高野秀行のレビュー一覧

  • イラク水滸伝

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    辺境ノンフィクション。イラクというと砂漠のイメージがあるが、チグリス・ユーフラテス川の下流は湿地帯となっている。文明の発祥であるシュメール・メソポタミアから続く生活スタイルを引き継いでおり、湿地帯というアクセスの悪さから現代文明から隔絶された状態になっている。情報がほとんど無い地帯に筆者が体当たりで潜入して行く感じが面白い。

    装丁は分厚いが紙が厚いだけで読むのに時間はかからない。

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    2025年06月16日
  • 語学の天才まで1億光年(集英社インターナショナル)

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    初めて読んだのがアヘン王国潜入紀。
    信じられないくらい面白くて、他の書籍も色々読んだが、様々な辺境にも言語は存在する中で、著者の野性的かつ本質的な言語習得能力はタイトルが謙遜過ぎるくらい。

    非母語(外国語)の文章を読んで理解するということは「情景が浮かぶ」ことである。
    単語一つひとつの意味がわかってもそれが像を結ばなければ理解したとはいえない。

    言語によって階層化され、話者同士で上下関係が無意識に形成されていくのは納得。
    コンビニでカタコトの日本語で接客する留学生は私なんかより全然優秀だが、日本人東大生を前にする気後れがないのが言語の受け止め方。

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    2025年05月31日
  • 【カラー版】怪魚ウモッカ格闘記 インドへの道

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    インドの怪魚を探しに行くはずが、トラブル続きでインドに入国出来ずに終わってしまうという歯痒すぎる結末。
    現実は厳しいものだ。

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    2025年05月27日
  • 怪獣記

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    UMA探索とはおふざけかと思えば、結構まじめに文化や政治を掘り下げる部分もあり、読み応えがあった。
    著者は大好きな宮田珠己さんとも関わりのある方で、独自の余裕ある視点が軽妙で良い。

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    2025年05月19日
  • 【カラー版】怪魚ウモッカ格闘記 インドへの道

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    評判通りの問題作。笑
    確かに「日本極秘潜伏」の描写などにはゲラゲラ笑って読んだが、やっぱり高野秀行はフィールドワークの人なのだと。
    一番面白い核心の部分を取り除かれている感覚。
    インストバンドも良いけど、やっぱりボーカルがいるバンドがキャッチーだよね、みたいな。

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    2025年05月19日
  • 幻獣ムベンベを追え

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    ネタバレ

    コンゴのテレ湖にムベンベを探しに行くことにした早稲田探検部。準備、現地での調査、そして帰国と常に何かの問題があり、その問題を最善とはいえない方法で乗り越えていく、学生ならではの勢いがある。
    読んでいるだけでも大変そうなのだか、きっともっとつらかったのだろうと想像する。
    ムベンベは見つからず、帰ってくるわけだが、キャラが一人一人たっていて、おもしろく読むことができる。

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    2025年05月04日
  • ワセダ三畳青春記

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    なかなか良い。

    著者を中心に個性的な人達と繰り広げられる楽しいエピソード。
    どのお話も嘘くさくなくて、現実の臭いがしていい。

    続編が出るなら、是非読みたい。

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    2025年04月07日
  • 怪しいシンドバッド

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    ネタバレ

    あとがきでご本人も仰っていたけれど、無謀な行動が結構書いてある。巻き込まれて死んでいてもおかしくなかった。危険だけれど、その行動力があるから読者の私は楽しく作品を読ませてもらえている。そこはやはり複雑な気持ちになる。
    ムベンベからファンになったのでまさにその時期も含めたエピソードがいくつもあり、作者の若かりし頃の歴史を知るような感覚だった。
    特に第五章コロンビア編のヤヘイと、第六章の客家編が興味深かった。

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    2025年04月01日
  • 未来国家ブータン

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    ネタバレ

    今までブータンという国がどんな所なのか、殆ど知識がなかったので勉強になった。今はこの本が書かれた頃からだいぶ年月が経っているので、どんな風になっているのか興味がある。
    最終章で、殆どの国は欧米の影響を受け、近代化に邁進し、自由、人権、民主主義が推進される。個人の自由は広がるが格差は広がり、治安が悪くなる。環境が大事だ、伝統文化が大切だという頃にはそれは破壊されている…
    ブータンはこの道を辿らず、先進国の良い所だけを取り入れて、独自の国を作っている、という考察が印象的だった。ブータンだっていい事ばかりじゃないだろうけど、今の日本を見ていると、ブータンの国のあり方をもう少し参考にしたらいいんじゃな

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    2025年03月22日
  • 地図のない場所で眠りたい

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    ノンフィクションを書く二人の作家の対談本。ノンフィクション作家の苦労や「あるある」が語られる。

    ノンフィクションとニュース、ジャーナリズムの類似点、相違点が語られるところがとても印象に残った。
    どちらも事象を観察して出来るだけありのまま伝えるが、やはりそこにはストーリーや所謂「盛り場」が必要で、嘘にならないように、一方で面白くなるように書くことが求められる。綱渡りのような危うさがある。
    ノンフィクションはあることが起きるまでの変化を描くことが出来るが、ニュースは起きないと描けない(まだ起きていないことはニュースとしての価値がない)

    物書きのマネタイズについて触れられていたり、色んな悲哀を感

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    2025年02月26日
  • 謎のアジア納豆―そして帰ってきた〈日本納豆〉―(新潮文庫)

