高野秀行のレビュー一覧
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著者自ら「最高の『バカ度』を誇る」「バカ最長不倒距離」という本書。文庫版あとがきの「今後これを上回るバカな本は書けないだろう。少なくとも、そう願いたいところだ」に笑ってしまった。
ついに朝日読書欄にも登場し、認知度がぐっと高まった高野さん。我が事のようにヨロコバシイ気持ちになりながらも、こんな変な本も書いてるんだよ~んと、これとか「アヘン王国潜入記」とか引っ張り出してきたくなったりする、妙なファン心理なのであった。
この文庫版は何と言っても解説が素晴らしい!井原美紀さんの鋭い観察力と洞察力に恐れ入る。辺境の旅を好む体質について述べられているくだりにはたいそう納得した。
「探検家と普通の人と -
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「辺境の旅はゾウにかぎる」の文庫版。文庫化にあたって編集し直されているというので読むことにした。うんうん、やっぱり面白い。高野さんの書くものを好きになった人は、さかのぼって色々読みたくなるだろうから、文庫になって読みやすくなるのはとてもいい。
デビュー作「幻獣ムベンベを追え!」が最近増刷になったそうだ。最初の二年ほどはまったく売れなかったらしいが、ちゃーんと生き残ってる。当然と言えば当然だとしても、なんだか自分のことのように嬉しかったりする。
増刷と言えば、「謎の独立国家ソマリランド」も三刷が決定したそうだ。いやあ素晴らしい。あの分厚さや価格、決して一般的ではない内容からしてこれは快挙では -
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【韓国語版】私小説は日本の伝統かも知れないが個人的興味はない。ましてや腰痛闘病記?実は私も高3の卒業登山でギックリ腰になり大学の山岳系同好会に属しながら山が地獄のように思えた1年がある。だから共感はできる。但、韓国語多読という目的がなければ一生読まなかった類の本だ。だがだが!これが実に面白い。日本語原書未読にも拘わらず私がのめり込んだ最初の外国語本となった。分らない単語があるにも拘わらず先を知りたくて頁を捲る。忘れていた幼年期の読書感覚!私の読書生活のターニングポイントになるかも知れない強烈な体験だった。
【韓国語版】韓国語多読第3弾!気のせいか韓国語を読むのがちょっぴり早くなったような気 -
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UMA(未確認動物)探索を語るのは難しい。その歴史と分類を小辞典風に纏めたものならJバルロワの『幻の動物たち』等の秀作がある。フィクションなら作家の想像力次第では如何なる世界でも紡ぎ出せる。但、自らが関わった探査行を描く場合、発見できなかったという事実が先にあるのが普通である。万が一発見されていたら当然大ニュースになっている筈。発見のない探検を如何に描くか?『幻獣ムベンベを追え』は眩いばかりの青春群像だった。『怪魚ウモッカ~』ではカフカの城的不条理な手法を使った。本作では?何と筆者は未知と遭遇してしまう!
『さていよいよ出発だ。勝負だ。本年四十歳の私は、Tシャツにビニール袋をまきつけ、下は -
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あははは、おもしろーい!高野さんは何を書いても面白いなあ。自身の腰痛体験をつづった「腰砕け巨編」、まさにこれは高野さんが目指しているという「誰も書かない本」だよね。
読み終えて思ったのは、高野さんって本当にまじめなんだなあということ。よい治療を求めて東奔西走、いくつもの整形外科や整体、整骨院、果ては心療内科まで渡り歩き、その都度そこの腰痛への考え方をとことん知ろうとし、感化され(そこがおかしい)カラダについて、ついには人生についてあれこれ考える。あとがきで高野さん自身が書いているように、腰痛に執着し、とりつかれている。
でもそこはそれ高野さんのこと、サービス精神満点で、いつものように笑わせ -
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ブータンに存在するといわれる雪男を探しに行くという名目でブータンを巡り、その時の旅を通して著者が感じたブータンという国、ブータン人について書かれています。
著者の本の魅力は、面白可笑しく軽いタッチでコミカルに書いている文章の中に、はっと気がつかされることが必ずある事。
例えはブータンの殺傷感の件、
「ブータン人にとって、大きくても小さくても命は命」
「体の大小より命の数」
日本人(のみならず欧米人)は「可愛い」という理由で判断しがちだけどブータン人は違う。外見がどうであれ、命の重みは同じ。
ブータンというこの小さな国から学ぶべきことがまだまだ多くあるのではないかと著書を読んで思いました。 -
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「あぁ、旅行記が読みたい」と思ったところ、書店で見つけた「イスラム」×「飲酒」のタイトル。宗教や世界情勢に詳しくない自分でも、「イスラム教では飲酒禁止」という意識があったので惹かれた。
最初のあたりで見覚えのある、けれどTVスペシャルでも「ムー」でも聞いたことのないUMAの名前が出てきた時点でハッと気付いた。あとがきを見ると例のサークル名。というわけで、高野秀行氏が著作であることが分かった。
酒と料理に関する旅行記は大好物なので、2回にわけで一気に読んだ。2回に分けたのは酒が入ってしまったから。こういう酒が飲みたくなる酒に関する本は素晴らしい。そして何やら酒飲みの自分が許された気分になるか -
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ネタバレ高野 秀行 『怪魚ウモッカ格闘記 インドへの道』
(2007年9月・集英社文庫)
探し物中毒の著者は、ある日、インドの謎の怪魚ウモッカの情報を入手、「捕獲すれば世紀の大発見!」と勇み立つ。ルール無し、時間制限無しの戦いが始まった。
次々と立ちふさがる困難を砕き、著者は進む。
地元漁民の協力を仰ぐための現地語学習、捕獲した時の移送ルートや鑑定できる学者の確保。
ついに怪魚探しの秘密兵器を手にインドへ。
しかしそこには予想を超えた展開が!奇想爆走ノンフィクション。(裏表紙より)
ああ、また出会ってしまった・・・。
今年の運命の出会いは万城目さんで間違いないと思っていたのに、これだからツ -
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酒飲み冒険者が「禁酒」の地、イスラーム諸国で酒を求めて右往左往するルポ。
行き先はパキスタン、アフガニスタン、チュニジア、トルコ、マレーシア、シリア、バングラデシュなどなど。
なんともすごい行動力です。たいてい男2人ってのが機動力の源でしょうか。付いて行ってみたい。
そんなこったろうと思ってましたが、やっぱり全く飲めない国というのはないのです。
ただ、酒を飲もうとすればするほど、地元民と隔たってホテルのバーや高級料理店に行かざるを得ない(表面上)という二律背反はおもしろい。
文章はツボを押さえ厚みがありながらも平易で、すぐに読めてしまいます。酒を意味する「アラク」という言葉の伝播と変遷な