高野秀行のレビュー一覧

  • 謎の独立国家ソマリランド
    派閥や登場人物が多すぎて、敵になったり仲間になったり複雑で頭の中が大混乱。
    途中からメモに図を描きながら、間違えて解釈しないよう一生懸命読んだ。
    先進国が常識としていることが、この国では常識とは限らない。ここまでの取材力にただひたすら驚き。
  • 【電子特別カラー版】恋するソマリア
     前著「謎の独立国家ソマリランド」に続き読んだ。前著でラクダ・キャラバンを匂わせていたが、そうではなく、今回は主に南部ソマリアへの旅である。日本に来ているソマリ人留学生と現地南部ソマリアが繋がる様が妙である。著者のお遣いがなんといっても心にくい。
     前著同様に著者の行動力には脱帽するが、現地の情勢や...続きを読む
  • 幻獣ムベンベを追え
    とにかく面白い。全くバカげてる。
    ジャングルでの生活が生々しく伝わってくる。
    特に狩で捕まえた様々な動物を解体して調理して食べなければ行けなかったりや、マラリヤにかかっても、治療薬もたいして効かず苦しまなければいけないなど都会での生活では想像も出来ないことだらけだ。
    それでも、この体験をした何人かは...続きを読む
  • 世界の辺境とハードボイルド室町時代(集英社インターナショナル)
    賠償なんかの法慣習とか神判の有効性とかアト・サキの概念とか古米の扱いとか犬食とかヒゲの意味とか物の怪に対するスタンスとか…話題はもう、多岐にわたる。
    夫々が「ああ、xx時代では…」「ソレは何処其処で…」と速攻で返してくるのが、本当に小気味良い〜
  • 謎の独立国家ソマリランド
    ・ソマリ人と一緒にラリって仲良くなって彼らの懐に入り、ソマリ社会の掟や常識を聞き出す著者の情報屋としての能力。ソマリ人以上にソマリ人へ変貌。この人の自然体っぷりはとっても魅力的。

    ・著者は取材生活の中でソマリ語を独学で習得していきメキメキ上達し不自由なく会話している

    ・人の話をちゃんと聞かないう...続きを読む
  • 辺境の怪書、歴史の驚書、ハードボイルド読書合戦
    日本中世の歴史家と辺境を旅するライター。
    セレクトはいかにも〜。政府とか国家とかじゃない歴史、民衆とか民族とか伝承とかの文化人類学寄りなヤツら。
    だけど、対話は期待したより、ずっとずっと面白い!飽く迄も課題本自体は話のキッカケ。両人の守備範囲が惜しげも無く披露されてる。しかしまあ、世の中には知らない...続きを読む
  • 辺境の怪書、歴史の驚書、ハードボイルド読書合戦
    辺境作家の高野さんと、日本中世史研究者の清水さんによる、読書会対談。二人の対談はとても面白く、紹介されている本はどれも読んでみたくなります。対談中の用語の多くに脚注が付いているのですが、個人的にはところどころ脚注がツボにはまった。例えば「ピンポンダッシュ」に脚注が付いていたり。高野さんが「おわりに」...続きを読む
  • 恋するソマリア
     『謎の独立国家ソマリランド』の続編、ということになるだろうか。前作では手始めにソマリアの現状について書かれていたが、本書では更に踏み込んで著者の見たソマリア人ならではのものの考え方や文化について触れている。

     面白い点の一つとして、日本と比較したソマリの人々の気質に関する著者の解釈。国の気質、文...続きを読む
  • 謎の独立国家ソマリランド
    ソマリアという危険極まりない辺境の地で、奥深く完全に現地に溶け込んで取材したからこそ書ける圧倒的なリアリティのノンフィクション。
    普通に面白く読める。
  • 【電子特別カラー版】恋するソマリア
    氏族が絶対であり、外に向けての愛想はふりまかず、北欧に行っても同胞だけの世界で過ごす。これだけ聞くと内向的な民族に見えるが、ところがどっこいそんな単純な話ではない。期せずして紛争に巻き込まれた体験記など重い話もあるが、いつも通り軽く笑わせる文体でとても読み応えあり。
  • 恋するソマリア
    最近はクレイジージャーニーでおなじみ高野秀行氏の、『謎の独立国家ソマリランド』に続く第二弾。前作で色々とお世話になった、地元TV局のワイヤップやハムディも登場する珍道中である。