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    納豆は日本独自の食べ物だと思っていたけど、そうではなかった。
    アジア各国の納豆を探し求めて、出会っていくのは興味深い。アジア各国の民族とか地域とか途中からごっちゃになってしまったけど、さまざまな納豆をいろんな観点から結びつけているのは面白い。
    自分の好みの納豆はどんなやつだっかと考えさせられ、次買いに行った時は値段ではなくどれを食べてみたいかで選ぼうと思った。

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    2025年02月21日
  • あのとき死なずにすんだ理由 あの日、あのとき、あの場所で感じた理解不能な恐怖

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    色々な作家さんの小説が読めて良かった
    恐い話から不思議と思う話まで楽しめた
    中には他にも他の話も読んでみたい
    作家さんもいて良かった

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    2025年02月04日
  • 【カラー版】アヘン王国潜入記

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    語りが面白く、飽きない。中国と隣接するミャンマーのワ州。「ワの人間に軍事、政治に関して立ち入った質問をしてはいけない。とくにヘロインについてはけっしてか聞いてはいけない。」
    種まきからアヘンの収穫まで、ケシ栽培の全行程を体験しようとしたルポ。

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    2025年02月01日
  • 地図のない場所で眠りたい

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    早稲田大学探検部OBでノンフィクション作家という共通項を持つ2人の対談。
    お互いの著書についての話が多い印象だったが、なかなか興味深かった。

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    2024年11月19日
  • 辺境メシ ヤバそうだから食べてみた

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    ほんと、どこでも何でも食べてはるなー

    読んでていちばん食べたくなったのは、ヘビ。
    私は、ゴキブリは一度友人のお土産でゴキブリ缶詰をもらって1匹だけ食べた記憶がある。それでも相当勇気を振り絞ったような、、、。

    結果、高野さんは今でも健康で面白い文章を発表し続け、その恩恵に預かる読者としては、高野さんの血となり肉となった辺境メシに感謝である!

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    2024年11月05日
  • 子どもお悩み相談会 作家7人の迷回答

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    小説家や歌人などによる子どものお悩み相談会。
    子どものお悩みというのが、子供側の事情を詳しく書いたものではなく「謙虚になるにはどうしたらいいですか?」「遅刻グセがなおりません」といった一行のみ。
    だから、お悩みに対するアドバイスというより、それをテーマにしたエッセイのようなものだった。参考になるかどうかは、微妙だった笑。
    作家さんたちの多くは、自分の経験について語っているのが、大人として読む側はおもしろかったな。
    子どもと大人、どっちが読めば共感できたり面白く感じたりするんだろう。

    一番最初に「夏休みの宿題ぎりぎり派はだめ?」というテーマについての角田光代さんの回答で、小学生の時絵が好きで美

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    2024年08月23日
  • ワセダ三畳青春記

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    著者が早稲田学生時代から10年間住んだアパートでの出来事が描かれた自伝的小説。
    狭く古く家賃が安いアパートの住人は変わり者ばかり。よくそんなところに住むな……と若干引きながら読んだ。引きながらも、森見登美彦小説に出てくるような学生って本当にいるんだなと感動した。自分にはできないけど、こういう生活をした経験っていいなと思う。
    友達とバカなことをしたり住人の面白おかしさだったりのエピソードを読んでいたはずなのに、最後はなんだか感動してエモい気分になってしまった。すごい人だ。

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    2024年06月22日
  • 腰痛探検家

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    タイトルに探検家とあるが内容は冒険譚ではなく,腰痛に悩まされた高野氏が色々な治療法を模索し,その過程で出会った人・ことを面白おかしく書いたエッセイ.

    エピローグにある「肝心なことは何か心身に不具合が生じたときに自分をリセットできる場を持つということだと思う.(中略)よくなってしまえば儲け物くらいの感覚で,でも前に歩き続ける.期待せず,諦めず」というブッダの教えのような結論が刺さった.

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    2024年06月02日
  • 【カラー版】辺境中毒!

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    高野本の中でも少し特殊な本。アヘン王国の後日談、対談、書評が一冊にまとめられている。よく言えばアラカルト的にいろんな高野さんを楽しめる。が、個人的には「それぞれ一冊の本にはならないけど、書籍化しないのも惜しい」という感じで寄せ集めた印象。
    この本から高野秀行作品に入るよりは、他の著作を読んだ上で手に取るのが良いと思う。

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    2024年05月15日
  • 移民の宴 日本に移り住んだ外国人の不思議な食生活

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    外国から日本に移住した人たちは普段どんなものを食べているのか。全国の町に溶け込みながら、食を通じて日本と生まれ故郷を行き来する人びとに取材したルポルタージュ。


    本文に入る前に口絵の写真を見ているだけでお腹が空く。著者は執筆当時主夫になったばかりで料理の心得がなかったらしく、料理の詳しいレシピが紹介されていないのが惜しい。
    取材期間中に東日本大震災が起こり、それが全体を通して大きなトピックになっていく。つてを辿って疎開したり自国に一時帰国する人も多いなか、フィリピン人女性たちが残る東北の漁師町に食材を持っていく章の明るさは泣けてくるほどだ。文化の違いや差別的な視線を乗り越え、長い時間をかけて

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    2024年03月22日