高野秀行のレビュー一覧

  • 異国トーキョー漂流記

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    フランス、イギリス、コンゴ、スーダンなどなど東京にいながら、異国の珍妙な話しが盛りだくさん。

    時代背景が”携帯電話がなかったころの東京”、というのもいい。

    ずっと読んでいられる幸せな時間でした。

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    2023年12月29日
  • 間違う力

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    ネタバレ

    編集者さんの思惑では「オンリーワンを目指す人々のための指南書」という地点から始まっているはずなのだけれど、そこは高野さんだからありきたりな内容にはならない。持論が面白かった。
    高野さんがこれまで体験した面白い出会いや出来事、それらに繋がるまでの過程が書かれているが、やはり誰もやってないことをしているという感が強い。真似しようとしてもここには辿り着けないんじゃないだろうか。ご自身を普通の人間と仰るけれども、全然普通じゃない。いい意味で。
    大学の非常勤講師をやっているとき、学生が授業に癒しを感じているらしいという話があったが、読者としてもそうかもしれない。知らない土地と人のことを聞いていて単純に面白いというのもあるけれど、高野さん本人やその出会った人たちには「人生何とかなるかも」と思わせてくれるエネルギーがある。小さなことで悩んでいるなと気づかせてくれたりもする。
    本来みんながオンリーワンなのだけれど、悩む人にはぴったりの本かもしれない。

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    2023年12月12日
  • 【カラー版】怪魚ウモッカ格闘記 インドへの道

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    中盤から趣旨が外れてきている気はするが、著者らしい。ノンフィクションとか旅行記という区分けでなく、エッセイ捉えれば面白い。

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    2023年12月06日
  • 【カラー版】アヘン王国潜入記

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    湿地を行く。水芭蕉が咲いている。のっぺり気分で、細い板の上をどこまでも・・・ここでそれを吸うのはご法度。善悪の彼岸には渡れない。体験できないことを読書で味わう。アヘン作りは草むしり。人の手がないと育たない”人間依存植物”。ミャンマーの東のワ州。ゴールデントライアングル。島国日本。国の形は当たり前にある。多くの民族が雑多に暮らす大陸。多数のビルマ族が少数民族をまとめてはたした独立。自治を貫きたいワ族。経済を担うアヘン。早々にはなくせない。滞在は1995年。世界は複雑。この地域の事情も相当変わっているだろう。

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    2023年11月17日
  • 【カラー版】ミャンマーの柳生一族

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    高野さんの冒険はいつだってワクワクさせてもらえる。そして面白い視点と解釈、というか噛み砕き方と味わい方。
    どんな場所にいる人だって、どんな立場にいる人だって、袖触り合うも他生の縁。旅は道連れで、別れたあの人は今どうしているんだろうと遠くの空を思う。

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    2023年11月17日
  • ワセダ三畳青春記

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    正直、旅行記を書く方の小説って期待してなかったが、面白く温かく懐かしく良い本でした。懐かしき学生時代にも思いを馳せられ。

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    2023年11月09日
  • ワセダ三畳青春記

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    こういうの大好きなんです、としか言いようがない。自分もこうありたかった、ちょっと間違えればこうなっていた、いや、実際にかなり近くなっていたかも。著者のような行動力がなかっただけ。

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    2023年11月05日
  • 辺境メシ ヤバそうだから食べてみた

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    高野秀行氏の旅を「ゲテモノ」という切り口で纏めた副読本的作品。
    ときどき、マスターキートン読んでるような、そんな感覚があった。

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    2023年11月02日
  • 【カラー版】アヘン王国潜入記

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    高野さんの本は、自分の知らない土地に実際に行ったような感覚になれるところが魅力だと思う。それもただの取材というような表面的な滞在ではなく、高野さん自身が興味ある事をとことんやり尽くしているからこそ、ライブ感があるのだと思う。

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    2023年10月30日
  • 未来国家ブータン

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    ブータンという国が現世に存在していることの奇跡を感じました。国王やエリートが純心で、国のことを常に最優先で考えていること、国民に仏教の教えが根付いており、殺生を嫌う(小さな虫であっても)ゆえに、生物の多様性が守られていること、割と伝統文化が重んじられ、実質は多民族国家であるということなどが印象的でした。

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    2023年10月29日
  • 【カラー版】ミャンマーの柳生一族

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    船戸与一さんの取材旅行についていく中で、当時のミャンマーの政治状況を日本の江戸時代に例えて面白く説明してくれる正にエンタメノンフィクションになっている。
    ミャンマーが識字率の高い読書大国とは驚いた。
    この旅で関わった政府の人たちが属する派閥も高野さんの帰国後少ししてボスが失脚し大勢が逮捕されており、高野さんの旅はその瞬間のチャンスをつかんで行うことができているのだなと思う。

