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一般に『花伝書』として知られる『風姿花伝』は,亡父観阿弥の遺訓にもとづく世阿弥(1364?―1443)最初の能芸論書で,能楽の聖典として連綿と読みつがれてきた.室町時代以後日本文学の根本精神を成していた「幽玄」「物真似」の本義を徹底的に論じている点で,堂々たる芸術表現論として今日もなお価値を失わない.※この電子書籍は「固定レイアウト型」で作成されており,タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています.また,文字だけを拡大すること,文字列のハイライト,検索,辞書の参照,引用などの機能は使用できません.
...続きを読むPosted by ブクログ 2013年01月04日
父・観阿弥と共に能楽を成立させた世阿弥による能楽の奥義書。奥義書といっても、素直に読むとこれは能楽の教科書とも言うべきもので、能楽師のキャリアや練習の方法、心の持ち方といったものが丁寧に解説されている。ごく簡単に要点を抽出すると、以下のようになるかと思う。
まず、能楽師の目標は観客に「花」を見せる...続きを読む
Posted by ブクログ 2011年07月28日
漫画「花よりも花の如く」(成田美名子/白泉社)を読んで日本っぽいもの、芸とは演じるとは、に触れたくなって手を出した。密で無駄なく普遍的かつ至りがたい。名前はみんな知っているけれど、本当にすごい本だった。漫画を読んでいて私は子供に惹かれるから小さな演者が好きだった。それに関しては「先づ、童形なれば、何...続きを読む
Posted by ブクログ 2009年10月04日
そのうち現代語訳も読みたいけれど、
はじめにシンプルな原文を岩波で読んでよかったと思う。
六百年も前の言葉なのに
削ぎ落とされているから結構読める。
全編芸をする、そこに花を咲かせるということを
浮き彫りにする言葉がぎっしり。
なのにその花は頭に浮かぶようで掴みきれない。
鬼の役は力強いだけではダメ...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年05月06日
能で有名な世阿弥の書
初心忘れるべからず
秘すれば花など記載されている
「初心」とは「始めた頃の気持ちや志」すなわち「初志」ではなく、「芸の未熟さ」、つまり「初心者の頃のみっともなさ」なのです。
初心者の頃のみっともなさ、未熟さを折にふれて思い出すことにより、「あのみじめな状態には戻りたくない」と...続きを読む
Posted by ブクログ 2016年03月29日
芸に生き、花を求めつづける世阿弥の姿。
ひとを写し取り、真似る能というもの。芸を志さねば、風の姿も、伝える花もいらない。芸とはそういうところにあるものだ。能について詳しくはないが、たくさんの芸術家がいた中で、彼だけがその本質を知りえていたに違いない。しかし、それをかつて達成したしたと思えるのは父、観...続きを読む
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