鹿島茂のレビュー一覧
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悪の箴言からさらに理解を深めたくて読んだ!
かなり易しく読み解いていく感じで、誰が読んでも何かしら刺さる部分がありそうな本だった。
からこそやや物足りなさはあるかもだけど、フランス哲学初心者の私にとってはかなりありがたかった!
より幸福を追い求めるから人間は不幸なんだって、仏教に傾倒してた私にとってはすごく受け入れ難い考え方だなと思いつつ、妙に納得することがあった
満ち足りているって信じることは幸せだけど、そのために抑え込もうとしてきた嫉妬とか欲望とか羨望とかは向上心の源だったのかもって最近気がついて、まさにパスカルが言っていることに近い気がする
もっと色々読んで理解を深めたくなった
あと最後の解説がめちゃくちゃ良い
デカルトや現代的な考え方とパスカルを比較していてかなりわかりやすくコンパクトにまとめてあった
世界というものに対する謙虚さと諦観を持っていたパスカルに対し、なんでも合理的に解明できるという現代的な考え方はある種傲慢だって、個人的には首肯せざるを得ないなという気持ち -
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神田神保町は、徒歩圏内というわけではないが通っていた大学から比較的近かったこともあり、学生時代よく行っていた。
就職で東京を離れた後は、コロナ禍の2020年を除き月1回、東京へ出てきていたが、神保町に立ち寄る時間はなく、しばらくの間、足が遠のいていた。
一昨年、十数年ぶりに東京へ戻り、再び神保町へ足を運ぶようになったが、学生時代と大きく変わっていて驚いた。当時よく行っていた古書店や喫茶店の「エリカ」は既に閉店、三省堂は建て替えのため取り壊され、書泉グランデも当時と様変わりしていた。東京堂は健在だが店内風景が当時と大きく変わっている(しかしブックカバーの掛け方は当時のままで安心した)。
そんなこんなで、東京堂の店頭でたまたま見つけたため買ってみた。神保町の歴史について、街だけでなく個々の書店について(芳賀書店も含め)詳細に書かれている。
読むのに時間はかかるが、神保町好き本好きには必読の書だろう。 -
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乱世の世をいかに生ききるか。
平成の世、堀田善衛(ほったよしえ)はあまり読まれなかった。けれども一周回って、今こそ読まれるべき時代になっているのではないだろうか。
池澤夏樹、吉岡忍、鹿島茂、大高保二郎、宮崎駿という現代の知識人が、如何に堀田善衛に惚れ影響を受けてきたか語り尽くした新書である。これは、富山県の高志の国文学館の特別展の図録になっている。絶妙の堀田善衛入門にもなっていた。
堀田善衛の青春時代に親交があったのは、池澤夏樹の父親たちマチネ・ポエティックという詩人グループであり、その関係からその前半生を語っている。昭和の初めから戦後間も無い頃の文学を語る上で、堀田は幅広い親交があり、かつそれを意味つけるだけの思想を持っていたという。その意味で『若き日の詩人たちの肖像』『時間』は重要らしい。
70年代ベ平連に参加していた頃の証言として吉岡忍の以下の言葉は貴重です。
「人間の徹底した激烈さが噴出し、世の中がぐらりと変わる、その歴史の舞台が乱世です。(略)(ゴヤやモンテニュー)を書いた時も、堀田さんにはヨーロッパを書いたというつもりなど全然なくて、人は乱世をどのように生き得るか、ただそれだけを考えて書いたんだと思いますね」。
『定家明月記私抄』はいつか読みたい。
鹿島茂は堀田善衛の文学を「あらゆる可能性を列挙したうえで、収斂はするけれども中心は求めない」「わかりにくい「非決定」あるいは「未決定」こそが、人間の叡智だと言いたかったんでしょう」と述べる。
