【感想・ネタバレ】イスラム飲酒紀行のレビュー

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Posted by ブクログ 2023年02月27日

ブックカタリストなど複数のインターネットラジオで紹介されていて手に取った。そもそも、タイトルからしておかしい。イスラム=酒はNG、という自分たちの常識からすると、なぜ?となるし、飲めると言っても外国人向けの場所かな?と予想して読んでみたら裏切られた。

酒が飲みた過ぎていろんな人に出会い頭に「酒は?...続きを読む」と聞くと、様々ながらも最終的にはどのイスラム国もみな隠れて飲んでいて、飲酒の幅が広いという話。しかも、家に連れて行かれたり、怪しげな路地に連れ込まれたりと、いやこれ危険すぎるだろ!と感じながら笑いながら読めた。

最後の方の「仏教も厳しく酒を禁止されているのに…」という下りも印象的だった。

とにかく、イスラム圏の印象も変わる良書だった

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Posted by ブクログ 2018年01月29日

面白さを保ちながらも、宗教的、文化的示唆に富んでいて、本書も止まる事なく読ませてもらった。

イスラム原理主義化が進んでいると言われるこの時代に、古くから地域に根付いている「習慣としての酒」に着眼しているのがさすが。

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Posted by ブクログ 2015年05月20日

よくもまあここまで酒を探す話で一冊の本が書けたものだと感心。
著者はアル中に近いほどの酒好きのようだが、酒探しにまつわり、あれやこれやのおもしろエピソードが目白押しである。
表向きは酒類厳禁のイスラム世界や愛嬌のある現地の人々が話をさらに面白くしている。
やっぱり高野秀行のノンフィクションは面白い。

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Posted by ブクログ 2012年10月20日

禁酒が国是のイスラム各国のドタバタ紀行。イスラム文化の裏表について非常に分かりやすい。イスラムへの理解が深まった。

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Posted by ブクログ 2012年09月21日

飲酒禁止のイスラーム国家で、この人アル中じゃない?と思えるくらいに酒好きの著者が、酒を求めて多くの人々と出会う。結構やばいことしてるけど大丈夫?と思ってしまう所もあり、それでも酒が飲めるならいい!という姿勢の著者がステキでした。
単に酒を求めてのルポと思いきや、その中で多くのことに気付かせてくれる。...続きを読むあとがきまでを読んですっきりと味わえる一冊。

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Posted by ブクログ 2024年02月18日

私は酒飲みである。休肝日はまだない。

禁酒のイスラム国で酒を求めてさすらう旅物語。筆者ほどの酒への渇望はないが、酒飲みであれば、休日にほろ酔いで読むときっと楽しい。
各国の風景の写真は美しく、飲みながら撮影した写真はその国々の呑兵衛文化が垣間見えるのもまた楽しい。

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Posted by ブクログ 2023年09月01日

私は酒飲みである。休肝日はまだない。
お酒好きの高野さんが、イスラム圏でお酒を探し出して飲むお話。
相変わらずの面白さ!!イスラム圏で、お酒とか大丈夫なん?とおもったが、結構大丈夫そうだった。どこでもお酒飲みたい人がいるんだなーと思った。(こそこそ探して飲んでいたが)
イスタンブールのラク飲んでみた...続きを読むい!
イスラム圏への理解も深まる?ので、おすすめです。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2020年02月05日

『私は酒飲みである。休肝日はまだない。』
著者の酒愛が生み出す唯一無二のイスラム圏の飲酒紀行。一般の旅行者では到底到達できない、原則飲酒禁止のイスラム圏で酒を求めてさまよう。酒を通して、その土地の風土や文化、イスラム教の教科書からは伺いしれないような肌身に感じる本質が描かれている。著者しか行けないよ...続きを読むうな場所や、いまやその場所すら存在会いないような場所(シリアやソマリア)の貴重な体験がある。これを読んで実際にその場所に行ってみたいとは思わないが、実際にその場所に流れる空気や酒の匂いまで感じられるようなルポ。

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Posted by ブクログ 2014年05月04日

作者はとてもユニークな人で。
辺境大好き高野秀行。
このほかにも様々なユニークな本を出版している。

本来、酒を禁じられているイスラムの人々とお酒との謎。ほぼアル中の作者とお酒。

合わせて、「謎の独立国家ソマリランド」も読みたくなった。

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Posted by ブクログ 2014年01月10日

私は、酒飲みだ から始まるイスラム圏を旅する著者の酔いどれエッセイ。こういう人が、いるということは、ダメ人間たちにとってはとても心強い。本来、人間はこれほど自由に生きて旅できるんだと、思う。特に、厳格なイスラム世界がふとした時に見せる怠惰さや、女性優位の部分など、研究者やマスコミ報道では分からない部...続きを読む分の生の描写がいい。そして、この著者が表現したいのがまさにこの部分だ。行ってみな、それぞれのとらえ方で、世界はこんなに違うんだぜ、という自己都合・自己完結主義なのだ。世界は、究極自分である。そのことに気がつけば人生はもっと楽しいはず。

