鹿島茂のレビュー一覧

  • 吉本隆明1968

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    生まれた場所とは違う場所へ、知的に洗練されることで移動することにともなう悲しみについての分析。がこの本の内容ですよ。というのがぴったりくるような気がする。吉本隆明のどういう部分に鹿島さんが惹かれたのかが、高村光太郎などを通して書いてある。ちょっと私情を挟みすぎではないかと思わなくもないが、それなりに論としてはおもしろい。

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    2011年09月03日
  • 勝つための論文の書き方

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    学部生・院生必読の一冊だと思います。
    問いの立て方から批判的考察、資料の集め方など、説得力・信頼性のある論文を書くためにはどうすれば良いかがとても明解に書かれています。
    特に、問題を縦軸と横軸に視点をずらして検証するということは、当たり前のようで、文字にされると改めてその重要性を感じます。

    詳しくは本文に譲りますが、「連鎖式」「並列式」の2つの論文の書き方は、自分もこれから意識し続けていこうと思います。

    ただ、どうしても例が長い。もう少しコンパクトに例を提示してもらえれば読みやすくなるのに、あまりに例が冗長になってしまうのは、著者の性格もあるのでしょうか。内容があるだけに、それが個人的には

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    2009年10月04日
  • SとM

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    Mである自分を知る為に読んだ。
    SMをキリスト教との関わりから文明史的に考察することがメインテーマとなっている。
    SMというのはSとMの間の信頼関係の上で構築されるものなんだという事が分かった。
    キリスト教のイエスの磔刑の像は、北ヨーロッパのドルイド信仰の人たちを改宗させ吸収する為に作られたものという事を知った。
    あと宇多田ヒカルの日記であった「右手の聖性と左手の聖性」の話も出てきた。
    欧米のSMの道具は革製が中心の動物系で、日本のSMの道具は紐などの植物系が中心である事を知った。
    精神分析や心理学の知識や概念を利用してSとMについて語ってほしかった。(死の欲動とマゾヒズムの関係、親子関係とマ

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    2009年10月04日
  • 勝つための論文の書き方

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    論文、あるいはプレゼンテーションのいろはをまとめた本、といったところ。理想の論文というのはどういうものかを最低限知るためには最適な一冊だと思う。けれど、理屈はわかっても実際書くとなると難しいもんです。

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    2011年07月17日
  • セーラー服とエッフェル塔

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    この人の適度な文学的硬さと柔軟な思考と猥雑さを茶化せるようなまじめさが超好み。
    絶対謝らないフランス人怖えー。
    ビデの使い方がやっぱりよく分かりません。
    多分、日本人には存在意義が理解できない、のか。
    女性の体を突き詰めると米俵になる??面白いっす

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    2009年10月07日
  • SとM

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    旧約聖書のヨブ記の理不尽さも、理想を語りながら戦争する人々のメカニズムまで、長年の疑問が解けました。題名に惑わされますが、SとMの発生のプロセスから日本と欧米の文化の違いを見た興味深い1冊です。
    女性の自由度と文明の完成度が比例しているという意見には激しく賛成です。

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    2009年10月07日
  • セーラー服とエッフェル塔

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    知的に下世話なおもしろ本。
    要約するとそういうことです。
    赤門出身の鹿島教授ならではの
    知的な表現や豊富な学識でもって、
    亀甲縛りの源泉の追究や、
    愛とおっぱいに関する社会人類学的見地
    からの分析など…

    まぁ、為になるんだかならないんだかわからないけど、読んでいて飽きない、「なるほどー!」と思わせてくれる本です。

    書いてあることは下らないはずなのに、
    学問的な匂いがぷんぷんする、
    たいへんすてきな本です(^^*

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    2009年10月04日
  • セーラー服とエッフェル塔

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    ひどくささいなことでも気になって仮説を立てずにいられないという著者ならではのエッセイ集。SMの緊縛方法が海軍、陸軍までつながるとは思いもよりませんでした……手軽に読めますが、「へぇ」と思わされることも多くて(生きていくには全然役に立たないけど)面白く読めました。

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    2009年10月04日
  • 平成ジャングル探検

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    タイムトラベラーが、東京の12の盛り場を探検。キャバクラからヘルスまで、東京ジャングルの奥地に入り込みます。

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    2009年10月04日
  • セーラー服とエッフェル塔

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    普段気にしないようなことを、著者が豊富な知識で仮説を立てていく。例えば、女性の乳房はなぜ膨らんでいるのかとか。仮説が非常に面白い。

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    2009年10月04日
  • 文学的パリガイド

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    パリと文学を結びつけたもの。オペラ座の怪人、ヴィクトル・ユゴーや、ボードレール、スタンダール、プルーストの失われた時を求めて、など。色々リンクしていてフランス文学をさらに読みたくなった!