実は堀田善衛は「ゴヤ」を書いていた時に日本にいたし、「定家明月記私抄」を書いていた時にはスペインにいた。「外側」にいるからこそ、見えるものがあったのだろう。ゴヤの資料収集でスペイン旅を手伝った若き日の研究者大高保次郎は、堀田の眼差しには二種あって、一つは庶民の側から権力を見る、一つは日本を外側から見つめること。だと言っている。私もそうありたい。
宮崎駿に対して堀田善衛から「『方丈記私記』を映画化しないか」という提案があったらしい。これは初めて知った。宮崎駿は躊躇したらしい。これは2008年の講演をもとにしているので、その後作られた「風立ちぬ」(2013)を、私は「天上大風」の額が出てきただけでなく、最初の大地震の場面だけでなく、これは「方丈記」だと思った直感は、正しく当たっていたということが判明した。
現代は乱世だろうか。
かつてない性格の大統領が次々に誕生し、昔ではありえない戦争が起き、昔の経済原則は通用しなくなり、そして大災害が迫っている。乱世から大乱に移る前夜のようだ。この本が出た2018年よりは確実に乱世のアベレージは高くなっていると思える。いよいよ堀田善衛を読まなくてはならない。
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ネタバレ彼が"ナポレオン"を背負って生まれなければどうなっていたのだろうか?
彼にとって家名、というより叔父の名は人生を縛り続ける鎖であり、生きる目標や誇り(こだわり?)ともなり、世に出る際には大きな助けともなった。人生の最後までも晩年の叔父の敗北と再起をなぞろうとするかのようにも見える。"ナポレオン"ではない彼を想像できないほど人生と家名が一体化している。こういった人物は珍しいのではないだろうか?
名家の出や、有能な父祖と同じ職業に就いている人達なら彼の生い立ちや人生について私とは違った気持ち、実感でこの物語を読むのだろうか。
本書は国内外の研究書や資料を参考に、一般向けの物語にまとめた一種のレビューである。
学術文庫では著者の研究成果を基幹にし、それらの補強や背景説明として既往研究を盛り込んで解説するものが多いので、本書のように著者の研究成果がほぼ入っていないレビューだけの内容は珍しいと感じた。
レビューとは言っても、史料から文言を直接引用している部分以外は引用箇所は明示されていないし、文章も物語調のやわらかいものなので、構えることなく気軽に読み進めることができる。ただし、文中の記載に引用が無い分だけ厳密性はちょっと怪しい。
副題の『第二帝政全史』は伊達ではなく、ナポレオン三世統治時の政治、経済のドラスティックな変化が詳しく書かれている。主題のナポレオン三世よりこっちの方が本編かと思うくらいだった。
最初のプロローグは著者の語りなのだが、この部分の癖が強く、『マルクスを読んでいる中年以上のインテリ』という文言や、 "(それらと同年代ながら)一段高いところにいるオレ"という感じの書き方に「コレは好きになれない。本編は大丈夫か?」と心配になりながら読み始めた。
幸い、ルイ=ナポレオン(後のナポレオン三世)の出生から始まる本編には著者の過剰な自我は出ておらず、文章も軽快で読みやすかった。本書は600ページを超える大著だが、この軽快で生き生きとした文体と、連載ゆえの1〜2ページごとにまとまった文章でスイスイと読み進めることが出来た。
また、この手の本としては珍しく、写真や図が非常に豊富(2〜3ページに1つは載っているのではないか)なので 文字情報だけでなく視覚的にも事件、出来事の様子や人物の表情を補完できる良いデザインになっていたと思う。
また、著者のクセを除けばプロローグで述べられている内容は興味深く、多くの人が抱いているであろうナポレオン三世のイメージが形作られた経緯が手短に、しかし上手くまとめられている。
ナポレオン三世は、当初はイメージ通りの甘やかされた軟弱な少年だったが、家庭教師がつくことで生活が一変する。家庭教師によって肉体的・精神的にも鍛え上げられていく様や、反体制的な活動へと身を投じる様、青年期を通して自らの意思で学んでいく姿勢はイメージとは全く違う自主性や強い意志、活発さを感じた。
