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【電子版特別カラー写真収録】略して『みらぶ~!』。「わが国に未知の動物はいません。でも雪男はいますよ。」そのひと言にのせられて、私はヒマラヤの小国に飛んだ。雪男を探しながらも、「世界最高の環境立国」「世界で一番幸せな国」と呼ばれる本当の理由にたどりつく。電子版には特典写真2点を追加収録。
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Posted by ブクログ
SFチックなタイトルですが、ブータンの現地人に取材した紀行文。ブータン人の文化に深く切り込んでいて、今まで触れたことのない価値観はとても面白い。
おもしろい~。ブータンってなんとなく清貧の国、と思っていたけどそんなことないなあ。京都大学~梅棹忠夫さんにつながるものが流れている個所に萌え♡
ブータンと聞いて思い浮かべるのは昨年国王夫妻が来日し民主党の馬鹿な大臣が欠席した話やGDPならぬGNH(国民総幸福度)などだろう。GNHそのものは経済的な発展をいらないと言ってるのではもちろんなく、持続可能かつ公正な社会経済的発展、環境の保全と持続的な利用、文化の保護と促進、良い統治が中心だそうだ。...続きを読むそしてそこにブータンでは仏教的な思想として欲望の抑制や殺生の禁止が含まれているようなのだがこの本に出てくるブータン人たちは仏教とGNHはそもそも成り立ちが違うと言う。また経済的な面では例えばブータンでは国のどこでも携帯がつながり、テレビが見れるようにと言った事業を進めている。反西洋文明みたいなイメージでとらえるとなかなか一筋縄では行かないのだ。 ブータンは下は熱帯で上はヒマラヤ山脈近くと狭い国土ながら上下さはすごい。しかも高野秀行の行き先はブータンの辺境とあってさらにすごいところだ。一応の目的は生物資源探索のために伝統的な知識の下調べをすることで依頼者はマレーシアに拠点を置くバイオベンチャーのニムラ。ブータンには世界の生物資源の6%が有ると言われておりニムラがブータン政府と契約して海外企業との窓口を務めるのだがなぜここに高野秀行が出てくるかと言うと辺境愛好家として既知の二村社長に専門家は視野が狭いので高野が適任だと言われたことと、それ以上にブータンには雪男がいると釣られたから。実際には行く先々で行き当たりばったりに雪男や幻の動物を探し時々思い出したように伝統的な知識、例えば民間療法や薬草などを聞くのだが、正面突破では田舎の人たちはなかなか話をしてくれなかったり、と思えば一緒に宴会をして仲良くなったりと話は蛇行を続ける。 そもそも雪男の出だしが二村しによればこうだ。 二村「ブータンには謎の生き物はいませんか?」プロジェクト主任「そんなもんはいませんよ。」二村「では、雪男もいませんか?」主任「ああ、雪男ならいますよ」・・・・ そこそこに出てくるブータンの民話もなかなかシュールだ。雪男の話では雪男は人間にだまされてよもぎ団子の変わりに馬糞を食わされ、さらにはマッサージをまねしたつもりで毛にバターを擦り込み火をつける。仲間の雪男は水に飛び込めと言った所、水と仲間が同じ発音だったので仲間の所に飛び込み雪男はまとめて焼け死にました・・・とか、ある果物を食べた後泉の水を飲むと甘い味がした。そこでその男は持ってた矢筒に水を入れて家族に飲ませた所、毒矢の毒で家族はみんな死にました・・・とか。雪男やチュレイと言う謎の生き物の話は度々出てくるが、これらを見たら死ぬと言う言い伝えがセットにあったり、運が落ちている状態で見るとか怪しいはなしなのに時々見たと言う人が出てくる。まあ実在の生き物と言うより物の怪のたぐいだ。 ブータンの良い習慣はニェップという知り合いの家に押し掛けて泊まる制度。逆に一番恐ろしいのはツォチャン。よそ者は酒を買おうとしても売ってもらえないのだが夜になると近所の人たちが焼酎を持って集まってくる。飲んだらお礼をする、飲まずに金を払うのも飲んで払わないのも失礼にあたり飲むしか無い。飲めば飲むだけついでくる。しかも高地で酒がよく回るらしい。冷たい焼酎はもう無理と断ると、鍋にどぼどぼと5本ほど注いで暖めてくる。翌朝二日酔いの高野が二日酔いの伝統薬を聞いた所進められたのが迎え酒。あやうく逃げ出したが翌朝もツォチャンの続きにわらわらと集まってきていたそうだ。まあとにかく辺境で苦しみつつも楽しんでいるようで何よりだ。
