高野秀行のレビュー一覧
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誰も行かないところへ行き、誰もやらないことをやる。そんな辺境作家の
著者が、早稲田大学探検部の先輩でもある作家・船戸与一の取材にガイド
役として同行したミャンマーでの珍道中エッセイである。
軍事政権下のミャンマーを日本の江戸時代に模して政治背景を解説している
ので、少々複雑なミャンマーの勢力構図も分かりやすい。
そして、非常に怪しい日本人ふたりの監視役が軍情報部。これが本書の
タイトルになっている柳生一族なのである。
でも、全然怖くないし、これが軍政国家の情報部なのかと思うほどの
へたれぶりを発揮するのだ。
ミャンマーに非合法入国すること8回、時にはアヘン栽培の地に半年も住み
着き、そ -
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ネタバレまだまだ世界は広いことを思い知らされる…。
行きたくても行けないところが、まだこの世の中に存在するとは。
アヘンの実態を知るために、実際にケシの種まきから収穫まで、村に滞在しながら体験するなんて。
「誰もしないようなことをする」が高野さんのモットーというが、なかなか出来ることじゃない。
村人との交流が、笑えるところもあり、おもしろかった。
シラミに悩まされるくだりは、読んでてこちらまで体が痒くなってきた……。
服の縫い目という縫い目にビッシリと……ウゲー。
しかしワ州ってところは、ホント独特なんだなぁ。
ビルマであってビルマでない。
ビルマのお金も「なんだそりゃ」状態だっていうんだから。
日本 -
Posted by ブクログ
ネタバレ長いこと、積ん読本でした。
「読むものがないから、仕方ないこれを読もう」と、寝る前にほんの少しだけ…と読み始めたらおもしろく、1回布団に入ったのですが先が気になって気になって、結局起き出して深夜まで読みふけってしまいました……。
読ませる読ませる。
これもムベンベの時同様、探検隊を組んで現地に向かい、そこの人といろいろやりとりしながら、怪魚発見に向けて突き進むのかな……と思っていたら!!
ウモッカと、格闘してないじゃん!!
タイトルに「インドへの道」とある意味がわかりました(笑)
私はもう一冊、「アヘン王国潜入記」を持っていて、そっちを先に読もうとしたらなかなか話に入っていけず、断念してしま -
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世界のシワってなんじゃい?
おそらく、この本のタイトルを見た大多数の人がそう思うでしょうね。そして表紙は梅干がのった白米。
まったくもってなんの本だが見当が付かないのに、この本を買ってしまったのは、僕も世界のシワに夢
を見たかったからであります。
著者の高野氏は、早稲田大学探検部出身の作家。本書は、そんな著者のライフワークともいえる探検の様
子をまとめた爆笑エッセイ集だ。
著者はひたすらに「世界のシワ」を求める。だから世界のシワってなに?
「世界のシワ」とは、世界の「辺境」のことだという。著者の言葉を借りると、
『アメリカ化が進むと、世界はのっぺりする。イメージで言えば、先進国 -
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夏に買った本ですが、一度最初の方だけ読んで「あんまり・・・」と思って積ん読状態にしてありました。
年に数回訪れる私の中の「在庫一掃キャンペーン」の季節が来て読み始めたところ、あっというまでございました。
夏には、なぜあんなに読みにくかったんだろう…。
コンゴの暑さと夏の暑さが重なって、暑苦しかったんだろうか。
ネッシーみたいな幻の生き物、「ムベンベ」を探しに出かけた早大探検部+α。
最初は私も、「本当にムベンベ、なんているのかなぁ。探検部の人たちは見つけられるのかなぁ」と、そっちの方を気にして読んでいたのですが、だんだんムベンベなんてどうでもよくなり、コンゴの人々と日本人とのやりとり、ドクター -
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ネタバレ酒を主食とする人々
エチオピアの科学的秘境を旅する
著者:高野秀行
発行:2025年4月7日
本の雑誌社
タイトルは比喩表現ではない。主食のように酒をよく飲む人々、ではなくて、本当に1日3食以上、食事として酒を飲んで生きている人々がエチオピア南部にいる。今回は二つの少数民族が住む村を訪ねるのだが、どちらも小さな子供から老人まで、食事として酒を飲む。ソルガムというイネ科モロコシ属(日本ではコーリャン、モロコシ、カカキビとも)の穀物(世界五大穀物の一つ)を発酵させた酒を飲む。固形物としては、ソルガムで作った団子(みたらし団子ほどの大きさ)と豆を食べるだけ。
早稲田大探検部出身のノンフィクショ