・・・ただ、その後は40近くまで何の実績もあげず(2度の反乱は業績と呼ぶには中身がお粗末過ぎる)、2度の反乱での逮捕・追放歴有り、女癖も良くない。と、理想だけ高いダメなおっさんで、そのくせ莫大な遺産を自分のためとはいえ短期間で使い切ってしまうのは「コイツ、本当に大丈夫か?やっぱりイメージ通りのロクでなしなんじゃ?」と思わせ、評価が難しい。
ナポレオン三世は64歳で亡くなっているのだが、80ページ付近まででうだつが上がらないまま人生のほぼ2/3が描かれてしまう。史料が無いのか、よほど書くことが無かったのか。
しかし、ここからは時間経過が一変し、長い雌伏の期間を経て、フランス大統領へと躍り出ていく場面がはじまる。第二帝政期の前夜である。物語はここから数日ごとに情勢が変化する濃密なドキュメンタリーへと変貌する。
この大統領就任からクーデターを経て皇帝へと即位する4年間は、80ページもかけて描かれる濃密さだけでなく、ギリギリの綱渡りが何度もあるスリラーでもある。
過去のクーデターでの不手際がウソのように、優れた感覚をもって他の有力政治家に先んじていく様や、大統領在任期間中の妨害にも使える手札を活かしてじっくり民衆の支持を獲得・維持していく(妨害を正面突破するアクロバティックな英雄譚ではなく、じっくり(ねっとりかも)機を見るというのがナポレオン"3世"らしいと思える)など、「幽閉されている間に別人と入れ替わっているんじゃないか?」と思わせるような優れた手腕を発揮している。このあたりはまるで「40過ぎまで無職のおっさん、覚醒した結果 並み居る名士を圧倒し、民衆に推されて4年でフランス皇帝になりました」とかいう出来の悪いラノベのタイトルになりそうな活躍である。
皇帝即位後の行動を見ても、これまでのイメージだった「運や知名度だけ」では片付けられない成果を上げていると思った。労働者階級への社会福祉政策を打ち出し、旧態依然とした金融、経済の分野にも新しい流れを持ち込んでいる。フランスの近代化のためにイメージを持ってパリ市の大規模な改造も行っている。
若くしてサン=シモン主義に触れ、その後も深く学んだこととそれらをじっくりと熟考する時間があったこと、イギリスでの生活が長く、その優れた部分を肌で感じ学ぶとともに、外からフランスを見ていたことが良い方向へ作用したのだろうか。
この第二帝政期の部分では、ナポレオン三世そっちのけで当時の社会の様子を詳細に描いているので、ぼんやりと「ずいぶん長く混乱が続くな」という印象だったフランスの共和制 - 帝政の行ったり来たりの時期に、世界史の知識以上の肉付けをしてくれ、歴史の動きを身近に感じることができた。
図が多く差し込まれているのが本書の特徴的な部分であり良いところであるが、「地図が欲しかったな」と思うところが何カ所かあった。
パリ改造の部分では土地勘が無いとどう変わったかがわかりにくいし、現在の地図では旧市街の雑然とした状態がわからない。見開きで新旧の市街地の地図があれば、どこの話をしているかがよくわかるのになと思った。
また、最後の普仏戦争に関しても簡略な地図が欲しかったと思う。この戦いは第二帝政とナポレオン三世のクライマックスなので、文章だけではわかりにくいお粗末な軍事行動を地図も合わせて描いて欲しかった。
自由帝政期の様子からナポレオン三世は終身の、現代の大統領制のような権力構造を目指していたのだろうか。ナポレオン三世は政治、特に権謀術数にはめっぽう強い。しかしそれだけではなく、民衆のためになる行動ならば政府が不利になる場合でも舵を切ることができる。平時の首脳としては優秀だったのではないか。
一方で、戦争には本当に弱い。戦略面でも無能気味で、実戦を経験しているのにそれが有効にフィードバックされていない。兵站面への理解も浅い(ナポレオン一世は戦術面だけでなく兵站にもかなり気を配っていたようだ)。軍事に関しては有能なブレーンがいなかったのだろうか。イタリア統一戦争で活躍したマクマオンは普仏戦争まで何をしていたのだろうか。
