鹿島茂のレビュー一覧

  • 吉本隆明1968

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    ネタバレ

            -20090731

    「吉本隆明の偉さというのは、ある一つの世代、具体的にいうと1960年から1970年までの十年間に青春を送った世代でないと実感できないということだ」という団塊の世代の著者が、吉本隆明はいかに「自立の思想」にたどり着いたか、著者流の私小説的評論を通して、その軌跡をたどる。

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    2013年03月29日
  • [新版] 馬車が買いたい!

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    仏文学に全く無知なので、数々の小説の主人公を例にとって当時のパリの風俗を説明しているため内容の3分の2はよくわからなかったという残念な私(笑)でも当時の生活様式や住まいのことなどはとても興味深かった。それにしてもフランス人ってなんでこんなに恋愛至上主義なんだろう(笑)フランスに生まれなくってよかったよ。

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    2013年03月08日
  • 吉本隆明1968

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    67点。吉本隆明の思想や論理はあまりに脆弱で隙だらけだとか、ポストモダン論者からみたら、スターリニズムを諸悪の根源とするのは古すぎ。とか言われたりしているが、ある世代の人たちからは絶大なる支持を集めているのも確か。
    自分ら世代でぶっちゃけ吉本隆明ファンという人は聞いたことがない。
    著者もそれくらいのことはわかっていて、60年から70年までの10年間に青春を送った世代でないとわからないだろうといっている。
    そしてまた、吉本隆明の本質は『共同幻想論』などの主著ではなく初期の論文集に、現れているんだって。
    本書はそんな青春時代がまさにドンピシャな著者が、当時どのように吉本隆明を経験したのかを振り返り

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    2012年08月13日
  • 甦る昭和脇役名画館

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    いいですね、岸田森。子どものころは「帰ってきたウルトラマン」など、特撮作品での印象が強かったが、吸血鬼役を演じていたと知ったときはびっくりしました。

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    2012年01月21日
  • クロワッサンとベレー帽 ふらんすモノ語り

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    そうとう雑学。

    さらっと読めるが、非常に面白い。

    けど、最初の( i )章のとこだけでいいかも。

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    2011年11月08日
  • SとM

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    フランス文学研究者のSMについての文明論。軽い読み物のつもりで読んだら結構奥が深く考えさせられる部分もあった。とくにSとMは二元論ではないという部分や、理想のSはそんなに存在しないという部分はわかりやすくおもしろかった。

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    2011年11月03日
  • SとM

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    SとMについて、
    主にヨーロッパの歴史的背景から迫った本。

    ヨーロッパ史に疎い私にとってはけっこう苦痛だったが、
    そうでない人にとっては、興味深く読める本であると思う。

    この本を読んで、自分のことを多少なりともふり返ることができたのは収穫かなと。

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    2011年11月03日
  • 吉本隆明1968

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    全共闘世代の東大卒秀才による「吉本標本化」ですね。私は10年古い「吉本ファン」ですが、こういう風に切り取ると吉本が昆虫採取できますね。ある面、当たっているのですよ、東大卒ですから。内田樹さんと似たような対象の扱いで、ある切り口からうまく料理するんですね、この方達は。頑固として許さない、この道を独歩してゆくという壮絶さが彼らにはないのです。お呼びがかかればどんな場所でも、どんな外題でも上手にこなす。芸達者だけだ、とも言えそうな気がします。

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    2011年08月24日
  • SとM

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    ネタバレ

    [ 内容 ]
    娼婦に肛門性交を強いて国を追い出された作家マルキ・ド・サド、被虐趣味に溢れた小説を書き一躍有名になったザッヘル・マゾッホ。
    彼らの嗜好を基に命名された「サディスム」「マゾヒスム」が浸透したのは十九世紀だが、そもそも精神的・肉体的な苦痛を介して人が神に近づくキリスト教に、SM文化の源流はあったのだ。
    鞭とイエスはどんな関係があるのか?
    そして、SMが輸入されることもなく日本で独自の発展を遂げたのはなぜか?
    縦横無尽に欲望を比較する画期的な文明論。

    [ 目次 ]
    第1章 そもそもSとは?Mとは?
    第2章 SMって何?いつから発生した?
    第3章 SMは、どのようにエスカレートしたのか

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    2011年06月05日
  • セーラー服とエッフェル塔

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    高山宏先生はミックスの天才である。ここにまた一人ミックスの天才を見つけた。この本の著者、鹿島茂先生である。
    「フロイトと見立て」という章がある。見立てとは、世の中に存在するあらゆるモノの中から、共通項を持つモノたちを集め、それらのミックスから新たなモノを生み出すことである。
    フロイトが何を見立てたのかは、本を読んでいただくとして、ここで格言。
    「見立てとは、大人と子どもを区別するものである。」
    子ども時代とは世の中のあらゆるモノをインプットするべき時で、大人になればそれまでインプットしたモノたちから見立てをし、新たなモノを創造する。
    よって、子どもはなにがなんでも学校で先生の話を聞き、勉強をす

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    2011年05月29日
  • 吉本隆明1968

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    [ 内容 ]
    団塊世代を中心に多くの支持を獲得してきた吉本隆明。
    独学によって自らを鍛え、比類なき思想を作り上げた彼の根底にある倫理観とはいかなるものだったのか-。
    「永遠の吉本主義者」がその初期作品を再読、自らの「一九六八年」の意味を問い直し、吉本思想の核を捉えた著者渾身の評論。
    吉本隆明はいかに「自立の思想」にたどり着いたか。
    「私小説的評論」を通して、その軌跡をたどる。

