高野秀行のレビュー一覧

  • 移民の宴 日本に移り住んだ外国人の不思議な食生活

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    外国人観光客があふれかえる今日この頃。そんな観光客ではなく、日本に移り住んで何年、何十年という外国人に取材、彼らがふだんどんな食事をしているのかが書かれています。食事の話のみならず、彼らが日本に来た経緯、コミュニティの形成、日本の良いとこ悪いとこ。

    タイトルに「移民」という言葉を使った理由、その言葉に強い拒絶反応を示して取材を断られたケースもあるという追記も含め、終始興味深く読みました。

    とにかく辺境を好む高野さんのこと、取材先に選んだ町やコミュニティが面白い。日本の飲食店のまかないは、たいていの場合、店で出される料理と違うという話など、そんなことないでしょ、ちょっと決めつけすぎではと思わ

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    2018年03月19日
  • 世にも奇妙なマラソン大会

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    ‪2018年11冊目。ユニークというか、マニアックな旅をする著者。純粋に面白いルポでは終わらず、民族主義やら国際関係やら、勉強になります。西サハラについて、詳しく知りたくなりました。‬
    ‪表題作がそんな感じの一方、アジア・アフリカ奇譚集のような、「不思議な体験談」にも引き込まれました。世にも奇妙な物語的な出来事というか。‬
    ‪自分の身の回りにも、おかしな出来事はちらほらあるのだから、こんなに広い世界の中では、奇妙な出来事がきっといっぱいあるはず。‬
    なかなか遠出できないからこそ、本ってありがたい。疑似体験できます!

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    2018年03月17日
  • 【電子特別カラー版】恋するソマリア

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    人々を知る上で、言語・音楽・食、が大切だ、と何度も書いてあったが、ものすごく納得した。どの国にいてもその3つを披露するととても盛り上がる。
    高野秀行に感化されてるのか何なのか、私も旅する際はその3点を無意識に大切にし、現地の人々の生活、様子を学んでいる。

    ソマリ人はプライドが高く、取っ付きにくそうというイメージが形成された。

    20年以上続く紛争のため政府がないが故にすべてが民営化され、ソマリア内でもソマリランド・プントランド・南部ソマリアという国を成しているのが面白い。

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    2018年03月06日
  • 【電子特別カラー版】恋するソマリア

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    ソマリにいくら恋しても追いかけても報われない。

    片思いながら少しずつソマリの全貌が見え始めた作者の情熱が伝わってきた。

    本当の意味で命をかけて書いた本だからこそ、ここまで面白いのだろう。

    一つひとつの描写に作者の一喜一憂やソマリへの愛が感じられる。このまま潜入を続けてほしい。
    なにか大きな成果が出る気がする。

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    2018年02月21日
  • 世界の辺境とハードボイルド室町時代(集英社インターナショナル)

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    世界でも珍しいソマリランド研究の第一人者高野秀行。というか大抵第一人者になってしまう隙間家具文筆家とも言えます。あまりにもレアな研究過ぎて誰とも話題を共有できない。そこで室町時代の日本とソマリランドや辺境の軍事政権の在り方が似ているという事になるわけですが、それが本になってしまうあたり訳が分からずもさすがであると言わざるを得ないでしょう。そもそも室町時代に興味ないので何とも言えませんが、文面から立ち上る水を得た魚のような高野氏のテンション。知り合いの子供が友達作ったみたいなほんわか感覚が有ります。よかったねえ高野君。正直興味の薄い領域だったので評価しがたいところが有ります。日本史好きの素養が欲

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    2018年01月15日
  • 世にも奇妙なマラソン大会

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    ネタバレ

    砂漠でのマラソンなんてものが存在することを知らなかった。ヒョイと行けちゃうのが凄い。
    みんなでルートを修正し助け合いながら砂漠を走っているのが、個人競技なのにチームプレイになっていて面白かった。
    絶対走りきれないと思ったのに、本当にここぞという時に神がかった運を持ち合わせている気がする。
    外国語ができないのがコンプレックスって書いてあったのには驚いた。話す気のある人と意思疎通できているなら何も問題はないような気がした。
    その他の短編も興味深く、こういう細かい話が他にも沢山あるんだろうなと思うし読んでみたい。

