高野秀行のレビュー一覧
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結構前に読んだ。読書メモだけ残してたので、感想として投稿。
まず初っ端に、インドで身ぐるみ剥がされる話。実はマザー・テレサに出会っていたのにただのおばあさんだと思っていた話。十分すぎるツカミなのにほんの序の口だった。それもそのはずで、この本は語学をキーに集められた、一つひとつが濃い内容の辺境旅をギュッと圧縮したものだ。そう言えば、インド英語ってなんか勢いが良くて好き。
著者の語学習得への取り組みは、まずは自宅近くでネイティブを探すことから始まる。彼(or彼女)が先生として優秀かどうかは関係ない。ダメ教師でもとにかく会話を録音して復習しまくる。
たしかにこれは良い。私も自分と先生の会話を録 -
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20代〜30代前半の高野秀行作品は恋やら愛やらが出てきて趣が違う。ゲラゲラとバカ笑いさせられる中でもちょっと泣けたりする。スペイン語教師の話はムズムズする内容だった。笑
外国人に積極的に関わることでどれだけの人が救われてきたのか。差別や分断に対抗する人の優しさが身に沁みる。
特にイラク人との話では交流の中で「もうこれ以上立ち入れない」という局面に至る。彼の様子からイラク社会が恐怖に満ちていたことが見て取れる。国際的な問題の困難さに打ちひしがれる場面だ。
それでも、次の盲目のスーダン人とプロ野球を見る話では、高野秀行の優しさが彼を助けている。世界平和を実現するためにはこれしかないのだ。 -
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牧歌的な農村と官僚主義・強権的な軍事組織が、アヘンの栽培を基底として共存している。ゴールデントライアングルのワ州はその構造自体も奇妙な三角形だ。
ただ本書でわかるのは個々に名前があり、そこに実際に生きている人々のリアルな暮らしぶりで、その生活は意外に普通、ただアヘンを育てていて軍の支配下にあるという奇妙なバランスを保っている。
高野秀行は相手を下に見たり、過剰に気を遣ったりしない。あらゆる人にがっぷり四つで対するから、自然な反応が現れる。大いに喜ぶし、泣くし、怒るし、笑う。世界のどんなところにも普通の人間が住んでいるということを思い出させてくれる。 -
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以下の2条件に当てはまる人には読むタイミングを考えた方がいいと思う。
① お酒が好きな人
② 暫くお酒を飲めない環境に行く人
①も②も当てはまる私はとても悶々としながらこの本を読み進めた。逆に言えば、悶々としながらでも読みたくなる本だ。
この本は言わば、お酒が入りにくい場所で何とか酒を見つけ、めちゃくちゃ美味しく楽しんだっていうルポ。
私は酒が好きなのにも関わらず、規則で飲んじゃいけない場所(宗教と言うよりは現場の規律維持のため)、且、インドネシアの暑い場所に滞在していたため、著者の酒にありつくサクセスストーリーを読めば読む程、喉の渇きが強くなっていくのを覚えた。目を瞑れば浮かぶの、水 -
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この間読んだ高野秀行がめちゃくちゃ面白かったので、読んでみた。やっぱり面白い。専門は違うがバックグラウンドは似ている2人。ものすごい知識量だけど、それを感じさせないフランクさ。
濃い内容の対談集。
お二人の率直な会話から、それぞれ自分からは言わないような個人的な話なんかが聞けるのもめちゃ面白かった。
教養主義の死に絶えた時代だけど、やはり、「ものごとを普遍化して考える能力は文字を読むことで高まる」「抽象的にものごとを考えるには読み書きができないとだめ」「経済発展のきばんは人々の教養」
という言葉に励まされる。この本がでて10年、ますますみんな文字から離れてるけど、本を読む啓蒙が広がるといいなぁ -
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⸺納豆て、日本の専売特許じゃない!
