高野秀行のレビュー一覧
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冒頭で高野さんは自身の「間違う力」について語っていますが、私はその後の「間違ったまま突っ走る力」にやられて高野作品を読んでいます。
ヤバいとわかっていても引き返すという選択肢は更々なく、あえて「乗りかかった船状態」を作ってから「困ったなぁ」と言ってるとしか思えない。
毎回それを期待しているし、本書も期待通りの出来事が3件。
「世にも奇妙なマラソン大会」
サハラ砂漠でフルマラソンに参加。ずっとなんで?が止まらないけど、読み終えると謎の清々しさがある。
「ブルガリアの岩と薔薇」
これは以前読んだ「メモリークエスト」の後日談。ミッションを終え帰国するために利用したバスで、岩のようなおじさんと出会 -
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伝説の雪男の調査にブータンへ。
ここに至るきっかけやその後の調査の流され感がゆるくておもしろい。
うわべの聞き取りでなく、そこの人たちの暮らしにや懐にはいりこもうとする高野さん。
雪男探しというよりも、だんだんブータン版『遠野物語』の様相を呈する旅。
その土地の習慣や価値観があぶり出されて興味深いです。
そして、そこから見えてきた「なぜ国民の幸福度が高いのか?」という考察が、とても腑に落ちました。
この旅は2010年のこと。
その後2016年に出版された『謎のアジア納豆』
の中で、2014年に訪れたミャンマーにブータン人難民キャンプがあることが書かれていています。
「幸福な国」といわれるブー -
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プフッと声を出して笑ってしまった。
メインの3つの話、サハラマラソン、ブルガリアの岩と薔薇、名前変更物語のどれも著者が「間違う力」でズンズン突き進み、笑わしてくれる上、何か面白い余韻を残してくれる。
◯サハラマラソン
始まりの深夜のクリックからめちゃ笑う。
しかし、ハーフマラソンに出たこともないのに、砂漠のフルマラソン…それだけでもすごいし面白い。案外タイムも早いし。
加えて、西サハラ問題(初めて知った)やそこでの暮らしぶりにも触れることができて興味深く楽しい。
◯ブルガリア
まあまあ大変というか面倒な状況になってるのに、「並大抵の心地よさじゃないのだ。ここ十年で最大のカルチャーショックか -
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「謎の独立国家ソマリランド」に続く、ソマリア本第二弾。
高野さんのソマリアへの熱い恋心?がこちらまでひしひしと伝わってきて、おもしろい。
ソマリ人たちとの交流から見える、ソマリ人の性質だったり暮らし、価値観がとても貴重です。
こんなにソマリランドやソマリアについて知ることのできる本てないもの!
内戦が続いているだけあって、フィクションかと思うようなとても危険な目にあい、こちらまでハラハラしてしまったけれど、それが日常であるソマリ人たちの様子がわかるのも貴重。
高野さんが訪れたこの2012年から今はどうなっているのだろう。
ソマリランドやソマリアに興味を持ち、世界を見る目が広がっています。 -
- カート
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試し読み
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『世界の辺境とハードボイルド室町時代』を読んで、こちらの本に飛んできた。手にとって、「分厚っ…」と声に出てしまうほどの本の厚みで、読みきれるのか不安になりましたが、かなり難しい異文化を、ユーモアのある語り口で面白おかしくリポート&解説してくれています。
ソマリランドに来てみました、的な(かなりハードな)旅行記のような始まりで、ソマリの人々のことやソマリランドのあちこちに訪ねていった様子が描かれます。
著者がソマリランドのことを「地上のラピュタ」とまず言っていたけれど、これが最初はピンと来なかった。アフリカの民主主義国家、だけだったら、「そんなところがあるんだ~」と思うくらいです -
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ビルマを経由してインド北東と中国四川省をむすぶ交易路として昔栄えたと言われてる西南シルクロードを辿るお話。しかし、西南シルクロードについては本書を読んでもなんだかぼやっとしてる。
只々、著者をほぼ最初から最後までエスコートしたビルマのゲリラメンバーたちとの人間模様が面白い。
しかし何故ゲリラたちは、数々の苦難を乗り越えてまで、親切に責任感を持って著者をエスコートしたのか謎のままである。
本書は25年ほど前の話であるが、
中国の内陸部(ビルマとの国境付近)の街である大理なんかはもうずいぶん近代化、観光地化していたようである。
また本書にある地図を見て、
インドの北東部はバングラディシュにえぐら -
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内容が刺激的だし、文章がうまい!
こういう風に冒険を伴った言語学習なら、外国語=英語?がもっと好きになる中高生が増えると思う。
そもそも、カリキュラムは「外国語」であって「英語」では無いのだから、何語であっても良いはずだ。
著者自身が破天荒な学習者だから、教える立場に立ったときの教え方も、ユニーク!
