鹿島茂のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
パリが愛した娼婦に続き、鹿島先生の本。
日本と海外のSMの違いについて、その発祥について、などなど盛りだくさんの本でした。すっごい面白かった!
時々「それはちょっと飛躍しすぎでは…」って思う部分もあるんだけど、この人の場合はこういうこと考えるのが楽しくてしょうがなくて、ぶっとんじゃったんだろうなって思えるw
Mの女の子が嫌いなのは「粗暴で自己中なだけの自称S」とか、普段私が言ってるのそのまんまじゃん!って思いながら読んでました。
多分この人、自分の中に女でMな部分が多くあるんだと思う。
特に西洋のSM文化は「家畜文化」から来てるっていうのはすごい納得した。拘束具も革だし、鞭だもんね。
日 -
Posted by ブクログ
ネタバレフランス革命からナポレオンの没落までの大役者、ナポレオン、フーシェ、タレーランの三人と、彼らを突き動かした情念に焦点を当てた歴史読み物。
といっても歴史的資料というよりももっと気軽な内容。何といっても連載元は週刊プレイボーイだ。堅苦しい話は一切無く、軽妙な語り口でぐいぐい引っ張ってくれた。そこそこ分厚い文庫だが、気がつけば怒濤の30年を一気に駆け抜ける。
それもそのはず、読み物としてこれだけ読みやすいのは、着眼点がぶれていないからだ。分かっちゃいるけどやめられないを地で突き進む三人が、周りを巻き込みつつ、互いに相手を誤解し利用して一つの時代が作り上げられていく。その過程は、あの時代の人間たち -
Posted by ブクログ
この人は、すごいなぁ。突き詰めますね。
SMに関して、歴史・文化的考察をしているのだが、ここまで徹底して考察されると、本人は否定しているが、ある意味「変態さん」とよいのではないだろうか(これは、鹿島氏に対しては褒め言葉になる?)?
この人の書く本はとっても読みやすく、ばかばかしく、教養深く、変態チックである。
なので、僕は好きだ。
ちなみに変態は迷惑さえかけなければ悪ではないからね。
この本の面白いところは、「健全な!?」SMを解説し、現代の世俗的に受け入れられているSMの一般的見解を、「間違ってる!」と断罪している点である。
この本を読むまでは、僕も断罪される側の一員であったわけだ -
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明治・大正のパリに暮らした日本人、 西園寺公望、原敬、成島柳北など11人。書きぶりは、鹿島茂にしてはちょっと素っ気なく感じられる。
たとえば獅子文六。1922年から3年間パリに暮らしたが、この頃のことはよくわかっていない。パリで知り合ったマリー・ショウミイと結婚したが、その経緯も知られていない。本人がその頃のことを多く語っていないし、それを題材にした作品もほとんど書いていないからだ。
その少ないなかに、『達磨町七番地』という短篇がある。この題名から、住んでいたのはアルマ橋近くだとされてきた。しかし、その界隈はホテルやアパートのある地区ではない。鹿島は推理する、もしかして音の似たユルム街(rue -
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●2025年6月17日、5/8に吉祥寺・外口書店で買った「デパートを発明した夫婦」を含む3冊にふせんやブックカバーをつけて、ふとこの本のレビューを過去の分から読み返してたら、このまえタモリステーションでデパ地下特集を熱心に見てたのを思い出した。そして、デパートに関する本をもっと知りたいと思ってチャットGPTに相談したらこの本をすすめられた。
チャットGPT:
『デパートの誕生』(鹿島茂/講談社学 術文庫)
内容:『デバートを発明した夫婦』に加筆·改稿し、「パリ小事典」など資料が充実。19世紀パリでの都市改造や鉄道整備の背景も含め、ボン·マルシェが近代消費文化をどう創った かを包括的に解説して -
Posted by ブクログ
悪の箴言からさらに理解を深めたくて読んだ!
かなり易しく読み解いていく感じで、誰が読んでも何かしら刺さる部分がありそうな本だった。
からこそやや物足りなさはあるかもだけど、フランス哲学初心者の私にとってはかなりありがたかった!
より幸福を追い求めるから人間は不幸なんだって、仏教に傾倒してた私にとってはすごく受け入れ難い考え方だなと思いつつ、妙に納得することがあった
満ち足りているって信じることは幸せだけど、そのために抑え込もうとしてきた嫉妬とか欲望とか羨望とかは向上心の源だったのかもって最近気がついて、まさにパスカルが言っていることに近い気がする
もっと色々読んで理解を深めたくなった
あ -
Posted by ブクログ
神田神保町は、徒歩圏内というわけではないが通っていた大学から比較的近かったこともあり、学生時代よく行っていた。
就職で東京を離れた後は、コロナ禍の2020年を除き月1回、東京へ出てきていたが、神保町に立ち寄る時間はなく、しばらくの間、足が遠のいていた。
一昨年、十数年ぶりに東京へ戻り、再び神保町へ足を運ぶようになったが、学生時代と大きく変わっていて驚いた。当時よく行っていた古書店や喫茶店の「エリカ」は既に閉店、三省堂は建て替えのため取り壊され、書泉グランデも当時と様変わりしていた。東京堂は健在だが店内風景が当時と大きく変わっている(しかしブックカバーの掛け方は当時のままで安心した)。
そ