【感想・ネタバレ】幻獣ムベンベを追えのレビュー

あらすじ

太古の昔からコンゴ奥地の湖に棲息するという謎の怪獣・モケーレ・ムベンベ発見を賭け、赤道直下の密林に挑んだ早稲田大学探検部11人の勇猛果敢、荒唐無稽、前途多難なジャングル・サバイバル78日。子供の心を忘れないあなたに贈る、痛快ノンフィクション。

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Posted by ブクログ

男子大学生って面白いよな、とは前々から思っていた。高校生よりは大人になってるけど社会人には満たない、未熟さや無責任さが若干残っている危うさはありつつも、知識があるためいろいろなことが出来てしまう。でもまぁ、なんてったって早稲田大学。頭の良い学生さんたちはまたちょっと違うよなきっと。

…と思い読み始めたらめちゃくちゃ面白かった。考えてみたら、謎の怪獣モケーレ・ムベンベを探しに行く時点で充分私の思う男子大学生であった…

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2025年09月06日

Posted by ブクログ

モケーレ・ムベンベ、知ってる!!
でも周りは誰も知らないしテレビとかにも出てこない。そのうち「私が作り出したマボロシだったんかな…」と思い始めたその時、この本を見つけました。

早稲田大学の探検部、謎の怪獣ムベンベを探してコンゴの奥地へ。
現地のガイドにやられ、高熱にやられ、食糧が尽き
ムベンベはなかなか見つからず〜

ムベンベに対してこんなに熱い人達がいたなんてもう感動。
しかも、自分には絶対全く1ミリも縁のない世界だからこそ、知りたい事がありすぎ。高野さんおもしろすぎ。

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2025年07月25日

Posted by ブクログ

早稲田大学探検部の学生が、コンゴまで幻の獣「モケーレ・ムベンベ」見つけに行く実話。

正しくクレイジー・ジャーニー。

高野秀行さんの「ワセダ三畳青春紀」がとても面白く、他のも読んでみたいと思っていたころ、インスタでこちらをおすすめしていただいた。

高野秀行さんが作家として活動していくきっかけになった本でもあり、なるほど本当に文章が読みやすく、ユーモアのセンスが素晴らしかった。
終始ニヤけてしまう。

ムベンベを見つけられるのか、見つけられないのかとか、ムベンベは何かとか、そこが大事なポイントではない。

このために、生死をかけて日本との国交がほぼ皆無のコンゴのジャングルに飛び出る80年代の学生のバイタリティとクレイジーさに感動する。

そしてそこで体験した1ヶ月以上にも及ぶ生活が、私自身では絶対に経験できないことだから、読んでいてとても面白かった。

毎回本を開くとコンゴのボア族とジャングルにいた。
(自分は居心地のいいベッドのなかだったり、電車の中だったりだったけど)

現代社会の問題が盛り込まれた本から一息つきたい方にはおすすめ。

多様性、LGBTQ、精神疾患、貧困問題、少子高齢化、SDGs、ジェンダー平等、教育格差、長時間労働、
情報リテラシーの格差、生産性の低迷、移民問題とは…?

これらはコンゴのムベンベが現れるというテレ湖には無縁。

久しぶりに全てから解き放たれて、読み終わった後はかなりの爽快感があった。

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2025年02月04日

Posted by ブクログ

著者が早稲田大学の探検部で、コンゴのテレ湖で見かけられたという幻の怪獣(ムベンベと命名)を確認すべく、プロジェクトメンバーを募り果敢に挙行する非日常的な大冒険談である。
そもそもコンゴは日本と国交がなく双方の大使館も無いなか、ビザの取得から苦労し、途方に暮れそうな行程で目的地のテレ湖をめざす。飛行機で行けるのはコンゴの大きな町までで、その後は道があるのは100km先にある村までで、そこからは丸木舟で100km先にある村を目指し、その後は湿地帯のジャングルの中を60km進む。ようやく辿りついたテレ湖は変化に乏しい単調な湖であり、果たしてムベンベが現れるのか、一瞬たりとも目が離せない状況から、3交代で24時間監視体制を組む。カワウソやゴリラなど尋常じゃない物を食しながら、マラリアに罹ったり生死が危うい環境のなか、めげる事なく監視活動を続ける。ムベンベは見つかるのか、その正体は何か、結論は出るのだろうか、半信半疑で読み進める。巻末には早稲田大学探検部のプロジェクトメンバー総勢9名の顔写真と本人からのコメント、またその後の人生が紹介されている。本書のなかでは、それぞれの人物像がくっきり表現されており、著者の類稀な描写力に感心させられる。こんな無謀なことにチャレンジする学生魂が紙面を通して伝わってくる。