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Posted by ブクログ 2013年11月19日

一般に飲酒がタブーであるイスラム教国で、酒を求めて徘徊する紀行文。酒好き、旅好きとしては「イスタンブールのゴールデン街」、「ムスリムの造る幻の銘酒を求めて」といった章題を追っていくだけでもわくわくする。

訪れる国はプロローグも含めて、カタール、パキスタン、アフガニスタン、チュニジア、イラン、マレー...続きを読むシア、トルコ、シリア、ソマリランド〈ソマリア〉、バングラデシュ。

酒に対する筆者の欲求は同じ酒飲みから見ても度を越しているようにも思えるけれど、その執念が生むエネルギーこそが、異国におけるタブーという建前の向こう側を覗くエネルギーになり、そこから垣間見える本音はステレオタイプのイメージを塗り替えてくれる。

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Posted by ブクログ 2013年11月18日

私は酒飲みである。休肝日はまだない。

すてき!!あたしこの著者と旅したいーー!!
イスラム圏やインドにいたとき、酒が容易に手に入らないところでは「我慢する」という手段しか知らんかったわ…まだまだ甘いな。
高野さんの執念に敬意を覚える。
どんなところでも人がいるところに酒はあることを学びました。

...続きを読む酒を切り口に、宗教やイスラム圏の生活を知ることができる本。
人って「後ろめたさ」を共有することで、何か深い絆で結ばれるような気がする。
お酒って美味しいのと酔えるのに加えて、「後ろめたさ」を伴うのがいいのかも。
宗教についても、改めて興味が湧いた。

また、本の中に度々登場する森さんの写真がすきです。

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Posted by ブクログ 2013年09月11日

なぜか感想をアップしていなかったことに気づき、この機会に再読。高野さん、飲み過ぎでしょ!と突っ込みつつ、やっぱり笑ってしまう。ほんと、酒飲みってこうだよなあ。お酒のため、とりわけうまいお酒のためなら、いそいそと大抵のことは面倒に思わない。他のことにはズボラでも。

表向き飲酒が禁じられているイスラム...続きを読むの国々だが、人々はやっぱりお酒を飲んでいる。高野さんはなんとか地元の人と一緒にワイワイやりたくて、ずいぶん怪しげなところにも足を踏み入れていく。読者も一緒にその場にお邪魔しているような臨場感たっぷりのエピソードを読んでいくうちに、イスラム社会の姿がぼんやり見えてくる。そこが最大の読みどころだろう。

世界のどこでも人々は、その時々で移り変わっていく政治と宗教のあり方に翻弄されないではいられないが、それでも古くから根付いてきたその土地、その民族の文化はしぶとく息づいている。本書を読むとそのことが実感できる。

たいそう面白いと思ったのは、バングラデシュのガイドで仏教徒のバイさんが「仏教では酒を厳しく禁じているのに、どうして私たちは酒を造って飲んでいるのだろう?」とつぶやくくだり。言われてみれば実にそうで、飲酒は五戒の一つ、殺人と並ぶ大罪なのだった。まったく不思議なことで、高野さんも「仏教圏最大の謎」としつつ、次のように書いている。
「イスラム圏には裏表があるが、仏教圏には裏表では済まない曖昧模糊とした複雑な世界が広がっているのであった」

この本は写真がたくさん収められていて、それがとても美しく、味わい深い。表紙に使われている写真も紺色が本当にきれいだ。いい本だなあ。

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Posted by ブクログ 2014年06月23日

『酒』を切り口に、イスラム文化圏の国々のムスリムの人々の生活を面白おかしく伝えてくれる。旅につきものの失敗や事故も、実に楽しくつたえてくれる。本人は機嫌が悪いとか、怒っているとか言っているが、文章をとおしては、それ自体が面白く感じられたりする。高野氏が幾多の旅で関わってきた人間の多用さ、それによって...続きを読む養われた寛容さ?がそう感じさせるのかもしれない。
一度も行ったことがないイスラムの国々を楽しく旅させてもらったし、心もトリップできた。『謎の独立国家ソマリーランドーランド』を次には読んでみたい。