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    2023年09月24日
  • 幻獣ムベンベを追え

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    コンゴ・ジャーニーからの流れで読む。こちらはより真剣にムベンベを探しているが、最後には一種の悟りの境地に達するあたりは探検家として通る道なのかも。

    紀行作家としての格はなかなかオハンロンにかなわないが、破格の探検行の中にも大学のクラブらしいノリも感じられ、身近に引き寄せて楽しく読めた。コンゴ・ジャーニーの前日譚として共通の登場人物(ドクターやドゥーブラ)も出てきて興味深い。

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    2023年09月18日
  • 怪しいシンドバッド

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    高野さん7冊目。
    高野さんの若い頃のいくつかの探検を1冊の本にしたもの。
    『ワセダ』の時期とも被るので、日本でこんなことをしていた時、海外でそんなことをしていたのかぁなんて楽しみ方もできる。

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    2023年09月18日
  • 異国トーキョー漂流記

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    高野さん6冊目。
    高野さんの本は海外に行ってアレコレ面白いことをする者がほとんどだけど、今回は海外から日本に来た外国人と高野さんが関わった中でのお話。
    やはり”ヘン”な人は“ヘン”な人と縁があるのだなぁと、高野さん流の外国人との交流を笑いながら楽しく読ませていただいた。
    この中に、高野さんが大学を無事7年生で卒業できるキッカケとなったエマニュエル・ドンガラさんも出てくる。高野さんが訳した(卒論にもなった)この方の著作も読みたいなとカチカチ調べていたら、メルカリでドンガラさんの名前で検索すると「ジョニー・マッド・ドッグ」という映画のDVDが出てくる。これは大学の平和についての授業で、先生が映画好きなのか毎回内容に関連しそうな映画を紹介してくれるのだが、実際の内容と日本版の予告があまりにも乖離していて先生が苦言を呈していたものだったので記憶に残っているものだった。どうやらこの映画の原作は未翻訳ふだがドンガラさんの著作らしい。自分にも意外なところで縁があったのだなあと感じた。本の内容とは全然関係ないが笑

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    2023年09月17日
  • 三大陸周遊記

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    高野秀行氏がナビゲーションを務める『三大陸周遊記』にやって参りました!彼が手掛けたまえがきはやっぱり面白かった!何ならもっとはっちゃけても良かったくらい。
    面白いだけでなく、彼特有のユーモラスな語り口調のおかげで十分良い予習になるし、面白い視点のまま本書に臨める。

    著者のイブン・バットゥータは、モロッコ出身の大旅行家。
    22歳の頃聖地メッカ巡礼を目的に故郷を離れたが、やがて世界旅行へと乗り出す。その範囲は北アフリカからユーラシア大陸を横断して中国と、ザッと世界半周は制覇している。
    本書は1977年刊の同タイトルに高野氏のナビゲーションを加え、復刊したもの。高野氏曰く原書の4分の1に抄訳されており、担当したのは日本で初めて『アラビアン・ナイト』を翻訳した前嶋信次氏であるとの事。

    高野氏が述べているように、同じ旅行記でも『東方見聞録』よりは読みやすいと思う。
    (イブン・バットゥータより50年程前に生きた)マルコ・ポーロの『東方見聞録』も、『三大陸周遊記』に引けを取らずスケールが大きい。しかしリアリティに欠けていて拍子抜けする箇所もあり、実際「ジパング」のように訪れてもいない国について「見聞」だけで乗り切ったりしていた。

    本書は北ア〜中国の広大な範囲、つまり彼が「実際に」訪れた国々を余すことなく記録してくれているから、一旅ルポとして自然と楽しめる。あとは彼自身が敬虔なムスリムで、旅の行方を「神(アッラー)の思し召し」と捉えているところも、紀行に穏やかな彩りを添えていた。

    全体を通して客観的な文章だったけど、下記のように民間伝承っぽい話も紛れていたりする。
    イブン・バットゥータを乗せた船が40日以上遭難した時、前方に見覚えのない山が見えた。それを船乗り達は「ルッフ」(巨鳥)だと嘆き、イブン・バットゥータも必死に神に祈りを捧げる。結局「アッラーは絶好の風を送り、反対の方向に船を転じさせ」、彼らはルッフと対峙することはなかった。
    この辺とかシンドバッドの巨鳥とクジラ島のエピソードを合わせたみたいで、読んでいて気持ちが浮き立った。40日以上も知らない海上を漂流していたら、幻覚を見てもおかしくない。『東方見聞録』とは違ってまだリアリティがあるし、読者の想像も無理のない範囲で膨らむ。