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    2017年09月02日
  • またやぶけの夕焼け

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    著者の現時点で発行されている文庫本は読破した模様。故船戸与一氏の宿題だった小説を著した著者の思いはいかばかりか。少年小説というのは良く考えると難しいものだと思うが、主人公・阪野ヒデユキ君はそのまま高野氏を反映させているように感じた。永遠の少年ってことでどうでしょう? 自分も著者と同級なので、時代背景が目に浮かんでくる。近所には小学年代の子どもが多く、学年を超えて遊んでいたっけ。そして、リーダー格の6年生が卒業するのを淋しく見送ったのを思い出す。

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    2017年08月20日
  • またやぶけの夕焼け

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    内容(「BOOK」データベースより)
    探検冒険、野球にプロレス、虫捕り、火遊び、秘密基地…。遊びは遊びじゃねえんだ!?70年代少年小説の傑作。

    小学生の時は空き地やどぶ、林や工事現場ですら冒険の対象でした。毎日何かしらろくでもない遊びをしていたけれど、それがとても楽しかった。丁度ファミコン黎明期の子供なのでゲームにも狂っていましたが、虫取りや魚釣りにも夢中でした。
    この本は主人公が「かっちゃん」というちょっと勝手で変わり者だけれども、全力投球で遊ぶ1歳上の友人に心酔して毎日遊んで遊んで遊んで遊びつくす物語です。虫取りの話しと、ゴルフを勝手にアレンジして新たな遊びを開発するくだりは自分にも覚え

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    2017年08月14日
  • 謎の独立国家ソマリランド

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    ソマリアの中身がよくわかる内容。
    本書をおいて現在のソマリアに詳しいものは他にはないと思われるが、文章が冗長で読みづらい。

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    2017年08月12日
  • 世にも奇妙なマラソン大会

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    ネタバレ

    若い頃から世界各地と飛び回り実際に経験したことを本にしているライターで、今回は西サハラ地区で開催されるマラソン大会に参加したという内容だった。
    西サハラ地区自体聞いたことある程度であったが、モロッコから独立できず停戦状態にある地域で、そういういきさつからモロッコはアフリカで唯一アフリカ連合に所属していない国となっている。
    そんなモロッコから独立を目指すイベントの一環として開催された砂漠の中のマラソン。
    非常に面白く描かれており、その地域にことも知ることができ面白かった。

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    2017年08月09日
  • 【カラー版】未来国家ブータン

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    GNPではなくGHPを目指すという小王国ブータン、美男美女の国王夫妻の来日も記憶に新しい。
    著者はひょんなことからブータンに滞在してその幸福度を実感していく。
    教育はすべて無償(素晴らしい!)
    小学校からの英語教育、と聞けば日本人はもう真似したくて仕方ないだろう。だが実は多民族国家ゆえに英語を共通語にするしかないそうだ。
    国民の幸福度が高いのも何だか嘘くさいと思ってしまう。

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    2017年07月31日
  • 【カラー版】怪魚ウモッカ格闘記 インドへの道

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    この著作は、ある意味すごい著作です。タイトルと中身の間衛星がちょっと普通じゃない。これで一つの著作として成り立たせてしまうところが高野マジックかもしれません。

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    2017年07月05日
  • 世界のシワに夢を見ろ!(小学館文庫)

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    この筆者も割と好きで、こういう辺境の地や途上国の奥地での旅行記が好きなので読みました。
    大学で探検部だった筆者が、世界の辺境に行った時のエピソードを書いた短編エッセイ集。
    主に南米やアフリカだが、日本での話も載っている。
    結構面白いエピソードなんだが、シラミが頭に沸いたというエピソードでは、なぜこの人は鏡を見ないのだろうと思った。
    見た目を気にしない人だったのかしら。

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    2017年07月09日
  • 【カラー版】ミャンマーの柳生一族

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    ネタバレ

    基本強引に徳川幕府に繋げていくのでちょっと違和感。親しみを持って例えているのは分かるがかえって混乱した。
    コンデンスミルクをたっぷり入れたチャイ、飲んでみたい。その茶店の風景と共に味わったら楽しいだろうな。電気が部分的にしか通っておらず、夕陽が沈むと街が赤く染まり闇に包まれていく、終末を迎えたかのような感覚というの、ちょっと興味がある。人々の温かみや、少ない娯楽を堪能しながらゆっくりと時間が流れているミャンマーに想いを馳せた。
    お酒の席での話なんかは、人種や言葉や育ち方や住むところが違っても、おじさんはおじさんでみんな一緒なんだと思えて面白かった。

