高野秀行のレビュー一覧

  • 辺境メシ ヤバそうだから食べてみた

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    一応覚悟して買ったのだけど、やっぱりすごい本でありました。
    巻頭カラーの『豚の生血の和え物』とか、『虫サンド』『水牛の脊髄』『ジュース用のヒキガエル』『モルモットの串焼き』など、インパクト強すぎ。
    「はじめに」で書かれた”注意してほしいのは、食事中に読まないこと。”の意味。
    いや、私の主たる読書時間は食事中なので、それは困るよ。

    雑誌連載なので、最初の方は昆虫食(それも刺激強めのやつ)などが多かったけれど、ネタ切れなのか、それとも軌道修正を強いられたのか、後半は辺境で食べられている美食などもあったりして、食事をしながら読んでも大丈夫でした。(私の方が慣れたのかもしれないけど)

    実際、昆虫食

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    2023年02月12日
  • 西南シルクロードは密林に消える

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    中国からタイ・ミャンマーの「ワ」州を抜け、インドへ。中国の出国手続きもなく、タイ・ミャンマーへの入国も税関を通ってないので、インドへは不法入国状態。「ワ」のあたりを徒歩で制覇していく様子も、インドから奇跡的に日本に帰国するのも、読んでいてワクワクする冒険譚です。アヘン王国と合わせて読むともっと楽しめると思います。

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    2023年01月06日
  • 【カラー版】ミャンマーの柳生一族

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    高野氏離れが続いていたけど、先日の『語学の天才まで1億光年』によって長い眠りから覚めた。
    自分への快気祝いにと今回手に取ったのは、世にもおどろおどろしいタイトルと表紙が特徴の本書。(相変わらず、刊行年順関係なしに読んでいくスタイルをキープ)
    いつものことながら、彼の文筆にかかれば恐怖は軽減され、寧ろ愉快な気分にさえなっていた。

    早大探検部の先輩で作家の船戸与一氏とミャンマーへ取材に出かけた著者。今回は珍しく観光に近い合法的な旅行なのかと思いきや、そんなはずはなく。題して「柳生一族と過ごすミャンマー辺境14日間」の旅だ。

    ここで早速、謎のワード「柳生一族」が登場。これは現地の軍情報部を徳川家

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    2022年12月02日
  • 世にも奇妙なマラソン大会

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    -何か面白いことはないか
    夜中にネットサーフィンをしていてたどり着いてしまったのが、西サハラの難民キャンプで開催される“砂漠を走る”マラソン大会。
    直前の申し込みにもかかわらず、ゆる~くエントリーされ、詳しい案内もなく「夜9時マドリッド空港集合」だけ。しかも、マラソンなど経験のない著者。不安を残しながら現地へ飛んだ。

    モロッコと対立する西サハラへの援助を求めることがこの大会の趣旨だったようで、ボランティアに慣れている海外の人々に比べ、著者はそんなことには思いが至らない。
    難民キャンプといっても、それなりに物資は揃い、対立しているといっても平和な西サハラ。
    現地の取材を行いつつも、果たして、砂

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    2022年12月01日
  • 【カラー版】アヘン王国潜入記

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    すごい話だな〜!麻薬を作ってる人は善良そのもので友情がちゃんと成立する。北朝鮮の人とかとも、当たり前だけど善良な人がほとんどなはずで、そういうことに気付かせてくれる。麻薬の何たるかも学べる良書!