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    2025年10月13日
  • 堀田善衞を読む 世界を知り抜くための羅針盤

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    堀田さんの本を直接読むより、ハーそういうことかと納得する場合があった。読者の幅の広さも大したものだ。

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    2025年08月06日
  • 蕩尽王、パリをゆく―薩摩治郎八伝―

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    NHK「知恵泉」で「伝説の蕩尽王 薩摩治郎八 金は粋に使え」を観て。
    この番組を観なければ、読まなかったかも知れない本。
    テレビでは、華やかなパリの武勇談よりも、一文無しになって帰国してからの姿に薩摩治郎八の真の姿を見出していて共感が持てた。
    薩摩治郎八が、パリで800億円を使って得たのは、文化的素養と、ダンディズムだったのではないか、と思ったのだ。
    無一文で安アパート に暮らしながら、浅草のストリップに通い、安食堂のメシを美味しそうに食べる姿に、永井荷風に似たダンディズムを感じるのだ。

    本書は、鹿島茂の書にしては、残念ながら、魅力に乏しい。
    彼は、ナポレオン、フーシェ、タレーラン更にはナポ

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    2025年06月16日
  • NHK「100分de名著」ブックス パスカル パンセ

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    現代人の悩みを対話形式で描き、その悩みについてパスカルのエッセンスから学んでいく本。
    各章ごとに筆者なりの結論を出してくれているので、ひとつのパンセの読み方として参考になった。

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    2025年04月19日
  • パリの本屋さん

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    パリの歴史と古書店についてのエッセイ。書店好きとしては、旅先でどんなものか見てみたいと訪れた書店で拭い消せないほどのトラウマを受ける接客を受けたら、二度と行くか!となると思う。書店以外では、レ・アールにまつわる話が印象に残った。墓地の近隣の家ではスープや牛乳がわずかな時間で傷むなんて。トイレ問題は知っていたけど、フランスの衛生面よ・・・

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    2024年10月22日
  • パリの本屋さん

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    パリという街が、近代史にどう影響されながら今のパリになっていったのか、そしてエスプリが形成されていったのかが知れて面白い

    京都に似てるがパリは移民の町になっちゃったからそこは思考実験できるよなぁ

    数百万円以上の古書しか置いてない本屋の話とか衝撃

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    2024年09月08日
  • NHK「100分de名著」ブックス パスカル パンセ

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    特別企画「上皇上皇后様御夫妻ブルーレイ65巻セット婚記念!陛下の愛読書を読んでみようのコーナー!(何かが違う)」

    はい、そういったわけでね
    先日4月10日に65回目の結婚記念日を迎えられた両陛下にちなんで、両陛下が毎日音読しているという愛読書、17世紀のフランスの哲学者パスカルの『パンセ』を読んでみよう!と、思ったんですが『パンセ』そのものはちょっと難しそうだったので『100分de名著』に逃げましたw

    うん、なんとなく理解できたような気もしなくもないんで逃げて正解だったかなw
    『パンセ』と言えば、有名な「人間は考える葦である」ですよね

    この一節がある章の全文はこんな感じ
    「人間は一本の葦

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    2024年04月28日
  • 堀田善衞を読む 世界を知り抜くための羅針盤

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    ネタバレ

     実際にフランスに行ってみると、日本とのあまりの違いに反発することもありますが、その一方で素晴らしいところもたくさんあります。自分と全く違うものを学ぶということは、比較が可能になるということです。自分の国しか知らないと比較が難しい。例えば、北朝鮮です。今、我々が外側から見て、「民衆はさぞや不幸だろうな」などと思いますが、結構幸せかもしれない。一つしか知らない人間は、かなり幸せなはずです。自分と他を比較するようになると、人間は不幸になります。
     しかし、さらに比較を進めることによって、逆に、自分とは何かが分かってくる。あるいは、自分たちと比較することによって、他者が分かってくる。だから、フランス

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    2024年04月28日
  • 日本が生んだ偉大なる経営イノベーター 小林一三

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    小林一三は、阪急を作り、沿線の分譲地を作り、宝塚歌劇団を作り、阪急百貨店を作り、第一ホテルを作り、阪急ブレーブスを作り、東京伝統(後の東京電力)を再建し、昭和肥料(後の昭和電工)や日本軽金属を作った。それまでは、うだつの上がらぬ銀行員。事業家としての半生を辿る。

    事業の成否はアイデアや資金力、人脈やタイミング、行動力など、複数の要素で決まる。沿線に着眼した宅地戦略などは、そもそもアイデアが良いのだろう。しかし、本著を読むとそれだけではなく、通底する思考習慣があるような気がした。

    象徴するのは、飲食店での話。ソース飯、ソーライスの話。人気メニューのライスカレーを買う余裕なく、ライスだけ注文し

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    2023年04月01日
  • 日本が生んだ偉大なる経営イノベーター 小林一三

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    阪急や宝塚の創業者の人生を読みたくて借りた本
    東電や東宝、大臣など初めて知る
    人々(大衆)をいかに豊かな暮らしにするか、住宅環境や娯楽など目のつけどころが秀逸

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    2023年03月20日