高野秀行のレビュー一覧
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著者の高野さんがブログで、これは単行本の時結論的な文章をつけなかったら、「尻切れトンボ」「手抜き」などと批判されたと書いていた。友人知人からも異例のお叱りを受けたとか。そこで文庫化にあたって加筆したため、読後感がかなり変わっているはずだとあったのだが…。
えーと、変わってますかねえ? 私は単行本をたいそう面白く読み、特に「尻切れトンボ」とか(まして手抜きなんて)思わなかったこともあるだろうが、前と変わらず楽しく読んで(高野さんには悪い気もするけど)受ける印象は同じだったのですよ。
結局何をしに行ったの?という疑問は残るけど、そんなことなどどうでもよくなる抜群の面白さがある。ちょっとしたブー -
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辺境作家高野さんの腰痛との闘いというか、オブセッションの記録。1回6,000円の治療院に通い詰めることができるとは三畳の部屋に一人で住んでいるころから比べるとかなり羽振りがよくなったなあ、とはじめのエピソードを読んでまず思った。結婚もしているし。
実はそれは手始めで、その後の高野さんの腰痛治療の道はあちらに行きこちらに行き行先も定まらないまま迷走を続ける。最後は、心療治療にまで行き着き、うつ病の薬を処方されるまでになってしまう。薬の服用は睡眠にまで影響して明らかにおかしいのだが、高野さんは何かをやらないと不安なのかそれでも薬を飲み続ける。アヘンもカートも中毒になるくらいやっていたので薬に抵抗 -
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高野秀行のフィクションは、基本的に体験に基づくもので、取材して書いたものではないと思う。勿論このままではなく、色んな体験を合わせて一つの物語にしたのだろう。だからフィクションだけど語り手は高野秀行なのね。
『またやぶけの夕焼け』は少年期の物語で、あれも良かったが、青春期の物語はほろ苦さと切なさがいい。朴さんとの恋愛未満の関係は、今どきの青春ものにはない上品な哀感がある。
アジア人の魅力、日本人の特徴もよくわかって、若者に積極的に薦めたくなる。ろくに外国に行ったこともなければ、外国人と深く関わったこともない奴に限って、近隣アジア人を貶めるようなことを言う。そんなつまらない、嫌な大人になる前に、高 -
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作者の高野秀行が船戸与一のお供でミャンマーを旅したときのエピソードや出来事をおもしろおかしく描いた本である。
当時のミャンマーの政情を徳川幕府と外様大名に見立てて説明し、この旅についてくる情報機関を柳生一族になぞらえたもので、それが題名になっている。
周辺国から非合法にミャンマーに入国した経験が豊富な作者が、真正面から入国し旅している。本書は、作者が周囲の人々の動向をおもしろく描くだけではない。ミャンマーは最貧国ながら識字率が高いという実態を貸し本屋や読書する少女を観察することで示すなど、現地の人々を見る視線に確かなものもある。
故人となった船戸与一の人となりが垣間見れるのも興味深い。 -
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感想:ワセダ三畳で有名な高野さんの本。多国籍新聞社ASIANでの日々を綴った濃密な内容。
まず、この多国籍新聞社そのものが魅力的。タイ、台湾、ミャンマー、マレーシアの新聞を発行しているけど、内容はめちゃくちゃ杜撰。システム化なんかされてなくて編集会議すらやらない。でも、毎月ちゃんと発行されて、利益も出ている。
そこで働いてる人達もかなり個性的。子犬的姫的社長の龍さん、敏腕だけど乙女チックな朴さん、インドネシアの大富豪バンバンさんなど、個性豊かな登場人物がたくさん登場する。
その個性的な題材を高野さんの個性的な文章で料理しているのだから、面白くないわけがない。
高野さんの作品に共通することだが