    「いま世界で起きていることは、イスラム教とは関係ない。ただ憎しみを増幅させているだけだ。ほとんどの問題は、他者を尊重しないから起こるんだ」
    『パリのすてきなおじさん』という本に書いてあった、現代を生きるムスリム移民の言葉である。本書の旅の節々でそれを思い起こしていた。
    例えばメッカの人々は、異教徒も大切にもてなしていた。ダマスクスでは慈善財団が発足されており、同じく異郷の者への生活支援も手厚かったという。道中異教徒の襲来もあったりしたが、彼の目を通した14世紀の世界は不思議と調和が取れているように思った。

    旅の大本命だったメッカの優しさに心打たれ、自分も世界の人々と分け隔てなく交流したいと思ったのか。旅が30年も及んだのは、その思いもあったからなんだろうか。
    これも無理のない範囲の想像だったらいいな。

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    2023年09月15日
  • イラク水滸伝

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    世界最古の文明ことメソポタミア文明発祥の地、
    ティグリス川とユーフラテス川流域の湿地帯“アフワール”を旅した冒険ノンフィクション。

    おそらく多くの日本人にとって危険なイメージを持たれている国イラクに、コロナ禍を挟んで3回も渡航しているバイタリティが凄いし、現地の人と“友達になる”コミュ力にはただただ脱帽。
    現地の食文化、宗教観、ライフスタイル、価値観に時に驚かされ、時に考えさせられた。
    湿地帯の葦でできた館“ムディーフ”はシンプルな構造でいて豪華絢爛、水牛の乳製品“ゲーマル”も一度で良いから食べてみたくなるくらい美味しそうだ。著者らの冒険を通じて古代文明、シュメール人に思いを馳せるロマンがある。数多くの写真と洗練された“山田隊長”のイラストが差し込まれているおかげで、イメージもしやすい。
    また、その場で手に入るありあわせのものでモノづくりをする“ブリコラージュ”は、準備段取りを重視しがちな日本人にはなかなかない発想で、良い気づきになった。
    「誰も行かないところへ行き、誰もやらないことをし、誰も書かない本を書く」著者のポリシーが詰まった渾身の一冊。

    Bunkamuraドゥマゴ文学賞 受賞(2024年)
    植村直己冒険賞 受賞

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    2024年09月04日
  • 【カラー版】巨流アマゾンを遡れ

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    高野さんのノンフィクションを読み始めて3冊目。
    高野さん的にはどちらかといえば普通の旅行かもしれないが、普通の人が普通に行える旅行ではない。笑
    これが元の本ではガイドブックとして出版されていたのが驚いた。元の本ではガイド的なものもつけていたというが、大部分が本書の内容では読み物としては抜群に面白いがガイドブックとしては役に立たないでしょう笑。

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    2023年09月09日
  • イスラム飲酒紀行

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    私は酒飲みである。休肝日はまだない。
    お酒好きの高野さんが、イスラム圏でお酒を探し出して飲むお話。
    相変わらずの面白さ!!イスラム圏で、お酒とか大丈夫なん?とおもったが、結構大丈夫そうだった。どこでもお酒飲みたい人がいるんだなーと思った。(こそこそ探して飲んでいたが)
    イスタンブールのラク飲んでみたい!
    イスラム圏への理解も深まる?ので、おすすめです。

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    2023年09月01日
  • 西南シルクロードは密林に消える

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    ネタバレ

    この人の書く文章は笑いが入ってて引き込まれる。よく文章の書き方の本とか、この人は文才があるね、とかいうけどこれは違うのかもしれない。体験が面白ければ文章は必然的に面白くなる。日本人がわざわざ中国通ってインドまで二ヶ月も歩きっぱなしなんて、聞いたことがない。最高の作家。

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    2023年07月21日
  • ワセダ三畳青春記

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    先日、早稲田界隈を散策した。高田馬場から早大キャンバスへ。どういうわけか神楽坂まで行ってしまった。野々村荘はどこにあったのだろう。家賃1万2千円の3畳間。時は90年代。バブルがはじけ不況が始まる。失われた30年に入るとき。…未亡人の気のいいおばちゃん。勝手に他人の部屋の電話に出る司法浪人ケンゾウさん。腐ったものを調理して異臭を放つ”守銭奴”。風呂には行かずにプールで済ませる著者。自由人でその日を楽しむ。面白おかしく描かれた青春期。将来への不安もきっとあっただろう。去っていった人のその後の人生も気になる。

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    2023年07月17日