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Posted by ブクログ 2012年10月21日

「あぁ、旅行記が読みたい」と思ったところ、書店で見つけた「イスラム」×「飲酒」のタイトル。宗教や世界情勢に詳しくない自分でも、「イスラム教では飲酒禁止」という意識があったので惹かれた。

最初のあたりで見覚えのある、けれどTVスペシャルでも「ムー」でも聞いたことのないUMAの名前が出てきた時点でハッ...続きを読むと気付いた。あとがきを見ると例のサークル名。というわけで、高野秀行氏が著作であることが分かった。

酒と料理に関する旅行記は大好物なので、2回にわけで一気に読んだ。2回に分けたのは酒が入ってしまったから。こういう酒が飲みたくなる酒に関する本は素晴らしい。そして何やら酒飲みの自分が許された気分になるから不思議なもの。

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Posted by ブクログ 2012年09月03日

酒飲み冒険者が「禁酒」の地、イスラーム諸国で酒を求めて右往左往するルポ。
行き先はパキスタン、アフガニスタン、チュニジア、トルコ、マレーシア、シリア、バングラデシュなどなど。

なんともすごい行動力です。たいてい男2人ってのが機動力の源でしょうか。付いて行ってみたい。

そんなこったろうと思ってまし...続きを読むたが、やっぱり全く飲めない国というのはないのです。
ただ、酒を飲もうとすればするほど、地元民と隔たってホテルのバーや高級料理店に行かざるを得ない(表面上)という二律背反はおもしろい。

文章はツボを押さえ厚みがありながらも平易で、すぐに読めてしまいます。酒を意味する「アラク」という言葉の伝播と変遷などのちょっとした考察、「イスラーム諸国での飲酒は日本でいう未成年の飲酒のようなもの」「ドラッグみたいな扱い」「公共の場では顰蹙を買う暗黙の了解」みたいな実感のある描写が興味深かったです。

何より、イスラームに無関心な日本で、日本人によってこんな突っ込んだルポが出されているのが何よりすごいし、それだけで読む価値があると思う。
日本で働いていたことのある人々もちょこちょこ出てきます。すごかったんだな、バブル。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2012年04月06日

本当に、誰もやらないようなことをやって
面白可笑しく文章を書くという
ご自身で仰っているとおりで、非常に面白い。

この本は、酒が公に認められていないエリアで
普通なら無理だと我慢しそうなところを
様々な苦労もしくは取り越し苦労をして
酒を手に入れたり入れなかったり
兎に角イスラムでの飲酒をテーマに...続きを読むまとめられている。
酒好きの自分ですら、もう今日は諦めればいいのに、と思ってしまうほどの苦難の道のり続き
ここまでの酒への情熱に、ついには感動すら覚えるほど。

確かに酒さえ飲めれば良いのならアル中かもしれないが
地元の人と外で和やかに飲むのが楽しいというのは成る程立派な酒飲みである。

そうすることで理解出来ることも勿論ある。
テレビや教科書で語られる民族のイメージや社会事情が全く嘘とは言わないが
こうして体当たりで生の等身大の文化に触れ
それを本と写真という形で知らせるというのは
本当に凄いことだと思う。

印象的だったのは、不浄の動物である犬を筆者が写真を撮ろうとしていたというので
捕まえてカメラの方を向かせようとしてくれる人がいたというエピソード。

新渡戸稲造氏が武士道を書くにあたり、
日本は宗教なしにどうやって道徳を教えるのか
という異国の人からの疑問からはじまったそうだが
日本の宗教というものへの寛容さ
外国の宗教というものの文化への色濃い影響について
色々と考えさせられた。

酒飲みなら、思わず酒が飲みたくなるだろうし
お酒に興味のない人でも十分に楽しめる内容だと思う。
イスラムが好きな人は勿論、偏見のある方にも是非ともお勧めしたい。


相変わらずの高野式行動パターン。もはや定番の様なバタバタ。それがたまらなく面白い。
ブログにあった土下座写真もこれか!と思わず。

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Posted by ブクログ 2012年01月23日

酒飲みがイスラムの国々を訪れて酒を探して七転び八起きする話。

と書いてしまうと一言ですが、ソマリランドに行って酒を飲むなど、随分ハードルが高いことをしているのに、行動原理は、およそ子どもじみた感じで、うらやましい限り。

オープンエアで飯を食いながら、あるいは現地の家族とワイワイやりながら酒を飲む...続きを読む、ということがいかに難しいか、そしてそれをやり遂げる、あるいは失敗に終わるときの感覚。