高野さんは今まで納豆本を2冊出している(第二集の方は未読)。この絵本はおそらく、それを足してエッセンスを取り出してスケラッコさんの絵で小学生にもわかるものにしたものだと思う。
高野本の魅力は、ひとつはその饒舌の文体にあるのだけど、今回は封印している。でも、おそらくそのお陰で高野本史上最高にわかりやすくなっている。いや、今までもわかりやすかったんだけど、回りくどい面白いエピソードは省略して結論だけを述べる潔さと、全てカラー写真とはいかない高野本の欠点を補うかのようにカラーのイラストが対象国の風俗を如実に説明して、何よりも写真よりもイラストの方が遥かに料理の -
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500ページ弱のボリュームにちょっと引きましたが、面白かった。
ティグリス・ユーフラテス川の合流地点に湿地帯があるのは知らなかったし、その地域が古代メソポタミアの時代からフセイン政権前後を通じてアナーキーな存在だったとは!そのアフワール=湿地帯に住む人が次々に出て来るがみんな面白い(高野氏の表現が秀逸なのだろうけど)。船づくりの話も面白かったけど、冒頭の船を漕ぐ船頭の姿はかっこいいです。謎の刺繍布を追う旅では古代都市ウルクも訪れるし、鯉の円盤焼きも一度は食べてみたいけど(何度もは....飽きてきつそう)、実際に行くのは高野さんに任せて、本で読んで楽しませてもらいました。 -
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ネタバレ納豆が日本だけの食材じゃないなんて!
えっ本当?!と思う日本人が多いのではないかな。
韓国、中国、アフリカなど世界各地で、そして日本では、説によると稲作が始まった弥生時代から食べられているようです。
納豆ワールドが想像より古くて広いことに驚きます。
まあ正直なところ、納豆について深く考えたことはなかったですが。
私の好きな納豆は『山わさび納豆』。
ここ1,2年はこれしか買っていません。本当に美味しいです。
好きな納豆料理は「納豆揚げ」。
子供達が保育園の給食で食べて気に入り、レシピを聞いて家でも作っています。
ボリュームもあり、ねっとり、さっぱり(ポン酢で)、とても気に入って、子供達より -
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著者は早稲田大学探検部当時に書いた『幻獣ムベンベを追え』でデビュー。本書は同部先輩の船戸与一が小説の題材旅行でミャンマーを訪れることになり、案内役として高野氏に同行を依頼し、その道中を面白可笑しく書き綴っている。
たいに隣接する反軍事政権のゲリラちくを何度も訪れ、ヘロイン栽培にも手を染めた著者、その内容を書籍にもして一部は英訳されていることから、ミャンマー入国許可は降りないと心配していたが、すんなりビザが発行された。逆に船戸氏にはなかなかビザが発行されない。理由は氏の書籍が反政府軍事団体に好意的な内容が多いこと。高野氏に、ちょっぴり不貞腐れる。
トヨタランドクルーザーで各地を巡るが、必ず謎のミ -
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500ページ近くにもなる長大なノンフィクション。ちょびちょび読んでいたので少々時間がかかりましたが読み終わりました。面白かった!
元々、古代文明好きなのでイラクには興味津々だったのですが昨今の情勢不安の中こんなフリーで行ってしまえる著者先生方の行動力と逞しさにただただ脱帽です。
「イラク」と「水滸伝(読んだことないですが中国のお話だと言う程度の知識はあり)」って一体なんの関係が??と首を捻りつつ読み始めたのですが、水滸伝的な世界がイラクの湿地帯に存在するって話なんですね。水滸伝を知らないわたしでも十分楽しめましたが、読んで知ってたらまた別の楽しみがあったのかな?機会があったら「水滸伝」読ん -
- カート
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試し読み
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いやあ面白かった!麻薬をバリバリと食って現地の人びとになじんでしまう高野さんのパワーはいつものことながら、今回はアルシャバーブが跋扈するモガディシュにまで行ってしまうのだから心配になるが、そういうことだったのか!と膝打ちまくり。わかりにくい氏族の関係を日本の武家に変換しちゃうなど、真面目な学術書では禁じ手をやってみせるのがまた驚くほどわかりやすいのである。高野さんが伝えるソマリランドや、もとソマリアの中の独立国のありかたは、国際社会の「常識」から大きく外れているが、驚きつつ読むうちに、しだいに自分の信じていた「常識」そのものを大きく揺さぶられているのに気づく。日本いや世界最高のジャーナリストの