バイオベンチャーの代表、二村氏からブータンの生物資源探索のミッションを受けた高野氏。最初はあまり乗り気ではなかったが、ブータンにはイエティ(雪男)というUMAがいるとの情報で色めき立つ。 ノープランで現地に入り、道中、おばちゃんの猛烈なお酒の接待に二日酔い。高山病で死にかけるが、ブータンのあまりの...続きを読む桃源郷さに天国を感じ、死を受け入れ始める。 これほどブータン人に世話になる人はいないのだろうが、これこそ高野氏の為せる術。 インドと中国に境を接しながら、未だに半鎖国的国家なるブータン。 西洋医学と伝統療法。国家主導の経済発展と鎖国的体制。ダブルバインドな要素を持つ国家でありながら、登場するブータン人は皆とても幸せなのだ。 これまでのUMA探索本とはやや趣を変え、辺境ハンターならではの国家観や、比較文化論が語られ、興味深い。新たなテーマになるのだろうか。 中尾佐助「秘境ブータン」(岩波現代文庫)も読みたい。
「未来国家」というよりは「ロストワールド」ブータンだ、とつくづく思う。実際、高野秀行は今回の旅を称して「これは遠野物語的だ」と何度も言い放っている。「遠野」の人たちは昔話をするつもりで話したのではなかった。みんな「現実(リアリティ)」として喋ったのである。だから、みんな実在の地名と名前で喋っている。...続きを読むブータンでも例えば「そういえば、つい2日前神隠しに遭った女の子が帰ってきた」という話が普通にドンドン出てくる。普通の民俗学者がこれを読んだら、「もう明日にでもブータンに行きたい!」と思うはずだ。私が未だ大学の常民文化研究会に居た若い20代ならば、きっとそう思ったはずだ。何故ならば、100年前の日本には其処彼処にあったそんな語り手は、現代では絶滅し(かかっ)ているからである。 2010年4月より遡ること数ヶ月前、高野秀行はブータンの農業省の国立生物多様性センターと提携して事前調査を依頼される。しかし、旅行費用は自前で。いくら辺境大好きだからと言って、それはない、と思った途端に彼にキラーワードが囁かれる。 「高野さん、ブータンには雪男(イエティ)がいるんですよ」 村人ではない。政府の高官が言っているのである。 高野秀行は即答する。「行きましょう!」 確かにブータンでは雪男(ミゲ)の話が其処彼処(そこかしこ)に語られる。でも決して映像に入るとか、実在の痕跡を見つけるとか出来ない。つい最近までの体験として語られる、というのは正しく「遠野物語」だ。 それどころか、謎の生物チュレイ(ロバやヤクに似ていて、赤い顔、赤い足の裏、長い前髪)の目撃譚も語られる。政府の役人と共に辺境を旅しながら、高野さんは伝統的な生活もきちんと記録し、人々の信仰、雪男や毒人間、精霊や妖怪も生き生きと伝えられてゆく社会を記録してゆく。 日本を含めたアジアの国々は悉く、近代化によって伝統文化を壊し、高度な教育や医療・福祉を実現し、環境を破壊して、知識人は国家を否定し或いは寄生し歪んで成長してきた。その一方で、ブータンは近代国家のいいところを吸収し、弊害を取り入れまいと意識的に努力しているかのようだ。それが高野さんが「未来国家」という根拠ではある。 ブータン国家論を展開すれば、また長い学術書になってしまう。私たちは「軽い読み物」として、高野秀行版ブータン版遠野物語を読んで「願わくばこれを語りて平地民を戦慄せしめよ(柳田國男)」となることを楽しみたいと思う。 表紙は、影山徹さんが本書のために描いた(と思う)、東京上空に天空の城ラピュタみたいに浮かぶブータンの山々。
ブータン国民がなぜ世界一幸せなのか? それは、「ブータン方式」が機能しているからである。 本書の中で触れられているブータン方式は、なかなか、いわゆる先進国と呼ばれる日本のような国では見られないシステムと感じる。 病気一つ直すにも、患者に様々な選択肢が与えられており、病院に通うもホメオパシーのような...続きを読む医療を受けるも自由である。 選ぶ自由があることによって、その選択肢が間違いだったとしても、自分で選んだのだからと自分を責める時もある。 けれど、 ブータン方式は違う。
