鹿島茂のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
「ところが、「理性が足りない!なんでもっと理性をくれなかったんだ!」と神様に文句を言う人はいない、というのです。」
フランスに造詣が深い作者の本。この本のキーワードの1つは”ドーダ”であろう。誰もが他人に認められたいと思っている。どうだ、俺はすごいだろう。その思いが公共を富ませる。自己利益の追求こそ公益の拡大につながる。これはアダム・スミスの考え方と思うんだけど。本書ではそれをトクヴィル、デカルト、パンセから導く。
本書ではプロテスタンティズムの禁欲が資本の蓄積に大いに役だった、とある。ウェーバーのプロ倫では、お金を稼ぐのは良いことだと言うプロテスタントの教えがプロテスタントの勤労を促した -
-
Posted by ブクログ
67点。吉本隆明の思想や論理はあまりに脆弱で隙だらけだとか、ポストモダン論者からみたら、スターリニズムを諸悪の根源とするのは古すぎ。とか言われたりしているが、ある世代の人たちからは絶大なる支持を集めているのも確か。
自分ら世代でぶっちゃけ吉本隆明ファンという人は聞いたことがない。
著者もそれくらいのことはわかっていて、60年から70年までの10年間に青春を送った世代でないとわからないだろうといっている。
そしてまた、吉本隆明の本質は『共同幻想論』などの主著ではなく初期の論文集に、現れているんだって。
本書はそんな青春時代がまさにドンピシャな著者が、当時どのように吉本隆明を経験したのかを振り返り -
Posted by ブクログ
ネタバレ[ 内容 ]
娼婦に肛門性交を強いて国を追い出された作家マルキ・ド・サド、被虐趣味に溢れた小説を書き一躍有名になったザッヘル・マゾッホ。
彼らの嗜好を基に命名された「サディスム」「マゾヒスム」が浸透したのは十九世紀だが、そもそも精神的・肉体的な苦痛を介して人が神に近づくキリスト教に、SM文化の源流はあったのだ。
鞭とイエスはどんな関係があるのか?
そして、SMが輸入されることもなく日本で独自の発展を遂げたのはなぜか?
縦横無尽に欲望を比較する画期的な文明論。
[ 目次 ]
第1章 そもそもSとは?Mとは?
第2章 SMって何?いつから発生した?
第3章 SMは、どのようにエスカレートしたのか -
Posted by ブクログ
高山宏先生はミックスの天才である。ここにまた一人ミックスの天才を見つけた。この本の著者、鹿島茂先生である。
「フロイトと見立て」という章がある。見立てとは、世の中に存在するあらゆるモノの中から、共通項を持つモノたちを集め、それらのミックスから新たなモノを生み出すことである。
フロイトが何を見立てたのかは、本を読んでいただくとして、ここで格言。
「見立てとは、大人と子どもを区別するものである。」
子ども時代とは世の中のあらゆるモノをインプットするべき時で、大人になればそれまでインプットしたモノたちから見立てをし、新たなモノを創造する。
よって、子どもはなにがなんでも学校で先生の話を聞き、勉強をす -
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
団塊世代を中心に多くの支持を獲得してきた吉本隆明。
独学によって自らを鍛え、比類なき思想を作り上げた彼の根底にある倫理観とはいかなるものだったのか-。
「永遠の吉本主義者」がその初期作品を再読、自らの「一九六八年」の意味を問い直し、吉本思想の核を捉えた著者渾身の評論。
吉本隆明はいかに「自立の思想」にたどり着いたか。
「私小説的評論」を通して、その軌跡をたどる。
[ 目次 ]
第1章 「反・反スタ思想家」としての吉本隆明
第2章 日本的な「転向」の本質
第3章 吉本にとってリアルだって芥川の死
第4章 高村光太郎への違和感
第5章 「了解不可能性」という壁
第6章 高村はなぜ戦