鹿島茂のレビュー一覧

  • 悪の引用句辞典 マキアヴェリ、シェイクスピア、吉本隆明かく語りき

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     p.208に「生涯の伴侶を選ぶときには好きなものが一致する人よりも嫌いなものが一致する人を選べ。」という一行が印象に残った。
     確かに我々は好きなものに目を向きがちなんじゃないかと思う。視点を変えて嫌いなものが一致する相手も選ぶのも悪くはないだろう。

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    2014年05月04日
  • 渋沢栄一 下 論語篇

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    渋沢サイコー もうどうにでもしてと言わんばかりの愛情あふれる渋沢栄一論。著者の渋沢溺愛ぶりを抜きにしても、あらゆる角度からよく調べてあるみたいだし、まあ他にはないであろう渋沢伝として価値は高い一冊ではないかと。

    中でもやっぱりすごいや渋沢と思ったのは、一見偽善とも見られがちな社会福祉事業を手掛ける理由。福祉事業を手掛けることが巡りめぐって社会の全体最適を促すという論理を軸に、その意思を押し通すところ。偽善とは対極の利他主義。

    渋沢栄一は、自分が何のために生まれてきたのかを本当によくわかっていた。それってすごいことだと思うのです。

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    2013年08月30日
  • 渋沢栄一 上 算盤篇

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    資本主義の本質を見抜いた渋沢栄一の ルーツを探るドキュメンタリー。
    サンシモンと報奨システム。
    小さな資本を集めて大きな資本を動かすシステムを作り上げた。
    卓越した経営者ではなくプランナー。
    小説にしてもらえたらなおよし。

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    2013年08月29日
  • 渋沢栄一 上 算盤篇

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    言わずと知れた「資本主義の父」渋沢栄一だが、よく考えてみると「資本主義の父」と呼ばれてること以外に渋沢栄一のことなんも知らねーと気づきました。

    鹿島茂の「渋沢栄一」がいいという風の噂もあって前々から欲しかったけど、ハードカバー二冊は金銭的にキツい。が期せずして文庫化。

    やや強引な論理展開なところもなくはないが、渋沢栄一の頭の良さがわかりやすく伝わってくる。総じて面白い。

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    2013年08月25日
  • 勝つための論文の書き方

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    卒論を考えねば、と思い積本の山から引っ張り出した。まず、卒論のテーマを考える前に読んでおいてよかった。「問い」の重要性や、論の進め方を認識。論文だけじゃなく、これからの人生にも応用しようという内容も良かった。日頃のプレゼンで心がけていることが、そのまま論文にも使えるのね。

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    2013年05月05日
  • NHK「100分de名著」ブックス パスカル パンセ

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    「人間は考える葦である」のみしか知らない凡人にとって、その前後を知り、天才パスカルに少し近づける気がする入門書。あの若さで、いちいちそうそうと思わせる人間観察と思考回路にただただ敬服するしかない。

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    2013年04月30日
  • 勝つための論文の書き方

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    著者の二十五年間にわたり、文章と考え方の指導をしてきた経験から導き出されているので説得力がある。思っていた論文の本とは違っただけに良かった。論文も仕事も、勝利をつかむための極意は「問い」を立てることにというのは参考になった。「カフェと喫茶店の違い」「牛丼と宅急便の関係」「司馬遼太郎と山田風太郎」などの例を挙げて思考のレッスンを展開するので読んでいて面白い。再読したい。

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    2012年12月15日
  • 勝つための論文の書き方

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    何に勝つための論文なのか。
    まあ世間に認められる論文というのが、一般的にはよい論文でしょう。
    もしくは自分の書きたいこと、主張したいことを他人に伝わるようにどうまとめあげるか、という意味での「勝つ」か。

    意外にも読み物として面白い。
    実践的かつコミカルに論文の書き方を指南している。
    息詰まると読んでみて、自分の文章を推敲してみる。

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    2012年12月08日
  • 蕩尽王、パリをゆく―薩摩治郎八伝―

