高野秀行のレビュー一覧
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世界の納豆をめぐる探検
- カート
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試し読み
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Posted by ブクログ
高野秀行さんの最新作。
『イラク水滸伝』に引き続き、「世界で最も川を旅した男」山田隊長との川下り冒険譚。ティグリス=ユーフラテス川河口の湿地帯を旅した前回から場所を変え、今回は川の源流を巡る旅路。アナクロでアナログでアナーキーな“トリアーナ“コンビに現地ガイドを加えた三人男。高野さんのユニークな文章と山田隊長の絵心溢れる挿し絵のおかげで、日本にいながら異国の地に想いを馳せ、旅をしている気分になった。仔羊肉に米や野菜を詰めた料理「カブルガ」がとても美味しそう。一度でいいから食べてみたい。
山田隊長がまた好漢で、マリリン・モンローのくだりには思わず吹き出してしまった。一方で、プレートテクトニクス理論から川の方向と緩急の関係性を説き、ティグリス=ユーフラテス川流域の三日月地帯がなぜ肥沃なのか?のメカニズムを語る博識さも持ち合わせている。
紀元前9600年〜前8200年に建てられたT字型石柱が配置された遺跡・ギョベクリテペ。世界最古とされたメソポタミア文明・シュメールの遺跡より5千年古くピラミッドより7千年古い「人類が作った最古の遺跡」。気が遠くなる…
川の源流といえば、私の故郷・熊本の白川水源を思い出す。水が湧き出している様はとても幻想的で、眺めているだけで心穏やかになる。今夏は震災の影響で帰省を見送った。一日も早く復興することを祈っている。
印象的なフレーズ
「上善水の如し。水は善く万物を利して、しかも争わず、衆人の悪むところにおる。故に道に近し」 -
Posted by ブクログ
ネタバレ外国語は魔法の剣。
卑怯を旅して面白いリポートをしてくれる著者が、また面白いリポートを届けてくれた。外国語学習という冒険である。学生時代にちょっと言語学をかじった自分にとっては、著者が出会ってきた言語と、学習から見出した法則性がとても興味深かった。もちろん辺境リポートとしても面白い。怪獣ムベンベを探したり、ゴールデン・トライアングルで麻薬を育てたり、まさにマジック・リアリズムも真っ青の体験が語られている。
ネイティブにたくさん例文を作ってもらって法則性を見出すとか、ネイティブのノリまで真似るとか、なるほどと思う学習法があった。またエピローグにあった、どんな言語にも話せないことはなく、優劣もなく、すべてが美しい、という言葉にしみじみと頷いた。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ2005〜2008年に書かれたエッセイがメイン。約20年前ということになるので多少は時代を感じる部分もあるけれど、著者は今もずっと辺境への熱量を保ち続けているんだと思うとすごい。
「アヘン王国脱出記」はアツい内容だった。『アヘン王国潜入記』(集英社文庫、2007年)が素晴らしいルポだったので、潜入を終えて帰国するのにも苦労があったことを知れて面白かった。弟さんの結婚式出席の話も大変そう、かつ面白かった。国内でも知らない儀式はたくさんあるのだな。
2007年ミャンマーで起きた僧侶によるデモが軍によって武力弾圧されたという一連の話のなかで、かつてゲリラの長老が語ったという、ゲリラも犠牲者を出すくらい戦闘しないと国際社会が目を向けてくれないと悲しんだ話にこちらも悲しくなった。世界的な無関心が、遠くの誰かを死に追いやっているかもしれないのだ。ショーとしてすぐ忘れ去るのではなく幕間を見てほしいと著者は言っている。著者が時々こうやって真剣に語るところに好感を持っている。 -
Posted by ブクログ
現在約200万以上の海外由来の方が住んでいるが、日本の各地に多種多様のそれぞれの場所に大きなコミュニティを作り過ごしている。
タイ、イラン、フィリピン、フランス、中国、ムスリムの人々、ブラジル、インド、ロシア、朝鮮、スーダンの方の食をテーマにあげて、ルポをされている。
今までになかった視点であり、彼らが意外と日本に馴染み、日本食も好きになって高頻度で食べているのが興味深かった。
東北で震災を経験されて、亡くなってしまった方もけっこういる。
また、帰国していく人が多い中、日本に残り、逞しく生きている様子も書かれていた。
最近話題になっているムスリムのハラル食だが、血抜きの方法も上手く、かなり美味しいらしい。
全国にムスクは100箇所以上あるが、群馬の館林は在日ムスリムの中心地だというのは知らなかった。
そこにロヒンギャの方が150人以上も住んでいることも。
読んでいて、まだまだ知らない事がたくさんあるなと感じる。
日本もそもそも元からいた縄文人にインドからのドラヴィダ人や徐福率いる中国人や朝鮮人、海洋民族ラピタ人など多種多様が入り混じり今の日本人ができているので、また混ざり融合していくのかもしれないとも思った。
