あらすじ
1831年に書かれた本作。原書が読まれるのはもとより、いまも翻案や改作という形で演じられ続けるのはなぜなのか。その魅力を、仏文学界随一の切れ味を誇る著者が読み解いた番組テキスト(2017年2月号)に、大聖堂が建てられた経緯と技術、歴史的背景について綴った特別章とカラー口絵を加えた、『100分de名著ブックス』特別版。
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Posted by ブクログ
鹿島先生の魂のこもった解説が秀逸。ところどころでうなり、時に笑いながら読み進めた。特に、以下のポイントが印象的。
・ビクトル・ユゴーの生まれ育ち、そのキャラ
・本作品の書かれた時代背景(POSTナポレオン)
・フロロが、要するに、身勝手なストーカーである、
が、フロロ側にも事情がある
(=東海林まさお、どーだ理論=自己認知欲望)
・カジモドもフロロもオタクの元祖
・エスメラルダは、マス消費される、現代のタレントのようなもの
・ノートルダムドパリの歴史的な意味合い
[引き続き読みたいもの]
・パンセ
・鹿島茂
・フランスの歴史(フランス革命前後、ナポレオン3世まで)
・魔女狩り
Posted by ブクログ
原作は未読で、ディズニー映画でのみ内容を知っている物語。カジモドが、美麗な大聖堂から外の世界への憧れを歌う朝のシーンが大好きな作品。好きすぎて新婚旅行の行き先の1つに加えたほど。
アニメで知っていた気になっていたけれど、原作と内容がかなり違うことに驚いた。同時に、フロローがエスメラルダのショールを半ば愛おしげに扱うシーンで感じた疑問が解けた。隊長がなかなかのクズ男だったこともびっくり。
ユゴーが、当時まだ存在していなかった映画的視点を小説に盛り込んでいるところなど、とても興味深い。これは原作をぜひ読まなければ。最後の建築様式の説明はあまり興味がなかったので眠くなってしまったが、テキストそのものがかなり面白く、100分de名著のおかげで読書の幅がかなり広がりそう。
Posted by ブクログ
ミュージカルからこの作品に入って、より作品の細やかな事情なども知っておきたい派の人にとって、この本はとても参考になる。
原作を読む前にこの本を読むことで、その背景だけでなく、キャラクター一人一人の魅力もはっきりと浮かんでくる。
本書を読むと、自分の手と目で原作を読みたくなる。