鹿島茂のレビュー一覧

  • ドーダの人、森鴎外 踊る明治文学史

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     冒頭「軟ドーダの元祖・成島柳北」、漢文読み下しのような引用文に辟易する。「置き字」なんて久々に復習した。
     続く「外ドーダでい続けた坪内逍遥」からは引用文もわかりやすくなった。
     そこから後の森鴎外編、引き倒される独裁者の銅像の如く、私の中で鴎外神話がガラガラと崩壊した。
     副題「踊る明治文学史」には「踊る森鴎外」という含みがあったのか。実際、踊り上手だったようだし。
     ドラマ『獅子のごとく』、劇画『秋の舞姫』、小説『タイムスリップ森鴎外』でつちかわれたストイックな文豪のイメージは今いずこ……。

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    2020年10月18日
  • NHK「100分de名著」ブックス パスカル パンセ

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    『パンセ』本文を読む前にウォームアップ。

    人生いかに暇潰すかってことが主眼の一つになっている。
    自分はその一つが読書で、それは好奇心に突き動かされていると思っている。

    しかしパスカルによれば、好奇心は虚栄心である。僕は虚栄心に突き動かされて読書しているのか・・・?
    完全に違うと言い切れないところに、自分への懐疑心が芽生える。

    レオナルド・ダ・ヴィンチは好奇心による犠牲者の一人だが、パスカルに言わせれば彼は虚栄心の奴隷だったのだろうか?
    そうは思えないけどなー。

    その他いくつか気になった点を以下にまとめる。

    ・「人は精神が豊かになるにつれて自分の周りに独創的な人間がより多くいることに気

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    2020年08月26日
  • NHK「100分de名著」ブックス ユゴー ノートル=ダム・ド・パリ 大聖堂物語

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    原作未読、ミュージカル、アニメ鑑賞済。
    わかりやすく細かな解説。一気に読んだ。
    時代背景も感じられたし次は原作に挑戦したい。

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    2020年05月28日
  • NHK「100分de名著」ブックス ユゴー ノートル=ダム・ド・パリ 大聖堂物語

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    鹿島先生の魂のこもった解説が秀逸。ところどころでうなり、時に笑いながら読み進めた。特に、以下のポイントが印象的。

    ・ビクトル・ユゴーの生まれ育ち、そのキャラ
    ・本作品の書かれた時代背景(POSTナポレオン)
    ・フロロが、要するに、身勝手なストーカーである、
     が、フロロ側にも事情がある
     (=東海林まさお、どーだ理論=自己認知欲望)
    ・カジモドもフロロもオタクの元祖
    ・エスメラルダは、マス消費される、現代のタレントのようなもの
    ・ノートルダムドパリの歴史的な意味合い

    [引き続き読みたいもの]
    ・パンセ
    ・鹿島茂
    ・フランスの歴史(フランス革命前後、ナポレオン3世まで)
    ・魔女狩り

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    2020年05月24日
  • 日本が生んだ偉大なる経営イノベーター 小林一三

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    東宝という会社はもちろん知っていたが、その成り立ちは全く知らなかった。
    小林一三はスゴイ!初めてちゃんと知ったわ。
    こんなにすごい実業家が日本にいたのかと舌を巻いた。
    しかも経営者としての才覚を発揮していくのは、サラリーマン時代の後だ。
    三井銀行で15年間を勤務したというのだから、退職したときは30代も後半。
    それまで普通のサラリーマンをしていた人が、どうしてここまでのカリスマ経営者になれたのか?
    しかも三井銀行勤務時代も決して優秀な社員ではなかったのだ。
    全国の支店がきちんと働いているかを探る内偵係。
    調査部という名前だが、社員からは嫌われる閑職だ。
    そんな身分だから、社内でも味方は少なかっ

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    2020年04月04日
  • 渋沢栄一 下 論語篇

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    上巻、下巻と読み進めるうちに、渋沢栄一という人物ににどんどん引き込まれた。
    究極の平等、客観的感覚。それなのに、人間味溢れるバランス感。
    日本が誇るべき偉大な人物なことが、著者のマニアックな程の描写で、面白く知ることができた。

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    2020年02月03日
  • NHK「100分de名著」ブックス パスカル パンセ

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    人間は考える葦である、という有名な言葉を残したパスカルについて、含蓄ある彼の他の言葉が紹介されていました。以下、心に残った部分です。


    「暇は人間を腐らせる」
    無為ほどつらいものはないという言葉はとても心に残りました。


    「人間はどんな職業だろうと生まれつきあらゆる職業に向いている。」「向いてないのは部屋の中にじっとしていることだけだ。」最初は向いていないと思った職業でも続けているうちにいつしか向いていると感じ始めることがある、という話は興味深かったです。