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    2022年11月23日
  • ワセダ三畳青春記

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    辺境作家、高野氏の青春記。ワセダのたった三畳の部屋に住んだ11年間で起こった日々を綴った一冊である。
    高野氏の著書は普段我々が行かないような辺境の地や未開の地などのテーマに気を引かれるが、文章にしたときの面白さが尋常ではない。今回のエッセイではそれ特に際立つ。場面の切り取り方やテンポ、言葉のチョイス…高野氏の著書を支えているのはやはり文章力だ!と感じる一冊であった。

    特に最終章の、野々村荘からの旅立ちは懐かしさ、寂しさ、面白さ、なんとも言えない哀愁が美しく感じられて何度も読み直した。人を好きになる複雑な心境をこんなに上手く書ける人がいるのか、と嬉しくなった。

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    2022年11月22日
  • 幻のアフリカ納豆を追え!―そして現れた〈サピエンス納豆〉―

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    納豆追いかけてアフリカに行くのがこの人のすごいところ。ツルマメ納豆は感動。ひきわりなら野生でも納豆になる、そこから栽培化にいくというのはちょっと逆ぽい気もしないでもないが、この人の話の流れに乗って読むのがいいのだろう。今はなかなかどこにもいかれないから。

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    2022年11月06日
  • 将棋「初段になれるかな」会議

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    『山口恵梨子(えりりん)の女流棋士の日々』で知ったさくらはな。さんたちが、高野秀行六段と行なった「将棋アマ初段になるためにはどうしたらよいか」の鼎談。まずは3マス×3マスを見る(いきなり大局観など身につかない)、藤井聡太の棋譜を読んでも難しすぎて勉強にならない(とはいえ、アマ級位者にも勉強になる棋譜を残す先生もちゃんといる)などなど、色々な心構えが本音ベースで語られていて、とっても面白い。初心者+αの人たちがさらに上達するための方法論として、将棋以外の分野でも参考になると思った。

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    2022年11月04日
  • 幻のアフリカ納豆を追え!―そして現れた〈サピエンス納豆〉―

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    大好きな高野さんの辺境食シリーズ。
    現地語を覚えて現地の人と仲良くなり、そこの暮らしに入り込んでからの、タブー無しの体当たり取材という、高野さんの魅力は今回も変わらず。
    心なしか今回の登場人物の方々は、いつもの高野本よりマイルド?な印象。カートとかアヘンとかがあんまり出てこないからかなぁ?お酒は相変わらずガンガン飲んでいるようだけれど、のほほんとした雰囲気が全体に漂っていた。

    アフリカで納豆?!なんでアフリカ????
    という疑問とともに読み始め、読み終わる頃には、アフリカ人の納豆愛すごいな、と思わされていた。
    まさかここまで普遍性を持つ食べ物だったとは。
    何となく、納豆はおにぎり同様に日本の

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    2022年09月24日
  • 西南シルクロードは密林に消える

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    めちゃくちゃ面白いだけでなく、ミャンマーやインドの少数民族問題について勉強にもなり、素晴らしい本です。

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    2022年09月24日
  • 幻のアフリカ納豆を追え!―そして現れた〈サピエンス納豆〉―

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    いや~面白かった~
    アフリカへの興味が尽きぬ。
    ナイジェリア、美食のセネガル、平和のブルキナファソ
    セネガルには「バイ・ファル」という「宗教的不良」がいて、定職をもたず様々な階級もこえて楽しくやっている、というのが大変興味深い。

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    2022年07月10日
  • ワセダ三畳青春記

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    私も大学時代同環境で生活していたので、最初はタイトルに惹かれて何となく手にした本。でも、読んでみると単なる共感というレベルを超えて話が面白すぎる! 登場人物のキャラ設定と数々の事件を面白可笑しく表現する作者の才能に感服しました。

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    2022年07月07日
  • 幻のアフリカ納豆を追え!―そして現れた〈サピエンス納豆〉―

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    納豆って実はアジアやアフリカにもあるのか・・。原料の豆がそもそも大豆では無いということもあるのか。

    人類が豆類をどうやって加工し、食べてきたのかということも考えることができる。

    それにしても、納豆を探す旅が危険な探検の旅になる過程は文章を追うだけで緊迫感が伝わってくる。

    激変するアフリカの食文化についての紹介、シェフと呼ばれる人の立場についての記述もあり、非常に面白かった。(地域の王様なんですね。)
    あとセネガル料理、美味しそう。

    韓国のチョングッチャンを探す旅も面白かった。また、DMZという非武装地帯に隣接する地域が自然豊かな場所というイメージがあり、大豆の袋にも印刷されているという

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    2022年06月12日
  • ワセダ三畳青春記

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    高野秀行の『ワセダ三畳半青春期』は何度も読み返したくなる。
    今回はプールに行く話が読みたくなって、再読した。
    日常を面白く書ける高野秀行は天才だと思う。
    探検しなくても面白い話を書けるのではないか?

