高野秀行のレビュー一覧
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1人のコンゴ人の人生を綴った物語。呪術や非現実的な現象、氏族の伝統への縛りから、アフリカ各国が経験した植民地主義と抵抗の歴史まで、とにかくそういったことに翻弄される主人公の、力と知への探究心が凄かった。そして、無敵だった主人公に「老い」がやってきた時、少し胸が痛くなった。
私の推しである高野秀行氏が、大学時代に作者の弟と知り合いだった関係で、ひょんなことから原稿を読む機会があり、めちゃくちゃ感動してそのまま日本語に訳したのがはじまりだそう。
作者はこの物語を15年かけて書いたという。
こんなスピードで読み進めていいのか、作者に失礼ではないか、と思うが、とにかくページをめくる手が止まらなかっ -
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謎のアジア納豆に続く納豆シリーズにして完結編?
謎のアジア納豆は高野さんの本を読むようになったきっかけでもあり、昨今の朝食がほぼ納豆めかぶご飯になったきっかけでもあります。
さて、前回から更に範囲を広げて、韓国もありますが題名通りアフリカがメインとなっています。
前回と同じく、色んな国で色々な形で食べられているなと。それ食べてみたい、というものが沢山。
旨味調味料的に使っているのは、味噌や醤油、鰹節や昆布が発達した日本とはまた違いますね。ただ先日水戸の藁納豆を買ってみて、強烈な昆布のような旨味があり、納得しました。
そう、色んな納豆を試すようにもなりました。
茨城物産館にあった、くろまめの -
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高野秀行さんの最新作。チグリス・ユーフラテス川を隊長こと山田さんと共に川下りをするという話し。
文明発祥の地の探検ということで、探検道中の出来事はもとより、文明について、プレートテクトニクスによる造山活動について、その地域の弦楽器について、イスラム教の変わった分派について、そしてクルド人の置かれている状況など、話が縦横無尽に飛んでいく。
昔は遭遇した出来事を面白おかしく書いているだけだったが、長年の執筆活動で培った筆力はさすがで、色々と知識や感想を交えながら難ししくはならずに噛み砕いて書く技術はなかなかのものである。特に今回のパートナーの山田さんは自然科学的なものの見方だけでなく、古典にも通 -
- カート
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試し読み
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ネタバレ今更ながら読んだこの本、強烈に面白かった。
ソマリランド、というアフリカの角の旧ソマリア一角にある、「独立国家」に深く入り込んで取材した本。ソマリランドがどのように成り立っているのか、ソマリ人とはどういう人たちなのかが描かれる。
著者の高野秀行さんが徹底して「実感」を通してその国や文化の構造を理解しようとしているのがすごいなと思う。
欧米式の研究やジャーナリズムでは欧州以外の外国文化を「他者」として研究の対象にして外から観察してしまう傾向が強く、それが評価を下すような鼻につく感じがあるけれど、高野さんのスタイルは中に入り込んで、そして、自分たちの知っている感覚の似たものを想定しながら理解を -
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温度、湿度、風、川の音、川の周りの景色、匂い
詳細に、だけどしつこくないさらっとさで描写されていて旅した気分になれた。
美味しい食べ物の話しも盛りだくさんで、
飽きずに読めた。
自分にとって大きな収穫はクルド人についてで、この本を読むとクルド人と言われる人々を取り巻く環境が概ね理解できた。
日本でも問題になっているけど、島国日本人の立場からでは理解し得ないクルド人の成り立ち、歴史的な背景からくる問題がある。
しかもこの本の良いところは、それを伝えようとして書かれているわけでなく、あくまで川旅の中でで会う人々を正確に描写するために必要な説明として書かれているからとてもフラット。
中立の目線で -
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高野さんの本を何冊か読んだ共通点は言語を学び文化を学びその土地に順応して文化、生活のレクチャーを受けるので読んでいくうちに現地の皆さんのキャラクターが浮き彫りになって読み終わる頃には名残惜しくなっている事。
