高野秀行のレビュー一覧
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言語にまつわる国民性(民族性?)や社会がよく分かり、世界の広さを感じさせる一冊。
近年、ICTの発展が著しく、中には「語学を学ぶ必要なんてない」という人がいる中で、語学を学ぶ必要性をこの本を読んで改めて感じた。
私はどこか、言語を目的として勉強してしまっているところがあったが、あくまでもコミュニケーション手段であり目的ではないことを思い出させてもらった。
筆者曰く言語には2面性があり「情報を伝える側面」と「親しくなる側面」がある。この本では言語の「親しくなる側面」について、筆者の突拍子もない体験談から学ぶことができた。
言語や人間に興味のある人はぜひ読んでみてほしい。
自分の中の好奇心を奮い立たせたいときにまた読みたい。 -
世界の納豆をめぐる探検
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試し読み
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Posted by ブクログ
「イラク水滸伝」で高野先生のファンになったので何か別の著書を読んでみたいと、こちらで検索してたどりつきました。星の数の多いもの…くらいのチェックで選んだので旅行記的なものかと思ってたのですが語学に特化したものなんですね。確かにタイトルに「語学」ってついてましたね。でも、とても面白かったです。
本作は先生がいろいろな語学を学ばれる話ですが、読んでいたら自分が大学でイタリア語を学んだ時のことを思い出しました。自分はイタリアが好きでイタリアに行ったらイタリア語で話したい!と当時思ってて、大学の講義にイタリア語があるのを見つけてラッキー!とばかりに履修したところ、授業に出て気づいたのですが先生がネイティブで日本語まったく出来ないという…。英語でイタリア語を教わるという恐怖の1年間を過ごしました。
マンツーマンでもなく寺子屋形式で週に1回、しかも自分以外は英語ができる方達…と、かなり苦行に近かったですが、独学でも勉強して、卒業旅行はイタリアでホームステイしながら1人旅してたので、結果的に高野先生も話されてる学習方法に近かった気がします。先生同様、目的を果たすと速やかに忘れるのですが。。。
翻訳ソフトやAIが進化してる昨今ですが、やはり外国に行ったら少しでもいいから向こうの言葉を使いたいものです。向こうの言葉をしどろもどろでも頑張って話してると相手もそれなりに聞こうとしてくれるし最後はジェスチャーゲームになってしまったとしても通じた時の達成感が半端ないです。日本にいて日本人同士で日本語を話す生活をしていると忘れがちですが、言語は話す方と聞く方の共同作業なんだな…と思います。 -
Posted by ブクログ
結構前に読んだ。読書メモだけ残してたので、感想として投稿。
まず初っ端に、インドで身ぐるみ剥がされる話。実はマザー・テレサに出会っていたのにただのおばあさんだと思っていた話。十分すぎるツカミなのにほんの序の口だった。それもそのはずで、この本は語学をキーに集められた、一つひとつが濃い内容の辺境旅をギュッと圧縮したものだ。そう言えば、インド英語ってなんか勢いが良くて好き。
著者の語学習得への取り組みは、まずは自宅近くでネイティブを探すことから始まる。彼(or彼女)が先生として優秀かどうかは関係ない。ダメ教師でもとにかく会話を録音して復習しまくる。
たしかにこれは良い。私も自分と先生の会話を録画して後から復習すると、話している最中には聞き取れなかった部分が明瞭に頭に入ってくることがよくあった。
そんな感じで世界の辺境・秘境に旅し、新たな言葉を千切っては捨てしているうちに学習した言語はなんと25を超える!