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2024年05月17日

Posted by ブクログ

恐らく当時テレ湖は秘境又は未開の地だったのでしょう。そこに行って調査をし、餓鬼になり、ゴリラとチンパンジーを喰らい、ジャングルの虫とも戦い、若さもある、時間もある、有り余るエネルギーをパワーを探検にぶつけているさまが伝わってきました。結果は...でしたが、みなさん社会人になり、メンバーのその後の人生の中で幻獣ムベンベは生きている!気がしました。

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2024年02月06日

Posted by ブクログ

一昨日に読み終わった『アヘン王国潜入記』が面白かったので、高野さんの著作を順に読んでいこうと手に取ったが、これも大当たりだった。
未開の地ともいえるような場所で生活しよく病気にかからないな、かかってもよく生き延びられるなとCDPメンバーの生命力に感心してしまった笑

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2023年09月02日

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本書には、日本の学生、コンゴ人の学者、役人、現地住民が登場し、ジャングル奥の湖への行き来と滞在の様子が描かれる。

体力、時間、お金、思考力、仲間、これら全てを兼ね備える大学生の極みのような体験記と思った。


描かれる人たちは皆それぞれに才気に溢れ、行動力もある優秀な方々なのだが、その時々の目の前の出来事に右往左往しながら反応し、対処していく様子が面白かった。

日本では、将来に悩み、思い詰めることも数多くある思うが、本書中の登場人物にはそれらが見られず、ある意味で場当たり的に過ごしているようにも見える。しかし、後書きにあるように各位は今も元気に幸せに暮らし、立派な仕事をされている方もいる。

日々を生きるのに思い悩む必要はなく、目の前のことに集中して楽しく生きていても良いのかもしれない、という気持ちになった。

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2021年08月14日

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とにかく文章がうまい、読ませるなというのが第一印象。
早稲田大学の探検部に所属時していた時の出版だが、
平均的大学生の文章力を余裕で超えている。

氏は、後に数多くの冒険モノを出版しているが、
処女作には、作家の全てが宿るというか、この作品には、全てが詰まっている。
明らかに、著者は、変わりモノだが、その変わりモノを突き通し、
今では、辺境作家として、一つの地位を築いている。

今の大学生で、これだけ、無茶苦茶なことをやる人はいないと思う。
また、そういうことも、今は必要とされていない。

当時は、世界一周したら、いくらか価値があったのだ。
今は、その価値はあるかと聞かれたら、多くの人は、そんな余裕なんて、
ないと答えるだろう。

くらだないことができるほど、当時の日本が余裕があった。
協賛企業にソニーが並んで、冒険機材だけで、数百マンが出る時代である。

ただ、今でも価値があるのは、著者の目の付け所かなと思う。
抜群に、それがうまい。
どんなくだらないことでも、価値があるように見えてしまうのは、
著者の並々ならぬ知性によるものだろう。
そして、やはり、変幻自在の問題意識によるものだろう。

今の日常も、見方を変えれば、大きな冒険になる。
そういう視点を、この本は与えてくれるかもしれない。

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2018年04月07日

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辺境作家 高野秀行の処女作。早稲田大学探検部に所属していた高野さんが、コンゴ共和国(当時)のテレ湖に棲むという幻の生物「モケーレ・ムベンベ」を探しに行く顛末を描いた本。いないかもしれない、という至極真っ当な疑問を抱きながら、同時にその存在を切に信じて調査団を編成して冒険の旅に出る。

学生の身分であるのに(学生だからこそ?)、機材の調達のためにキャノンやソニーなどの大企業から支援を募り、コンゴ政府や原住民と交渉をしてサポートを得て、大規模な調査団を率いて1ヶ月以上にもわたる調査を行った。怪獣に関する目立った成果はなくとも、その行動力自体に脱帽する。自分が学生時代の発想を思うと、全く想像すらできなかっただろうことをやっている。

