高野秀行のレビュー一覧

  • 謎の独立国家ソマリランド

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    これは、面白い!!
    なかなかボリュームのある一冊だけど退屈とは無縁の読書タイム!ただの物珍しい・楽しい旅行記とは一線を画している。というのもソマリア(ソマリランド・プントランド・南部ソマリア)の歴史や氏族の仕組みなどを文献にあたるだけではなく現地でカート中毒になりながら質問に質問を重ねて詳しく調べ上げているあたり、著書の並々ならぬソマリランド愛を感じる。氏族を日本の戦国武将にたとえて説明してくれるのはナイスアイディアで大変わかりやすい!これがないと絶対挫折してた…。

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    2017年05月25日
  • 【カラー版】ミャンマーの柳生一族

    購入済み

    ユーモアたっぷりミャンマー紀行

    過去に許可などなしにミャンマーに侵入し、ゲリラとも交友のある著者であり、本件は軍事政権側の監視の下でのミャンマー行であったから、本来ヤバイはずの紀行であったのに、同行の船戸与一氏と著者の人柄からか、監視の人達も著者らと一緒になって笑う場面が多い。探検家でノンフィクションの作家であるが、面白おかしくがモットーの著者だけに読後感も明るい。本格的な探検紀行を望まれる方には、『西南シルクロードは密林に消える』をお勧めします。

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    2017年05月24日
  • 怪獣記

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    辺境作家の著者がトルコはアナトリア地方ヴァン湖に潜むという怪獣ジャナワールを探しに行く、世にも珍しい怪獣探訪記。

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    2026年07月14日
  • 謎の独立国家ソマリランド

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    欧米人や日本人の感覚としては、かなり危険を伴うことが予想される東アフリカのソマリアへ、著者が現地へ飛び込み、知り得た情報、現地人とのコミュニケーション、感じたことが綴られた渾身のルポルタージュ。
    ソマリアが、北部から南部にかけて、ソマリランド・プントランド・ソマリアの3つに分断されているとは…、この本を読んで初めて知りました。
    アメリカ映画の"ブラックホークダウン"程度のフィクションや、たまに伝えられる新聞記事で聞きかじる程度でしたが、この本からソマリアに関する様々な事を学びました。
    ソマリアの歴史や現況を知るキーワードとして、"氏族"という概念がありますが、外国特有の用語や、様々な氏族の系統を、日本の歴史で登場する源氏・平氏・戦国大名・応仁の乱など有名な合戦名を駆使して比喩してくださったお陰で、かなりわかりやすく読み進めることが出来ました。
    また著者は、分断されたソマリランドがなぜ争いがない民主主義が形成されているかという問いに対し、氏族間の規律、戦争を知るが故の相互抑制力、エネルギー・工業や商業・観光資源などがなく他国からの介入がなかったことを挙げてます。しかしながら、国連などの介入なしに、独自に氏族間の調整などボトムアップで民主主義体制を築き上げた点は、素晴らしいとも。
    一読して感じるのは、アメリカや国連など第三者が介在することで生じる歪みの方が、ソマリランド内の氏族間の話し合いにより生じる歪みよりも、はるかに大きく、それを乗り越えるためのモチベーションも違うのだなと感じました。
    グローバル化と逆行するかもしれませんが、意外と他国のお節介を焼くよりも、本当に支援が必要な時のみ、仲介に入る方が良いのではないかと。
    ソマリアだけでなく、アフガニスタン、中東などの紛争の全てに双方の当事者を支えている国々がいるからです。
    歴史は語る。
    いい気付きを与えてくれた本書に感謝!

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    2017年05月07日
  • 異国トーキョー漂流記

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    第8章「トーキョー・ドームの暑い夜」が秀逸でした。著者が知り合った盲目のスーダン人留学生マフディは、プロ野球が大好き。スーダンには野球というスポーツがないから、イメージできないはずなのに、ラジオ中継を聴いて独特の興奮に魅せられたマフディ。ラジオのアナウンサーから学んだ彼の日本語は完璧です。