そう思う一方で、ナポレオン一世以降のフランスは大国然とはしているけれども戦争では噛ませ犬的な存在なので、ナポレオン三世だけが悪いわけではなくフランス軍や国内の構造的な問題があるのかもしれないとも思った。単純に相手(プロイセン・ドイツ)が悪いのかもしれない。
また、軍隊に費用をかけなかったことが経済に吉と出ていた可能性もあるとも思った。強力な軍隊は維持費だけでなく多様な人材をも奪っていく。戦争ともなればそれら優秀な人材を完全に消耗してしまうこともある。軍隊が弱体だったからこそ人的なリソースを社会・経済分野に割けた可能性もある。
女癖に関しては「もうちょっとなんとかならなかったのかなぁ」と思ってしまう。世に出る前に作った人脈は非常に強力なものがいくつもあるので、ソコは否定できないが、晩年の醜態の原因になっているのは明らかなので「中年以降に去勢してれば・・」と思ってしまう。終盤の描写をみるとセックス依存症だったのではとも思えるので、『肉の欲望に苦しめられた男』が文字通りの意味だったのならば気の毒でもある。 -
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「幸福とは何か」
暇になると、人間は不幸になる。なぜなら生きている意味を否定されるから。忙しい方がまだマシ。忙しいから、気晴らしができる。気晴らしこそ人生。
地位が上がると、真実から遠ざけられていく。なぜなら、耳触りが良くて口当たりがいいことしか言わない部下がまわりに集まってくるから。
真実は人を傷つけるから、たいていの人は「真実という薬」をくれた人にひそかな恨みを抱くようになる。
→職場で上司の悪口がよく出るが、ほとんど改善されることがないのがいい例。実際言えないし、言った所でその人との関係性が悪くなり自分が不利になるってことが殆どだから。この「上司」を自分に当てはめると、非常に怖い。自分の欠点に気づかず、周りには裏で言われながらも「自分はうまくやっている」と思いながら過ごし、死んでいくのか。まぁそれも悪くはないが…自分で自分の真実に気づくのは非常に難しい。
↑この諸悪の根源は「自己愛」である。自己愛があるから、自分の欠点や自分が弱くて醜い人間であるという事実を、自分と他人の目に触れないように覆い隠そうとして全力を尽くす。それを人から指摘されるのもいやだし、人に見破られることも我慢できない。自己愛を満たすものは、他者からの尊敬である。他者から「すごい!」と思われたいという願望は、人間の心の最も消しがたい性質なのである。
「人間というものは、どれほど悲しみで1杯でも、なにか気晴らしになるようなことに引き込まれたら、そのあいだは幸せになれるのだ。」逆に、気晴らしがないと、人間は悲しみに落ちていく。
「人間とは考える葦である」
→人間は葦と同じような弱い存在である。自然の力には全く叶わないし、力も弱く、すぐ傷つく。そして全員必ず死ぬ。宇宙から見たら、塵同然の存在であり、人間など、認識すらせずに消し飛ばすことができる。
要するに、人間というのは悲惨な存在である。
その一方で、人間は偉大な存在である。
なぜなら、考えることができるからだ。宇宙や自然は、人間よりもはるかに強大な力をもっている。しかし、考えることはなく只そこに在るだけだ。しかし、人間は「自分は吹けば飛ぶようなちっぽけな存在だ」と、自分のことを認知できる。それは、人間に許された「考える」という、偉大な行為である。「考える」ことこそが、人間を人間たらしめる。また一方で、考えるからこそ人間は悲惨なのである。
私たちがどれほど考えても、この世界、この宇宙のすべてを知り尽くすことはできない。それでも、考え続けなければならない。未完成であることが考え続ける唯一の契機になっている。 -
