高野秀行のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ前作「怪魚ウモッカ格闘記」の続編といえる今作。
読んでない人は読んでからこの本の扉を開きましょう。
相変わらずのキレッキレの文章です。
もーーーーーーー文章がうまい!
うまいだけでなく感性が本当に繊細で冷静ですね。
これだけ冷静でこの感性を持ち続けることは、生き辛かろうと思ってしまうが、なにせ抱腹絶倒なのでマイルドに楽しめます。
この人が亡くなったら(失礼!)この人の人生はすべてフィクションにされてしまうのではないか、とも思わされます。
しかし同レベルの変人奇人(再度失礼!)がこの方の周りにはワンサカと。
世の中捨てたもんじゃなかですよ、イヤ本当。
今回は高野さん日本にいらっしゃいます。日本の田舎っていいですよね。ザッツ田舎センスに高野さんも次々と遭遇しています。
そして日本の神様の「ざっくり」感にほっこりというかぐったりします。
愛すべき日本の信仰心。 -
Posted by ブクログ
誰も行かないところへ行き、誰もやらないことをやる。そんな辺境作家の
著者が、早稲田大学探検部の先輩でもある作家・船戸与一の取材にガイド
役として同行したミャンマーでの珍道中エッセイである。
軍事政権下のミャンマーを日本の江戸時代に模して政治背景を解説している
ので、少々複雑なミャンマーの勢力構図も分かりやすい。
そして、非常に怪しい日本人ふたりの監視役が軍情報部。これが本書の
タイトルになっている柳生一族なのである。
でも、全然怖くないし、これが軍政国家の情報部なのかと思うほどの
へたれぶりを発揮するのだ。
ミャンマーに非合法入国すること8回、時にはアヘン栽培の地に半年も住み
着き、その栽培・収穫に携わった著者だけあってミャンマー情勢の分析には
鋭いものがある。
でも、お堅い話ではなく、かなり砕けた書き方をしているのですんなりと
頭に入って来る。
著者も著者だが、その上を行くのが船戸与一だ。あのミャンマーで、誰彼
構わず「スー・チー女史は好きか?」と聞くわ、いきなり麻薬王に会いに
行くとか言い出すわ。傍若無人にもほどがある。
本書では何が怖いって船戸与一が一番怖かったよ。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ長いこと、積ん読本でした。
「読むものがないから、仕方ないこれを読もう」と、寝る前にほんの少しだけ…と読み始めたらおもしろく、1回布団に入ったのですが先が気になって気になって、結局起き出して深夜まで読みふけってしまいました……。
読ませる読ませる。
これもムベンベの時同様、探検隊を組んで現地に向かい、そこの人といろいろやりとりしながら、怪魚発見に向けて突き進むのかな……と思っていたら!!
ウモッカと、格闘してないじゃん!!
タイトルに「インドへの道」とある意味がわかりました(笑)
私はもう一冊、「アヘン王国潜入記」を持っていて、そっちを先に読もうとしたらなかなか話に入っていけず、断念してしまい、この本もそういう感じになるのかな…と今まで読まずにいましたが、大いなる勘違いでした。
おもしろかったので、早速本屋に行って「異国トーキョー漂流記」と「ミャンマーの柳生一族」を買ってきてしまいましたよ。
「探し物をしたい」という欲求、すばらしい。 -
Posted by ブクログ
世界のシワってなんじゃい?
おそらく、この本のタイトルを見た大多数の人がそう思うでしょうね。そして表紙は梅干がのった白米。
まったくもってなんの本だが見当が付かないのに、この本を買ってしまったのは、僕も世界のシワに夢
を見たかったからであります。
著者の高野氏は、早稲田大学探検部出身の作家。本書は、そんな著者のライフワークともいえる探検の様
子をまとめた爆笑エッセイ集だ。
著者はひたすらに「世界のシワ」を求める。だから世界のシワってなに?
「世界のシワ」とは、世界の「辺境」のことだという。著者の言葉を借りると、
『アメリカ化が進むと、世界はのっぺりする。イメージで言えば、先進国と大都市を中心に、みんなが
せっせとアイロンがけをしているようなものだ。どこも同じように清潔で快適でおしゃれで便利になる。
では、アイロンが行き届いていないところはどうかと言うと、これはシワくちゃだ。昔からシワだらけ
だったのが、さらに中央部からの、まさに「シワ寄せ」を食らっているからたまったもんじゃない。そう
いう世界のシワみたいな地域は「辺境」とか「僻地」と呼ばれる。山あり谷あり、病気あり内戦あり、犯
罪あり非常識あり、怪獣あり野人あり・・・とたいへんなのだが、なぜか私はそういうシワ地帯が好きで
ある』(はじめに より)
ということだ。ここが「旅人」と「探検家」の違いであろう。もちろん旅人だって世界の辺境を旅するだ
ろうが、探検となると基本的にその姿勢は「攻め」になる。それを世間では「男のロマン」と呼ぶ。
奥多摩の洞窟でデート、コンゴの密林でカロリーメイトに命をかける、バンコクでのアヘン研究、アマゾ
ンでしらみと格闘、アフリカの悪徳ポリスに絡まれる、アフリカのコンゴで初体験・・・。
普通に考えればとんでもないことが次々と起こる。よく生きてるなこの人。そんな感想を持つだろう。
しかし、それが探検家が探検家たる由縁なのである。平坦な道を歩く探険家など探検家とは呼ばないの
だ。普通に生活していてあまり探検家の人とお友達になる機会は少ない。この本を読んで、探検家とはど
ういうものか、世界のシワとはどういう所か、夢を見るとはどういうことか、じっくり吟味していただき
たい。そして、それでもあなたが探検家に憧れるようであれば、あなたはちょっと変人だと自覚したほう
がいいでしょう。つまり、それが探検家の素質です。
ちなみに僕はちょっと変人だと自覚したほうがいいレベルに達しています。 -
Posted by ブクログ
夏に買った本ですが、一度最初の方だけ読んで「あんまり・・・」と思って積ん読状態にしてありました。
年に数回訪れる私の中の「在庫一掃キャンペーン」の季節が来て読み始めたところ、あっというまでございました。
夏には、なぜあんなに読みにくかったんだろう…。
コンゴの暑さと夏の暑さが重なって、暑苦しかったんだろうか。
ネッシーみたいな幻の生き物、「ムベンベ」を探しに出かけた早大探検部+α。
最初は私も、「本当にムベンベ、なんているのかなぁ。探検部の人たちは見つけられるのかなぁ」と、そっちの方を気にして読んでいたのですが、だんだんムベンベなんてどうでもよくなり、コンゴの人々と日本人とのやりとり、ドクターのアクの強さ(笑)なんかがおもしろく、一気読みでした。
「カヌーに横たわるゴリラ」という写真で、私は「あらあら、人間が誰もいないときに来て、昼寝でもしちゃったのかな」なんて思って「プッ」と笑ってしまったのですが、全然違いましたね……。
探検部の中では、マラリアにかかってしまった田村君(きっと年上だけど君付け)が一番辛かっただろうなぁ……。
ジャングルの奥地で、しかもマラリア。
「最・悪」という感じでしたでしょうね…。
助かってよかったです。