    典型的なアンチ巨人ファンで、世界の誰もが知るヒロシマ、そう広島カープの大ファン。でも松井秀喜のことだけは大好きで、「だって、あんなでかいホームランを打つじゃないですか」と言う。東京外国語大学に驚くなかれ一般入試で入学を果たし、日本語の本も実にたくさん読んでいます。三浦綾子、天童荒太、金城一紀。日本滞在たった5年で多彩は小説を読みこなす。「地租改正」をも漢字で書ける彼は、そのことについて「先生も驚いていましたよ。ほら、八番バッターがホームランを打ったらびっくりするでしょ?それと同じ」と笑います。こんなジョークを飛ばせるところも凄い。

    「人間は言葉と想像力で『見る』ことができる」。見たことのないものは想像できないなんて、見える者の思い込み。高野秀行のエッセイは、面白いだけではありません。

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    2017年04月26日
  • 【電子特別カラー版】恋するソマリア

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    日常と戦闘が隣り合わせのソマリア南部。
    そこで暮らす人々の意外なほど素朴な暮らしぶりや文化の違いは非常に興味深い。
    なぜ外国人ジャーナリストが狙われるか、
    ということの理由もソマリアの内部にいることで見えてくることがある。
    あまりにも衝撃的な、戦闘に巻き込まれたエピソードをはじめとして脳裏に焼き付く鮮烈な物語が満載。

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    2017年03月06日
  • 世界の辺境とハードボイルド室町時代(集英社インターナショナル)

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    室町時代の研究者 清水さんと辺境を渡り歩いている高野さんが、意外にも日本の室町時代と辺境と言われる世界の各国各エリアの文化が、似ていることから、それをテーマに比較文化すると面白いのではということで成立した著作。世界の辺境地の文化や特性は、実は過去の時代の特定の国の文化状況と類似しているということは、非常に興味深い本です。

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    2017年02月05日
  • 世界の辺境とハードボイルド室町時代(集英社インターナショナル)

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    タイトルは、村上春樹の『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』に掛けている、そうだとはどこにも書いていないけれど。遠く離れたソマリランドと遠い過去の室町時代が並行世界のようであるということなのだろうか。ソマリアの内戦と応仁の乱って似てますよね、というところから始まった辺境作家の高野さんと日本中世史の家清水さんの意外な組み合わせの対談は、意外にもとても噛み合ったやりとりになっている。

    「応仁の乱もソマリアの内戦も、同じようにわけがわかんないんですけど、共通しているのは戦争の中心が都だったことでしょう。ふつうはある場所が戦場になっても、そこが戦いによって荒廃すれば、他の場所に戦場が移るけれど、都が戦場になると、いくらそこが荒廃しても、誰かが完全制圧するまで戦いの舞台が移らないんですよね」ということらしい。体面や面子を重んじること、名誉意識や集団主義といった心性が共通しいていると。また、ソマリアにおけるイスラム教と室町時代における信長の治世を、正義と公平を重んじる点で共通していると話している。不安定ながらもそれがゆえに平等な社会であることがソマリアと室町時代の共通点だという。

    結局、ソマリアのことをとても特殊な世界だと思いがちだが、歴史的環境条件がそろえば同じような世界が出現するような、ある意味で合理的な世界だということなのかもしれない。遠く離れた世界、つまり距離的に離れたソマリアや時間的に離れた室町時代、についてその世界の合理性を理解するためにはソマリアに対して高野さんがやったように、また室町時代に対して清水さんがやったように、深く潜入してその中で息をするように感じることが必要なのかもしれない。そういった感覚を持ち寄った二人による対談は、現在の日本の特殊性を際立たせることにもなるのかもしれない。高野さんは、「現代日本の方がむしろ特殊であって、アジア・アフリカの辺境や室町時代の日本の方が、世界史的に普遍性を持った社会だったんじゃないかって夢想することがありますよ」と言う。それを受けて、清水さんが「江戸時代という特殊な時代を経て、その延長戦上にあるのが今の日本社会だと考えると」と返す。

    対談ものはあまり好きではないのだが、この本のようにそこに必然性があると面白くなるのだ。

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    2016年11月20日
  • 【電子特別カラー版】恋するソマリア

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    超異文化交流。
    人間としての通じ合えるところ、違うところを熱意をもって探究する高野さんがすごい。