    今回も北部のソマリランドや南部ソマリアへ渡航しているのだが、前作とは違い一般の家庭を訪問したり、TV局の職員にソマリアの...続きを読む
  • 移民の宴 日本に移り住んだ外国人の不思議な食生活
    他国の人と関わる事がとても少なくなりました。世間的にはグローバル化が滅法進んでいますが、僕の生活ではより一層日本人としか接さないのであります。
    そういえば昔はバイト先に外国の方が沢山居たのでいじられたり、一緒にサッカーしたりで結構楽しかったし、友達の奥さんがフィリピン人だったので、友達のフィリピン人...続きを読む
  • 【カラー版】未来国家ブータン
    ブータン国民がなぜ世界一幸せなのか?
    それは、「ブータン方式」が機能しているからである。

    本書の中で触れられているブータン方式は、なかなか、いわゆる先進国と呼ばれる日本のような国では見られないシステムと感じる。
    病気一つ直すにも、患者に様々な選択肢が与えられており、病院に通うもホメオパシーのような...続きを読む
  • 恋するソマリア
    読書の魅力のひとつというのが、様々な考え方の人間がいることを知ること、と思っているが、まさにこの本はその魅力を煌々と放っている。
    教科書的な異文化理解でなく、そこにいる人たちに密に関わり、筆者が学びながら綴ったこの本は、まさに異文化恋慕とでもいうべきものである。筆者の努力、苦心が感じられ、ソマリの日...続きを読む
  • 辺境の怪書、歴史の驚書、ハードボイルド読書合戦
    本書はノンフィクション作家の高野秀行氏と中世史家の清水克行氏の読書対談第2弾。高野氏は以前に「間違う力」を手に取って以来、気になる作家ではあったが、まさかこれほどの教養をお持ちになっているとは思わなかった。高野氏の場合は、(あくまで想像だが)経験が先行しその後に読書によって知識を得ることで教養を身に...続きを読む
  • 幻獣ムベンベを追え
    幻のムベンベを探して探検をする様子が事細かに書かれていて面白い。これがノンフィクションだというのが驚きだ
  • 辺境の怪書、歴史の驚書、ハードボイルド読書合戦
    辺境と歴史がテーマの図書を提示しての対談。
    高野のあとがきが実に良かった。
    教養とはと云う事なのだが
    「今自分がいるところ」を把握するには「ここではない何処か」を時間(歴史)と空間(旅もしくは辺境)という二つの軸で追求することが有効な手段で、その体系的な知識と方法論を人は教養と呼ぶのではないか。
    ...続きを読む
  • 未来国家ブータン
    脱力系高野氏と、本格派高野氏の中間に位置すると考えられる著作。

    本人もいきあたりばったりであることを認めているが、氏が採集した民話は、興味深くよむことができた。この辺りは、場数を踏んでいる著者らしい。

    未知を既知へと導いてくれる文章術はさすが。
  • 間違う力
    高野氏の作品はかなり読んだ、どれもハズレが無く非常に面白い。なぜなら絶対に誰も選ばないテーマを、異常なくらい真面目に探究し、そしてわかりやすく伝えてくれるからである。そんな高野作品誕生の裏側を少し垣間見ることが出来た。

    本作にも記されていたが、事前に周到な準備を行うのが、日本人に多いタイプなのかも...続きを読む
  • 謎の独立国家ソマリランド
    ソマリ世界の事象はとても複雑だが、作者が確認がてら同じような内容を何度も言及してくれるので、大きな混乱もなく読み進められて、なんかありがたい。
    どの内容も新鮮な驚きにあふれていたが、「海賊を雇う際の損益計算」の具体例は圧巻。
    実際に現地に行って生で見ないことにはわからない、というのは本当に仰る通りだ...続きを読む