あと、言語が持つノリと言う考え方も面白かった。音楽のノリと言語は、やはりとても関係があると思った。話す言葉によって、なんと話者の気性まで変わってしまうのだから。
情報を伝えるための言語と仲良くなるための言語と言うカテゴリー分けも面白い。
だからいくら翻訳機能が発達しても言語学習はなくならないと言う -
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ネタバレ本書は、アフリカのエチオピアに2週間という短い期間。
TBS『グレートジャーニー』という番組で著者が観た、主食をお酒だけで生活している酒呑み民族の実態を伝える驚き旅本である。
子供達がなんと、一日5リットルのお酒を主食にしているとか、驚きのお酒ネタの場面が沢山出てくるから
酒呑みにはたまらない。
後半の病院での、ビックリ場面は、本書をお酒を呑みながら読むと、更に本書を楽しめること間違いなし。
著者がエピローグで語っているのに納得した。
WHOの報告では『アルコールは少量でも健康に有害』とあるが、アフリカ民族のお酒を主食にしている実態を知って欲しいと語る。
その民族は一日中お酒を呑んでも、 -
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自分では行けない場所、できない体験を高野さんを介して知ることができて幸せです。
今回はエチオピア南部へ。
タイトル通り、お酒を主食とする人たちの暮らしに潜入。
文句なしに面白かったので、本文の紹介はなし。みなさま、ぜひ読んでください。
かわりに、些細な私の変化をお知らせします。
あまりお酒を飲めないからか、日中から飲むことや酔っ払いには厳しい目を向けがちな私。
でも、読み終わったその日は(お正月の親族の集まりということもあり)昼からワインを飲んだし、ビールを飲む夫にも笑顔で接することができました。
もうひとつ。
お酒を主食とする、つまり固形物をほとんど食べない日常が、とても快適だった -
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「誰も行かないところへ行き、誰もやらないことをし、誰も書かない本を書く」をポリシーとする筆者・高野秀行は、幻獣ムベンベを追い求めてコンゴへ行き、幻覚剤を求めてコロンビア周辺の南米を旅し、ケレン味たっぷりの野望をもってタイの大学で日本語講師になり、ゴールデントライアングル(タイ、ラオス、ミャンマーの国境にかつて広がっていた麻薬地帯)でケシ栽培をする。目的を達成するためには、現地住民との交流が必要で、そのためになら辺境言語だって学ぶ。相当トリッキーな人間だ。そしてそれらの経験に基づいた、言語習得論もたいへんに面白い。
印象に残ったのは「言語は能だけでなく、目、耳、口、手を駆使する身体的な技術体系 -
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いつだって高野秀行さんの本は面白い。『謎の独立国家ソマリランド』で大ファンになって以降いろいろ読んだけど、最初の本『幻獣ムベンベを追え』しかり、アフリカものが一番面白い。結局、日本的常識に浸りきっている私のような日本人からすると、一番想像を絶する世界がアフリカなんだろう。そして、辺境マニアの高野氏でさえ特別だというのだから、本当にコンソもデラシャもすごすぎる民族。
アルコールという常識に一石を投じる。私のようなアルコールが飲めない(分解できない)体質の人はコンソやデラシャにはいないんだろうか?
ただ、同じ女性として、アフリカにおける家父長制、男尊女卑については胸がギュッと悲しみに潰される。でき -
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たかが納豆されど納豆である。
これは納豆の研究論文と言っても過言でない。
以下ネタバレ注意。
納豆、醤油、味噌はどれも大豆から作られるが、日本では3つとも作っているメーカーが無い。例えば、キッコーマンは納豆を作らない。これは、納豆は納豆菌、醤油と味噌は枯草菌と、それぞれ発酵させる菌が異なるからだ。
しかし、韓国ではチャングッチャン(納豆)もコチュジャン(味噌)も同じメーカーが作る。これは後者が枯草菌と納豆菌の両方を使って発酵させているからだ。
アフリカとアジアには納豆があるが、なぜか中国圏には納豆がない。あるのは豆豉(枯草菌で発酵させた大豆)だけ。中国圏が納豆のミッシ -
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ネタバレ
インジェラアレルギーから始まったエチオピアへの旅。
ビザが取れない、長い長い道のり、未知なる酒"チャガ"、ヤラセ村・ホルテ村の人々、未知なる酒"パルショータ"、未だ続く村同士の抗争etc.
高野さんの喋り口調が思い起こされながら読み進めました。
エチオピアに入ってから出会った人々のことや口にしたもの、目に入った景色が、自分がリアルに体験したことのように感じられて、没入感マックスで読めました!
アルマズがコーディネーターとして働ける日も近いのかな?
村同士の抗争で"焼き討ち"が未だに行われているというのに、不謹慎にも笑ってしまった