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    2017年06月26日
  • 【カラー版】神に頼って走れ! 自転車爆走日本南下旅日記

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    紹介
    2007年1月、ある願いをかなえるため著者は愛車キタ2号にまたがりお遍路の旅に出た。あらゆる神仏に祈りつつめざすは日本最南端の島・波照間。参るは、饅頭の祖神、野球塚、たぬき大明神、鯖大師に摩崖クルス、世界遺産の聖地・斎場御獄。四万十川でカヌー、波照間で釣りにも挑戦。それは日々が驚きに満ちた日本再発見の旅。寒風の冷たさが人情の温かさが染みる感動の旅。愉快爽快な55日間の写真日記。

    私が偏愛して止まない高野氏が、インドから入国拒否され意気消沈している時に、日本の神に縋りながら沖縄まで祈りの旅をすれば入国が叶うのではないかと思い、寒空のした旅立った旅行記です。
    はっきり言って彼の著書では並の

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    2017年06月12日
  • 世にも奇妙なマラソン大会

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    マラソン経験ゼロの作者が西サハラ 難民のチャリティマラソン に参加する話です。どう考えても無謀ですがミャンマー の密林を抜けインドに密入国した高野秀行だと何だか簡単に思えてしまうところが不思議です。恥ずかしながら西サハラがモロッコから独立闘争をしていたことを始めて知りました。このチャリティマラソンはアルジェリアの西サハラ難民キャンプ にホームステイ できるそうです。

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    2025年12月21日
  • 世にも奇妙なマラソン大会

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    サハラ砂漠でマラソン大会という奇想天外の話は大変面白かった。また、西サハラの事を何も知らず思わず検索してしまった。

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    2017年05月07日
  • アジア新聞屋台村

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    誰も行かないようなところばかりを好んで訪れる、早稲田大学の探検部出身のノンフィクション作家、高野秀行氏。怪獣を追ったり、アヘンを育てたり、ゲリラ支配域を横断したりと、数知れずの逸話を持つ彼の、これは東京における話。

    ある日突然かかってきた原稿執筆依頼の電話。エイジアンという怪しげな新聞社からで、タイについてのコラムを書いてほしいとのこと。引き受けた高野氏は、話のついでに同社の編集顧問に就任。同社は日本在住の外国人向けに新聞を発行しているという。しかも一紙ではなく、タイ・ニューズ、台湾時報、マンスリー・ミャンマー、インドネシア・インフォメーション、マレーシア・ワンダーの五紙。社員に常駐者はおら

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    2017年05月15日
  • 【カラー版】ミャンマーの柳生一族

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    普通の人は行かないようなところばかりをわざわざ選んで旅をする、辺境作家の高野秀行。コンゴへ怪獣を探しに行ったり、ミャンマーへアヘンを栽培しに行ったりしていた彼が、早稲田の探検部の先輩後輩のよしみで、大作家の船戸与一からミャンマーへ一緒に行こうと誘われます。ミャンマーに合法的に入ったことがなかった高野さん。絶対にブラックリストに載っていると自負していたのに、意外にも入国は簡単に認められ、駄目だと言われたのは船戸さんのほう。作家としての知名度の差らしく、高野さんガッカリ。なんとかふたりとも入国できることになったものの、ミャンマーの某旅行会社を必ず使うようにと指定されます。これがなんと旅行会社に姿を

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    2017年05月21日
  • 怪しいシンドバッド

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    『ワセダ三畳青春記』があまりに気に入って、高野秀行の文庫化されている著作すべてを大人買い。『ワセダ』を超えるものにはめぐりあえそうにないけれど、どれもそこそこ面白く、ときにしんみりさせてくれます。「世の中で真に重要な情報とは二種類しかない。一つは自分の身を守るための情報、もう一つは人を元気にさせる情報」、高野氏が先輩から言われた言葉だそうです。大槻ケンヂの解説も○。

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    2017年04月26日