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Posted by ブクログ
早稲田大学探検部の学生が、コンゴまで幻の獣「モケーレ・ムベンベ」見つけに行く実話。
正しくクレイジー・ジャーニー。
高野秀行さんの「ワセダ三畳青春紀」がとても面白く、他のも読んでみたいと思っていたころ、インスタでこちらをおすすめしていただいた。
高野秀行さんが作家として活動していくきっかけになった本でもあり、なるほど本当に文章が読みやすく、ユーモアのセンスが素晴らしかった。
終始ニヤけてしまう。
ムベンベを見つけられるのか、見つけられないのかとか、ムベンベは何かとか、そこが大事なポイントではない。
このために、生死をかけて日本との国交がほぼ皆無のコンゴのジャングルに飛び出る80年代の学生のバイタリティとクレイジーさに感動する。
そしてそこで体験した1ヶ月以上にも及ぶ生活が、私自身では絶対に経験できないことだから、読んでいてとても面白かった。
毎回本を開くとコンゴのボア族とジャングルにいた。
(自分は居心地のいいベッドのなかだったり、電車の中だったりだったけど)
現代社会の問題が盛り込まれた本から一息つきたい方にはおすすめ。
多様性、LGBTQ、精神疾患、貧困問題、少子高齢化、SDGs、ジェンダー平等、教育格差、長時間労働、
情報リテラシーの格差、生産性の低迷、移民問題とは…?
これらはコンゴのムベンベが現れるというテレ湖には無縁。
久しぶりに全てから解き放たれて、読み終わった後はかなりの爽快感があった。
Posted by ブクログ
著者が早稲田大学の探検部で、コンゴのテレ湖で見かけられたという幻の怪獣(ムベンベと命名)を確認すべく、プロジェクトメンバーを募り果敢に挙行する非日常的な大冒険談である。
そもそもコンゴは日本と国交がなく双方の大使館も無いなか、ビザの取得から苦労し、途方に暮れそうな行程で目的地のテレ湖をめざす。飛行機で行けるのはコンゴの大きな町までで、その後は道があるのは100km先にある村までで、そこからは丸木舟で100km先にある村を目指し、その後は湿地帯のジャングルの中を60km進む。ようやく辿りついたテレ湖は変化に乏しい単調な湖であり、果たしてムベンベが現れるのか、一瞬たりとも目が離せない状況から、3交代で24時間監視体制を組む。カワウソやゴリラなど尋常じゃない物を食しながら、マラリアに罹ったり生死が危うい環境のなか、めげる事なく監視活動を続ける。ムベンベは見つかるのか、その正体は何か、結論は出るのだろうか、半信半疑で読み進める。巻末には早稲田大学探検部のプロジェクトメンバー総勢9名の顔写真と本人からのコメント、またその後の人生が紹介されている。本書のなかでは、それぞれの人物像がくっきり表現されており、著者の類稀な描写力に感心させられる。こんな無謀なことにチャレンジする学生魂が紙面を通して伝わってくる。
Posted by ブクログ
本書には、日本の学生、コンゴ人の学者、役人、現地住民が登場し、ジャングル奥の湖への行き来と滞在の様子が描かれる。
体力、時間、お金、思考力、仲間、これら全てを兼ね備える大学生の極みのような体験記と思った。
描かれる人たちは皆それぞれに才気に溢れ、行動力もある優秀な方々なのだが、その時々の目の前の出来事に右往左往しながら反応し、対処していく様子が面白かった。
日本では、将来に悩み、思い詰めることも数多くある思うが、本書中の登場人物にはそれらが見られず、ある意味で場当たり的に過ごしているようにも見える。しかし、後書きにあるように各位は今も元気に幸せに暮らし、立派な仕事をされている方もいる。
日々を生きるのに思い悩む必要はなく、目の前のことに集中して楽しく生きていても良いのかもしれない、という気持ちになった。
Posted by ブクログ
辺境作家 高野秀行の処女作。早稲田大学探検部に所属していた高野さんが、コンゴ共和国(当時)のテレ湖に棲むという幻の生物「モケーレ・ムベンベ」を探しに行く顛末を描いた本。いないかもしれない、という至極真っ当な疑問を抱きながら、同時にその存在を切に信じて調査団を編成して冒険の旅に出る。
学生の身分であるのに(学生だからこそ?)、機材の調達のためにキャノンやソニーなどの大企業から支援を募り、コンゴ政府や原住民と交渉をしてサポートを得て、大規模な調査団を率いて1ヶ月以上にもわたる調査を行った。怪獣に関する目立った成果はなくとも、その行動力自体に脱帽する。自分が学生時代の発想を思うと、全く想像すらできなかっただろうことをやっている。
高野さんも「はっきり言って、なぜ自分がこんなことをしているのかわからない。わからないながらも、あまりに無意味な活動をしているので、なぜか快感すら覚える。「普通の人は、ちょっと真似ができないな」と思う。当たり前だ」という感想を漏らす。著者はその普通でないところにプライドを持っていたのだろうし、確かにそうだ。食事ひとつとっても、ワニ、カワウソ、ヘビだけでなくゴリラやチンパンジーまで食する。少し食べてみたい気がするが、屠殺する場面を見て唾が出てくるようにはならないだろうなあ。
現地人とのやりとりや微妙な空気も生き生きと表現されていて読んでいて楽しい。荒削りな部分もあるが、補って余りある魅力がある本。
文庫本にあったっての後書きにある同志近況も素敵。マラリアにかかってほとんど寝込んでいた後輩の田村さんが寄せた手記は考えさせるものがある。
高野さんは語学の才能があるんだということもわかった。後の日本で唯一の辺境作家となる素地がこのとき花開いた感じがあり、うれしい。「アフリカとは末永くつき合っていくと思われる。そのなかで、もっともっと想像のつかない世界に入っていきたい」と述べる著者。その思いは、その後現実となり、その果実を読者と分け合うことになる。素敵な話だ。
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