高野秀行のレビュー一覧
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ユーモアたっぷりミャンマー紀行
過去に許可などなしにミャンマーに侵入し、ゲリラとも交友のある著者であり、本件は軍事政権側の監視の下でのミャンマー行であったから、本来ヤバイはずの紀行であったのに、同行の船戸与一氏と著者の人柄からか、監視の人達も著者らと一緒になって笑う場面が多い。探検家でノンフィクションの作家であるが、面白おかしくがモットーの著者だけに読後感も明るい。本格的な探検紀行を望まれる方には、『西南シルクロードは密林に消える』をお勧めします。
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欧米人や日本人の感覚としては、かなり危険を伴うことが予想される東アフリカのソマリアへ、著者が現地へ飛び込み、知り得た情報、現地人とのコミュニケーション、感じたことが綴られた渾身のルポルタージュ。
ソマリアが、北部から南部にかけて、ソマリランド・プントランド・ソマリアの3つに分断されているとは…、この本を読んで初めて知りました。
アメリカ映画の"ブラックホークダウン"程度のフィクションや、たまに伝えられる新聞記事で聞きかじる程度でしたが、この本からソマリアに関する様々な事を学びました。
ソマリアの歴史や現況を知るキーワードとして、"氏族"という概念がありま -
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第8章「トーキョー・ドームの暑い夜」が秀逸でした。著者が知り合った盲目のスーダン人留学生マフディは、プロ野球が大好き。スーダンには野球というスポーツがないから、イメージできないはずなのに、ラジオ中継を聴いて独特の興奮に魅せられたマフディ。ラジオのアナウンサーから学んだ彼の日本語は完璧です。
典型的なアンチ巨人ファンで、世界の誰もが知るヒロシマ、そう広島カープの大ファン。でも松井秀喜のことだけは大好きで、「だって、あんなでかいホームランを打つじゃないですか」と言う。東京外国語大学に驚くなかれ一般入試で入学を果たし、日本語の本も実にたくさん読んでいます。三浦綾子、天童荒太、金城一紀。日本滞在たっ -
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圧倒的に面白い…
久々に陶然たる読書体験であった。
国際社会では長らく無政府状態とされているソマリアの中にあって、独自の政治機構を有し、もはや浮世離れしていると言えるくらい、治安の良いハイパー民主主義独立国家・ソマリランド。
この存在を知った著者が、実際にソマリランドへと渡り、歴史・文化・風俗・土地・信仰など、あらゆる側面からその真実に迫っていくルポルタージュ。また、海賊国家プントランド・戦国南部ソマリアという、異なる軌跡を辿った旧ソマリア統一国時代の国々との比較から、なぜソマリランドだけがこのような国家を成立し得たのか、また三国に通底するソマリ社会とは一体どのようなものなのか、その謎を解き -
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タイトルは、村上春樹の『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』に掛けている、そうだとはどこにも書いていないけれど。遠く離れたソマリランドと遠い過去の室町時代が並行世界のようであるということなのだろうか。ソマリアの内戦と応仁の乱って似てますよね、というところから始まった辺境作家の高野さんと日本中世史の家清水さんの意外な組み合わせの対談は、意外にもとても噛み合ったやりとりになっている。
「応仁の乱もソマリアの内戦も、同じようにわけがわかんないんですけど、共通しているのは戦争の中心が都だったことでしょう。ふつうはある場所が戦場になっても、そこが戦いによって荒廃すれば、他の場所に戦場が移るけれ -
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超異文化交流。
人間としての通じ合えるところ、違うところを熱意をもって探究する高野さんがすごい。
世界で最も治安の悪いソマリアに行き、現地の本当の姿を体当たりで体験する。高野さんにとって現地を本当に体験するのは、「言語」「音楽」「料理」である。外国人にとって、現地の料理(ふつうの家庭料理)を楽しむのは実は至難の業であり(特にイスラム文化圏では女性と接触する、家の中に入るのはほとんど難しい)、高野さんはその壁を越えようと果敢に挑戦し、ついに家庭料理を一緒に作ることに成功する。
治安の悪い、危険な地帯に行っているはずなのに、終始ほんわかしており、文章も読みやすく、どんどん読み進められる。
高野さ -
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タイトルと写真に興味を惹かれ即購入。ブータンには、幸せな国の側面以外があることをこれまでの読書経験から理解しているが、なぜ「未来国家」なのか、地理や政治、経済は他の国との比較が難しいように思うがどう他の国に理想を提示できるのか、読み進めていきたい。
高野氏のテンポの良いリズミカルな文章から、ブータンの様子を頭の中に描く。サイズは九州ほどあるのに、人口が約70万人しかいないというところで、すでに日本とのスケールの違いにびっくり。さらには、伝統を守り、あまり外国人を入れず、半鎖国であるというのは驚きだった。
本の中盤で紹介されているニェップ。遠くに住んでいる人に家に泊まってもらい、その逆もある。高 -
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タイトル「恋するソマリア」には二重の意味が込められています。
ひとつは、ソマリアを振り向いてくれない美人女性に見立て、追えどもつかまえられない片思いの相手として描く。
もうひとつは、実在の若き美女・ハムディ姫への恋です。
わずか17歳にしてケーブルTVの世界に入って、政治家へのインタビューでカネをひきだして支局員を食わせるという政治力・経営力を発揮する。美しく、胆力があり、知的。いったい高野が惚れこんだこの女はなにものなのか。
「私は有名になりたいの。目標は大統領になること」
「有名になりたい」ということばの率直さ、力強さ。さわやかな立身出世主義の到達目標が大統領というのがすごい。
いいぞ剛腕 -
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辺境作家 高野秀行が東京で会った外国人の話。やはりこの人の外向的さは特異だ。出てくる人は、舞踏家のフランス人、ザイール人、小説家の兄ともつながったコンゴ人、スペイン人、違法入国のペルー人、お父さんがお世話になった教師の中国人、プロ野球広島ファンの盲目のスーダン人(これは本当にすごい)など多様だ。著者が近づく理由は語学(フランス語、リンガラ語、スペイン語)の習得が主だったりするのだが、こうやって日本に在住して著者に言葉を教えるような人は個性的な人が多い。そして、東京はトーキョーになり、日本にいながらにして、海外につながるのだと。そういったエピソードが山盛られている。
自らを振り返れば、こんな自 -
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辺境作家 高野秀行の処女作。早稲田大学探検部に所属していた高野さんが、コンゴ共和国(当時)のテレ湖に棲むという幻の生物「モケーレ・ムベンベ」を探しに行く顛末を描いた本。いないかもしれない、という至極真っ当な疑問を抱きながら、同時にその存在を切に信じて調査団を編成して冒険の旅に出る。
学生の身分であるのに(学生だからこそ?)、機材の調達のためにキャノンやソニーなどの大企業から支援を募り、コンゴ政府や原住民と交渉をしてサポートを得て、大規模な調査団を率いて1ヶ月以上にもわたる調査を行った。怪獣に関する目立った成果はなくとも、その行動力自体に脱帽する。自分が学生時代の発想を思うと、全く想像すらでき