高野秀行のレビュー一覧
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筆者のモットーである「誰も行かないところへ行き、誰もやらないことをやり、それを面白おかしく書く」をまさに体現したようなこの本。
国民総幸福量(Gross National Happiness)がとても高いとは聞くけれど、でも半鎖国体制を敷いているがために情報が少ない魅惑の国ブータンを自分の足で歩き、
現地の人と積極的に触れ合うことで得たブータンの生(なま)の情報が面白おかしく綴られた良書でした。
僕も含め旅行好きの人にとって、筆者の高野さんがブータンでやったことは読んでいてとてもうらやましく、自分もブータンに行ってみたいという衝動に駆り立てられます。
この本はしかし、単なる面白おかしい旅行記ではなく、ブータンという国の成り立ち、文化、民族、チベットとの関わりなど、高野さんが足で得た情報が多く綴られている他に、生物多様性の問題について切り込んでいる点も興味深かったです。
毎日たくさんの動物や植物が絶滅していく昨今、なぜ多くの種を残すことが重要なのか、なぜブータンという国は種を残す環境として最適で「生物多様性の聖地」とも呼べるのか、そしてそういう環境がどうしてブータン国民に幸福をもたらすのか、その謎に迫っています。
ブータンは、「周回遅れのトップランナー」とも呼ばれているそうです。
世界各国が競うように近代化していく中、鎖国をしていた(いまも半鎖国体制の)ブータンは近代化が遅れたが、環境保全や生物を大切にする思想など独自路線を貫いた。
資源を酷使して近代化した先進国は、今度はロハスだとか環境保全だとか国民の幸福の重要性といった、経済合理性を越えた「最先端の思想」にたどり着いた。
その結果、一周回って、ビリを走っていたブータンに追いついてしまった、という先進国への皮肉を込めた呼び方でもあるそうです。
謎が多い分、魅力的な国ブータン。
この国に興味がある方はぜひ読んでみてください。 -
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外国人観光客があふれかえる今日この頃。そんな観光客ではなく、日本に移り住んで何年、何十年という外国人に取材、彼らがふだんどんな食事をしているのかが書かれています。食事の話のみならず、彼らが日本に来た経緯、コミュニティの形成、日本の良いとこ悪いとこ。
タイトルに「移民」という言葉を使った理由、その言葉に強い拒絶反応を示して取材を断られたケースもあるという追記も含め、終始興味深く読みました。
とにかく辺境を好む高野さんのこと、取材先に選んだ町やコミュニティが面白い。日本の飲食店のまかないは、たいていの場合、店で出される料理と違うという話など、そんなことないでしょ、ちょっと決めつけすぎではと思わなくもないところが若干ありますが、それでも楽しい高野さん。いっぱい読んで飽きてきたかもと思うけど、まだまだ読めそうです。 -
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世界でも珍しいソマリランド研究の第一人者高野秀行。というか大抵第一人者になってしまう隙間家具文筆家とも言えます。あまりにもレアな研究過ぎて誰とも話題を共有できない。そこで室町時代の日本とソマリランドや辺境の軍事政権の在り方が似ているという事になるわけですが、それが本になってしまうあたり訳が分からずもさすがであると言わざるを得ないでしょう。そもそも室町時代に興味ないので何とも言えませんが、文面から立ち上る水を得た魚のような高野氏のテンション。知り合いの子供が友達作ったみたいなほんわか感覚が有ります。よかったねえ高野君。正直興味の薄い領域だったので評価しがたいところが有ります。日本史好きの素養が欲しい!
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内容(「BOOK」データベースより)
探検冒険、野球にプロレス、虫捕り、火遊び、秘密基地…。遊びは遊びじゃねえんだ!?70年代少年小説の傑作。
小学生の時は空き地やどぶ、林や工事現場ですら冒険の対象でした。毎日何かしらろくでもない遊びをしていたけれど、それがとても楽しかった。丁度ファミコン黎明期の子供なのでゲームにも狂っていましたが、虫取りや魚釣りにも夢中でした。
この本は主人公が「かっちゃん」というちょっと勝手で変わり者だけれども、全力投球で遊ぶ1歳上の友人に心酔して毎日遊んで遊んで遊んで遊びつくす物語です。虫取りの話しと、ゴルフを勝手にアレンジして新たな遊びを開発するくだりは自分にも覚えが有って懐かしく思いました。
そして小学校6年になると小学生でなくなる不安ありました。制服を着てというのが憧れつつも窮屈になりそうな漠然とした怖さを感じていました。
高野秀行さんの子供の頃の原点を見たような気がしました。 -
謎の独立国家ソマリランド
- カート
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試し読み
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ネタバレ基本強引に徳川幕府に繋げていくのでちょっと違和感。親しみを持って例えているのは分かるがかえって混乱した。
コンデンスミルクをたっぷり入れたチャイ、飲んでみたい。その茶店の風景と共に味わったら楽しいだろうな。電気が部分的にしか通っておらず、夕陽が沈むと街が赤く染まり闇に包まれていく、終末を迎えたかのような感覚というの、ちょっと興味がある。人々の温かみや、少ない娯楽を堪能しながらゆっくりと時間が流れているミャンマーに想いを馳せた。
お酒の席での話なんかは、人種や言葉や育ち方や住むところが違っても、おじさんはおじさんでみんな一緒なんだと思えて面白かった。 -
