鹿島茂のレビュー一覧
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2020年6月、約3カ月間の営業自粛期間を経て、宝塚歌劇団が営業再開を発表したとき、「やはり自前の劇場を持ってるところは強い」と思った。大劇場や東京宝塚劇場公演はまだしも、全国ツアーや他の会場で実施予定だった公演さえも、梅田芸術劇場を使って、中止にせずに実現させてしまう頼もしさ。販売できる座席数が半分でも、上演できる箱を持っているところは強い。配信やライブビューイング、自前のテレビ放送、そして計算できる顧客の数。演劇業界が先が見通せない中、ある程度の収支計画を立てて実行に移しているんだろうなということが感じられる。「遠大な計画には一等地を買っておけ」この本の終盤、新宿コマ建設時のエピソードを
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Posted by ブクログ
「今度、パリに行くんだ」と友人・知人に言いまくったことがある。
20代後半の編集事務所勤務時代、2回目の海外出張がパリだった。
語学の才能ゼロなので当然のようにフランス語は出来ないが、石畳
に感動し、パリジャンを気取ってカフェでクロワッサンとカフェ・
オ・レの朝食を摂った。
仕事自体が夜遅くまでかかったので、実際には時差ボケと睡眠不足で
ボーっとした頭でカフェの椅子に座っていたのだが、西園寺公望や
東久邇宮稔彦もこの辺りを歩いたのかなぁなどと考えた。
明治時代から第二次世界大戦前までにパリに留学した日本人が、そこ
でどのような生活を送っていたかの足跡を追ったのが本書だ。 -
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フランスの革命期から帝政を経て王政復古、百日天下以降へ至るまでを、“皇帝”ナポレオン、“天才外交官”タレーラン、“フランス全土にスパイ網を張り巡らせた警察長官”フーシェの絡みで描いた本。
フランスの哲学者、フーリエの唱えた人間の持つ感情の諸要素(情念)のうち、“熱狂”“移り気”“陰謀”をこの3人に当てはめて、その絡みを解説していきます。
タレーランの“移り気”はいまいちピンと来なかったものの、ナポレオンの“熱狂”、フーシェの“陰謀”は正にその通りだと思いました。
この時期のフランスがとても面白く、分かりやすく感じ、同時に知的好奇心も刺激されて「ナポレオンがなぜ戦争に強かったのか?」や「タレーラ -
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著者の主力武器であるフランス第二帝政下万国博覧会に
渋沢栄一のパリ留学がとびこんできたことを掴んで
その面から明治維新の一面を照らす評伝
渋沢栄一の明治における活躍はサンシモン主義の影響下にあるという論証と
評伝としての構成が
かなりながめの連載作品ということもあってとりちらかっており
著者いつもの決めつけを隠さない書きぶりとか
小説風だったりする挿話場面を挟んでみたりだとか
いろいろ適当で繰り返しも多いが
そこが歴史読み物として魅力でもあるし評伝として欠点でもある
タレーランやナポレオン三世を描いたように
この作品も渋沢栄一を中心とした日本経済近代化物語としたほうが
まだまとまったと思うけれ -
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ネタバレブレーズ・パスカルは17世紀のフランスの数学者であり、哲学者です。パスカルの定理や、パスカルの原理といった自然科学分野でも大きな足跡を残すと同時に、「人間は考える葦である」といった有名な言葉でも知られています。
仏文学者の鹿島茂は、パスカルの哲学者としての思想のエッセンスをわかりやすく抽出しています。人間の考えるという行為が人間の尊厳の中心にある、と主張するパスカルの思考の背景を、彼のキリスト教への信仰から辿っています。
他にも、パスカルの言葉が随所に散りばめられています。
「人間のあらゆる不幸はたった一つのことから来ているという事実を発見してしまった。人は部屋の中にじっとしたままではい -
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『英国マザーグース物語』を再読したので
『やる夫が鉄血宰相になるようです』を再読し
『やる夫で学ぶ第一次世界大戦』を再読しつつこれも再読する
ナポレオン三世はあんまり好きになれないが
フランツ・ヨーゼフ1世はいいよね
ヴィルヘルム1世もいいよね
ビィクトリア女王もいいし
ヴィルムヘルム2世も人間味があるね
ナポレオン三世はフランス近代化に功績があったことは間違いないし
イタリア戦争も普仏戦争もナポレオン三世でなかったからと言って
結果が変わったかどうかはわからないから
もっと評価されていいのはわかるが
嫌われるのもわからないでもない
2013/2/22
ナポレオン三世=フランス第二帝政
とす