高野秀行のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ未来国家ブータン
これで4冊目のブータン本。ちょっと一端のブータンファンの竹蔵であります。
国王のフェローとしてブータンの公務員を務めた令嬢、御手洗珠子さんの「ブータン、これでいいのだ」がとても勉強になる本だったので、世界の珍獣ハンターの高野氏のこの本もとても期待して読みました。
高野氏は優れたエンターテイメント小説家でもありすが、世界の不思議な生き物を追いかける探検家でもありまして、今回は生物多様性の調査を隠れ蓑にした雪男(イエイティ)の探索のルポであります。
ほぼ全編にわたって、ブータンの辺鄙な村のルポルタージュですが、表題にもあるように、氏のブータンに対しての考察(=未来国家)が語られます。
御手洗さんの本が、コンサルタントらしく何故ブータンの統治が優れているか?ブータンにはどんな問題があるのか?ということがわかる本でしたが、高野氏の本書は、自らの体験を元に、日本の平行世界としてあるかもしれないブータンという世界を未来国家と表現していてとても面白い視点だと思いました。
近代史を見ていると、どこの発展途上国も、近代化→富国強兵→経済発展→地域社会・家族の崩壊ととても幸せとは言えない経緯をたどるのに、ブータンは周回遅れのフロントランナーと言われるように別の道を歩んで来ているのか?という疑問に対して、エリート層の聡明さによる「選択肢の狭い導き」があるのでは?と看過しています。とても鋭い指摘だと思います。自由がありすぎることによる悩み、情報がありすぎることによる迷い。
改めて、幸せとは何か?という問いは深くて遠いものがあるなあと思った竹蔵でした。
竹蔵 -
Posted by ブクログ
ネタバレ今までブータンという国がどんな所なのか、殆ど知識がなかったので勉強になった。今はこの本が書かれた頃からだいぶ年月が経っているので、どんな風になっているのか興味がある。
最終章で、殆どの国は欧米の影響を受け、近代化に邁進し、自由、人権、民主主義が推進される。個人の自由は広がるが格差は広がり、治安が悪くなる。環境が大事だ、伝統文化が大切だという頃にはそれは破壊されている…
ブータンはこの道を辿らず、先進国の良い所だけを取り入れて、独自の国を作っている、という考察が印象的だった。ブータンだっていい事ばかりじゃないだろうけど、今の日本を見ていると、ブータンの国のあり方をもう少し参考にしたらいいんじゃないかと思ってしまう。
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Posted by ブクログ
ノンフィクションを書く二人の作家の対談本。ノンフィクション作家の苦労や「あるある」が語られる。
ノンフィクションとニュース、ジャーナリズムの類似点、相違点が語られるところがとても印象に残った。
どちらも事象を観察して出来るだけありのまま伝えるが、やはりそこにはストーリーや所謂「盛り場」が必要で、嘘にならないように、一方で面白くなるように書くことが求められる。綱渡りのような危うさがある。
ノンフィクションはあることが起きるまでの変化を描くことが出来るが、ニュースは起きないと描けない(まだ起きていないことはニュースとしての価値がない)
物書きのマネタイズについて触れられていたり、色んな悲哀を感じられる本。 -
Posted by ブクログ
小説家や歌人などによる子どものお悩み相談会。
子どものお悩みというのが、子供側の事情を詳しく書いたものではなく「謙虚になるにはどうしたらいいですか?」「遅刻グセがなおりません」といった一行のみ。
だから、お悩みに対するアドバイスというより、それをテーマにしたエッセイのようなものだった。参考になるかどうかは、微妙だった笑。
作家さんたちの多くは、自分の経験について語っているのが、大人として読む側はおもしろかったな。
子どもと大人、どっちが読めば共感できたり面白く感じたりするんだろう。
一番最初に「夏休みの宿題ぎりぎり派はだめ?」というテーマについての角田光代さんの回答で、小学生の時絵が好きで美術部に入っていたが、夏休みの絵画の宿題ができずぎりぎりになってくまのぬいぐるみ(茶色)を書いたら絵が黒と茶色になってしまい、教師から「きったねー絵だな」と言われ、それから絵を描いていないという話が心に刺さった。
私の小学生の時も、美術の男性教師がとても個性的な人で、児童の絵について笑いながらバカにしてた。それも他の児童に同意を求めるように言うから同級生からもからかわれるんだ。私もやられて、恥ずかしくて鉛筆で必死に絵を消して描き直したっけな。・・・まさか同じ教師じゃないよね?
私は大人だから、大人の一言がが子どもにどんな影響を与えるのかということについて、自分の苦い思い出とともに、痛感した。
あと、津村記久子さんの同級生が、教師になったから自分の学生時代のことがよくわかるようになったというのも、なるほど。そうだよね。教師は、自分の学生時代のことを思い出して「あのときのことって・・・」と答え合わせができることもありそうだ。