高野秀行のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ブータンに存在するといわれる雪男を探しに行くという名目でブータンを巡り、その時の旅を通して著者が感じたブータンという国、ブータン人について書かれています。
著者の本の魅力は、面白可笑しく軽いタッチでコミカルに書いている文章の中に、はっと気がつかされることが必ずある事。
例えはブータンの殺傷感の件、
「ブータン人にとって、大きくても小さくても命は命」
「体の大小より命の数」
日本人(のみならず欧米人)は「可愛い」という理由で判断しがちだけどブータン人は違う。外見がどうであれ、命の重みは同じ。
ブータンというこの小さな国から学ぶべきことがまだまだ多くあるのではないかと著書を読んで思いました。 -
Posted by ブクログ
「あぁ、旅行記が読みたい」と思ったところ、書店で見つけた「イスラム」×「飲酒」のタイトル。宗教や世界情勢に詳しくない自分でも、「イスラム教では飲酒禁止」という意識があったので惹かれた。
最初のあたりで見覚えのある、けれどTVスペシャルでも「ムー」でも聞いたことのないUMAの名前が出てきた時点でハッと気付いた。あとがきを見ると例のサークル名。というわけで、高野秀行氏が著作であることが分かった。
酒と料理に関する旅行記は大好物なので、2回にわけで一気に読んだ。2回に分けたのは酒が入ってしまったから。こういう酒が飲みたくなる酒に関する本は素晴らしい。そして何やら酒飲みの自分が許された気分になるか -
Posted by ブクログ
ネタバレ高野 秀行 『怪魚ウモッカ格闘記 インドへの道』
(2007年9月・集英社文庫)
探し物中毒の著者は、ある日、インドの謎の怪魚ウモッカの情報を入手、「捕獲すれば世紀の大発見!」と勇み立つ。ルール無し、時間制限無しの戦いが始まった。
次々と立ちふさがる困難を砕き、著者は進む。
地元漁民の協力を仰ぐための現地語学習、捕獲した時の移送ルートや鑑定できる学者の確保。
ついに怪魚探しの秘密兵器を手にインドへ。
しかしそこには予想を超えた展開が!奇想爆走ノンフィクション。(裏表紙より)
ああ、また出会ってしまった・・・。
今年の運命の出会いは万城目さんで間違いないと思っていたのに、これだからツ -
Posted by ブクログ
酒飲み冒険者が「禁酒」の地、イスラーム諸国で酒を求めて右往左往するルポ。
行き先はパキスタン、アフガニスタン、チュニジア、トルコ、マレーシア、シリア、バングラデシュなどなど。
なんともすごい行動力です。たいてい男2人ってのが機動力の源でしょうか。付いて行ってみたい。
そんなこったろうと思ってましたが、やっぱり全く飲めない国というのはないのです。
ただ、酒を飲もうとすればするほど、地元民と隔たってホテルのバーや高級料理店に行かざるを得ない(表面上)という二律背反はおもしろい。
文章はツボを押さえ厚みがありながらも平易で、すぐに読めてしまいます。酒を意味する「アラク」という言葉の伝播と変遷な -
Posted by ブクログ
腰痛の探検家・高野さんの本と思って読んでみたらば、もっとすごかった。
腰痛世界という魔窟を高野さんが探検する話なのであった!
とても面白かった。まさに探検、様々な治療法が乱立している秘境のような世界を高野さんが彷徨うのだ。
彷徨いながら語る言葉がおもしろくて可笑しい(^0^)
悪い彼氏と別れられないダメ女子しかり、自分の身体を直すのを会社再建にたとえ、性転換したのみならず社長に出世してしまったり、笑った〜。
「ラーメン屋のおやじ理論」も面白かったし、高野さんほんとに面白い。
民間療法、西洋医学、東洋医学、整体…。読んでいて自分も治療に立ち会っているような気になってくる。どれも理論をきくとなるほ -
Posted by ブクログ
ネタバレ本当に、誰もやらないようなことをやって
面白可笑しく文章を書くという
ご自身で仰っているとおりで、非常に面白い。
この本は、酒が公に認められていないエリアで
普通なら無理だと我慢しそうなところを
様々な苦労もしくは取り越し苦労をして
酒を手に入れたり入れなかったり
兎に角イスラムでの飲酒をテーマにまとめられている。
酒好きの自分ですら、もう今日は諦めればいいのに、と思ってしまうほどの苦難の道のり続き
ここまでの酒への情熱に、ついには感動すら覚えるほど。
確かに酒さえ飲めれば良いのならアル中かもしれないが
地元の人と外で和やかに飲むのが楽しいというのは成る程立派な酒飲みである。
そうするこ -
Posted by ブクログ
ネタバレ前作「怪魚ウモッカ格闘記」の続編といえる今作。
読んでない人は読んでからこの本の扉を開きましょう。
相変わらずのキレッキレの文章です。
もーーーーーーー文章がうまい!
うまいだけでなく感性が本当に繊細で冷静ですね。
これだけ冷静でこの感性を持ち続けることは、生き辛かろうと思ってしまうが、なにせ抱腹絶倒なのでマイルドに楽しめます。
この人が亡くなったら(失礼!)この人の人生はすべてフィクションにされてしまうのではないか、とも思わされます。
しかし同レベルの変人奇人(再度失礼!)がこの方の周りにはワンサカと。
世の中捨てたもんじゃなかですよ、イヤ本当。
今回は高野さん日本にいらっしゃいます。日