【感想・ネタバレ】文学的パリガイドのレビュー

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Posted by ブクログ

もう一度パリへ行けるとしたら、本書と、同じく鹿島さんの『パリのパサージュ』と高遠弘美さんの『物語パリの歴史』の三冊を持って行きたい。
もし、そんな機会が訪れることがあるとすればだが…/

なにしろ、目次を見るだけでわくわくする。

「エッフェル塔あるいはアポリネール」、「シャン=ゼリゼあるいはプルースト」、「ノートル=ダム大聖堂あるいはユゴー」、「オペラ座あるいはガストン・ルルー」、「セーヌ川あるいはアナトール・フランス」、「パサージュあるいはセリーヌ」、「凱旋門あるいはモーパッサン」。

この本からこれらの文学へ通ずる道が放射状に出ている。
この本は、文学・歴史から見たパリのデッサンなのだ。/


《底抜けに明るく、その屈託のなさで学生たちを魅了するグリゼット※注。今でも、カルチエ・ラタンを歩くと、カフェの窓辺にミミやルージェットが笑いながらこちらにほほ笑んでいるような気持ちになってくる。ラ・ボエーム伝説は「永遠に不滅」である。》(カルチエ・ラタンあるいはミュッセ)》
※注 グリゼット:お針子娘/


《私がパリに行く目的はたいてい古書店巡りだから、宿を取るのは、古書店の多いサン=ジェルマン界隈、それも、リュクサンブール公園のまわりの小さな通りと決まっている。そのため、リュクサンブール公園を一日に一回は横切ることになるのだが、新緑の季節でも冬枯れの季節でも、その美しさはたとえようがない。
中でも好きなのは、復活祭の時期に、樹々が、まるで合図でも受け取ったかのように一斉に新芽を吹き出して、公園全体を黄緑色に覆いつくす瞬間だ。このときには、おおげさではなく、生きていることの歓びを感じ、人間も植物と同じく自然の一部であることを実感する。ヘンリー・ミラーは「ニューヨークは大金持ちでも不幸だと思う町だが、パリは一文なしでも幸福だと感じる町だ」と言っていた。》(リュクサンブール公園あるいはジッド)/

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2021年08月15日

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