    世界で最も治安の悪いソマリアに行き、現地の本当の姿を体当たりで体験する。高野さんにとって現地を本当に体験するのは、「言語」「音楽」「料理」である。外国人にとって、現地の料理(ふつうの家庭料理)を楽しむのは実は至難の業であり(特にイスラム文化圏では女性と接触する、家の中に入るのはほとんど難しい)、高野さんはその壁を越えようと果敢に挑戦し、ついに家庭料理を一緒に作ることに成功する。
    治安の悪い、危険な地帯に行っているはずなのに、終始ほんわかしており、文章も読みやすく、どんどん読み進められる。
    高野さんがテレビで、本を書くにあたって、仲の良い友達や、家族へむけて、話しているように書いていると言ってたが、本当にその通りの文章。
    親密で、気さくで、落ちがついてて、笑える。
    最後の銃撃戦のシーンで一転現実に戻され、身が引き締まるような思いになる。
    いろいろな意味でリアリティーのある物語だと思う。

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    2016年10月26日
  • 未来国家ブータン

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    タイトルと写真に興味を惹かれ即購入。ブータンには、幸せな国の側面以外があることをこれまでの読書経験から理解しているが、なぜ「未来国家」なのか、地理や政治、経済は他の国との比較が難しいように思うがどう他の国に理想を提示できるのか、読み進めていきたい。
    高野氏のテンポの良いリズミカルな文章から、ブータンの様子を頭の中に描く。サイズは九州ほどあるのに、人口が約70万人しかいないというところで、すでに日本とのスケールの違いにびっくり。さらには、伝統を守り、あまり外国人を入れず、半鎖国であるというのは驚きだった。
    本の中盤で紹介されているニェップ。遠くに住んでいる人に家に泊まってもらい、その逆もある。高野氏も称賛しているが、このシステムが日本にもあれば、各地域への行き来が楽しいものになり、かつ都市と地方の交流も活発化するだろう。
    読み終わって、もっとこの世界に浸っていたい!と思った。

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    2016年07月12日
  • 【電子特別カラー版】恋するソマリア

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    タイトル「恋するソマリア」には二重の意味が込められています。
    ひとつは、ソマリアを振り向いてくれない美人女性に見立て、追えどもつかまえられない片思いの相手として描く。
    もうひとつは、実在の若き美女・ハムディ姫への恋です。
    わずか17歳にしてケーブルTVの世界に入って、政治家へのインタビューでカネをひきだして支局員を食わせるという政治力・経営力を発揮する。美しく、胆力があり、知的。いったい高野が惚れこんだこの女はなにものなのか。
    「私は有名になりたいの。目標は大統領になること」
    「有名になりたい」ということばの率直さ、力強さ。さわやかな立身出世主義の到達目標が大統領というのがすごい。
    いいぞ剛腕ハムディ姫。統一ソマリアの大統領になった姿をぜひ見たい。

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    2016年04月11日
  • 【カラー版】ミャンマーの柳生一族

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    まず一言…とても面白かった!!
    初めはこじつけのようにミャンマー政府を江戸幕府に例えていて柳生やら高杉やら著者の想像力に圧倒された。ただ読み進めていくうちに確かにその通りだ…と納得していく自分がいた。
    小ネタや自虐、他虐が色んなところに散りばめられていてクスクス、時には大笑いしながら楽しく読めた。ミャンマーの当時の状況も大まかだが垣間見ることができた。ぜひ著者の他のハチャメチャな旅行記も読んでみたいと思った。

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    2015年07月21日
  • またやぶけの夕焼け

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    遠い昔に経験したことがあるような感覚や子供のテンション、冒険心を、さっき体験したことのように生き生きと表現できるってすごい。

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    2015年05月27日
  • イスラム飲酒紀行

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    よくもまあここまで酒を探す話で一冊の本が書けたものだと感心。
    著者はアル中に近いほどの酒好きのようだが、酒探しにまつわり、あれやこれやのおもしろエピソードが目白押しである。
    表向きは酒類厳禁のイスラム世界や愛嬌のある現地の人々が話をさらに面白くしている。
    やっぱり高野秀行のノンフィクションは面白い。

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    2015年05月20日
  • 【カラー版】未来国家ブータン

