鹿島茂のレビュー一覧

  • セーラー服とエッフェル塔

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    フランス文学者の著者が、世のなかのさまざまな事象に関心を向け、考察をおこなった本です。

    内容そのものは歴史的な考証というべきなのでしょうが、日常的なあらゆる事象の背後にまなざしを注ぎ、その来歴をさぐろうとする著者のスタンスに瞠目させられることしきりです。雑多な内容があつかわれており、暇つぶしに気軽に手に取ることのできるエッセイではありますが、著者ならではのユーモアと格調が随所に感じられました。

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    2020年06月21日
  • 怪帝ナポレオン三世 第二帝政全史

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    三世というと、ルパン三世を思い出す。
    しかし、同じフランスが生んだこちらの三世は、とらえどころがない。

    学校の世界史を普通にさらっただけの知識では、叔父のナポレオンの威光で皇帝となり、普仏戦争で捕虜となった残念な皇帝、というイメージくらいか。
    もう少し詳しいと、今のパリの街並みを整備した人、という程度。
    当時、ヨーロッパ各国にいた”皇帝”像をもって捉えようとすると理解に苦しむ。
    かといって共和制寄りかというと、そうでもない。

    彼の時代を第二帝政と呼ぶが、”第二”と言っても実質ナポレオン三世の時代。
    彼だからこそあのような時代になったのだろう。
    帝政ではないが、その後のファシズムもシステム上

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    2020年04月19日
  • 吉本隆明1968

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    吉本隆明を読むためのブックガイドとして良いのではないか。自分の言葉で、自分の生活に引き付けて、エモーショナルに語ることは大切だと感じる。

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    2020年04月05日
  • 京都、パリ――この美しくもイケズな街

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    面白いとも言える。
    歴史そして雑学が読み手の中にあればもっと愉快に読めたのかも…
    注釈を読みながら時に吹き出したりして読み終えた。

    まっ 知識人同士の雑談 って感じがしないわけでもない…^ ^;

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    2019年04月30日
  • エマニュエル・トッドで読み解く世界史の深層

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    社会情勢や過去の事件などを、人口構成や家族構成、女性の識字率から類型化した主に4つのパターンから説明する。非常にシンプルで、納得感があり、魅力的な説。あまりに見事なので、反証を探さないと、と思う怖さがある。もう少し読み進めよう。
    著者のエマニュエル・トッドは、先輩から飲み会で教えて頂いた。酔うと忘れるのでメモってたが、案の定、次の日には忘れてた。メモは大事だ。

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    2019年01月31日
  • パリの秘密

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    趣のある本でした。ここまで詳しくないからほとんどの地名は分かりませんでしたが、時々歩いたことのある場所やその近くが出てきて風景を思い出しました。また近いうちにパリに行ってみようと思います。

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    2018年12月18日
  • 堀田善衞を読む 世界を知り抜くための羅針盤

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     堀田善衛という人は「インドで考えたこと」ぐらいしか知らなかった。「広場の孤独」「方丈記私記」「ゴヤ」「定家明月記私抄」「めぐりあいし人びと」など、脱走米兵を匿うベ平連の活動、南京虐殺事件への関心、ゴヤへの関心も反戦から…。ゴヤが描いた死が迫っていることへの恐怖に怯える眼をした犬の絵に関する解説は驚き。堀田がゴヤに惹き込まれていった原因はそこにあるという。「何万人ではない、一人ひとりが死んだのだ。この二つの数え方のあいだには、戦争と平和ほどの差がある。」との南京事件を取り上げた「時間」の文章も凄い!宮崎駿が映画にしたかった作品!堀田氏のキリスト教嫌いが想像できる一方で、「伝道者の書」の引用がた

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    2018年11月17日
  • 渋沢栄一 上 算盤篇

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    渋沢栄一の若かりし日のことは全然知らなかった。そこそこ裕福な百姓に生まれて、学問をして、尊皇攘夷にかぶれて、なりゆきで一橋慶喜の家来経由で幕臣となる。時代のせいではあるが、ここまででもけっこう波乱万丈。で、なんでこの本を鹿島茂が書いたかというと、ここで渋沢は、慶喜の弟がパリ万博への使節をするお供としてフランスへ渡るのだ。稼業をやっていた頃から商才はあった渋沢は、使節団の台所を仕切るうちにアテンドしてくれた銀行家や、万博そのものから影響を受ける。それが、そのときたまたまナポレオン3世時代のフランスを席巻していたサン・シモン主義だと。

    たしかマルクス主義者から空想的社会主義ってこきおろされていた

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    2018年11月05日
  • 京都、パリ――この美しくもイケズな街

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    鹿島先生が知的で学術的な方向に話を進めてるのに、下世話な方へ引っ張り続ける人が、、、鹿島先生の話は★5なんだけど、、、対談相手の人が下品すぎて無理でした。

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    2018年10月29日
  • SとM

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    文明史の視点からSMの成立を考察している本です。

    キリスト教の教父たちは北ヨーロッパに布教する際に、サクリファイス(供犠)をおこなうケルト人の信仰にあわせて、キリストの磔刑を利用しました。これは、ゴシック建築が北ヨーロッパの聖なる森の代用として作られたのと同様だと著者はいいます。こうして、キリスト教の宗教感情の中核に「苦悩」が位置づけられることになります。つまり、精神的・肉体的な苦しみを介さなければ神に近づくことができないということが、教義の根本とされるに至ったのです。