愉快な本であり、イスラムと酒という視点からも稀有な本なのではないでしょうか。

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Posted by ブクログ 2022年11月27日

前から知っていたことだが禁酒なんて国民が守るわけがない。全国民当たりの飲酒量で上位を占めるのはメキシコでもロシアでも無くイスラム圏が占めている。
興味深い紀行文だ。

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Posted by ブクログ 2019年08月08日

フィールドワーカー高野秀行氏が、酒が禁止されているはずのイスラム圏で、地酒を求めてさまよい歩く旅日記。

お酒に興味がないので読み始めはそれほど興味を惹かれなかったけど、お酒欲しさに普通の人に発見しにくい現地のアンダーグラウンドな文化を見つけていく様子は、ちょっと面白かった。

でも『謎の独立国家ソ...続きを読むマリランド そして海賊国家プントランドと戦国南部ソマリア』があまりにも素晴らしかったので、こちらはあまり高い評価はできない。

高野氏の本は、人の生活や文化は「理念」みたいな画一的なもんではなくて、もっと雑多で一貫性もあんまりなくて、猥雑で勝手な物なのだと気づかせてくれる。どこか松沢呉一氏の仕事と共通している部分があるようにも感じる。

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Posted by ブクログ 2019年01月13日

親戚に酒乱の人がいたので基本的に酒飲みな人は好きになれないのだが、この本の著者も年中、酒のことばかり考えていてイライラする。
しかし、そんな酒飲みな人は世界中にいて酒を酌み交わしその町の人からガードを下げて語り合える。
のんべえ達を通してイスラムの文化を知ることができる本。
イスラムは酒に厳しいはず...続きを読むなのに。

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Posted by ブクログ 2015年03月16日

イスラム国家で酒が飲めないかと思うとさに非ず~§1紛争地帯で酒を求めて-2007年森カメラマンと凶獣を探しにパキスタン経由でアフガニスタンに行く予定が,搭乗客が少なくてパキ航が欠航となり,一流ホテルでも酒を出さない。大学生に訊くと医者の診断書で酒を手に入れられる。パーミットプレイスには男が殺到してい...続きを読むる。アフガニスタンのカラオケ・バーではお持ち帰りの中国人女性がいて,ビールを飲んで25ドルから12ドルに負けさせた。-§2酔っ払い砂漠のオアシス-妻を連れてチュニジアに来て,常温で呑むとしたらロゼワイン。ビールを飲んでも爽快感がないのは,のべつ呑んでいるからだと気付く。砂漠のオアシス・バーで水とナツメヤシをミックスした酒を飲んだ翌朝,腹痛オンパレードで,オアシスバーがラクダの足洗い場であったからと判明する。-§3秘密警察と酒とチョウザメ-2009年2月,麻薬同様酒が禁止されているイランに行くが,白昼へべれけの酔っ払いに遭遇。密売人はスーフィーで,ホメイニを批判する。どぶろくとウォッカ。チョウザメは強精食だった。-§4モザイク国家でも飲めない!?-モザイク国家マレーシアで2005年7月。ババ・ニョニャ(中国とマレーのハーフ)を訪ねるが手に入らず,ポルトガル租界の現地バーに突入。酒は何でもある-§5イスタンブールのゴールデン街-モスクの近くはないと踏んでいたが,アタチュルク行きつけの中間営業だけの宮廷料理屋は問題がないし,ネヴィザーデという飲み屋街は人がざわざわしていて,普通にビールを飲み,客引きが負けずに声を挙げる。-§6ムスリムの造る幻の銘酒を求めて-シリア南部に葡萄酒を造るドルーズ派がいるというが,どこの酒屋も不機嫌(その理由は結局不明)で,レバノン北部の不味いワインを飲んでいたが,アンマンへタクシー移動中に立ち寄ると,イケメンの靴の修理屋のお兄ちゃんが差し出したワインは絶品だった。-§7認められない国で認められない酒を飲む-ソマリランドは平和で何故独立国家として承認されないのか分からない。カートという葉っぱを囓っているとアルコールは要らないが,スプライトのボトルにジンが入れられて売られているが,カートと違って,性欲が消えることはない。-§8ハッピーランドの大いなる謎-バングラデシュの東側にはミャンマーに近い人が住んでいて,仏教徒だから酒を飲むが,蒸留三度のアラクだ。敬虔な仏教徒は呑まない-~ムメンベを探せの時代は可愛い大学生だったのに,生意気にも,周辺を威圧するほどの酒好きになってしまって,書き出しが「私は酒飲みである。休肝日はまだない。」でいやらしい。ま,仕方ない。1966年生まれというと今年49歳。「ゴールデン・トライアングルの核心部で取材中,うっかりアヘン中毒になってしまい,それから脱出するため,つまり禁断症状を耐えるために酒をのべつまくなしに飲むようになった。」(p77)という事情があるから仕方ないね