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Posted by ブクログ
まさかのエチオピアでもカートを噛みまくる高野さんがいい。本書に出てくる食べ物と飲み物すべてが美味しそうに思えないのも面白い。コンソもデラシャも、あらゆる虫に咬まれながらほぼ外のような環境で寝泊まりしているのだから、日本人とは桁違いの免疫力の高さを持っていそうだ。
お酒を主食にする民族と聞くと、最初に頭に浮かぶのはビールだが、実際に摂取しているのはチャガやパルショータという聞き慣れないものだった。高野さんはWHOのアルコールへの警告や健康懸念も取り上げていたので、私も気になって調べた。
まずパルショータと一般的なお酒は役目が違う。パルショータは発酵した主食を液体で摂っている。お酒の場合はあくまでも嗜好品。パルショータのアルコール成分は発酵時の副産物で、主役ではない。栄養の主成分は穀物でカロリーの大半はデンプン由来。お酒はカロリーはあるが栄養価がかなり低い。同じ量のアルコールでも、体づくりの支えになるかどうかが違う。また、パルショータは1日中ちびちび飲むのに対して、お酒は短時間に集中して飲むため血中アルコールが急上昇し肝臓に負担がかかる。「アルコール」が含まれていて多少の酔いは感じることから同じ飲み物だと思いがちたが、パルショータは穀物ベースの発酵食品であり、体への入り方が全然違うことがわかった。さらに、彼らの場合は遺伝だけでなく、運動量も腸内細菌も異なるだろうから、健康な理由は複合的な可能性が考えられる。
とにかく本書で一番印象的だったのは、アルマズさんが良い子だということ。気遣いができるのは、観察力や洞察力が優れている証拠。アルマズさんは相手の立場に立つ想像力も持っている。学びたい、外へ出たいという意欲があり、集合写真の中でも一際目立っていた。知性を感じる眼差しで、笑顔もかわいらしい。高野さんとD岩木さんだけでなく私までアルマズさんが好きになった。この先、彼女が英語を取得し、高野さんのガイド兼助手として共にエチオピアを旅する話をぜひ楽しみに待っている。 -
Posted by ブクログ
日本以外にも納豆ってあるの!?と驚きから読み始めたが、なかなかボリューミーな本なので
・シャン州界隈の納豆の作り方、はいはい、あぁさっきのと同じだ、わかりますよ…
・そりゃ納豆あるよね、お酒がいろんな地域で作られるのと同じだよねなんか納豆は日本のものと思ってたごめんなさい…
と、気づかないうちにコペルニクス的転回を迎えていて、第10章以降は集中して読めず終了しました。
※おもしろくないわけじゃないです
著者も納豆をめぐる旅の中で価値観が変わっていて、「日本の納豆って、納豆なの?」っておそろしい疑問がわくとこまでいくのがおもしろく、すごい。
また、日本の納豆の歴史も探究するにあたり出てきた精進魚類物語(室町時代)、あんぱんまんみたいなものだったらしくてとても気になる。
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Posted by ブクログ
筆者の未知の国での体験とそこでコミュニケーションを取るための語学の習得方法や考え方を学べる本。普通の人では経験しないようなことを目的に各地に飛び込んで行き、そこのストーリーを知れるということで非常に興味深い本であった。
語学の習得については、やはり現地のリアルな言葉になれるということが一番だと改めて理解する。例えば英語を勉強しようとすると、文法や言葉の日本語での意味、体系的な読み方などを丁寧に学ぼうとするが、それはそれで良いかもしれないが、手っ取り早く効率的に学ぶにはもっと良い方法がある。教材に載っているようなものや作られた音源ではなく、リアルにネイティブが使っている言葉、言い回しを何度も繰り返して習得すること、モノマネをし、実行していくことが良いということがわかった。
また、その中でその人の表情や仕草、感情なども含めて学びとることができ、そういった体験を通じて言語を学ぶのが良いだろうと思う。文法の正しさはそこまで気にしなくて良い。
自分も英語の勉強をしているが、この学び方を参考にしたい。
また、数多くの言語に触れることで共通性の理解、加えて国や文化の背景なども知ることができ、そういった意味で言語を学ぶ上で、その言語を話す国の文化や経緯を学ぶことも重要である。
日本人が話す英語、各国の人が話す英語にもクセがある。そういったことも理解した上で取り組むことも心得る必要がある。 -
Posted by ブクログ
語学意欲と海外に行きたい欲が煽られる!^_^!
語学の話と旅の話で進むのでとても楽しかった。
中でも、コミュニケーションの為の語学と親しくなる為の語学の話や正しい文法より通じればいい楽しさ、テキストより誰でも良いからネイティブの人に現地の話し言葉を学ぶ、と言ったところの話が良かった。
たまたま同時並行で読んでいたオードリータンの本にも、正しい英語は必要ないと書いてあって、文法が正しいか間違っているかばかりに頭をとられるより、間違っていたらいたで、それでも相手に通じると。
そして、この著者も言うように相手も助け舟を出してくれてコミュニケーションが成り立つと。
と、語学能力が残念過ぎる私の感想でしたw
だからこそ、奮起させてくれる本でもありました!