける絋。
大学生の2人が共同監督で作った映画は、映画通の中では名の知れた賞を獲る。
その後、
尚吾は有名映画監督に弟子入りし、
絋は小さなボクシングジムのYouTube動画作成を手伝い始める。
映画界では、高品質なものを提供できる一方で、時間がかかる上に、有料だから拡散されにくく見てもらうハードルも高い。
YouTube界では、無料で拡散されやすい一方、消費されるスピードもはやく、そのペースに合わせて生産するため質の担保が難しい。
単に映画とYouTubeの比較だけではない。
質とは何か、価値とは何か、時代で変わったものは何かを問う話。
質が良いとは言えないコンテンツを毎日SNSにあげつづけ、
ただ続けてきたという事実と、
それに応じて増えたフォロワーの数だけで評価されている気がしていた。
自分は何もすごくないはずなのに、
ないものをまるである様に見られている気がしてならなかった。
続けられる事が才能?
そんなの才能じゃない。
みんな毎日歯磨きして、顔洗って仕事行ったり家事したりしてるだろ。
私はそんなものではなく、偽物が通用しない世界でも輝ける唯一無二の才能が欲しかったんだと思う。
読み終わった今も、私は新しい道標を見つけられていない。
だけど、差し出すものには自信を持てる自分でいたい。
と思った。
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