【感想・ネタバレ】【カラー版】アヘン王国潜入記のレビュー

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Posted by ブクログ 2024年04月04日

イラン水滸伝から高野秀行作品を読むようになって、今ではすっかり高野秀行ファンになっている。
自分にはいろんな意味(モチベーション、勇気、体力、時間、お金)で経験できないことを、高野さんは経験し、それを本という形で表現してくれる。まさに本の醍醐味である。この作品は現実の世界での実際の体験記なのだが、今...続きを読む自分が生活している世界からかけ離れすぎていて非常にシュールなのである。日本人がこれまで行ったことのない、ミャンマーのワ州僻地にあるアヘンを栽培している村に長期間滞在して、自分もアヘン中毒になってしまう。現実は小説より奇なりであるが、ノンフィクションは現実より奇なりである。著者はどうなってしまうんだろうとワクワクドキドキさせるエンターテイメントであり、世界にはこんなところもあるんだとか、ミャンマーの歴史ってそうだったのかなど勉強にもなる作品である。

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Posted by ブクログ 2023年09月01日

読みやすく、そしてめちゃくちゃ面白い。
アヘンを一度吸ってからは、村を出るまでずっと吸っていて笑った。
高野さんの別の著作もすぐに読みたくなった。

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Posted by ブクログ 2023年05月07日

世界にはこんな暮らしをしている人たちが本当にいるのか、とわくわくする気持ちになった。いかに自分の世界観が窮屈になっているのか思い起こされた作品

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Posted by ブクログ 2023年11月22日

ノンフィクションでこんなおもろい作品作っちゃダメだよ。この世のフィクションが全て意味なくなっちゃうって。

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Posted by ブクログ 2022年11月23日

すごい話だな〜!麻薬を作ってる人は善良そのもので友情がちゃんと成立する。北朝鮮の人とかとも、当たり前だけど善良な人がほとんどなはずで、そういうことに気付かせてくれる。麻薬の何たるかも学べる良書!

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Posted by ブクログ 2022年06月23日

すごい本だった。
内容もさることながら、出版された後の社会的影響も高野さんの著作の中では群を抜いている。
日本語で出版される前に英訳版が出版され、それが回り回ってビルマ語版が出版されるまでになる。しかも、政府要人たっての要請で。
それだけ、本書の内容がディープで希少性があったということだ。
前半はい...続きを読むつもの感じで、飄々とした筆致によって現地の人々との面白おかしいやり取りが描かれる。が、後半は怒涛の展開。特に、ラスト数十頁は圧巻。体調不良から収穫したアヘンを吸引することになり、あっという間に中毒になっていく様や、平気でアヘンをリュックに入れたまま国境を越えてしまう様子に、高野さん言うところの「善悪の彼岸」へ足を踏み入れた人の頭の中を垣間見る思いだった。そして、アヘンビジネスを巡る国際的な動きの怪しさが、誇張されることなく淡々と暴き出されていく。ワ州がアヘン=ヘロイン生産のゴールデン・ランドたる背後に中国の存在があること、さらに、アヘン生産量を不自然なまでに誇張して喧伝することで麻薬取締の予算をせしめようとするアメリカの思惑。こうした諸々が、ワ州で素朴な暮らしを営む人々の姿とコントラストを成す。
「善悪の彼岸」には、当たり前の暮らしが存在し、そこに暮らす人々は「此岸」に暮らす我々と何ら変わりのない生活感情を抱いて暮らしている。彼らを「彼岸」の人間にし、色眼鏡をかけて眺めているのは、あくまでも「此岸」の都合に過ぎない。アヘンビジネスという闇の構造は、その他に数多ある様々な差別や貧困の構造と同じだと感じる。
これが書かれたのは90年代半ば。高野さんがミャンマーを出た後にアヘンビジネスには様々な動きがあったようだが、現在、民主化を巡るゴタゴタは悪化の一途を辿っている様子。が、それも所詮は大手メディアが伝えることに過ぎず、大手故の利害関係が背後で蠢いているはず。今、高野さんがミャンマーに入ることができたら、一体、何を見、何を描いてくれるのだろう?

