高野秀行のレビュー一覧
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ネタバレ<目次>
第1章 僕たちが探検家になるまで
第2章 早稲田大学探検部
第3章 作家として生きること
第4章 作品を語る
第5章 探検の現場
第6章 探検のフィクションとは何か
<内容>
名前を知っている「探検家」二人の対談集。そのレベルで借りたのだが、意外と奥が深かった。二人とも早稲田大学探検部の出身。そして、このサークルは一癖も二癖もある連中の巣窟。そこの企画書などを書くことで文章力が磨かれるようだ。この本は、探検の話よりもノンフィクションの書き方、題材の選び方、文章の書き方、売り込み方まで書かれた、文筆業(作家を除く)の指南書となっている。「へえ」の連続だった。 -
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ソマリアというと内線やゲリラとかで怖い土地というイメージだけど、探検家の高野さんの目を通せばとても面白くて親しみのもてる素敵な国なんだって(国連から国とは認められていないけど)。
確かに読んでいると日本や西側世界、先進国の常識はずれのぶっ飛びぶりが面白い。そしてそれで回ればいいじゃないって思えてくる。ちょっと窮屈さを感じる毎日のなかで読んだからなおさらそう思ったのかも。
高野さんがつき合う現地の人たちもそれぞれマイペースで魅力的。特にハムディときたら。本当はすごく危険な地域でもあるのに、笑ったりけんかしたりしながらたくましく生きている。 -
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フィールドワーカー高野秀行氏が、酒が禁止されているはずのイスラム圏で、地酒を求めてさまよい歩く旅日記。
お酒に興味がないので読み始めはそれほど興味を惹かれなかったけど、お酒欲しさに普通の人に発見しにくい現地のアンダーグラウンドな文化を見つけていく様子は、ちょっと面白かった。
でも『謎の独立国家ソマリランド そして海賊国家プントランドと戦国南部ソマリア』があまりにも素晴らしかったので、こちらはあまり高い評価はできない。
高野氏の本は、人の生活や文化は「理念」みたいな画一的なもんではなくて、もっと雑多で一貫性もあんまりなくて、猥雑で勝手な物なのだと気づかせてくれる。どこか松沢呉一氏の仕事と共 -
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「腰痛探検家」
始まりは三十八の夏、前触れも無く始まった腰痛はいつもと違った。
高野秀行。辺境作家。誰も行かないところに行き、誰もやらないことをし、誰も書かない本を書くことがモットーである。未知なる世界を探し歩く中、いつもの腰痛が始まった。本書は、頭の中が腰痛のことばかりになった辺境作家の腰痛探検である。あの高野秀行の作品の一発目として果たして適切かどうかは自信はないが、おススメによくあがってきてしまえば読むしかない。ジャンルはある種の辺境であり、馴染み深い辺境だ。腰痛はハマればなかなか抜けきれない砂漠に違いない。
そういう私も軽い腰痛になったことがある。単なる寝違えに違いないはず