高野秀行のレビュー一覧
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14世紀のイスラム(モロッコ)の旅行家、イブン・バットゥータの大旅行記の。全訳は家島先生が東洋文庫全八巻で訳されているが、師匠に当たる前嶋先生の抄訳となる。(このあたりは高野秀行による前書きに詳細がある)。
モロッコ、エジプト、アラビヤ、黒海周辺、アフガン周辺、インド、アジア、中国(元)と約30年に渡り旅を続けているが、そのヴァイタリティと知的好奇心には脱帽する。
東方見聞録に比べると、こちらのほうが断然読みやすく、面白い。情報の正確性はともかく、前者がガイドブックとすれば、こちらは旅日記である。善きにしろ悪し気にしろ起こった出来事を克明に記しており、読んでいてワクワクするのである。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ沈黙に焦る、ありがとうがないと腹が立つ、体育がだるくて嫌い、など普遍的な悩みに作家7名が趣向を凝らして答えた1冊。
とくにありがとうがない、という悩みに対し、そもそも世界で「ありがとう」をめったに言わない国の人がおり、水くさいと考える人もいるということを初めて知った。自分の考えだけだと決して浮かばない考えなので、興味深い。
その他にも「結局悩み解決してないじゃん」といったものもあったが、回答の内容が大喜利のようで面白く、こう考えればいいんだな、自分もこういうところあるなぁと楽しく読めた。
真剣な悩み解決に一役買う本ではないが、小さいコラムを読んでいるようで面白かった。 -
謎の独立国家ソマリランド
- カート
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試し読み
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Posted by ブクログ
ブックカタリストなど複数のインターネットラジオで紹介されていて手に取った。そもそも、タイトルからしておかしい。イスラム=酒はNG、という自分たちの常識からすると、なぜ?となるし、飲めると言っても外国人向けの場所かな?と予想して読んでみたら裏切られた。
酒が飲みた過ぎていろんな人に出会い頭に「酒は?」と聞くと、様々ながらも最終的にはどのイスラム国もみな隠れて飲んでいて、飲酒の幅が広いという話。しかも、家に連れて行かれたり、怪しげな路地に連れ込まれたりと、いやこれ危険すぎるだろ!と感じながら笑いながら読めた。
最後の方の「仏教も厳しく酒を禁止されているのに…」という下りも印象的だった。
とにかく、イスラム圏の印象も変わる良書だった -
Posted by ブクログ
ネタバレ一応覚悟して買ったのだけど、やっぱりすごい本でありました。
巻頭カラーの『豚の生血の和え物』とか、『虫サンド』『水牛の脊髄』『ジュース用のヒキガエル』『モルモットの串焼き』など、インパクト強すぎ。
「はじめに」で書かれた”注意してほしいのは、食事中に読まないこと。”の意味。
いや、私の主たる読書時間は食事中なので、それは困るよ。
雑誌連載なので、最初の方は昆虫食(それも刺激強めのやつ)などが多かったけれど、ネタ切れなのか、それとも軌道修正を強いられたのか、後半は辺境で食べられている美食などもあったりして、食事をしながら読んでも大丈夫でした。(私の方が慣れたのかもしれないけど)
実際、昆虫食にはまだ抵抗あるけれど、『オオナマズのトムヤム』とか『アヒル肉のビール煮』とか美味しそう。
あと、広島の「鮫」。
「ワニ」と言われたり「サメ」と呼ばれたり、一体どっちなんだい?と思うけど、食べてみれば爬虫類の「ワニ」に似た味なんですって。
ってことは、昔、日本にクロコダイルかアリゲーターがいたってこと?(調べたら化石が発見されてますな)
だから昔の人はサメを食べて「この味はワニじゃ!」とか言ったのかしら?