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紹介
2007年1月、ある願いをかなえるため著者は愛車キタ2号にまたがりお遍路の旅に出た。あらゆる神仏に祈りつつめざすは日本最南端の島・波照間。参るは、饅頭の祖神、野球塚、たぬき大明神、鯖大師に摩崖クルス、世界遺産の聖地・斎場御獄。四万十川でカヌー、波照間で釣りにも挑戦。それは日々が驚きに満ちた日本再発見の旅。寒風の冷たさが人情の温かさが染みる感動の旅。愉快爽快な55日間の写真日記。
私が偏愛して止まない高野氏が、インドから入国拒否され意気消沈している時に、日本の神に縋りながら沖縄まで祈りの旅をすれば入国が叶うのではないかと思い、寒空のした旅立った旅行記です。
はっきり言って彼の著書では並の部類なのですが、僕が14年前に自転車で旅したルートと殆ど同じ道を辿っていて、懐かしさで胸いっぱいになりました。
僕はその旅で知らない人に大変お世話になって、今ここにいるというのがしみじみと感じております。あの時は自分探しなんてしても結局なにも見つからなかったけれども、世の中いい人が沢山いるという事を知れた事が一番の収穫でしたね。
あれ?本じゃなくて自分の事ですねこりゃ(~_~;) -
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誰も行かないようなところばかりを好んで訪れる、早稲田大学の探検部出身のノンフィクション作家、高野秀行氏。怪獣を追ったり、アヘンを育てたり、ゲリラ支配域を横断したりと、数知れずの逸話を持つ彼の、これは東京における話。
ある日突然かかってきた原稿執筆依頼の電話。エイジアンという怪しげな新聞社からで、タイについてのコラムを書いてほしいとのこと。引き受けた高野氏は、話のついでに同社の編集顧問に就任。同社は日本在住の外国人向けに新聞を発行しているという。しかも一紙ではなく、タイ・ニューズ、台湾時報、マンスリー・ミャンマー、インドネシア・インフォメーション、マレーシア・ワンダーの五紙。社員に常駐者はおらず、皆ほかの仕事の片手間に。しかも日本人が誰もいないのに、英語を母国語としない彼らの共通語は日本語。この新聞社はまるで屋台村。いろんな料理があって、人気の料理はたくさんつくる。売り切れればそれでおしまい。台湾人の女性社長は、事前調査などせずに思いつきで新聞を発刊。購読者がいればその分を刷るし、いなかれば即廃刊。なんともバイタリティにあふれています。
会社のために働くのではなく、働くのは自分のため。それが結局は会社のためになっていたりもする。大事なことを教えてもらったような気がします。 -
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普通の人は行かないようなところばかりをわざわざ選んで旅をする、辺境作家の高野秀行。コンゴへ怪獣を探しに行ったり、ミャンマーへアヘンを栽培しに行ったりしていた彼が、早稲田の探検部の先輩後輩のよしみで、大作家の船戸与一からミャンマーへ一緒に行こうと誘われます。ミャンマーに合法的に入ったことがなかった高野さん。絶対にブラックリストに載っていると自負していたのに、意外にも入国は簡単に認められ、駄目だと言われたのは船戸さんのほう。作家としての知名度の差らしく、高野さんガッカリ。なんとかふたりとも入国できることになったものの、ミャンマーの某旅行会社を必ず使うようにと指定されます。これがなんと旅行会社に姿を借りた軍情報部、高野さん曰く、まるで柳生一族。ワケのわからん日本人に勝手をさせてたまるかということで、ガイドのふりをした柳生一族が監視役として同行するのでした。高野さんが行けば何でも珍道中に。船戸さんの酔っぱらいぶりも楽しい旅行記。
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大好きなノンフィクション作家、高野秀行が、何をとち狂ったか、児童文学なんて書いている。要らんことに手を出さずに、今までどおり辺境作家としてノンフィクションを書いてりゃいいのにと思いつつも無視できずに手に取りました。そうしたら、まるっきりのフィクションというわけではなく、自分の子ども時代を基に描いた小説の模様。
舞台は1970年代。主人公のヒデユキは八王子の小学校に通う4年生。近所に住む兄貴分のカッチャンをはじめとする仲間と過ごす日々。草野球、探検、プロレスごっこ、秘密基地、クワガタ捕り、粘土遊び、化石探し、ゴルフコースづくり。同級生にちょっと気になる子がいたり、思いもよらぬ子から告白されたり。同じ時代に小学生であった人ならば、ノスタルジーを感じることでしょう。いつだって、遊ぶことに真剣だったあの頃。
いい本ではありますが、高野氏の他作品と比べればイマイチと言わざるを得ません。『ワセダ三畳青春記』の楽しさと切なさには到底及ばず、やはり児童文学はその道の人にまかせてほしい。たぶん、子ども時代が懐かしくてこれを書いたのだと思われますから、これ以上色気は出さないことを望みます。 -
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今のソマリアの現状を書いたルポドキュメントというか、旅行記というか、そのようなもの。
どうやら別の本の続編のような扱いになるようだが、これだけ読んでも面白い。
ライターでもカメラマンでもある著者が、ソマリアに知人を作り、ソマリ語を勉強し、「ソマリアの日常・普通を知る」ために奮闘するエッセイ。
現状のソマリア、ソマリ人の特徴、政治のあり方、ソマリアでのイスラム、そして著者の念願でもあった家庭料理を学び、食べるレポート、モガディシュ以外の南部ソマリアへの旅。
知ることのできないソマリアを知ることができる。
想像すらできなかったソマリアを知れて面白い。