高野秀行のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ずっと読みたかった本をやっと読めた。
当たり前だけど、ニュースなどで得ていたイラクの情報が自分の中で偏っていたなぁと本書を読んで気付く。
現地に赴き、市井の人達と交流し、長く滞在しないと本当の姿は見えてこないなと改めて感じた。
何より高野さんの行動力や熱意、コミュ力を本当に尊敬する。
そんな高野さんが心折れそうな時に支えになった山田隊長も素晴らしいし、「タラーデに乗ってアフワールを旅したい」という目的を支えるイラクの人達の温かさに感動するし、そんな人たちに対する高野さんの気持ちが文章にこれでもかと表れていて、読んでるだけで旅に参加しているような気がした。
読み終えたあと、表紙の写真が感慨深い。
高野さんも書いているように、コロナ禍という最大のピンチがあったからこそ、アザールと出会い、紆余曲折ありながらも結果的に素晴らしい体験になったのがこの本をより素晴らしいものにしたと思う。
読後YouTubeでシンガーソング船頭のアブー・ハイダルの歌を聴いてから、その素晴らしさに感動して何度も何度も聴いている。
ジャーシム宋江もハイダル君も白くまマーヘルもプーチンもイラクの市井の人みんなが末永く幸せでありますように。
そして、アフワールがいつまで経ってもアフワールで有り続けますように。 -
Posted by ブクログ
めちゃくちゃ良かった!高野さんの本はどれも高野さんの肝の座りっぷりが伝わってきて面白い。
タイトルと表紙の写真から絶対に食べられそうにないゲテモノばかり出てくるのかと思ったが、意外と全体の3割くらいは食べてみたい・美味しそうなものだった。
考えてみたら、日本の納豆やフグ刺しだってフラットな目で見ればだいぶヤバい料理だ。自国の文化と照らし合わせて珍しいからと言って「こんな物食べれるわけがない!」と食わず嫌いするのはその国その地方の食文化をリスペクトしないことだ。(とは言えその土地の人でも食べたがらないものもこの本には幾つか出てきたが)なので何でもトライする高野さんは本当に立派だ。
読後に100 Bizarre and Strange Food around the World というサイトを見つけた。
世の中はまだまだ広いなと感じた。
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謎の独立国家ソマリランド
- カート
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試し読み
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世界の納豆をめぐる探検
- カート
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試し読み
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Posted by ブクログ
冒頭で高野さんは自身の「間違う力」について語っていますが、私はその後の「間違ったまま突っ走る力」にやられて高野作品を読んでいます。
ヤバいとわかっていても引き返すという選択肢は更々なく、あえて「乗りかかった船状態」を作ってから「困ったなぁ」と言ってるとしか思えない。
毎回それを期待しているし、本書も期待通りの出来事が3件。
「世にも奇妙なマラソン大会」
サハラ砂漠でフルマラソンに参加。ずっとなんで?が止まらないけど、読み終えると謎の清々しさがある。
「ブルガリアの岩と薔薇」
これは以前読んだ「メモリークエスト」の後日談。ミッションを終え帰国するために利用したバスで、岩のようなおじさんと出会います。ホントにネタに事欠かないなぁ!
「名前変更物語」
なんでそうなるんだ!キチンとしてるのかしてないのかわからない、インドに行くための策を練りに練りに練る話。奥様とのノロケ的やり取りにほっこり。私的には、高野さんのブログ読者の察しが的確すぎてツボでした。さっすが高野ファン。
その他、少し不思議でキツネにつままれたような奇譚集として7作。こういう話、もっとタンマリあるに違いないからそれで一冊出してほしいなぁ。 -
Posted by ブクログ
伝説の雪男の調査にブータンへ。
ここに至るきっかけやその後の調査の流され感がゆるくておもしろい。
うわべの聞き取りでなく、そこの人たちの暮らしにや懐にはいりこもうとする高野さん。
雪男探しというよりも、だんだんブータン版『遠野物語』の様相を呈する旅。
その土地の習慣や価値観があぶり出されて興味深いです。
そして、そこから見えてきた「なぜ国民の幸福度が高いのか?」という考察が、とても腑に落ちました。
この旅は2010年のこと。
その後2016年に出版された『謎のアジア納豆』
の中で、2014年に訪れたミャンマーにブータン人難民キャンプがあることが書かれていています。
「幸福な国」といわれるブータンにも、今回のブータン北部の旅では知ることのなかった幸福だけでない面もあるようです。
それにしても高野さんは人一倍?お腹が弱くて、ブータンの旅中ずっとお腹を壊していて心配になってしまうけど、それでもいつでも秘境に行って、現地の人と秘境ごはん食べちゃうメンタルがすごい!