なんて妄想も浮かんでしまう。
「奥様もよくゲテモノ食に付き合うな」と思ったら、もともと奥様の方がゲテモノ食いのノンフィクション・ライターで、それを唆して記事を書かせていたのが、当時編集者だった著者なのだそう。
これはもう運命のカップルですな。 -
Posted by ブクログ
高野氏離れが続いていたけど、先日の『語学の天才まで1億光年』によって長い眠りから覚めた。
自分への快気祝いにと今回手に取ったのは、世にもおどろおどろしいタイトルと表紙が特徴の本書。(相変わらず、刊行年順関係なしに読んでいくスタイルをキープ)
いつものことながら、彼の文筆にかかれば恐怖は軽減され、寧ろ愉快な気分にさえなっていた。
早大探検部の先輩で作家の船戸与一氏とミャンマーへ取材に出かけた著者。今回は珍しく観光に近い合法的な旅行なのかと思いきや、そんなはずはなく。題して「柳生一族と過ごすミャンマー辺境14日間」の旅だ。
ここで早速、謎のワード「柳生一族」が登場。これは現地の軍情報部を徳川家の大目付であった柳生一族に準えた、高野氏による例えである。彼らの監視下で著者と船戸氏は取材をすることになったのだ。
彼は事あるごとに人や事物の呼称を独自開発しており、例えば政治の実権を握るミャンマー国軍を「徳川家」。他にも「江戸ヤンゴン」「大坂マンダレー」と双方の第一・第二都市をくっ付けたり等しているが、それらが妙にイメージしやすい上にしっくりくるもんだから侮れない。
内容よりも先に彼の秀逸なネーミングセンスに度肝を抜かれていたが、船戸氏の「(下調べや細かいことは気にしない)行けば何とかなる」マインドにも実は感心していた。
特にツアーに同行した柳生一派とお酒を酌み交わすシーンは痛快だった。ある程度考えていらっしゃるとは思うが、後は成り行き任せで現地に溶け込むというのが本当にお上手。時には現地の人まで(意図せず)翻弄する。そのスキルの高さに何度も衝(笑)撃を覚えた。
性格がほぼ真逆の高野氏とは抜群のバディだったんじゃないかな。この2人にかかれば柳生一派の監視役も大したことなく見える笑
自分も抗議デモの勃発する数年前にミャンマーを訪れたことがある。
しかし、料理は日本人の口に合うまろやかテイストのものが多く、国民性はどことなくおっとり穏やかというしょぼい感想しか持ち合わせていない…。
そのせいか、昨今のデモや「柳生一族」・更に主君の「徳川家」に見られる不穏な影と実際目にしたミャンマーがなかなか結び付かずにいる。(本書の旅は色々と腑抜けて見えたが、後日談の「政変」にて一気に意識を持って行かれた。道中では味わうことのなかった胸のざわつきも感知したし)
ミャンマーの国民性について自分にはおっとり穏やかだと映ったが、高野氏は対等な立場同士だと非常に社交性・国際性が高い人々だと書かれている。(事実、一派への緊張感も次第にではなく、急激に薄れていた)
民族と宗教の多様性がそれらを養っているというのが何もかもを見てきた著者の推測であるが、それらもまた彼らの寛容さ・穏やかさに直結しているのかな。
彼が実際目にしたミャンマーを自分も恋しがっている。 -
Posted by ブクログ
-何か面白いことはないか
夜中にネットサーフィンをしていてたどり着いてしまったのが、西サハラの難民キャンプで開催される“砂漠を走る”マラソン大会。
直前の申し込みにもかかわらず、ゆる~くエントリーされ、詳しい案内もなく「夜9時マドリッド空港集合」だけ。しかも、マラソンなど経験のない著者。不安を残しながら現地へ飛んだ。
モロッコと対立する西サハラへの援助を求めることがこの大会の趣旨だったようで、ボランティアに慣れている海外の人々に比べ、著者はそんなことには思いが至らない。
難民キャンプといっても、それなりに物資は揃い、対立しているといっても平和な西サハラ。
現地の取材を行いつつも、果たして、砂漠を完走できたのか?
それと、以前インドで強制送還になったことから、再度インドへの入国するために名前を変えよう!という『名前変更物語』など、
高野さんの作品は面白い!