高野さんも「はっきり言って、なぜ自分がこんなことをしているのかわからない。わからないながらも、あまりに無意味な活動をしているので、なぜか快感すら覚える。「普通の人は、ちょっと真似ができないな」と思う。当たり前だ」という感想を漏らす。著者はその普通でないところにプライドを持っていたのだろうし、確かにそうだ。食事ひとつとっても、ワニ、カワウソ、ヘビだけでなくゴリラやチンパンジーまで食する。少し食べてみたい気がするが、屠殺する場面を見て唾が出てくるようにはならないだろうなあ。

現地人とのやりとりや微妙な空気も生き生きと表現されていて読んでいて楽しい。荒削りな部分もあるが、補って余りある魅力がある本。
文庫本にあったっての後書きにある同志近況も素敵。マラリアにかかってほとんど寝込んでいた後輩の田村さんが寄せた手記は考えさせるものがある。

高野さんは語学の才能があるんだということもわかった。後の日本で唯一の辺境作家となる素地がこのとき花開いた感じがあり、うれしい。「アフリカとは末永くつき合っていくと思われる。そのなかで、もっともっと想像のつかない世界に入っていきたい」と述べる著者。その思いは、その後現実となり、その果実を読者と分け合うことになる。素敵な話だ。

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2015年01月31日

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探検部ってどんなことしてるんだろう?と学生時代思っていた(なんとなく近寄りがたかった)んだけど、こんなことをしていたのか笑

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2025年07月05日

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高野秀行デビュー作。
幻の怪獣ムベンベを探すというのが主旨であるが、途中からそんなことよりもマラリア、飢餓、ハント、人の交流・対立といった他のわけのわからない事象が次々と襲い掛かってくる。
ゾンビをまともに相手にしなくなったウォーキング・デッドの終盤みたいだ。

登場人物の多さがネックで、誰が誰だかよく分からないまま読み進めた。
それを反省してか、後の高野作品では水滸伝や源平合戦に準えてあだ名をつけるようにしてくれて読みやすい。

人の多さは悪いことだけではなくて、冒険に対する視点の多さが面白さも生んでいる。
マラリアでずっと倒れていただけの隊員の考えていたことなんて凄まじかった。

大学生という危険を顧みない集団の異常行動の数々を楽しむことができ、それは冒険の達人・高野さんの中でも最も無謀な冒険作品であると言えそうだ。

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2025年02月12日

Posted by ブクログ

自らも冒険しているような気持ちになりながら読める本でした。実際の現場の空気感や温度音などを写実的な表現と言うよりは、主観的な表現言葉を用いて文章を作っていました。そのふいんきが生々しく、自分の頭に想像できることが楽しくするすると読み進めてしまいました。
時系列順に高野さんの作品を読んでいこうと思っています。ありがとうございました。

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2024年04月22日

Posted by ブクログ

コンゴ・ジャーニーからの流れで読む。こちらはより真剣にムベンベを探しているが、最後には一種の悟りの境地に達するあたりは探検家として通る道なのかも。

紀行作家としての格はなかなかオハンロンにかなわないが、破格の探検行の中にも大学のクラブらしいノリも感じられ、身近に引き寄せて楽しく読めた。コンゴ・ジャーニーの前日譚として共通の登場人物(ドクターやドゥーブラ)も出てきて興味深い。

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2023年09月18日

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1988年。”辺境作家”として確固たる地位(?)を築いている著者。この時点でそうなることは本人でも予想してなかっただろう。35年経つ。バブルがはじけ、就職氷河期を経て、コロナ禍でバイトがなく退学する学生も出た。3月~5月の3か月におよぶアフリカ探検。バイトも学業も止まる。この時代だからこそできたのだろう。泥にはまって、ワニ、トカゲ、サルを食らい、毒虫の恐怖に怯える。そこで見出したのは世紀の発見か?現地の国事情、当時の学術事情、村人の人間事情。残したものはそれなりに大きかった。今でも楽しめるのがその証。

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2023年01月18日

Posted by ブクログ

 早稲田出身の知り合いは、割と真面目な方が多いので、まさかこんな人達がいるなんて思わなかった。いや、こういう人達が、学研のムーやら川口浩探検隊やらを支えているんだろうなと思った。
 解説で宮部みゆきさんが、
 「知恵と体力を振り絞り、自分たちの目で事実を
 確かめようと、テレ湖までムベンベを追いかけて 
 いった探検部のメンバーに心から敬意を表しま
 す」
と書いていらしたが、言語を理解する能力があって、行動力があって、周囲の理解と援助があって、それでも子どもの頃の憧れを忘れないメンバーがいたから、今こうして私が読書を楽しめるのだろうと思う。昔読んだ、『洞窟の女王』や『ソロモン王の宝窟』や『類猿人体ターザン』を思い出した。まさか本当に探検するなんて⁈
 私には能力も行動力もないが、幼い頃の夢を実現するための背中を押された気がする。