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Posted by ブクログ
プフッと声を出して笑ってしまった。
メインの3つの話、サハラマラソン、ブルガリアの岩と薔薇、名前変更物語のどれも著者が「間違う力」でズンズン突き進み、笑わしてくれる上、何か面白い余韻を残してくれる。
◯サハラマラソン
始まりの深夜のクリックからめちゃ笑う。
しかし、ハーフマラソンに出たこともないのに、砂漠のフルマラソン…それだけでもすごいし面白い。案外タイムも早いし。
加えて、西サハラ問題(初めて知った)やそこでの暮らしぶりにも触れることができて興味深く楽しい。
◯ブルガリア
まあまあ大変というか面倒な状況になってるのに、「並大抵の心地よさじゃないのだ。ここ十年で最大のカルチャーショックかもしれない」で、めちゃ笑う。
◯名前変更物語
退去強制歴のあるインドに入国するために、名前を変更たパスポートを取ろうとする話。
いろいろ苦労した挙句…バレとるやないかい!と言いたくなる展開でめちゃ笑う。
メイン以外の話もジワジワ面白く、あっという間に読み終えてしまった。 -
Posted by ブクログ
「謎の独立国家ソマリランド」に続く、ソマリア本第二弾。
高野さんのソマリアへの熱い恋心?がこちらまでひしひしと伝わってきて、おもしろい。
ソマリ人たちとの交流から見える、ソマリ人の性質だったり暮らし、価値観がとても貴重です。
こんなにソマリランドやソマリアについて知ることのできる本てないもの!
内戦が続いているだけあって、フィクションかと思うようなとても危険な目にあい、こちらまでハラハラしてしまったけれど、それが日常であるソマリ人たちの様子がわかるのも貴重。
高野さんが訪れたこの2012年から今はどうなっているのだろう。
ソマリランドやソマリアに興味を持ち、世界を見る目が広がっています。 -
謎の独立国家ソマリランド
- カート
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試し読み
Posted by ブクログ
『世界の辺境とハードボイルド室町時代』を読んで、こちらの本に飛んできた。手にとって、「分厚っ…」と声に出てしまうほどの本の厚みで、読みきれるのか不安になりましたが、かなり難しい異文化を、ユーモアのある語り口で面白おかしくリポート&解説してくれています。
ソマリランドに来てみました、的な(かなりハードな)旅行記のような始まりで、ソマリの人々のことやソマリランドのあちこちに訪ねていった様子が描かれます。
著者がソマリランドのことを「地上のラピュタ」とまず言っていたけれど、これが最初はピンと来なかった。アフリカの民主主義国家、だけだったら、「そんなところがあるんだ~」と思うくらいですが、ラピュタって?その後、氏族社会の説明に日本の戦国武将になぞらえるところも「...?」。東国ダロッド平氏だの、イサック奥州藤原氏だの、バーレ清盛だの、かえって混乱。
ただ、私の理解が遅かっただけなのか、話が進むにつれて著者の書き方に慣れたのか、なるほどねとわかるところも増えてきました。
ソマリランドは氏族社会。そして、その社会の制度や掟や風習などうまく包摂して、紆余曲折を経て、とても理にかなった民主主義社会ができている。外(外国、欧米型社会)からみたら訳が分からないけれど、よく知ってみると合理的でなかなか理想的。ソマリの人々の様子もちょっと日本からみると異文化が過ぎてて、そのまま異世界的ファンタジーになりそうな。だから、ラピュタか!
戦国武将になぞらえるのも、武将同士の関係や地理的な位置や似た状況にうまく当てはめていたのでした。なるほど、理解が楽になります。
同じソマリの人々の国であるプントランドがなぜ海賊国家なのか、ソマリアの首都モガディショがなぜずっと戦闘状態なのかも、無謀にも現地に赴いて探っています。すごいなぁ。
ソマリはイスラム教なので、中東のことにも触れられていて、こちらもやはり欧米の価値観や考え方でははかれないところがあるのも少しわかりました。アメリカの軍事介入にも触れられていました。そもそも考え方が違うアフリカへの、欧米型の支援や政治的介入って、どこまでがその国にちょうどいいんだろう、いや、もう、政治に関しては放っておいた方がよいのでは。などなど考えさせられます。
とにかく、自分とはこんなにも違う文化があるんだな!と改めて思いました。世界の報道の見方が変わりそうです。