決して地理的、エネルギー資源的に恵まれている訳でもないのに国民が幸福であるという。 本書では、その幸福の理由が国王にあるとらしいと指摘している。全国行脚を行い、国民から絶大な信頼を得ているブータン国王にリーダーシップのあり方を学ぶべきかも知れない。 まず置かれた状況が幸福であるというところからスタ...続きを読むートしているのがポイントだろうか。そして目指すビジョンを先進国とは別の軸で定義している。非常にビジョナリーなリーダーだと思う。 また、ブータン国王同様に著者の高野氏も幸福な考え方を持っている様に感じる。どんな辺境に行っても現地の人と交わり、状況を受け入れる姿勢が素晴らしいと感じる。 もしかして、この本はビジネス書なんだろうか。 ビジョンに基づく国家戦略と現場主義を実行するリーダー。そしてその現場レポートにおいても徹底したコミュニケーションに基づく相互理解。 雪男は、現場でのコミュニケーションを促進するみたいなもの。つまり雪男の話題でアイスブレークしている訳だ。
●「ブータン方式とは、国民の自発性を尊重しつつ明確に指導すること、もう一つは巧みな保管システム」 企業にも当てはまる。こんな組織を作りたいな~ ●未来国家ブータン 私たちがそうなったかもしれない未来
『謎の独立国家ソマリランド』が非常に面白かったので、そこで「似てる!」と高野氏が評していたブータンを書いた本書にも挑戦。 相変わらず面白い! 今回は自らの疑問を確かめに、というのではなく、仕事として依頼を受けての旅だったようだ。え~、なになに、生物資源調査…?医薬品や食品を作るための研究開発と。政...続きを読む府の公式プロジェクトで、本格的に始めるための第一弾調査ということらしい。 ご本人も、そんな専門知識もないのに調査なんて!と思いつつも、「雪男、いるらしいですよ」の一言にほだされて行くことしたとかなんとか。 う~む、さすが高野氏。 幸福の国ブータンにも被差別民はおり(政府としては解放されたとしているらしいが)、屠畜を生業とする者がその対象になるらしい。大乗仏教圏ではそういうところが多いのだそうだ。上座部仏教圏(タイやミャンマー)ではそうでもないというから面白い。 ソマリランドでも屠畜業者は差別されていると言っていたから、そのあたりが共通しているというのが興味深い。 昨年(?だったかしら?)来日されたワンチュク国王の記述もあり、「イケメン!」と評しているのがちゃんとイメージできるのでなんだか嬉しかったりして。 で、結局、高野氏の興味の中心、雪男やら未確認生物やらの話に終始し、高山病に苦しめられたり、あちらこちらで現地の人々にお世話になりまくり、珍道中のようになりながらもブータンを満喫(?)しているわけだが、私の読む限り、最後まで依頼された「生物資源調査」なるものはまったくされていないような気がする…。 果たしてこれで大丈夫だったのだろうか?? それとも私の読み込み不足?どっかでやってたっけ? それにしても高野氏、ブータンのゾンカ語まで喋れるようになっている。 一体、何か国語がおできになるのでしょう?
いや~面白かったです。 ブータンという国のイメージは、あの震災後に日本に来てくれたワンチュク国王の凛とした様子、また龍の国であるという話しなどなどから、大変尊い素晴らしき桃源郷のような国であろうというように思っていた。 そうしたら、高野さん、人口はだいたい八王子と一緒くらいときた。雲の上の素晴ら...続きを読むしき国と思っていた所が、急に身近と言うか、下世話な感じがしてきた。 今回の高野さんの表向きのミッションは国家プロジェクトの基礎調査。しかし本当の(!)調査は雪男をはじめとする不思議生物の存在を確認することだ。 いまどきはグーグルマップなどで世界中のどこでも家にいて見られるようになっているのだから、本当の未開の地なんてなく、不思議生物もいない…なんてことはなく、だからこそいるんじゃないか、いや絶対いるよって気持ちになり興奮しつつ読んだ。 あと、ブータンはつい最近まで、いや現在もというべきか、半鎖国国家だという点にも驚いた。
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