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2022年12月14日

Posted by ブクログ

川口浩を見て育った年代の方なら必ず楽しめます。たぶんそれ以外の方でも。
やってることはハチャメチャだけど、文章は読ませます。

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2021年02月25日

Posted by ブクログ

モケーレ・ムベンベ。雨上がりの虹と共に現れる。
モンゴリアンデスワームとは桁違いの幻獣さである笑

この本を読んだ後の感想としては、とにかく皆さん無事で何よりでした。

何事も自分の肌で感じることが大事だと思わせてくれる一冊。

PS : 高熱が出た時は全裸でお湯の入ったたらいをかき混ぜるといいらしい。(特別なコンゴの草が必要なので良い子は絶対真似しないでね。)

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2020年10月19日

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ネタバレ

高野秀行デビュー作。
コンゴ現地でのことはもちろん、コンゴに向かうまでの準備もおもしろいし、ワクワクする。

本書の筋からは離れるが、文庫版あとがきも読み応えがある。プロジェクトから14年が経ち、各隊員のその後をまとめたものだ。
とくにマラリアに苦しんだ田村という隊員の思い。彼はコンゴでずっとマラリアに苦しみ、何もできなかった。彼は当時何を考えていたか、14年経った今、あの遠征をどのように捉えているか。非常に重い言葉が綴られている。
まったく余談だが、この田村という人はJR東日本ウォータービジネスの社長になっているようだ。

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2020年10月19日

Posted by ブクログ

愚直だがエネルギーに溢れる作品で、高野氏の行動力の原点を垣間見た気がした。昭和の人達は本当に逞しい。私達の世代はやや省エネでスマートに事を運ぼうとする傾向があるが、結局何かを成し遂げるのはこのような人達のように思う。

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2019年12月31日

Posted by ブクログ

とにかく面白い。全くバカげてる。
ジャングルでの生活が生々しく伝わってくる。
特に狩で捕まえた様々な動物を解体して調理して食べなければ行けなかったりや、マラリヤにかかっても、治療薬もたいして効かず苦しまなければいけないなど都会での生活では想像も出来ないことだらけだ。
それでも、この体験をした何人かは今だに同じような事をしているという。このような異常な経験はクセになってしまうのだろうか。
自分ではとてもこのような探検ができるとは(というよりしようとも)思わないが、だからこそ、このような本でその「バカげた探検」を通しての貴重な体験を伝えてくれる人たちには感謝したい。

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2019年01月09日

Posted by ブクログ

幻のムベンベを探して探検をする様子が事細かに書かれていて面白い。これがノンフィクションだというのが驚きだ

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2018年08月11日

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ヘタしたら死人が出るような探検。
今の時代だったら大問題になっていたかもしれない。

それにしてもタフだ。

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2018年06月14日

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コンゴの湖にいるという怪獣ムベンベを早稲田大学探検部が探しに行くノンフィクション。コンゴに行くまでの準備やコンゴでの壮絶な生活など読んでいるだけでワクワクします。

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2017年09月11日

Posted by ブクログ

夏に買った本ですが、一度最初の方だけ読んで「あんまり・・・」と思って積ん読状態にしてありました。
年に数回訪れる私の中の「在庫一掃キャンペーン」の季節が来て読み始めたところ、あっというまでございました。
夏には、なぜあんなに読みにくかったんだろう…。
コンゴの暑さと夏の暑さが重なって、暑苦しかったんだろうか。
ネッシーみたいな幻の生き物、「ムベンベ」を探しに出かけた早大探検部+α。
最初は私も、「本当にムベンベ、なんているのかなぁ。探検部の人たちは見つけられるのかなぁ」と、そっちの方を気にして読んでいたのですが、だんだんムベンベなんてどうでもよくなり、コンゴの人々と日本人とのやりとり、ドクターのアクの強さ(笑)なんかがおもしろく、一気読みでした。
「カヌーに横たわるゴリラ」という写真で、私は「あらあら、人間が誰もいないときに来て、昼寝でもしちゃったのかな」なんて思って「プッ」と笑ってしまったのですが、全然違いましたね……。
探検部の中では、マラリアにかかってしまった田村君(きっと年上だけど君付け)が一番辛かっただろうなぁ……。
ジャングルの奥地で、しかもマラリア。
「最・悪」という感じでしたでしょうね…。
助かってよかったです。