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Posted by ブクログ 2021年12月05日

アヘン王国=黄金の三角地帯=ブラックラグーンで武装メイドが米軍特殊部隊の紳士とハイなタンゴを踊った場所と理解だぞ弱虫ども♪
そんなクレイジージャーニーでも立入不能な悪の巣窟に単身潜入長期滞在した驚異のルポ。
なのに、驚くほどゆる〜く居着きのんびりマッタリな僻地生活を堪能し、地元軍閥司令官=麻薬マフィ...続きを読むアのボスともなんとなくお話してる。
ボク等から見れば暗黒地帯の闇の奥な麻薬マフィアの支配地域でも、住民にとっては日常生活の場で、主要作物がケシの実=アヘンってだけで、やってる事は農業で、農民で村人って、世界観の転倒が心地よく染みる。
おそらくは唯一無二で、界隈では伝説的なルポルタージュなはずだが、緊張感がねぇ(^_^;)

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Posted by ブクログ 2021年11月07日

現地ゲリラと共にゴールデントライアングルに潜入。
アヘンの種蒔きから収穫まで、現地の農民と共に生活し記した迫真のルポルタージュ。
2番煎じは今後もあり得ないであろう、唯一無二のルポルタージュ。
中国国境に近いその地は、生活も文化も中国の影響を受けている。日本という島国からは想像できない少数民族の歴史...続きを読むから、ケシの栽培に適した地域だからが魔の三角地帯が生まれた理由でなかった事を知った。
TV番組クレイジージャーニーに著者高野秀行が出演。本書が取り上げられました。

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Posted by ブクログ 2021年07月18日

 麻薬アヘンを生産する地域、そこに悪人はおらず、控えめで純朴な方々が暮らしていたそう。
 物事の理解には、教書による体系的・理論的な知識に加え、現場の肌感覚が必要と思うが、本書では、立ち入りが極めて困難な地域の現場感を立体的に伝えてくれる類稀な力作と感じました。

●印象深かったところ
 ミャンマー...続きを読むは山岳地域が多い。往来が困難なので、各地域ごとに孤立し独立しやすい。ミャンマーでは自治州民が人口の1/3ほどを占める。多数はビルマ民。
 筆者が滞在した村は30人ほど。準共産制で村民は協力して暮らす。仕事をノルマ的でなく、個人の良心や村内の空気に従い、毎日仕事をしている。小学校のクラス掃除に近いと感じた。近代前の日本もこんな風だったのだろうか。
 国や場所が変わっても、人の暮らしに大差はない。冗談で笑い、怠惰や怒りは敬遠され、お酒が好き。筆者は現地の言葉や食事を拒絶せず、進んで溶け込みに行っている。本当にすごい。

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Posted by ブクログ 2021年05月19日

赤裸々な体験記で面白かった!このような生き方はわたしにはできないな〜と思いながら読んだ。アヘンを吸うとどうなるのか、アヘン中毒とはどのような状態なのか、体験談を読むことはなかなかないので興味深かった。もう今は失われてしまった姿であるというけれど、世界には私の知らない生き方をしている人たちがいるのだと...続きを読む改めて気づかせてくれる本。

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Posted by ブクログ 2021年02月04日

図らずもビルマ(ミャンマー)での軍部によるクーデターが発生したタイミングで読んでいた。(2021/2/4現在)

国際的な報道では、民主化or軍政の観点からの記事が主を占める中、背景にあるビルマの歴史や民族について知った上でそれらのニュースに触れる事が出来ているのはラッキーだったと思う。

本著に描...続きを読むかれた時期から時間も経ち、ワ州を取り巻く状況や、アヘンにまつわる実態も変わっていることも多いとは思うが、ビルマの民主化がいかに複雑なバランスで成り立っていたのか推察できたし、軍部の力が衰えない背景もこの本に描かれている現実が大きく関わっているのだろう。