    「自然は私たちを不幸にする。たとえ快楽に到達しても幸福にはならない。私たちはその新しい状態にふさわしい別の願望を持つに至るから

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    2020年02月03日
  • 悪の引用句辞典 マキアヴェリ、シェイクスピア、吉本隆明かく語りき

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    ”教養”の重要性を再認識できる。過去の名著からの引用から現代の世相を鋭く斬る、頭の体操に良い一冊。

    辞典というよりコラム。毎日新聞の連載コラムをまためたものらしい。

    過去の名著からの引用句を基に、現代の世相にグイグイと踏み込んでいく。教養があることがこれだけ世の中を見る目を養うのかという好例。感動すら覚える。

    読書=人生に役立つ知識、というわけではないのだが、身に付いた教養が役立つのは、逆説的だが役立てようと思わずに身に付けたものだからこそなのだろう。

    生活スタイルこそ大きく変われども、人の思考回路は大きくは変わらない。

    教養を武器に世渡りをしていくこともできる、近年廃れ気味な教養の

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    2020年10月03日
  • SとM

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     なぜ「ですます」調なのかと思ったら、語り下ろしなのだった。
    「あらゆる対人関係は畢竟SMではないか」
    「罪の文化と恥の文化は、そのまま彼我のSM観と照応している」
     上記二つは以前から私の考えていたこと。
     フランス文学や文化を知悉し、下情にも通じた鹿島先生ならではの視点で、その考えが補強された。メルシー。

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    2019年11月05日
  • 渋沢栄一 下 論語篇

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    上巻から続き、晩年の渋沢栄一の業績から、明治時代に出合った元勲たちに対する渋沢による評価や人間渋沢栄一に迫る一冊です。渋沢の女性関係から子供たちに接する様子などあらゆることが著されているので、本書を読めば渋沢栄一の大体のことは分かると思います。派手な業績を打ち立てた様子を著した上巻よりは、地味には感じましたが、良い評伝だと思います。

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    2019年10月17日
  • 渋沢栄一 上 算盤篇

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    渋沢栄一が一万円札の肖像画になるというので読んでみましたが、明治という日本の大転換期に日本の経済界にもたらしたその業績の大きさには目を見張るばかりです。上巻を読むだけで、銀行、鉄道、海運、保険、製紙など多くの株式会社を作りあげています。本書の序盤では、渋沢の幼年時代と、フランスに渡って「サンシモン主義」を学んで帰る部分が著されていますが、当時のフランスに関しての説明は少々回りくどい感じを受けました。勉強にはなりましたが。終盤になるとある程度経済に関しての説明が多くなるので、経済の基礎的な知識は持っていないと読むのは少々しんどいかもしれません。個人的にはとても勉強になった一冊でした。

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    2019年09月26日
  • NHK「100分de名著」ブックス パスカル パンセ

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    番組を観て面白かったので読んだ本。著者の著作の中で初めて読んだ本。パスカルの名言や印象に残る言葉がたくさん掲載されていて面白かった。この本を読んで「パンセ」と「パスカル パンセ抄」が読みたくなった。45ページの無為は人を不幸にするというところと64ページの名声についての話、113ページの賭けについての話が特に印象に残った。名言が好きな人に薦めたくなる本。

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    2019年07月16日
  • [新版] 馬車が買いたい!

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    あの作品の登場人物たちが生きた時代が良く分かり、彼らが血肉を持ったヒトとして感じられるようになる。バルザックやフローベールなどを読む際にはぜひ隣に置いておきたい良書。

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    2019年06月21日
  • 日本が生んだ偉大なる経営イノベーター 小林一三

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    序章 小林の「人口増に乗った経営」を切り口にするのが、本書の独自性なそうな。私の常識が問題なだけですが、ここまで広範囲に携わっていたとはおどろきでした。
    P43 三井銀行の三井社長 頭取じゃないの?
    P56 小林24歳、恋人こう16歳
    P108 宝塚少女歌劇団 「少女にしたわけ」で、自分は16歳の恋人とゴタついておきながら……と思ったのでした。
    P154 阪急、阪神の争い。球団で存続したのは、阪神でしたけど。一文字での略称で阪神=神なのは、せめてもの名残?
    P171 鉄道時代になって、地の利がなくなった 鉄道史を知ると、何もなかったので鉄道が敷けたのがわかります。地下鉄は除きますけど。
    P20

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    2019年04月02日
  • ナポレオン フーシェ タレーラン 情念戦争1789-1815