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Posted by ブクログ 2013年11月30日

これまで良く実態を知らなかったイスラムの国々の文化についてうかがい知ることができた。
お酒が飲みたくなる。

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Posted by ブクログ 2013年11月03日

旅行中だろうと、飛行機の中だろうと、アルコール禁止のイスラムの国だろうと、とにかく酒が飲みたい。

酒飲みのそんな心の叫びを体現した一冊です。
酒の美味しさって味&酔えることに加えて、大なり小なりある後ろめたさにあると思うのです。
その背徳スパイスが、禁酒のイスラーム圏ならより効いてくるわけです。
...続きを読むしかも、禁酒のはずなのになぜか手に入るイスラムの地酒とならば、なおさらのこと。

酒をテーマにしてて、実際、イスラムの国々で酒を探すことに内容のほとんどが費やされていますが、本そのものはちゃんとした旅行記です。
むしろ酒を通じて、イスラム文化にうまいこと切り込んでいることが面白い。
とにかくイスラムって、公と私をきちんと分けているのです。
だから人前でのアルコールはご法度でも、仲間うちなら平気。
ちゃんと美味しいお酒や肴もある。
人のいるところにお酒がある、ってことを見事に表しています。

私、この本を読んでいる間、立ち飲み屋へいく頻度が妙に増えました。
お酒と旅とイスラムが好きな人に読んでほしい一冊。

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Posted by ブクログ 2013年09月29日

パキスタン、イラン、シリア、ソマリア、トルコ、チュニジア、アフガニスタンなどちょときくと危なそうなエリアに著者高野秀行氏がどうやって酒を飲んだのかというお話を綴った旅紀行なのだが、あきれるほど酒への執着が凄い著者が本能でのように酒を売る人たちを見つけまた酒を飲む人たちと出会う様は痛快で読んでいて思わ...続きを読むず微笑んでしまった。
トルコなどをのぞいて、イスラム圏は危ない、怖い、分からないという部分が先にたち親しみを持つ事はまずないのだが、やはり人間は人間酒を取り巻く人間臭い部分はどこに住む人間にも必ずあり、面白くまたいい人たちもいるのだろうなあと思わせてくれる作品だった。

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Posted by ブクログ 2013年02月28日

アル中(たまにヤク中)瀬戸際の著者が、イスラム圏にて酒を飲む話。ざくっと言うとただそれだけなのだが、普段怒っている、または泣いているイスラム圏の人々しか見慣れていない我々には、イスラム圏の人々がより近く、人間的に見える本だと思う。文化、言語、肌の色等違うところは多くあっても、我々は同じ人間なのだ。
...続きを読む随分とざくっとした感想になってしまった。。

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Posted by ブクログ 2012年08月28日

イスラム文化圏でも酒を飲んでいる人間はいるが、それは裏表があるというより、イスラムが伝わる前の土着文化にあった飲酒習慣の上にイスラムが上書きされた結果であることがわかる。言われてみれば、あれだけ広範な地域にまたがった世界宗教なのだから、それ以前の文化があったのは当然なのに今更のように思い当たる。

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Posted by ブクログ 2012年06月26日

そうだよ。
どこにいても酒が呑みたいだけなんだ!(笑

と同感する一方で、イスラムな国でもひたすら酒を求めるその執着に脱帽いたしました(笑

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Posted by ブクログ 2012年03月05日

イスラム圏での飲酒。
どう考えてもむずかしそうなんですけど
凄いわ。

アンダーグラウンドなとこから
単純にその国の表裏を見せてくれますね。
相変わらず風俗がすごくよくわかるし。
でも正直ここまでアルコール好きな人は引いてしまいます。

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Posted by ブクログ 2012年02月05日

イスラム教国内で酒を飲もうと言う紀行集。一日たりともアルコールを欠かせないと言う作者の執念が面白い。イスラム教国内では基本的にアルコールはドラッグと同じように禁止されていると思っていたのだが、読んでみると意外と簡単にアルコールを入手しているのに驚かされた。あとがきで指摘されているようにイスラム国家で...続きを読むは他の宗教は全く禁止されているイメージを持っていたが、飲酒が禁止とされていない宗教も国内に存在している。そういう人達の為のアルコールは必要だろう。独裁的なイメージを持ちがちだが、その部分で勉強にもなった。最初面白かったけど、最後のほうは飽きてしまった。ちょっとワンパターンかな。

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