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    おもしろい~。ブータンってなんとなく清貧の国、と思っていたけどそんなことないなあ。京都大学~梅棹忠夫さんにつながるものが流れている個所に萌え♡

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    2015年05月06日
  • 異国トーキョー漂流記

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    辺境作家 高野秀行が東京で会った外国人の話。やはりこの人の外向的さは特異だ。出てくる人は、舞踏家のフランス人、ザイール人、小説家の兄ともつながったコンゴ人、スペイン人、違法入国のペルー人、お父さんがお世話になった教師の中国人、プロ野球広島ファンの盲目のスーダン人(これは本当にすごい)など多様だ。著者が近づく理由は語学(フランス語、リンガラ語、スペイン語)の習得が主だったりするのだが、こうやって日本に在住して著者に言葉を教えるような人は個性的な人が多い。そして、東京はトーキョーになり、日本にいながらにして、海外につながるのだと。そういったエピソードが山盛られている。

    自らを振り返れば、こんな自分の周りでさえ、学生のときには、ゲイのギリシア人、女好きで洒落たイタリア人、敬虔なイスラム信者のシリア人、などなど日本でも個性的な外国人との出会いがたくさんあったような気がする。ギリシア人には家に行きたいと言われ(のちにギリシアで妹と会って食事した)、イタリア人とは大相撲を初めて観戦し(のちにイタリアの実家にも寄せてもらった)、シリア人は一緒に銀行口座を開設して市役所に連れて行ったときに駐車場でお祈りをされた。自分にも少しは面白いものが書けたりするかもしれない。やはり東京はトーキョーなのだ。

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    2025年11月02日
  • 幻獣ムベンベを追え

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    辺境作家 高野秀行の処女作。早稲田大学探検部に所属していた高野さんが、コンゴ共和国(当時)のテレ湖に棲むという幻の生物「モケーレ・ムベンベ」を探しに行く顛末を描いた本。いないかもしれない、という至極真っ当な疑問を抱きながら、同時にその存在を切に信じて調査団を編成して冒険の旅に出る。

    学生の身分であるのに(学生だからこそ?)、機材の調達のためにキャノンやソニーなどの大企業から支援を募り、コンゴ政府や原住民と交渉をしてサポートを得て、大規模な調査団を率いて1ヶ月以上にもわたる調査を行った。怪獣に関する目立った成果はなくとも、その行動力自体に脱帽する。自分が学生時代の発想を思うと、全く想像すらできなかっただろうことをやっている。

    高野さんも「はっきり言って、なぜ自分がこんなことをしているのかわからない。わからないながらも、あまりに無意味な活動をしているので、なぜか快感すら覚える。「普通の人は、ちょっと真似ができないな」と思う。当たり前だ」という感想を漏らす。著者はその普通でないところにプライドを持っていたのだろうし、確かにそうだ。食事ひとつとっても、ワニ、カワウソ、ヘビだけでなくゴリラやチンパンジーまで食する。少し食べてみたい気がするが、屠殺する場面を見て唾が出てくるようにはならないだろうなあ。

    現地人とのやりとりや微妙な空気も生き生きと表現されていて読んでいて楽しい。荒削りな部分もあるが、補って余りある魅力がある本。
    文庫本にあったっての後書きにある同志近況も素敵。マラリアにかかってほとんど寝込んでいた後輩の田村さんが寄せた手記は考えさせるものがある。

    高野さんは語学の才能があるんだということもわかった。後の日本で唯一の辺境作家となる素地がこのとき花開いた感じがあり、うれしい。「アフリカとは末永くつき合っていくと思われる。そのなかで、もっともっと想像のつかない世界に入っていきたい」と述べる著者。その思いは、その後現実となり、その果実を読者と分け合うことになる。素敵な話だ。

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    2015年01月31日
  • アジア新聞屋台村

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    いやーーーー、面白かった!
    在日外国人の母親コミュニティが日本の母親も救ってるとか研究につかえそうなこともポロリしたり
    副職が実際どう機能するのかもわかったり
    舞台は日本なのに、旅行してる気分。
    旅行が好きな人は、そうそう!それだよ!!!ってなること必須。
    旅行中に自分が感じるうまく言語化できないあれこれを物語の中にするりと混ぜ込み表現してくれる。
    これは、本当に、すごい、本だった。

