高野秀行のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
イスラム国家で酒が飲めないかと思うとさに非ず~§1紛争地帯で酒を求めて-2007年森カメラマンと凶獣を探しにパキスタン経由でアフガニスタンに行く予定が,搭乗客が少なくてパキ航が欠航となり,一流ホテルでも酒を出さない。大学生に訊くと医者の診断書で酒を手に入れられる。パーミットプレイスには男が殺到している。アフガニスタンのカラオケ・バーではお持ち帰りの中国人女性がいて,ビールを飲んで25ドルから12ドルに負けさせた。-§2酔っ払い砂漠のオアシス-妻を連れてチュニジアに来て,常温で呑むとしたらロゼワイン。ビールを飲んでも爽快感がないのは,のべつ呑んでいるからだと気付く。砂漠のオアシス・バーで水とナツメヤシをミックスした酒を飲んだ翌朝,腹痛オンパレードで,オアシスバーがラクダの足洗い場であったからと判明する。-§3秘密警察と酒とチョウザメ-2009年2月,麻薬同様酒が禁止されているイランに行くが,白昼へべれけの酔っ払いに遭遇。密売人はスーフィーで,ホメイニを批判する。どぶろくとウォッカ。チョウザメは強精食だった。-§4モザイク国家でも飲めない!?-モザイク国家マレーシアで2005年7月。ババ・ニョニャ(中国とマレーのハーフ)を訪ねるが手に入らず,ポルトガル租界の現地バーに突入。酒は何でもある-§5イスタンブールのゴールデン街-モスクの近くはないと踏んでいたが,アタチュルク行きつけの中間営業だけの宮廷料理屋は問題がないし,ネヴィザーデという飲み屋街は人がざわざわしていて,普通にビールを飲み,客引きが負けずに声を挙げる。-§6ムスリムの造る幻の銘酒を求めて-シリア南部に葡萄酒を造るドルーズ派がいるというが,どこの酒屋も不機嫌(その理由は結局不明)で,レバノン北部の不味いワインを飲んでいたが,アンマンへタクシー移動中に立ち寄ると,イケメンの靴の修理屋のお兄ちゃんが差し出したワインは絶品だった。-§7認められない国で認められない酒を飲む-ソマリランドは平和で何故独立国家として承認されないのか分からない。カートという葉っぱを囓っているとアルコールは要らないが,スプライトのボトルにジンが入れられて売られているが,カートと違って,性欲が消えることはない。-§8ハッピーランドの大いなる謎-バングラデシュの東側にはミャンマーに近い人が住んでいて,仏教徒だから酒を飲むが,蒸留三度のアラクだ。敬虔な仏教徒は呑まない-~ムメンベを探せの時代は可愛い大学生だったのに,生意気にも,周辺を威圧するほどの酒好きになってしまって,書き出しが「私は酒飲みである。休肝日はまだない。」でいやらしい。ま,仕方ない。1966年生まれというと今年49歳。「ゴールデン・トライアングルの核心部で取材中,うっかりアヘン中毒になってしまい,それから脱出するため,つまり禁断症状を耐えるために酒をのべつまくなしに飲むようになった。」(p77)という事情があるから仕方ないね
-
Posted by ブクログ
【本の内容】
20
07年1月、ある願いをかなえるため著者は愛車キタ2号にまたがりお遍路の旅に出た。
あらゆる神仏に祈りつつめざすは日本最南端の島・波照間。
参るは、饅頭の祖神、野球塚、たぬき大明神、鯖大師に摩崖クルス、世界遺産の聖地・斎場御嶽。
四万十川でカヌー、波照間で釣りにも挑戦。
それは日々が驚きに満ちた日本再発見の旅。
寒風の冷たさが人情の温かさが染みる感動の旅。
愉快爽快な55日間の写真日記。
[ 目次 ]
第1週 1月15日~1月20日(東京~浜松)
第2週 1月21日~1月26日(浜松~奈良)
第3週 1月27日~2月1日(奈良~甲浦)