冒頭にもあるけどイラクと聞いて「戦争、紛争、」「ヤバめのイスラム教」みたいなイメージしかなかったけど読んで思ったのはやばいのは政治(または宗教絡みの政治)でそこで過ごす人々は活気があってチャーミング、文化もあるが懐に入れば情が厚く手助けもしてくれる。
水路が複雑で地図も書けない湿地帯は古くから社会からあぶれたならず者達が逃げ込む場所にもなっている。中国の水滸伝になぞらえているけど水滸伝の -
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高野氏の今度の冒険はイラクの湿地帯。コロナ禍を挟んで3度に亘るイラクの旅は、船作りの船頭探しから始まる。出会う人々を、宋江など水滸伝の登場人物に当てはめることで、水滸伝を読んでいる読者には各人のキャラがわかりやすく沁みてくる。
今回も高野氏が驚異的な語学力を屈指し、イラク訛りのアラビア語を身につけ、さらには歌をいくつもマスターし、現地人化していく様子が凄い。さらには、「脳内タイムマシン」と称し、紀元前の時代の湿地帯の姿を鮮やかに想像とともに描写する。世界史で「チグリス川とユーフラテス川で文明は産まれた」ということは習うが、まさにその時代の出来事を、あたかも見てきたかのように書いていて感嘆する -
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イラク南東部に広がる湿地帯、アフワール。
シュメール帝国の時代から人が住み、現代においてもマイノリティの人々が逃げ込み暮らしているというちゃんとした地図もない、所謂「よくわからない場所」。
高野秀行はここに、船を作って湿地帯を渡るという夢を叶えるためにやってきた。
通訳すらいない状態で。
考えるより動く。行き当たりばったり。
でもそのぶっつけ本番の行動力が、旅を面白くしている。
こういう人が書く本だからこそ、読んでいてこちらまで冒険している気分になる。
四国地方ほどの広さを持つ大湿地帯は、中央政府の力が及ばない。
政治に左右されない場所だからこそ、シュメール文化がそのまま残っている部分もある -
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4.5
「誰も行かないところへ行き、誰もやらないことをやり、それをおもしろく書く」をスタンスとする著者が自身の「背骨」とも呼ぶべき本と述べたのが、この本。
その通りで、まず思ったのが発想が本当に飛び抜けていると思った。すぐ隣の中国では固く禁止されており持っているだけで極刑になるアヘンが国境を少し超えたミャンマーのワ州だと人々の生活の糧になっている - そんな「善悪の彼岸」の先であるワ州で実際人々はどんな生活をしているのか、村人と同じ生活をして体感したいということで半年ほど住んだ記録を本にしているんだが、まずそこに行ってみようって発想になるのがぶっ飛んでいる…笑
そして、ドキュメンタリーとし -
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ネタバレはあ、面白い。
こんなに笑いながら読める本ってなかなかないかも。この前「出版区」に出てて高野さんが手にとっていた閻連科の本を買った!
こんな本を書くのに、話せば穏やかで上品さを感じるギャップが魅力の1つなのかな。
刊行順に読んでてやっとこの本に。
不毛地帯は挫折中………頭に入ってこなくなった。とにかくこの本の中に「とんでもないことになってしまった」って何回か出てくるけど、その度にニヤニヤしてた。ほんで絶対におかしいやん、密入国の後が大変ってわかるのにそれをしてしまう高野さん凄すぎる………脱帽級、ほんでなんとかなってしまう運のよさ。またミャンマーの情勢やらなんやらも理解して発信(言語化)できる頭 -
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メソポタミア文明の発祥の地であるチグリス・ユーフラテス川流域を船で旅する傑作の冒険譚だ。
高野さんは言わずもがな、イラク水滸伝から引き続きの相棒である山田隊長の凄さも際立つ。物怖じせず現地のコミュニティに入り込む好奇心旺盛な高野さんとそれを冷静に眺めつつ地形や歴史に熟知した山田隊長のコンビが絶妙だ。その土地土地の風土や文化は地形や気候、歴史を踏まえると見え方も違うのだなと実感する。
旅の先々でその土地の食を堪能し、歴史や植生を楽しむには教養が必須だがなんとも贅沢なことだ。カズオ・イシグロがコロナ禍に言っていた縦の旅を極めている感がある。近所の散歩でもいいから次に旅するときに真似したくなる。