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    フランスの思想家フーリエが言う、高位の洗練的四情念。
    その内の三つをそれぞれ体現した三人。ナポレオンの熱狂情念。
    フーシェの陰謀情念。タレーランの移り気情念。
    フランス革命からワーテルロー会戦までを生きた三人の生涯と
    情念の有様を探っていく。
    情念とは、パッション。
    昨日の友は今日の敵、陰謀大好きフーシェ。
    金と女が大好きだけど外交官としては凄腕のタレーラン。
    俺様一番~~とばかりに突っ走るナポレオン。
    この三人がある時は迎合し、ある時は離反する、心理戦。
    それがナポレオン時代を築き上げたという、時代の妙。
    なるほど、この三人の行動を探り、辿っていくと、
    フランス革命から帝政へ、そして王政復古

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    2019年02月06日
  • セーラー服とエッフェル塔

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    普段から何にフェチやエロを感じるかはっきりと意識にのぼらないのは、それらが本能に近いところにある感覚だからかもしれない。ひとが好物を夢中で食べているとき、その好物たる理由をいちいち考えないのと同じように。
    でも鹿島先生は理由を追求する。実証できないが仮説として考える。ひるがえって、自分が日常において多くの現象に対して思考停止状態にあることを省みる。

    ちなみに私は、日本における緊縛SMプレイは江戸期の拷問が起源だと思います。公儀による正式な取り調べのスタイルそのものが、現代でいう制服やスーツなどのフォーマルな装いにどこかで共通し、ある種のフェチズムを喚起しているのではないかと?

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    2018年10月28日
  • 怪帝ナポレオン三世 第二帝政全史

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    まあなんという振り幅の激しい人であったことか!
    あるときは慎重過ぎ、あるときは大胆過ぎ。
    どちらの場合も、成功と失敗があった。
    社会保障の先駆けやインフラの整備、パリの大改造等の
    功績は」素晴らしいけれど、同等にとんでもない事も多し。
    最後は捕虜になり、英国で余生を過ごす・・・あぁ怪帝!
    産業革命、旧新入り混じった政治情勢・・・加速する歴史に
    振り回されながらも、フランス最後の皇帝となった男の
    生涯を詳細に綴っている。
    女性関係もすごいもんだ!
    画像と不随する説明が多く、長文でもわかりやすい。
    なんといってもこの一冊で歴史とその当時の情勢がわかる。
    鹿島先生の渾身の一冊ですね♪

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    2017年10月14日
  • エマニュエル・トッドで読み解く世界史の深層

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    ネットで見かけて。

    いろいろと考え方が面白かった。
    エマニュエル・トッドがもともと人口統計から出発した学者で、数字が全てで数字に語らせようとしたところから始まったとか。
    人類が多産多死型社会から少産少子型社会、厳密に言うと少死化がはじまり少産化が起きる、その要因は識字率、とくに女性の識字率のアップであることとか。
    知識蓄積の要が母親の教育機能がであり、親の権威が強い直系家族では財産を相続する長男の嫁の地位が高く教育熱心だとか。
    成人男性の識字率が50%を超えた時点で社会変革や革命がが起きる条件が整い、若年層の人口増加が家族内の分裂ひいては国家レベルでの革命的状況を発生させるとか。

    とくにヨ

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    2017年07月08日
  • NHK「100分de名著」ブックス パスカル パンセ

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    東海林さだおが提唱し、鹿島茂が発展させた「ドーダ理論」というのがあるらしいと知った。人の行動・発言はすべて「ドーダ、俺ってすごいだろ」と言うためのものなのだという、身も蓋もない理論のことだそうだ。

    SNSをやっていると、書いていても読んでいてもふとしたときに「それ自慢じゃん!」「自慢なのか…?」「自慢に見えてしまうだろうか?」などと自慢センサーが反応することがよくある、のではないでしょうか。SNSに限らず、プロの作家さんの書くような文章でもそういうことはあるし、逆に「こんな大層な内容を書いていても自慢たらしく感じさせないのはなぜなんだろう?」と感服することもたびたびあります。

    そんなところ

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    2016年10月13日
  • SとM

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    「SMをキリスト教との関わりから、文明史的に考察したもの」 で、SMの実践的指南書でも、SM業界のインサイドレポートでもありませんが、スリリングでとても面白かったです。実際は、鹿島茂が語り、木村俊介がリライトしたものです。

    『SMとは、「想像力」 を核とした 「関係性」 であり、二人の想像力によって規定されている。』 というのは納得できます。私はMと間違われやすいですが、典型的なS、サービス満点のSです。

    最近は、自己愛型のSMが跋扈している。SMは、キリスト教が絶対的なものでなくなったときに生まれた。信者は自己処罰の果てに、絶対的な神、理想のSとまじわる幻想を抱く。すべての文化は、最終

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    2016年02月25日