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人類学者エマニュエル・トッドの理論を著者がわかりやすく解説した本。4つの家族類型(直系家族、絶対核家族、共同体家族、平等主義核家族)をベースに各国の特徴を分析する。それに加えて、識字率と出生率もポイントとなる。それによると、男性の識字率が50%を超えると社会変革の気運が生まれ、女性の識字率が50%を超えると出生率が下がり、社会が安定すると考えられる。トッドは女性の識字率向上から「テイク・オフ」と呼び、その地域、社会は近代化し、暴力性は失われたと推定する。
以上がトッドの理論の基本的事項だが、本書はこれらをもとに、今世紀における日本および世界の動向を読み解く。なかでも興味深いのが、今後の対中、対露対策である。これらはいずれも(外婚制)共同体家族で、政治体制としては共産主義、一党独裁資本主義である。これをふまえると、中国は中央集権体制が崩壊した場合、地方軍閥が台頭して、内戦状態に陥る可能性がある。それを防ぐためにも、日本は中国共産党を支持したほうが国益になるのだという。ロシアも同様で、現状はプーチンによる独裁政治で社会が比較的安定しているが、仮にプーチンが倒れた場合、ソ連崩壊時のように社会が混乱すると考えられる。 -
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「パリのパサージュ」という題名であるが、普通の人にとっては、では、「パサージュ」って何?ということになるはずだ。
それについて、筆者は「まえがきに代えて」の中に下記のように記している。
【引用】
ところで、パサージュを日本人に説明するときには、「まあ、日本のアーケード商店街のようなものですね」と言うのだが、そう言ってから、「いや、本当はまったくちがうものなんですが」と言い直したくなる。しかし、その実、具体的にどこがどうちがうのかを具体的に語るのは案外むずかしい。形態的にはよく似ているからである。
ただ、形態的には同じでも、パサージュはパサージュで、アーケードの商店街はアーケードの商店街なのである。
では、パサージュとアーケードの商店街との本質的なちがいとはなんなのだろう。
思うに、それは、パサージュには、バルザックやフロベールの生きた十九世紀という「時代」がそのまま封じ込められている点にある。
【引用終わり】
筆者がこの本を書いた時点では、パリには19のパサージュが残っていた。それらは、すべてセーヌ川の右岸、すなわち、オペラ座側に位置している。
本書は、その19のパサージュについての紹介が中心となっている本だ。カラーのものを含めて、写真が多く掲載されているが、それを見れば、日本のアーケード商店街とは異なることが一目で分かる。パサージュとアーケード商店街の違いというよりは、パリと日本の違いである。
パリには何度か行ったことがあるが、パサージュを訪れたことはない。この本をもっと昔に読んでいたら、是非、訪ねただろうのにと思ってしまう。 -
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小林さんの人柄や功績、戦前戦中戦後の日本社会(経済、娯楽、政治など)の状況が具体的に知れる有意義な本でした。
自分の持ち駒の強み弱みを正確に把握し、社会の情勢と予測される変化を踏まえて、慎重でありつつ勇敢に目的達成に突き進む人。
住む環境や娯楽を豊かにすることを通して社会の豊かさや発展を着実に実現してきた人。
戦時中の政府においても、国家による統制ではなく民間の自由な活動が経済を強くするという主張を曲げなかった人。
どの年代にこのようなパーソナリティーの土台が築かれたのか興味深い。慶應在学中か、銀行マン時代なのだろうか。
また、小林さんが本格的に事業家として活躍し始めたのが40歳手前くらいからという事実も、自分もまだまだこれからという希望をもらえる。
明治のビジネスマンは今の人より転職するハードルが低そうであることとか、GHQは日本を統治するために一時期共産主義を利用しようとしていたことなど、勉強になった。