第4週 2月2日~2月8日(甲浦~四万十)
第5週 2月9日~2月15日(四万十~高千穂)
第6週 2月16日~2月22日(高千穂~鹿児島)
第7週 2月23日~3月1日(鹿児島~奄美大島)
第8週 3月2日~3月6日(奄美大島~那覇)
第9週 3月7日~3月10日(那覇~波照間島)
[ POP ]
こちらは、東京から神様に祈りながら自転車で日本最南端の波照間島を目指すエッセイ。
一見、最近流行のパワースポットを紹介する旅行記?のような体裁ですが、その実は、、、。
そもそも、何のための巡礼かといえば、インドに入国できないが、どうしてもインドに行きたい著者(経緯は『西南シルクロードは密林へ消える』(講談社文庫)、『怪魚ウモッカ格闘記』(集英社文庫)などに詳しく書かれています。
大変面白いのでおすすめです)が日本全国の神様に「インドに行かせてください」と祈るため。
饅頭の祖神、野球塚、たぬき大明神などに祈りながら著者のひとくせもふたくせもあるような知人友人先輩との交流が繰り広げられる、かなり「ゆるい」旅行記です。
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
Posted by ブクログ
トルコ東部の湖に生息している(と言われている)、謎の巨大生物「ジャナワール」を捜索するノンフィクション作品。
舞台こそ海外なのだが高野作品にしてはスケールが小さいというか、移動らしい移動といえば湖の周りを一周しただけ。やっていることも関係者や住民への聞き取り調査ばかりで、若干の物足りなささえ感じてしまった。でもまさか最終章であんな展開が待っているとは…
やはり高野氏には騒動とか一悶着を引き寄せる、強力な何かを持っているのだと思う。おそらく彼じゃなければ、ここまでドラマチックな展開にはならなかったハズだ。いつもながら(こんなチープなテーマでも)一気に読ませる文章力はさすがである。 -
Posted by ブクログ
旅行中だろうと、飛行機の中だろうと、アルコール禁止のイスラムの国だろうと、とにかく酒が飲みたい。
酒飲みのそんな心の叫びを体現した一冊です。
酒の美味しさって味&酔えることに加えて、大なり小なりある後ろめたさにあると思うのです。
その背徳スパイスが、禁酒のイスラーム圏ならより効いてくるわけです。
しかも、禁酒のはずなのになぜか手に入るイスラムの地酒とならば、なおさらのこと。
酒をテーマにしてて、実際、イスラムの国々で酒を探すことに内容のほとんどが費やされていますが、本そのものはちゃんとした旅行記です。
むしろ酒を通じて、イスラム文化にうまいこと切り込んでいることが面白い。
とにかくイスラムって、公と私をきちんと分けているのです。
だから人前でのアルコールはご法度でも、仲間うちなら平気。
ちゃんと美味しいお酒や肴もある。
人のいるところにお酒がある、ってことを見事に表しています。
私、この本を読んでいる間、立ち飲み屋へいく頻度が妙に増えました。
お酒と旅とイスラムが好きな人に読んでほしい一冊。 -
Posted by ブクログ
パキスタン、イラン、シリア、ソマリア、トルコ、チュニジア、アフガニスタンなどちょときくと危なそうなエリアに著者高野秀行氏がどうやって酒を飲んだのかというお話を綴った旅紀行なのだが、あきれるほど酒への執着が凄い著者が本能でのように酒を売る人たちを見つけまた酒を飲む人たちと出会う様は痛快で読んでいて思わず微笑んでしまった。
トルコなどをのぞいて、イスラム圏は危ない、怖い、分からないという部分が先にたち親しみを持つ事はまずないのだが、やはり人間は人間酒を取り巻く人間臭い部分はどこに住む人間にも必ずあり、面白くまたいい人たちもいるのだろうなあと思わせてくれる作品だった。