    ところが近代に入ると、こうした「苦悩する人間」に対する神の座を、人間自身が占めるようになります。サドの小説の登場は、「近

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    2018年03月18日
  • 悪の引用句辞典 マキアヴェリ、シェイクスピア、吉本隆明かく語りき

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    同じ言葉でも異なった並べ方をすると別種の思想が生まれるのと同様に、同じ思想であっても、それが異なった並べ方をされると、別の論旨がかたちづくられるものだからだ。  (パスカル 『パンセ』拙訳、飛鳥新社)

    じっくり待つことと、変わらないこと、この二つは我々の時代には負担なのだ。
    『精神の危機』 ポール・ヴァレリー

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    2017年09月20日
  • オール・アバウト・セックス

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     AV嬢に「なんでAVやってるの?」って聞くと「なんとなく」って言葉が返ってくる。この「なんとなく」をちゃんと言葉にできる人はあまりAVに出ないのかもしれない(P173参照)じゃあ、国立大出身の黒木香はどうだったんだ。言葉にできる数少ないAV嬢ってことなのかもしれん。

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    2017年08月11日
  • エマニュエル・トッドで読み解く世界史の深層

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    概略が分かる入門本

    エマニュエル・トッドとはこういうことを言ってる人なのか!ということは十分に分かりました。
    でももっと理解するには、熟読するか、図解などを添えてもらいながら書いてある本の方が良いのではないでしょうか!?

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    2017年07月23日
  • 渋沢栄一 上 算盤篇

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    ネタバレ

    みなさん、お久です。
    書評ブログ職人のBookmakerです。
    本日の書籍は、日本史を習った人なら、一度は聞いたことがあるだろう、「渋沢栄一 算盤編」である。

    日本史の先生といえば、一般的に経済オンチで渋沢の功績について正確に詳述できない方も多いだろう。ところが日経新聞なんかで経営者の座右の書に「渋沢栄一」を挙げている人が多い。したがって本書を読むことにした。

    まず著書は19世紀後半の明治時代に日本が資本主義化に成功したのは、渋沢の功績に尽きるところが多いという。

    マックス・ヴェーバーが考察したように、近代資本主義にはプロテスタンティズムの禁欲的なエートスが必要だという。

    日本では、渋

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    2016年07月18日
  • 吉本隆明1968

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     3月に、ニューヨークに20年ぶり?に行った際に、父の友人(日本人)宅に泊めてもらい、そこで発見した本著。元々吉本隆明の本をいくつか読み、ファンであったため、見つけた時に驚いたのだが、なぜ持っていたのだろう…
     本著は当時の時代背景を知らないと、理解が難しい。

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    2016年06月25日
  • 進みながら強くなる――欲望道徳論

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    個人個人の幸福追求が、ひいては社会全体の幸福につながっていく。そうなるような形の幸福を追求するための考える力とは、合意形成のあり方とは。ときどき首を傾げたくなる根拠に基づいた話もあったものの、興味深く読めました。

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    2015年08月02日
  • NHK「100分de名著」ブックス パスカル パンセ

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    『人間は考える葦である』で有名なパスカルのパンセ
    NHKの100分de名著のシリーズ本。
    なかなか深い論理展開がそこにはあって、
    それなりに、なるほどと納得というか、論理展開への
    驚きはあるのですが。。。
    やはり原本(当然訳本ですが)、もしくはもう少し詳しい
    内容の書籍をよまないとなんとなく消化不良。
    いつか読んでみようと思います。

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    2015年07月02日
  • 進みながら強くなる――欲望道徳論

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    「ところが、「理性が足りない!なんでもっと理性をくれなかったんだ!」と神様に文句を言う人はいない、というのです。」

    フランスに造詣が深い作者の本。この本のキーワードの1つは”ドーダ”であろう。誰もが他人に認められたいと思っている。どうだ、俺はすごいだろう。その思いが公共を富ませる。自己利益の追求こそ公益の拡大につながる。これはアダム・スミスの考え方と思うんだけど。本書ではそれをトクヴィル、デカルト、パンセから導く。

    本書ではプロテスタンティズムの禁欲が資本の蓄積に大いに役だった、とある。ウェーバーのプロ倫では、お金を稼ぐのは良いことだと言うプロテスタントの教えがプロテスタントの勤労を促した

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    2015年04月26日
  • オール・アバウト・セックス

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    雑誌に連載された性にまつわる本の書評を一冊にまとめる。多様なジャンルを網羅。ルネッサンス期において乳房は、男性の喜びのための小ぶりな上流階級の乳房と、子ども(雇い主の子どもを含む)を育てるための大きくて乳の出がいい下層階級の乳房の二種類が存在したとマリリン・ヤーロム『乳房論』(リブロポート→ちくま学芸文庫)の説を紹介。

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    2014年08月12日
  • 衝動買い日記

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    自分はまだ学生なので金銭的な余裕は社会人より少ないかもしれないが、それでも懐が普段より厚いときは衝動買いしてしまう気がある。それで失敗してしまったことも多数

    衝動買いは悪いことではないし、それで心が豊かになったり生活が楽しくなったり、あるいは掘り出し物が見つかることもあるかもしれないが、無駄な出費というのが増えてしまうのも確か。買わなきゃ良かった……なんて頭を抱えることも結構ある

    そういった悲喜こもごもも、他人の話であれば気楽に聞けるし面白い。そんな一冊

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    2014年07月31日