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    2022年06月06日
  • 世界のシワに夢を見ろ!(小学館文庫)

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    人の見た事のない物や知らない事を求めて旅?冒険?いや、無謀な挑戦?に突き進んでいく著者のその大きな挑戦の合間に起こった細々した事件を書いたエッセイ。初デートに洞窟に行った話や、フランスで命の危機にあった話など、どれをとっても馬鹿馬鹿しくもスゴくもある抱腹絶倒のエッセイでした。

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    2022年05月23日
  • またやぶけの夕焼け

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    表紙の先頭にいる少年の名は"カッチャン"、これはカッチャン軍団の冒険(遊び)の記録。幼少期をカッチャンと呼ばれて過ごした私はどうしたって自分の当時を重ねてしまう。贔屓目もあるだろうが面白い。少年時代は、宝物だ。

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    2022年05月15日
  • 西南シルクロードは密林に消える

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    高野さんの紀行文は、信頼できる。
    現地の人たちとの交わり方が、素朴で率直で暖かいからだ。自分が実際に現地に足を運んで、その土地の人と話をしてみたい気持ちにさせられる。
    今回の旅で私の印象に残ったのはゾウ・リップとエピキュリ大尉の2人。
    今、ミャンマーは本当に大変な事態を迎えている。この本に書かれた旅が行われている時も十分大変だったのだが、それを上回る状況であることが日々ニュースを通して伝わってくる。
    願わくば、この旅に登場した人々が幸せに暮らせる時が早く訪れますように。
    と願ってはみるものの、対立するゲリラのどちらの人々も高野さんの旅の味方になってくれたわけで、非常に虫の良い浮ついた願い事にし

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    2022年05月07日
  • 怪獣記

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    トルコ東部のワン湖で目撃されているUMA、”ジャナワール”の真偽を確認するため、現地に飛び、目撃者に取材を試み、湖周囲の村々を全て周り目撃情報を探し求め、その過程でイスラムやクルド人問題などにも遭遇しつつ、最終的には「いないんじゃね?」という結果に落ち着きそうになったその時! というノンフィクション。とにかくそのスタンス、内容、文章全て真面目に取り組んでいるのに面白いというのが一番の謎。

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    2022年04月28日
  • 幻のアフリカ納豆を追え!―そして現れた〈サピエンス納豆〉―

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    最高に面白い!
    え、アフリカにも納豆あるんだ!からの日本の納豆との共通点やら違いやら探していく過程がこれでもかというほど面白く書かれてます。
    読むともれなく納豆食べたくなる

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    2022年03月27日
  • 謎のアジア納豆―そして帰ってきた〈日本納豆〉―(新潮文庫)

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    ネタバレ

    納豆というと、よく、「なんで豆腐が“豆が腐った”で、納豆は“納豆”なんだろう?」と言われるが。
    それは、「納豆は、豆を藁苞に納めるから“納豆”」。
    「豆腐は“腐”が中国で四角く固めるという意味があるから“豆腐”」って聞いて、ずっとそれを信じてたんだけど……、
    そんな話、これっぽっちも出てこない。
    もはや何が何やら…!?(^^;

    東南アジアの山間部で、納豆やコンニャクが食べられていることは知っていた。
    あ―、それって、つまり「照葉樹林文化圏」ってことだよねって、ずっと信じてきたんだけど……、
    この本によれば、それはそれでまた微妙に違うらしい。

    ていうか、現在、日本で食べられている納豆というの

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    2022年02月23日