高野秀行のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
小説家や歌人などによる子どものお悩み相談会。
子どものお悩みというのが、子供側の事情を詳しく書いたものではなく「謙虚になるにはどうしたらいいですか?」「遅刻グセがなおりません」といった一行のみ。
だから、お悩みに対するアドバイスというより、それをテーマにしたエッセイのようなものだった。参考になるかどうかは、微妙だった笑。
作家さんたちの多くは、自分の経験について語っているのが、大人として読む側はおもしろかったな。
子どもと大人、どっちが読めば共感できたり面白く感じたりするんだろう。
一番最初に「夏休みの宿題ぎりぎり派はだめ?」というテーマについての角田光代さんの回答で、小学生の時絵が好きで美術部に入っていたが、夏休みの絵画の宿題ができずぎりぎりになってくまのぬいぐるみ(茶色)を書いたら絵が黒と茶色になってしまい、教師から「きったねー絵だな」と言われ、それから絵を描いていないという話が心に刺さった。
私の小学生の時も、美術の男性教師がとても個性的な人で、児童の絵について笑いながらバカにしてた。それも他の児童に同意を求めるように言うから同級生からもからかわれるんだ。私もやられて、恥ずかしくて鉛筆で必死に絵を消して描き直したっけな。・・・まさか同じ教師じゃないよね?
私は大人だから、大人の一言がが子どもにどんな影響を与えるのかということについて、自分の苦い思い出とともに、痛感した。
あと、津村記久子さんの同級生が、教師になったから自分の学生時代のことがよくわかるようになったというのも、なるほど。そうだよね。教師は、自分の学生時代のことを思い出して「あのときのことって・・・」と答え合わせができることもありそうだ。 -
Posted by ブクログ
外国から日本に移住した人たちは普段どんなものを食べているのか。全国の町に溶け込みながら、食を通じて日本と生まれ故郷を行き来する人びとに取材したルポルタージュ。
本文に入る前に口絵の写真を見ているだけでお腹が空く。著者は執筆当時主夫になったばかりで料理の心得がなかったらしく、料理の詳しいレシピが紹介されていないのが惜しい。
取材期間中に東日本大震災が起こり、それが全体を通して大きなトピックになっていく。つてを辿って疎開したり自国に一時帰国する人も多いなか、フィリピン人女性たちが残る東北の漁師町に食材を持っていく章の明るさは泣けてくるほどだ。文化の違いや差別的な視線を乗り越え、長い時間をかけて家族や隣人たちとの関係を築いてきた彼女たちは、家が倒壊しても自分の居場所はここだと言い切る。
それと対極のエピソードもある。中国生まれの朝鮮人マッサージ師は「日本はラク」だという。中国に移住した移民2世だった彼にとって、漢族との軋轢に苦しめられてきた中国よりもしがらみのない日本が気楽だった。
著者は取材を申し込んで各人のソウルフード的な料理を作ってもらうのだが、自分で「ラーメンとカレーは日本の国民食」なんてことを言いながらブラジル人が作るペルー料理に首を傾げ、"らしさ"を求める人間心理を見つめているのが面白い。こんなにいろんなところへ旅している人でもステレオタイプから逃れるのは難しいんだなぁ。