鹿島茂のレビュー一覧
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ネタバレ[ 内容 ]
二十五年間にわたり、文章と考え方の指導をしてきた教授による徹底指南。
論文も仕事も、勝利をつかむための極意は問いを立てることにありとして、「カフェと喫茶店の違い」「牛丼と宅急便の関係」「司馬遼太郎と山田風太郎」など奇想天外な例証を次々に挙げつつ思考のレッスンを展開する。
点のとれる論文、会議に通る企画書、銀行をウンと言わせるプレゼンテーション案を書きたい諸氏は必読。
[ 目次 ]
第1回講義 日常生活と論文(どうせなら、日常生活に応用のきく論文の書き方はないものだろうか;自分の頭で考えることの楽しさ ほか)
第2回講義 問題の立て方(論文指導とは問題の立て方を教えること;良い問 -
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先日、神戸オリエンタルホテルのカレー復活のドキュメンタリーを観た。阪神大震災以来途絶えていた伝説の絶品カレーを、15年ぶりに甦らせた料理人の執念の物語であった。苦心惨憺の末探しあてた、独特のコク・深み・旨味の決め手は「注ぎ足し」だった。
有名おでん店の秘伝と全くおなじで、何十年と注ぎ足しながら使い続けられた汁とルーが、食通をうならせる味の秘密なのだ。
『パリの秘密』と題するこの一冊。連綿と続く西洋文化の坩堝であり煮込み鍋である花の都パリの魅力を、絶妙な文で綴っている。書き手は自他共に認める日本一の読書家、鹿島茂さんだ。
鹿島さんは「遊歩者(フラヌール)」というものを生んだ世界最 -
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ネタバレ全600ページに上る長い評伝だが、飽きさせない。文学者の鹿島氏が書いており、左翼史観に偏らず、産業皇帝として、フランスの近代制度の礎を築いた人物として、ナポレオン3世を正当に評価しようとしている所が勉強になる。なかでも、オスマンによるパリ改造、ペレール兄弟のクレディ・モヴィリエ(投資ファンド)、鉄道敷設、ロスチャイルドとの抗争、皇帝の発案による労働者慰労施設の建設や、労働者の集会を擁護する法律、関税クー・デタによる産業の育成、高級娼婦の暮らし、デパートの発展などはたいへん興味深い。モルリー公・ペルシニーを中心とした権力奪取の様相も面白い。ナポレオン3世は96%という大変高い得票で、「民主的」に
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学部生・院生必読の一冊だと思います。
問いの立て方から批判的考察、資料の集め方など、説得力・信頼性のある論文を書くためにはどうすれば良いかがとても明解に書かれています。
特に、問題を縦軸と横軸に視点をずらして検証するということは、当たり前のようで、文字にされると改めてその重要性を感じます。
詳しくは本文に譲りますが、「連鎖式」「並列式」の2つの論文の書き方は、自分もこれから意識し続けていこうと思います。
ただ、どうしても例が長い。もう少しコンパクトに例を提示してもらえれば読みやすくなるのに、あまりに例が冗長になってしまうのは、著者の性格もあるのでしょうか。内容があるだけに、それが個人的には -
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Mである自分を知る為に読んだ。
SMをキリスト教との関わりから文明史的に考察することがメインテーマとなっている。
SMというのはSとMの間の信頼関係の上で構築されるものなんだという事が分かった。
キリスト教のイエスの磔刑の像は、北ヨーロッパのドルイド信仰の人たちを改宗させ吸収する為に作られたものという事を知った。
あと宇多田ヒカルの日記であった「右手の聖性と左手の聖性」の話も出てきた。
欧米のSMの道具は革製が中心の動物系で、日本のSMの道具は紐などの植物系が中心である事を知った。
精神分析や心理学の知識や概念を利用してSとMについて語ってほしかった。(死の欲動とマゾヒズムの関係、親子関係とマ -
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NHK「知恵泉」で「伝説の蕩尽王 薩摩治郎八 金は粋に使え」を観て。
この番組を観なければ、読まなかったかも知れない本。
テレビでは、華やかなパリの武勇談よりも、一文無しになって帰国してからの姿に薩摩治郎八の真の姿を見出していて共感が持てた。
薩摩治郎八が、パリで800億円を使って得たのは、文化的素養と、ダンディズムだったのではないか、と思ったのだ。
無一文で安アパート に暮らしながら、浅草のストリップに通い、安食堂のメシを美味しそうに食べる姿に、永井荷風に似たダンディズムを感じるのだ。
本書は、鹿島茂の書にしては、残念ながら、魅力に乏しい。
彼は、ナポレオン、フーシェ、タレーラン更にはナポ