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    2014年03月01日
  • アジア新聞屋台村

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    高野さんのまわりには語るべきエピソードがゴロゴロあふれているかのよう。
    ローリングストーンな生き方の高野さんらしい青春記。
    「ワセダ三畳青春記」と併せて読みたい。

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    2013年08月22日
  • 【カラー版】未来国家ブータン

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    ブータンと聞いて思い浮かべるのは昨年国王夫妻が来日し民主党の馬鹿な大臣が欠席した話やGDPならぬGNH(国民総幸福度)などだろう。GNHそのものは経済的な発展をいらないと言ってるのではもちろんなく、持続可能かつ公正な社会経済的発展、環境の保全と持続的な利用、文化の保護と促進、良い統治が中心だそうだ。そしてそこにブータンでは仏教的な思想として欲望の抑制や殺生の禁止が含まれているようなのだがこの本に出てくるブータン人たちは仏教とGNHはそもそも成り立ちが違うと言う。また経済的な面では例えばブータンでは国のどこでも携帯がつながり、テレビが見れるようにと言った事業を進めている。反西洋文明みたいなイメージでとらえるとなかなか一筋縄では行かないのだ。

    ブータンは下は熱帯で上はヒマラヤ山脈近くと狭い国土ながら上下さはすごい。しかも高野秀行の行き先はブータンの辺境とあってさらにすごいところだ。一応の目的は生物資源探索のために伝統的な知識の下調べをすることで依頼者はマレーシアに拠点を置くバイオベンチャーのニムラ。ブータンには世界の生物資源の6%が有ると言われておりニムラがブータン政府と契約して海外企業との窓口を務めるのだがなぜここに高野秀行が出てくるかと言うと辺境愛好家として既知の二村社長に専門家は視野が狭いので高野が適任だと言われたことと、それ以上にブータンには雪男がいると釣られたから。実際には行く先々で行き当たりばったりに雪男や幻の動物を探し時々思い出したように伝統的な知識、例えば民間療法や薬草などを聞くのだが、正面突破では田舎の人たちはなかなか話をしてくれなかったり、と思えば一緒に宴会をして仲良くなったりと話は蛇行を続ける。

    そもそも雪男の出だしが二村しによればこうだ。
    二村「ブータンには謎の生き物はいませんか?」プロジェクト主任「そんなもんはいませんよ。」二村「では、雪男もいませんか?」主任「ああ、雪男ならいますよ」・・・・

    そこそこに出てくるブータンの民話もなかなかシュールだ。雪男の話では雪男は人間にだまされてよもぎ団子の変わりに馬糞を食わされ、さらにはマッサージをまねしたつもりで毛にバターを擦り込み火をつける。仲間の雪男は水に飛び込めと言った所、水と仲間が同じ発音だったので仲間の所に飛び込み雪男はまとめて焼け死にました・・・とか、ある果物を食べた後泉の水を飲むと甘い味がした。そこでその男は持ってた矢筒に水を入れて家族に飲ませた所、毒矢の毒で家族はみんな死にました・・・とか。雪男やチュレイと言う謎の生き物の話は度々出てくるが、これらを見たら死ぬと言う言い伝えがセットにあったり、運が落ちている状態で見るとか怪しいはなしなのに時々見たと言う人が出てくる。まあ実在の生き物と言うより物の怪のたぐいだ。

    ブータンの良い習慣はニェップという知り合いの家に押し掛けて泊まる制度。逆に一番恐ろしいのはツォチャン。よそ者は酒を買おうとしても売ってもらえないのだが夜になると近所の人たちが焼酎を持って集まってくる。飲んだらお礼をする、飲まずに金を払うのも飲んで払わないのも失礼にあたり飲むしか無い。飲めば飲むだけついでくる。しかも高地で酒がよく回るらしい。冷たい焼酎はもう無理と断ると、鍋にどぼどぼと5本ほど注いで暖めてくる。翌朝二日酔いの高野が二日酔いの伝統薬を聞いた所進められたのが迎え酒。あやうく逃げ出したが翌朝もツォチャンの続きにわらわらと集まってきていたそうだ。まあとにかく辺境で苦しみつつも楽しんでいるようで何よりだ。

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    2013年05月15日