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    面白そうなタイトルだな…と思ったら「馬車が買いたい」「明日は舞踏会」の鹿島茂さんの本だったので、手に取りました。

    それにしてもまあ、昔の紳士たちは格好良かったのですね…。生活することが仕事、という恵まれた人々は、そう多くはありませんが、薩摩治郎八という人は、まさに生きることが芸術であり、仕事であった。勤勉に働いて、慎ましく暮らすことの幸せは、我が身に似合うものと思っていますが、読むだけなら、自分と全く違う人生を歩いた人のことを知りたいと思います。

    無理に真似したり憧れすぎる必要もないけど、すごい人がいたんだなあって、感嘆するばかり。夢のようなお話の中にある、ひやりとするなにかに触れられたら

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    2024年07月10日
  • 勝つための論文の書き方

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    『ぎりぎり合格のための論文マニュアル』が論文の体裁と構成についてのマニュアルであると位置付ければ、この『勝つための論文の書き方』は論文の要となる問いの立て方と論の進め方について解説したものである。こちらは論文だけではなく、生活の様々な側面で活用できる一冊だ。
    論文の良し悪しは問いの立て方によって決まる。しかし、問いをどのように見つけ、どんな風に構成するかというのはとても難しい。問いから答えに至る途は事前には全く不明確であるからだ。しかし、この本に書いてあるようなアプローチの段取りを踏めば、必ずやいい問いに辿り着けるだろう。そのアプローチとはとても簡単であり、ここに書いてしまうとネタバレなので、

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    2012年11月04日
  • 吉本隆明1968

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    ・今年吉本隆明が亡くなった時、一度はその著書に目を通してみたいと思っていたが、ようやくその機会に巡り合うことができた。と言っても、本書は鹿島茂著である。吉本隆明その人の文章はあまりに難解なためとても理解できるものではないと思い、多少なりとも馴染みのある鹿島茂を通して、その世界の一端を垣間見ようと思った。
    ・本書もやはりなかなか難解で理解に苦しむ箇所も非常に多かったが、それは彼ら団塊の世代(鹿島茂)やその親の世代(吉本隆明)の生きてきた社会的背景が、僕の生きている時代とあまりに異なるからとある種の割り切りをもって読み進めることで、何とか克服した。
    ・鹿島茂(また彼という人間を通した吉本隆明)が言

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    2012年10月29日
  • 怪帝ナポレオン三世 第二帝政全史

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    ネタバレ

    偉大な皇帝ナポレオンの凡庸な甥が、陰謀とクー・デタで権力を握った、間抜けな皇帝=ナポレオン三世。しかしこの紋切り型では、この摩訶不思議な人物の全貌は掴みきれない。近現代史の分水嶺は、ナポレオン三世と第二帝政にある。「博覧会的」なるものが、産業資本主義へと発展し、パリ改造が美しき都を生み出したのだ。謎多き皇帝の圧巻の大評伝。

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    2012年10月24日
  • 吉本隆明1968

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    先日吉本隆明が他界したときに、ちょっと前に本書を古本屋で購入していたことを思い出し、引っ張り出して読んだ。
    「吉本隆明」という名はよく目にもするし耳にもするのだけれど、一体何をやったから「巨人」などと形容されるのだろう、というちょっとした好奇心があるだけだった。本書はそれに十分とは言えないまでも応えてくれた部分はあった。
    著者の鹿島氏の問題意識、というかこの本を書くそもそものはじまりが「なぜ我々の世代が吉本隆明を支持したか」というところなので、その点が興味深くて読んだ。

    前半部分の「転向」に関する箇所、そして芥川龍之介や高村光太郎の分析についての解説はとても興味深く読めた。とりわけ芥川・高村

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    2012年08月06日
  • 吉本隆明1968

