【感想・ネタバレ】悪の引用句辞典 マキアヴェリ、シェイクスピア、吉本隆明かく語りきのレビュー

あらすじ

古今東西の名句を集めた「引用句辞典」は、スピーチなどで実用的に役立つだけでなく、人間の知恵や真理、処世訓の宝庫でもある。本書ではマキアヴェリ、シェイクスピア、タレーラン、夏目漱石、吉本隆明ら69人、71の名句・名言を紹介。あわせて、政治・経済から少子化、いじめ問題に至るまで、近年の時事的な話題を切り口に、引用句を生かして社会の深層と人間の本性を見抜くコツを伝授する。

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Posted by ブクログ

”教養”の重要性を再認識できる。過去の名著からの引用から現代の世相を鋭く斬る、頭の体操に良い一冊。

辞典というよりコラム。毎日新聞の連載コラムをまためたものらしい。

過去の名著からの引用句を基に、現代の世相にグイグイと踏み込んでいく。教養があることがこれだけ世の中を見る目を養うのかという好例。感動すら覚える。

読書=人生に役立つ知識、というわけではないのだが、身に付いた教養が役立つのは、逆説的だが役立てようと思わずに身に付けたものだからこそなのだろう。

生活スタイルこそ大きく変われども、人の思考回路は大きくは変わらない。

教養を武器に世渡りをしていくこともできる、近年廃れ気味な教養の重要性を本書で再認識することができた。

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2020年10月03日

Posted by ブクログ

 孫引き引用しようにも、一つ一つの引用句が長すぎる。
 2013年 第二次安倍内閣発足当時に出た本だけに、懐かしい話題が多い。菅内閣といっても、菅義偉ではなく菅直人だし。
 イラストが酷い。最初はヘタウマかと思ったら、次第にヘタヘタと判った。技術の拙さをスクリーントーン処理で糊塗している。よって☆4つ。

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2020年10月03日

Posted by ブクログ

限りなく、5つに近いのですが、いくつかは、なんとなく自分と共感できない部分が感じられて(一冊の本が人生を変える?)その部分でちょっと-です。でもよい本がたっぷり挙げられていますので、いくつか読んでみたい本を見つけられました。とてもよいブックガイドです。

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2014年05月17日

Posted by ブクログ

手軽で面白かった!ただなんとなく著者の言説の自己矛盾がいろいろなところに出ているので半分ぐらいに読むとちょうどいいと思う。主に著者がいうところの自己中心的な人がマジョリティで生きている世の中で果たして利他的に生きることは可能か?というところだ。たいていの場合、仕方なく自己中心的に生きざるを得ないことになっていてそれが連鎖している。

いずれにせよ、諦めがつくまでがんばらせることを許すというのは非常に大切だ。

欧米人にとって言葉はすべて他人の言葉であり、人間のオリジナリティは言葉の運用部分にしかないという認識がある。

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2014年05月09日

Posted by ブクログ

フランスのバカロレアでは、引用がどれくらい効果的に行えるか、という能力が試される面もあるという。
引用重視は聖書読解からくる文化では、と。だからなのかわからないが、僕は名言集は好まない。
しかしこの本は、引用句辞典といいながらも、引用句を巧みに操って「ついでに」自分のイイタイコトを言う、というものである。しかも「悪の」。
いきなり「愛国心は悪党の最後の隠れ蓑だ(サミュエル・ジョンソン)」。アハハハハ。そして著者は「愛国心は悪党の最後の隠れ蓑だ、という言葉こそ悪党の最後の隠れ蓑だ」と。もう、悪党だらけだね。
夏目漱石の「現代日本の開化」から、「面倒くさい」と「楽しい」を「考える」で結ぶことを忘れると亡国へとつながっていく、と。おお、まさに亡国一直線だ…。

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2013年09月11日

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 p.208に「生涯の伴侶を選ぶときには好きなものが一致する人よりも嫌いなものが一致する人を選べ。」という一行が印象に残った。
 確かに我々は好きなものに目を向きがちなんじゃないかと思う。視点を変えて嫌いなものが一致する相手も選ぶのも悪くはないだろう。

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2014年05月04日

Posted by ブクログ

同じ言葉でも異なった並べ方をすると別種の思想が生まれるのと同様に、同じ思想であっても、それが異なった並べ方をされると、別の論旨がかたちづくられるものだからだ。  (パスカル 『パンセ』拙訳、飛鳥新社)

じっくり待つことと、変わらないこと、この二つは我々の時代には負担なのだ。
『精神の危機』 ポール・ヴァレリー

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2017年09月20日

Posted by ブクログ

「悪の」とついているのは、引用されているのが悪人という意味ではなく、「善は変数だが、悪は常数」という著者の理念によるらしい。

内容は、古典や論文の一節を引用し、それと現代社会とを照らし合わせた著者の考察が記述されている。約70の著者・作品が紹介されていて、それぞれについて概略がつかめるのも良い。またテーマが政治・経済・教育などに分類されていて、それぞれについて多用な視点も得られる。
毎日新聞の連載の書籍化ということで、特に政治について時事ネタが魅力を失っているのが残念。

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2014年03月30日

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