鹿島茂のレビュー一覧
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お札の肖像画にも決まり、大河ドラマも始まった、日本資本主義の父・渋沢栄一の評伝。文庫だけどかなり分厚い。算盤偏(上)では、幼少期から幕末を経て、明治20年ぐらいまでを追っています。波乱万丈の時期だけに渋沢栄一の若き人生を辿るだけでも面白いのだが、本書は単なる伝記ではなく、本人に著者やら種々の資料から渋沢栄一の思想や人物像とその時代背景を追っているので、本書を読むと、近代の社会経済の発展、歴史について同時に学ぶことができる。特に本書では、幕末のパリ万博において渋沢栄一が出会ったサン・シモン主義なるものがに影響を与えたという視点が大きく解説されています。幕末日本というと、日本を中心に描かれることが
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フランスの哲学者にして数学者のパスカルの「死後、書類の中から発見された、宗教およびその他の若干の主題に、関するパスカル氏のパンセ(思索)」所謂「パンセ」のエッセンスを簡潔にまとめ、またその「パンセ」に関わるという物語によって、現代の問題に上手に当てはめて、より理解を促進してくれる体裁を調えている。
それにしてもこの「パンセ」が、キリスト教護教論のためのものであっても、その人間の真理を冷徹に見透し、未定稿という体裁であったが、書き上げられ、時代を生き抜いた名著となり、現代人の悩みの根底にも通じていることをまじまじと思い知らされた。
「人間のあらゆる不幸のたった一つのことから来ているという事実を発 -
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2020/11/21 15:05
楠木健さんがその著書で勧められていたので興味があって、近く読んでみたいなと思っていた本だったが、まぁ偉大な人たちには共通してなのか、この小林さんは人口増加があって、でもそれを活かしきれない人が数多いる中で活かし切ったところに凄さがあるんだろうな。
それにしても、電鉄から始まって、不動産、電力、宝塚、阪急ブレーブス、そして政治家にもなって、東宝…
一に洞察力、そして実行力に決断力。
人情的なところも、やっぱりすごくあって、奥さんに娘さん、長男もそうだしな、部下にも上司にも本当に人間臭いというか。
あの松岡修造も、縁があったんだな。次男の次男のそのまた次男が彼 -
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2020年6月、約3カ月間の営業自粛期間を経て、宝塚歌劇団が営業再開を発表したとき、「やはり自前の劇場を持ってるところは強い」と思った。大劇場や東京宝塚劇場公演はまだしも、全国ツアーや他の会場で実施予定だった公演さえも、梅田芸術劇場を使って、中止にせずに実現させてしまう頼もしさ。販売できる座席数が半分でも、上演できる箱を持っているところは強い。配信やライブビューイング、自前のテレビ放送、そして計算できる顧客の数。演劇業界が先が見通せない中、ある程度の収支計画を立てて実行に移しているんだろうなということが感じられる。「遠大な計画には一等地を買っておけ」この本の終盤、新宿コマ建設時のエピソードを
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「今度、パリに行くんだ」と友人・知人に言いまくったことがある。
20代後半の編集事務所勤務時代、2回目の海外出張がパリだった。
語学の才能ゼロなので当然のようにフランス語は出来ないが、石畳
に感動し、パリジャンを気取ってカフェでクロワッサンとカフェ・
オ・レの朝食を摂った。
仕事自体が夜遅くまでかかったので、実際には時差ボケと睡眠不足で
ボーっとした頭でカフェの椅子に座っていたのだが、西園寺公望や
東久邇宮稔彦もこの辺りを歩いたのかなぁなどと考えた。
明治時代から第二次世界大戦前までにパリに留学した日本人が、そこ
でどのような生活を送っていたかの足跡を追ったのが本書だ。 -
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フランスの革命期から帝政を経て王政復古、百日天下以降へ至るまでを、“皇帝”ナポレオン、“天才外交官”タレーラン、“フランス全土にスパイ網を張り巡らせた警察長官”フーシェの絡みで描いた本。
フランスの哲学者、フーリエの唱えた人間の持つ感情の諸要素(情念)のうち、“熱狂”“移り気”“陰謀”をこの3人に当てはめて、その絡みを解説していきます。
タレーランの“移り気”はいまいちピンと来なかったものの、ナポレオンの“熱狂”、フーシェの“陰謀”は正にその通りだと思いました。
この時期のフランスがとても面白く、分かりやすく感じ、同時に知的好奇心も刺激されて「ナポレオンがなぜ戦争に強かったのか?」や「タレーラ