高野秀行さんの体当たりルポ。
そこに行った人だけが語る事ができる、当事者たちの営みや不条理。
本物の情報だと思う。

表紙とタイトルのパンチが強すぎて、久しぶりにブックカバーをかけて読んだ笑

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Posted by ブクログ 2020年10月09日

親から聞いた昔の沖縄とそんなに変わらないのでは?と思いながら読んだ
村は先祖を敬う儒教のようだし、女性一人では生きるのに厳しいところとか、ケシ栽培がサトウキビ畑に変われば昔の沖縄なんだと思う
ワ軍はアメリカ軍と考えたらさらにそうかも
世界地図のミャンマーの場所すらちゃんと知らないのに共通点があってお...続きを読むもしろい

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Posted by ブクログ 2020年09月26日

未知が詰め込まれてる本。好奇心に誘われてどんどん読めてしまった。

アヘン栽培を生業とする辺境の国に長期滞在して実際にケシの種まきからアヘンの収穫までやってしまいました。という本。滞在の中での現地の人との交流や気づき、発見などなど。

地に足がついた、俯瞰ではなく現地目線でのレポート、ハードな現地の...続きを読む生活に溶け込む筆者の強さ、現地の人々と絆を育んだり、アヘン中毒になってしまった時に見せる人間臭さ。とても面白かった。

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Posted by ブクログ 2020年08月23日

タイトルの通りたしかにアヘン王国に入ります。
種まきから採取までやりたいという熱意をもってビルマへ行き、理想の村を探した結果ワ州の村に滞在することになります。
そこでの村人との関わりや、仲介者、軍部との関わりを通じて段々とワ州、ビルマを取り巻く軍事、政治、国交の状況が見えてきます。
またワ州の村での...続きを読む原始的で閉鎖的な生活や周辺の文化を日本と比較して新たな発見や気づきが見えてきます。
デジタルな生活、グローバルな社会に慣れた現代人が失った大切な何かも見つかるかもしれません。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2020年04月26日

1995年ミャンマーのワ州に滞在し、村人たちの仕事であるケシ栽培の種まきから収穫まで参加し、生産者の暮らしを間近で見て体験した7ヶ月のルポルタージュ。

ドラッグから連想される社会とは大きくかけ離れた、のどかで過酷な自然そのものの集落での暮らし。当然だが知らないことだらけで読み応えがあった。
村人た...続きを読むちはその後どうなったのか、大丈夫だろうかと心配してしまう。

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Posted by ブクログ 2024年04月17日

すごくニッチなジャンルのお話でしたが、臨場感溢れる文章。人間味溢れる行動。どれをとっても惹き付けられてしまう内容でした。自分がこれから生きていても恐らく体験出来ないであろう世界に少しでも触れることができた良い機会になりました。
ありがとうございました!

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Posted by ブクログ 2024年03月30日

何ともすごい行動力。アヘンを栽培している村と聞くととても恐ろしい所を想像する。7ヶ月間村の人と寝食を共にし、文明度は低いが、礼節、敬虔さ、勤勉さを備えた人たちと知る。マラリアやシラミに脅かされ自らアヘン中毒にまでなりながら…。30年近くが経とうとしているけど、一緒に暮らした方々が元気にされている事を...続きを読む願うばかり。

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Posted by ブクログ 2024年02月25日

日本が世界に誇る、と言っても過言ではないと個人的には思っているノンフィクション・ライターの高野秀行がその初期に記して高い評価を得たルポルタージュ。

なんと言ってもミャンマー北部、アヘンの密生地として知られる”ゴールデン・トライアングル”に潜入するという本書の面白さは、やはりその旅の中でのあまりにも...続きを読むスリリングな出来事の連続と、そんな中でも魅力的な現地の人々との邂逅にある。

かなりの作品数がありながらも、高野秀行の作品に駄作はなく、常に読者を驚かせてワクワクさせるような作品ばかりだが、本書もご多分に漏れず、次に何が起きるのかとワクワクしながらページを繰り続けた。

