鹿島茂のレビュー一覧
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学部生・院生必読の一冊だと思います。
問いの立て方から批判的考察、資料の集め方など、説得力・信頼性のある論文を書くためにはどうすれば良いかがとても明解に書かれています。
特に、問題を縦軸と横軸に視点をずらして検証するということは、当たり前のようで、文字にされると改めてその重要性を感じます。
詳しくは本文に譲りますが、「連鎖式」「並列式」の2つの論文の書き方は、自分もこれから意識し続けていこうと思います。
ただ、どうしても例が長い。もう少しコンパクトに例を提示してもらえれば読みやすくなるのに、あまりに例が冗長になってしまうのは、著者の性格もあるのでしょうか。内容があるだけに、それが個人的には -
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Mである自分を知る為に読んだ。
SMをキリスト教との関わりから文明史的に考察することがメインテーマとなっている。
SMというのはSとMの間の信頼関係の上で構築されるものなんだという事が分かった。
キリスト教のイエスの磔刑の像は、北ヨーロッパのドルイド信仰の人たちを改宗させ吸収する為に作られたものという事を知った。
あと宇多田ヒカルの日記であった「右手の聖性と左手の聖性」の話も出てきた。
欧米のSMの道具は革製が中心の動物系で、日本のSMの道具は紐などの植物系が中心である事を知った。
精神分析や心理学の知識や概念を利用してSとMについて語ってほしかった。(死の欲動とマゾヒズムの関係、親子関係とマ -
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NHK「知恵泉」で「伝説の蕩尽王 薩摩治郎八 金は粋に使え」を観て。
この番組を観なければ、読まなかったかも知れない本。
テレビでは、華やかなパリの武勇談よりも、一文無しになって帰国してからの姿に薩摩治郎八の真の姿を見出していて共感が持てた。
薩摩治郎八が、パリで800億円を使って得たのは、文化的素養と、ダンディズムだったのではないか、と思ったのだ。
無一文で安アパート に暮らしながら、浅草のストリップに通い、安食堂のメシを美味しそうに食べる姿に、永井荷風に似たダンディズムを感じるのだ。
本書は、鹿島茂の書にしては、残念ながら、魅力に乏しい。
彼は、ナポレオン、フーシェ、タレーラン更にはナポ -
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特別企画「上皇上皇后様御夫妻ブルーレイ65巻セット婚記念!陛下の愛読書を読んでみようのコーナー!(何かが違う)」
はい、そういったわけでね
先日4月10日に65回目の結婚記念日を迎えられた両陛下にちなんで、両陛下が毎日音読しているという愛読書、17世紀のフランスの哲学者パスカルの『パンセ』を読んでみよう!と、思ったんですが『パンセ』そのものはちょっと難しそうだったので『100分de名著』に逃げましたw
うん、なんとなく理解できたような気もしなくもないんで逃げて正解だったかなw
『パンセ』と言えば、有名な「人間は考える葦である」ですよね
この一節がある章の全文はこんな感じ
「人間は一本の葦 -
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ネタバレ実際にフランスに行ってみると、日本とのあまりの違いに反発することもありますが、その一方で素晴らしいところもたくさんあります。自分と全く違うものを学ぶということは、比較が可能になるということです。自分の国しか知らないと比較が難しい。例えば、北朝鮮です。今、我々が外側から見て、「民衆はさぞや不幸だろうな」などと思いますが、結構幸せかもしれない。一つしか知らない人間は、かなり幸せなはずです。自分と他を比較するようになると、人間は不幸になります。
しかし、さらに比較を進めることによって、逆に、自分とは何かが分かってくる。あるいは、自分たちと比較することによって、他者が分かってくる。だから、フランス -
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小林一三は、阪急を作り、沿線の分譲地を作り、宝塚歌劇団を作り、阪急百貨店を作り、第一ホテルを作り、阪急ブレーブスを作り、東京伝統(後の東京電力)を再建し、昭和肥料(後の昭和電工)や日本軽金属を作った。それまでは、うだつの上がらぬ銀行員。事業家としての半生を辿る。
事業の成否はアイデアや資金力、人脈やタイミング、行動力など、複数の要素で決まる。沿線に着眼した宅地戦略などは、そもそもアイデアが良いのだろう。しかし、本著を読むとそれだけではなく、通底する思考習慣があるような気がした。
象徴するのは、飲食店での話。ソース飯、ソーライスの話。人気メニューのライスカレーを買う余裕なく、ライスだけ注文し