あらすじ
太古の昔からコンゴ奥地の湖に棲息するという謎の怪獣・モケーレ・ムベンベ発見を賭け、赤道直下の密林に挑んだ早稲田大学探検部11人の勇猛果敢、荒唐無稽、前途多難なジャングル・サバイバル78日。子供の心を忘れないあなたに贈る、痛快ノンフィクション。
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Posted by ブクログ
高野秀行デビュー作。
コンゴ現地でのことはもちろん、コンゴに向かうまでの準備もおもしろいし、ワクワクする。
本書の筋からは離れるが、文庫版あとがきも読み応えがある。プロジェクトから14年が経ち、各隊員のその後をまとめたものだ。
とくにマラリアに苦しんだ田村という隊員の思い。彼はコンゴでずっとマラリアに苦しみ、何もできなかった。彼は当時何を考えていたか、14年経った今、あの遠征をどのように捉えているか。非常に重い言葉が綴られている。
まったく余談だが、この田村という人はJR東日本ウォータービジネスの社長になっているようだ。
Posted by ブクログ
コンゴのテレ湖にムベンベを探しに行くことにした早稲田探検部。準備、現地での調査、そして帰国と常に何かの問題があり、その問題を最善とはいえない方法で乗り越えていく、学生ならではの勢いがある。
読んでいるだけでも大変そうなのだか、きっともっとつらかったのだろうと想像する。
ムベンベは見つからず、帰ってくるわけだが、キャラが一人一人たっていて、おもしろく読むことができる。
Posted by ブクログ
文庫版あとがきで、探検部員のその後について書かれている。進路が思ってもいないものばかりで、誰にも未来はわからないなと思ってしまう。
村上が好きな人物なのだが、それはコンゴでも数学書を読むという姿に憧れたからだ。そんな彼が自衛隊に入隊するなんて、誰が想像つくだろう。
自分の未来もどうなってるか本当にわからないな。
Posted by ブクログ
早稲田大学探検部の著者のデビュー作である。
デビュー作ということもあって、文章表現などは洗練されていないが、アフリカ現地の情景を現せていないわけではない。逆に、荒削りな表現が荒々しいアフリカとマッチしていたりもするか。
秘境探検の小説が数少ないなかで、著者の作品はエネルギーに満ち溢れてはいるが、動物など生き物に対し、少し残念な表現(もう少しストレートに言うと、愛が全く感じられない、動物などの生き物の命を頂いて人間は生かされているという有難さの観念がない表現)が多く見受けられ、そんな言い方するかー、という場面にしばし出会う。ここらが、もう少し後の作品になれば、人間味も増し、よりよいものになるかなと期待したい。(日本でノウノウと生きているよりもっと過酷な世界を探検したら、そんな動物愛のことなど言ってられない、と言われるかもしれないが、逆に、過酷な世界を経験したからこそ、食への考えなどは洗練されてくるのだと思うが、どうだろうか。)
ムベンベを追え、という題名であるが、内容はムベンベを探すより、アフリカ人とのすったもんだ道中記みたいなものだ。
次はアヘン王国を読もう。