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2023年08月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

コンゴのテレ湖にムベンベを探しに行くことにした早稲田探検部。準備、現地での調査、そして帰国と常に何かの問題があり、その問題を最善とはいえない方法で乗り越えていく、学生ならではの勢いがある。
読んでいるだけでも大変そうなのだか、きっともっとつらかったのだろうと想像する。
ムベンベは見つからず、帰ってくるわけだが、キャラが一人一人たっていて、おもしろく読むことができる。

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2025年05月04日

Posted by ブクログ

わりとまともな、U馬探索レポート。
高野さんの初期本なので、一生懸命書きました
というのが感じられる。

秘境に行くのには大変なことなんだなー。
探検隊の苦労がしみじみ実感できる。

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2023年11月09日

Posted by ブクログ

高野さんの原点であり、早稲田大学探検部の伝説となった探検の一部始終。
後の作品の核となる、現地の人との現地語での遣り取りへのこだわりや、「誰も行っていないところに行き、それを面白おかしく書く」という高野さんのコンセプトの萌芽が読み取れた。
『語学の天才まで一億光年』を読んで色々と気になったことのピースが嵌ったと同時に、『飼い喰い』を書いた内澤旬子さんと高野さんが気が合う理由が垣間見えた気がする。
今、どこの大学でも探検部は存続が難しいと聞いている。探検は壮大な回り道だから、タイパ重視のデジタルネイティブには敬遠されがちなんだとか。もったいないなぁ。

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2023年01月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

文庫版あとがきで、探検部員のその後について書かれている。進路が思ってもいないものばかりで、誰にも未来はわからないなと思ってしまう。
村上が好きな人物なのだが、それはコンゴでも数学書を読むという姿に憧れたからだ。そんな彼が自衛隊に入隊するなんて、誰が想像つくだろう。
自分の未来もどうなってるか本当にわからないな。

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2022年04月19日

Posted by ブクログ

早稲田探検部高野さんの活動記録。

大学生なのに科学的、建設的分析といったつまらないリアルは無視して冒険に没頭するところがすごくいい!!
この時代(80年代)、自分が子供だったというところがありますが、神秘的な謎がまだまだ多くて世界がわくわくだらけだったなあ。

そして時代が進み当時は自分の足と頭でしか獲得できなかった情報の多くが、インターネットの出現によって1クリックで確認できるようになってしまい、半端なくたくさんのことが知れるようになった一方で、定量化できない”わくわく”がごっそり奪われてしまったことに気づく。。。

とはいえ人生一度きり、地球に対して自分自身はちっぽけな存在なので、いい年になったとはいえ純粋な冒険心と行動力を錆びつかせず生涯大切にしていかなくちゃって思った!

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2021年06月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 早稲田大学探検部の著者のデビュー作である。

 デビュー作ということもあって、文章表現などは洗練されていないが、アフリカ現地の情景を現せていないわけではない。逆に、荒削りな表現が荒々しいアフリカとマッチしていたりもするか。

 秘境探検の小説が数少ないなかで、著者の作品はエネルギーに満ち溢れてはいるが、動物など生き物に対し、少し残念な表現(もう少しストレートに言うと、愛が全く感じられない、動物などの生き物の命を頂いて人間は生かされているという有難さの観念がない表現)が多く見受けられ、そんな言い方するかー、という場面にしばし出会う。ここらが、もう少し後の作品になれば、人間味も増し、よりよいものになるかなと期待したい。(日本でノウノウと生きているよりもっと過酷な世界を探検したら、そんな動物愛のことなど言ってられない、と言われるかもしれないが、逆に、過酷な世界を経験したからこそ、食への考えなどは洗練されてくるのだと思うが、どうだろうか。)

 ムベンベを追え、という題名であるが、内容はムベンベを探すより、アフリカ人とのすったもんだ道中記みたいなものだ。

 次はアヘン王国を読もう。

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2018年06月04日

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