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Posted by ブクログ 2023年11月17日

湿地を行く。水芭蕉が咲いている。のっぺり気分で、細い板の上をどこまでも・・・ここでそれを吸うのはご法度。善悪の彼岸には渡れない。体験できないことを読書で味わう。アヘン作りは草むしり。人の手がないと育たない”人間依存植物”。ミャンマーの東のワ州。ゴールデントライアングル。島国日本。国の形は当たり前にあ...続きを読むる。多くの民族が雑多に暮らす大陸。多数のビルマ族が少数民族をまとめてはたした独立。自治を貫きたいワ族。経済を担うアヘン。早々にはなくせない。滞在は1995年。世界は複雑。この地域の事情も相当変わっているだろう。

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Posted by ブクログ 2023年10月30日

高野さんの本は、自分の知らない土地に実際に行ったような感覚になれるところが魅力だと思う。それもただの取材というような表面的な滞在ではなく、高野さん自身が興味ある事をとことんやり尽くしているからこそ、ライブ感があるのだと思う。

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Posted by ブクログ 2023年05月21日

アヘン生産国ワ州に潜入し、ケシの栽培から収穫までを追いかけるノンフィクション。
過程で自身もアヘンにハマり、アヘン中毒になる展開までを赤裸々に告白。
リアルすぎる生活や人間模様が、非常に面白く、紙数はまあまあ多いけどさっと読めてしまう。

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Posted by ブクログ 2021年10月14日

登場人物の名前が似ていて覚えにくく、ところどころ誰か分からないまま読んだが、とても充実した内容だった。
アヘンべったりの内容かと思っていたが、住民との関わりや情勢などそれ以外のことも多く書かれていて、実際ムイレ村に住んでいる人々もアヘンべったりの生活ではないのだなと思った。
著者自身もうワ州に入るこ...続きを読むとが出来なさそうだけど、村の人々がどうなっているか気になる

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Posted by ブクログ 2021年05月21日

村人との別れのシーンは何故か感動した。体当たりのルポルタージュ。面白かった。

欲望の器はどんどん大きくなり、同じ刺激では満足できなくなる。
一方で筆者の摂取体験においては、欲望の器を小さくすることによって充足感を得た、とのことだった。

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Posted by ブクログ 2021年04月05日

ミャンマーの奥地にあるアヘンの生産地で実際にアヘンを栽培し、収穫した筆者によるドキュメンタリーで非常に興味深く面白かった。
心に残った部分を1つ。
人間の欲望は器のような物であり、満たされる度に欲望の器はどんどん大きくなっていく。
アヘンの効能はその欲望の器を小さくする事にある。器を小さくすれば、中...続きを読む身の不足は簡単に補える。ネガティブな「満足」だ。

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Posted by ブクログ 2021年02月15日

アヘン生産地に行き、そこで実際に半年以上も生活し、村人と一緒にアヘンを作り、そして実際にアヘンを吸って…この人しかできないし、それをこうやって活字にして世に出すのもこの人しかできないだろう。
「誰も行かないところに行き、誰もやらないことをやり、それをおもしろく書く」という高野さんの真骨頂だと思う。
...続きを読む他の作品(ソマリアランド)も読んだが、その体験の凄さと反比例して内容はその国・地域の日常やジョーク、下ネが多く含まれていて、ほっこりすることも多い。外から見て調べるルポではなく、実際に現地に溶け込むスタイルにしか書けない内容だと思う。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年09月01日

まだまだ世界は広いことを思い知らされる…。
行きたくても行けないところが、まだこの世の中に存在するとは。
アヘンの実態を知るために、実際にケシの種まきから収穫まで、村に滞在しながら体験するなんて。
「誰もしないようなことをする」が高野さんのモットーというが、なかなか出来ることじゃない。
村人との交流...続きを読むが、笑えるところもあり、おもしろかった。
シラミに悩まされるくだりは、読んでてこちらまで体が痒くなってきた……。
服の縫い目という縫い目にビッシリと……ウゲー。
しかしワ州ってところは、ホント独特なんだなぁ。
ビルマであってビルマでない。
ビルマのお金も「なんだそりゃ」状態だっていうんだから。
日本でそんなところはまずないだろう。
高野さんの本を読むと、なんというのか、深窓のご令嬢がひょんなことから(本当は心優しい)不良と知り合って、いろんなことを体験していくうちに「この人は、私の知らない世界をどんどん見せてくれるわ!」と感じるのに似ている気がする。
まあ、私は深窓のご令嬢でもなんでもないけどさ。
願わくば、高野さんがもう一度、ムイレ村でお世話になった人たちの消息を探りに行って欲しいと思う。
もうきっと、行けないんだろうし、行けても見つからないだろうけど……。

