あらすじ
いつか教養を身につけたい。事業に成功したい。そう願っていても、「準備ができてから」と、万事を先延ばしにしていると人生はすぐに終りが来てしまう。では、どうしたらいいのか? 学問でもビジネスでも、パフォーマンスを上げるために完全な準備が整うのを待つのではなく、むしろ未経験の分野への挑戦は見切り発車で始めるからこそ力がつくのだ、と著者は説く。自己利益と自己愛を冷静に見つめ、欲望から道徳を創るための「進みながら強くなる」方法を公開。 【目次】はじめに/第一章 死ぬまで上昇カーブで力をつける/第二章 正しく考える方法/第三章 日本人の道徳意識が意味するもの/第四章 日本人に必要な新しい道徳とは何か?/第五章 幸福のカギを握るシンプルな原理
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Posted by ブクログ
小さく損して大きく得する。自分がこうすれば無駄がなくて最高の得を得れるというのは、別の視点から見れば最高の得を得れていないことがある。
何事もいきすぎた完璧主義はいかん。
Posted by ブクログ
鹿島さんのこれまでに伝えてきた「ドーダ」という人間社会における起動力の重要な自己認知欲求の話を絡めながら、社会の変化にあわせた“新しい日本の道徳”の必要性を紹介、提案している本。一人ひとりが「正しく理解された利益」を自分の頭で考えられるようになることが大切と説いている。すなわち「自分だけの得」という短絡的でなく、少し譲って他人の得も残すことで、「自分の得」が得られるという社会契約の考え方が、今後の道徳の基底に求められているという考え方の紹介をしている。
最終章では、グローバル資本主義の弊害を緩和する方策として、金持ちの「ドーダ」心をいかす「寄付の金額番付の発表」を提唱しているが、実現したらよいグッドアイデアであると思った。
Posted by ブクログ
個人個人の幸福追求が、ひいては社会全体の幸福につながっていく。そうなるような形の幸福を追求するための考える力とは、合意形成のあり方とは。ときどき首を傾げたくなる根拠に基づいた話もあったものの、興味深く読めました。
Posted by ブクログ
「ところが、「理性が足りない!なんでもっと理性をくれなかったんだ!」と神様に文句を言う人はいない、というのです。」
フランスに造詣が深い作者の本。この本のキーワードの1つは”ドーダ”であろう。誰もが他人に認められたいと思っている。どうだ、俺はすごいだろう。その思いが公共を富ませる。自己利益の追求こそ公益の拡大につながる。これはアダム・スミスの考え方と思うんだけど。本書ではそれをトクヴィル、デカルト、パンセから導く。
本書ではプロテスタンティズムの禁欲が資本の蓄積に大いに役だった、とある。ウェーバーのプロ倫では、お金を稼ぐのは良いことだと言うプロテスタントの教えがプロテスタントの勤労を促した、と説かれている。それは著者の言う陰ドーダなのか?”禁欲している私ってすごい”という発想のもとプロテスタントが勤労な生活をしていたとは思えない。教えに従っていただけなのでは?それとも”そんな教えに従っている私ってやっぱりすごい”と思っていた、と思っているのだろうか。
表紙裏に書いてある内容はこの本の主ではない。