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    本書を手に取ったのは単なる偶然だった。2011年12月末をもって東梅田の旭屋書店が閉店するというので、とりあえず目に付いた書物を買い漁ったのだが、そのなかに本書は含まれていた。なぜ目に付いたのかというと、おそらく現代思想を語る上で吉本隆明は避けて通れないのだろうが、『共同幻想論』で早々に降参した僕には負い目というのがあり、著者もおなじみの鹿島茂なので、いっちょ読んでみるかと考えたように思う。そうこうしているうちに、とうの吉本隆明が鬼籍に入られて、これもなにかの運命かと思い、いろいろ悩みを抱えていた折なので、注意深く読むことになった。人間のサガとして楽な方に流れるのは否めない。ときに考え方ときた

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    2012年07月23日
  • 勝つための論文の書き方

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    文章かくの苦手です。
    もちろん「論文」なんて。
    という人におススメの1冊。大学生(特に卒論書く前の人)に読んで欲しいです!

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    2011年10月22日
  • 勝つための論文の書き方

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    実践的な知識を得ようと思って手に取った本だが、もっと基本の思考の方法から書かれていて非常に参考になった。

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    2011年08月16日
  • 勝つための論文の書き方

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    ネタバレ

    [ 内容 ]
    二十五年間にわたり、文章と考え方の指導をしてきた教授による徹底指南。
    論文も仕事も、勝利をつかむための極意は問いを立てることにありとして、「カフェと喫茶店の違い」「牛丼と宅急便の関係」「司馬遼太郎と山田風太郎」など奇想天外な例証を次々に挙げつつ思考のレッスンを展開する。
    点のとれる論文、会議に通る企画書、銀行をウンと言わせるプレゼンテーション案を書きたい諸氏は必読。

    [ 目次 ]
    第1回講義 日常生活と論文(どうせなら、日常生活に応用のきく論文の書き方はないものだろうか;自分の頭で考えることの楽しさ ほか)
    第2回講義 問題の立て方(論文指導とは問題の立て方を教えること;良い問

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    2011年04月17日
  • パリの秘密

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     先日、神戸オリエンタルホテルのカレー復活のドキュメンタリーを観た。阪神大震災以来途絶えていた伝説の絶品カレーを、15年ぶりに甦らせた料理人の執念の物語であった。苦心惨憺の末探しあてた、独特のコク・深み・旨味の決め手は「注ぎ足し」だった。
     有名おでん店の秘伝と全くおなじで、何十年と注ぎ足しながら使い続けられた汁とルーが、食通をうならせる味の秘密なのだ。
     『パリの秘密』と題するこの一冊。連綿と続く西洋文化の坩堝であり煮込み鍋である花の都パリの魅力を、絶妙な文で綴っている。書き手は自他共に認める日本一の読書家、鹿島茂さんだ。

     鹿島さんは「遊歩者(フラヌール)」というものを生んだ世界最

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    2011年02月27日
  • セーラー服とエッフェル塔

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    むっちゃ面白いです。あたりまえにみんなが受けとめてることの謎を追及したエッセイ集なり。
    最近、鹿島茂さんの著作にハマってます。
    スタンスがすごくいい。

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    2011年01月05日
  • 怪帝ナポレオン三世 第二帝政全史

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    ネタバレ

    全600ページに上る長い評伝だが、飽きさせない。文学者の鹿島氏が書いており、左翼史観に偏らず、産業皇帝として、フランスの近代制度の礎を築いた人物として、ナポレオン3世を正当に評価しようとしている所が勉強になる。なかでも、オスマンによるパリ改造、ペレール兄弟のクレディ・モヴィリエ(投資ファンド)、鉄道敷設、ロスチャイルドとの抗争、皇帝の発案による労働者慰労施設の建設や、労働者の集会を擁護する法律、関税クー・デタによる産業の育成、高級娼婦の暮らし、デパートの発展などはたいへん興味深い。モルリー公・ペルシニーを中心とした権力奪取の様相も面白い。ナポレオン3世は96%という大変高い得票で、「民主的」に

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    2014年10月17日