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Posted by ブクログ 2023年03月27日

思っていた以上に、村の生活の様子を知ることができた。全く、知識のない分野だったが、興味深く読めた。
今、現在はどんな風になっているのだろう。

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Posted by ブクログ 2021年04月03日

ミャンマーの反政府勢力が支配するアヘン栽培地帯に入り、現地の少数民族と共にアヘンを栽培した日本人の体験談。

こういうと非常に危険でスリリングな印象だが、実際書かれているのは、寒村でアヘン栽培という農作業を行う素朴な人々との淡々とした生活だった。

現在この地域はアヘンにかわって覚醒剤密造がさかんら...続きを読むしいが、彼らの生活はどうなっているのだろう…農作業のように覚醒剤を作っているのだろうか。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2020年11月24日

ワ州という未開の地や政治的立場について詳細な分析がされていた。おそらくある種の真実なのでであろうが、個人取材の限界というか取材対象の問題か、多角性に乏しく、結論もよくわからない。

以前読んだ作者の冒険記もののほうが楽しく、筆者の性格にも合っているのじゃないかなと感じた。

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Posted by ブクログ 2020年08月03日

1998年出版の本を文庫化したもの。高野さんは語学の天才だから、すぐ現地の言葉ができるようになる。そしてすぐ現地の人と友達になれる。頭が良くて文章が上手い。
これは比較的初期の著作なので、のちの著作よりちょっと文章が硬いが、若々しさを感じる。
それにしても、アヘンを栽培している地域で、現地の人の目線...続きを読むで考えたいと言っても、普通の日本人はこんなに長期に滞在はできない。他の本で書いていたが、毎日食べるモイックという、水加減適当に炊いた、菜っ葉(水が少ない地域なので洗わない)の入ったご飯が大変不味い、ということが最大のネック。普通の外国人なら、自分だけ持参した食糧を食べるところだろうが、高野さんは現地の人と同じ生活をすることが信条なので、この不味いモイックを毎日食べる。冠婚葬祭の時は肉が入るが、ほとんど丸ごと動物を投げ入れただけみたいで、普通のモイックよりもっと不味そうである。最後に出てきた、水を半分、牛の血を半分で炊いたモイックはことのほか不味そうで、ちょっと食べられそうにない。そんな食事を7ヶ月も。
しかし、現地の人は、これがご馳走様なんだから、不味くて食べられないなんてのが分かったら、とても仲間と認めてはくれないだろう。この食事とシラミ、風呂にも入れない(水が少ないから)生活を耐えられる日本人なんてそうはいないい。その上に現地語ができて、面白い文章が書ける、そんな人はさらにレアである。
まあ、正直、アヘン中毒はなりたくてなったみたいなところがあり、大丈夫か?とは思うが、大丈夫であって欲しい。
たくさんの少数民族がミャンマーの人口の3分の1、居住地域の半分を占めることはあまり知られておらず、というかこの本で知ったのだが(P229)、だとすればミャンマー政府のロヒンギャへの対応も、意外な事ではなく、もとからそういうこと(差別的扱い)を少数民族に対して行っていたということだろう。ノーベル賞を受賞したので、アウンサンスーチーは凄く人徳のある人のイメージだが、ビルマ人の民主化や地位向上には熱心だが、少数民族にも同じ権利を認めるかは別と考えているのかもしれない。
アヘンを作らなければ生きていけず、作っても軍に巻き上げられ収入にはほとんどならない。多くの人々が政府軍との争いで死んでいく。教育もなく、娯楽もなく、情報もなく、医療もないこういう村が今も世界にあり、それでも何らかの楽しみを見出しながら生活し、死んでいく人々がいる、ということを、時々思い出したいと思う。

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