    [ 目次 ]
    第1章 「反・反スタ思想家」としての吉本隆明
    第2章 日本的な「転向」の本質
    第3章 吉本にとってリアルだって芥川の死
    第4章 高村光太郎への違和感
    第5章 「了解不可能性」という壁
    第6章 高村はなぜ戦

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    2011年05月28日
  • SとM

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    人間には、生きるための本能があると同時に死に向かう本能があると、フロイトは言う。
    あまりに苦しく、あまりに怖いと、脳がそれを緩和するためにドーパミンを放出することが実際にある。例えばそれはマラソンしたときのランナーズハイなど。

    苦しくなればなるほどそれが快感に近づく。このことは現実でもよく起きている気がする。

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    2011年09月01日
  • 勝つための論文の書き方

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    去年だかいつかに一度、そして今回含めて二度読みました。
    論文作成の参考のためと言えど、新書を二度読むというのはかなり稀なことです。
    この鹿島茂さんというのは共立女子大の教授で、僕は丸谷才一さんの『思考のレッスン』の解説をしていたのが縁で知りました。
    丸谷さん同様、仮説というのを非常に重要視していて、とにかく「論文といえども読む気が削がれるようなものは良くない」という姿勢を強くお持ちのようです。
    そういう姿勢の著者ですから、当然この本も読みやすく、そしてわかりやすい。
    そして好感も持てる。
    だから僕はこうして二度も読んだわけです。
    しかしいざ実際に論文に活かそうとすると、これが思いのほか難しい。

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    2010年08月02日
  • モンマルトル風俗事典

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    いやはや。
    盛り場ってのはやはり、人をひきつけるものですな。

    オイラも夜の歌舞伎町が大好きでして。フツーの人が平和に酔っ払ってたり、仕事の終わったキャバ嬢を癒すホストのお兄さんたちがたむろってタバコ吸ってたり、紹介所のおじさん達が公園の猫にエサあげてたり、たまにどこへ行くでもなく歩いているコワモテは実は私服警官じゃないかと思ったり。

    いろんな人が集まる。一般世間では「ちょっと道を外れている」「下層」と思われる人の集まりに、一番人間の生々しさと真実を感じます。正直さ、といったらいいのかなあ。

    キライな人が多いカラスが好きなオイラにとって、このような「生きている」人々ってのは引き寄せられます

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    2010年07月23日
  • 勝つための論文の書き方

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    ・考えるためには、まず問題を立てることができなければならない。
    ・論文は必ず問いから始まらなければいけません。そして、それの答えをこれこれこういう理由だから、こうなんだとはっきり証明するかたちで結論へと導く、これが論文というものです。ですから問いのない論文というのは存在しない。
    ・論文でも・生活の中の思考でも、自分で問いを発見しない限り、なにものもスタートしないということです。
    ・未知に対する問いがなければ論文でない。
    ・よい論文とは「?」で始まり、「!」で終わる。
    「第2回講義 問題の立て方」
    ・独創的と呼ばれている論文を分類してみると、意外なことですが、それは基本的に2種類しかないというこ

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    2010年05月05日
  • SとM

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    SMをSがMを暴力的に支配する関係だと思ったら大間違い、キリスト教の由来から説き明かすのはいいけれど、比較文化論にありがちな割り切りすぎがあちこち(そうか?)とひっかかるところあり。

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    2010年01月31日
  • 勝つための論文の書き方

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    観点:勝てる論文とは何か?+それが備えるべき性質とは何か?


    タイトルの勝つためには不要

    →日常生活、ビジネスで生かすという意味でかかれているからか?

    コーパスについて、資料について有益な示唆がある。

    p.173 ウォーラーステインが第2章で~の部分が唐突。

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    2009年11月27日
  • オール・アバウト・セックス

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    1998年から 2001年にかけて文藝春秋に掲載された「エロ関係」の書評をまとめたもの。エロ関係と言ってもいわゆる男性向けポルノ小説が扱われてる回はごく少数で、性が持つ様々な側面を微妙に撫でつ抉りつする小説、エッセイ、ノンフィクションと多岐に渡るラインナップで現代性風俗を網羅的にカバーしているところがなによりの魅力だ。

    こういうテーマは、テーマ自身に内在する後めたさもあって、闇から闇、時代から時代へと葬り去られてしまうものかと思っていたのだが、様々な性風俗の様相がこれほどまでに「出版」されていたというのは意外だった。もっとも、紹介されている本のほとんどは現在では絶版か品切れで手に入り難くなっ

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    2009年10月07日
  • オール・アバウト・セックス

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    性の深さを考えさせられる本。ここで紹介されている本を集めようとした友人もいた。ぼくも少しは集めて読んだ。今度文庫化されたが、解説が今一だったので買うのはやめた。

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    2009年10月07日
  • 空気げんこつ

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    世の中に蔓延る無礼者(?)たちへの文字による鉄槌。
    読んだのが中学2年生の頃だったので、難しく感じましたが、「つまらない。」とは、思いませんでした。
    今読み返したら、皮肉が良く分かるかも知れません。

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    2009年10月04日