ただ、千切っては「捨てている」ので忘れてしまった言語も数知れず、だそうな。
自身の学習の仕方についての考察もある。文法からではなく、まずは必要そうな会話を先に円覚え。文字の順は忘れたが、、、文法は後から。
これ、12言語を話せると言う人の本にも、この順での学習が良いと書かれていた。
私が以前スペイン語を習った時も、先生からその順がベストだと聞いた。実際にその通りにした。
スペイン語好きとしては、スペイン語界隈の話も興味深かった。コロンビア人や他の南米人・スペイン人は、母語・外国語や、母国人・外国人の区別にあまり頓着しない。まるで同じ国の人のように接してくれるそうだ。
うわ〜、これもスペイン語の先生(日本人)が言ってたなぁ。過ごしやすいよ〜って。
この本には本当にたくさんの国・地域がでてくる。そして、一つひとつが1冊の本になるほどのエピソードがあるので、今まで全く興味を持っていなかった場所にも記憶のフックがかかる。
先日ミャンマーのニュース記事をみた。普段はスルーしてしまう地域だけれど、今回はその写真に写る見たことのない文字を見て「あっ」と思った。これが本に出てきた文字かー。そして、興味をもった自分にもびっくりした。こんなに簡単に興味をもつことができるんだ。
中国語に魅せられた瞬間の話も良かった。日本語のノリで話す中国語ではなく、中国人の発する中国語は全く違う言語であるかのように力強く響いた、という。
私は昔『レッドクリフ(赤壁)』という二部作の映画を見た時のことを思い出した。失礼ながらそれまで中国語に特に興味も関心もなかった。でも映画で曹操(だったかな?)が高らかに漢詩を歌い上げるシーンでは、その中国語の美しい響きに心から感動した。しばらくウットリとした気持ちが続いた。
書き出したらキリがないくらいに面白い本だった。この著者の本はずっと読みたいと思いながら手つかずだった。これからは大いに手をつける! -
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20代〜30代前半の高野秀行作品は恋やら愛やらが出てきて趣が違う。ゲラゲラとバカ笑いさせられる中でもちょっと泣けたりする。スペイン語教師の話はムズムズする内容だった。笑
外国人に積極的に関わることでどれだけの人が救われてきたのか。差別や分断に対抗する人の優しさが身に沁みる。
特にイラク人との話では交流の中で「もうこれ以上立ち入れない」という局面に至る。彼の様子からイラク社会が恐怖に満ちていたことが見て取れる。国際的な問題の困難さに打ちひしがれる場面だ。
それでも、次の盲目のスーダン人とプロ野球を見る話では、高野秀行の優しさが彼を助けている。世界平和を実現するためにはこれしかないのだ。 -
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牧歌的な農村と官僚主義・強権的な軍事組織が、アヘンの栽培を基底として共存している。ゴールデントライアングルのワ州はその構造自体も奇妙な三角形だ。
ただ本書でわかるのは個々に名前があり、そこに実際に生きている人々のリアルな暮らしぶりで、その生活は意外に普通、ただアヘンを育てていて軍の支配下にあるという奇妙なバランスを保っている。
高野秀行は相手を下に見たり、過剰に気を遣ったりしない。あらゆる人にがっぷり四つで対するから、自然な反応が現れる。大いに喜ぶし、泣くし、怒るし、笑う。世界のどんなところにも普通の人間が住んでいるということを思い出させてくれる。 -
世界の納豆をめぐる探検
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試し読み
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Posted by ブクログ
以下の2条件に当てはまる人には読むタイミングを考えた方がいいと思う。
① お酒が好きな人
② 暫くお酒を飲めない環境に行く人
①も②も当てはまる私はとても悶々としながらこの本を読み進めた。逆に言えば、悶々としながらでも読みたくなる本だ。
この本は言わば、お酒が入りにくい場所で何とか酒を見つけ、めちゃくちゃ美味しく楽しんだっていうルポ。
私は酒が好きなのにも関わらず、規則で飲んじゃいけない場所(宗教と言うよりは現場の規律維持のため)、且、インドネシアの暑い場所に滞在していたため、著者の酒にありつくサクセスストーリーを読めば読む程、喉の渇きが強くなっていくのを覚えた。目を瞑れば浮かぶの、水滴の着いた銀の缶に浮かぶ、ゴシック体なのか明朝体なのか分からない「ASAHI」の力強い文字...
辛くなるのは分かっているのだが、この本の著者の経験と酒への執念、それを客観視したりできていなかったりする語り口が癖になり、読み進めてしまう。
イスラムと言っても多様で、敬虔厳格だと思っていた中東地域でも飲む人は飲むって事を知れたのは新たな発見。
川を遡行するスピードボートに乗りながら、現場から街に戻っている最中にこの感想を書いている。外はカンカン照りで今日もバカ暑そうだ。この本とキツく長かった禁酒現場出張のおかげで、今日のビールは絶対美味しいぞ! -
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この間読んだ高野秀行がめちゃくちゃ面白かったので、読んでみた。やっぱり面白い。専門は違うがバックグラウンドは似ている2人。ものすごい知識量だけど、それを感じさせないフランクさ。
濃い内容の対談集。
お二人の率直な会話から、それぞれ自分からは言わないような個人的な話なんかが聞けるのもめちゃ面白かった。
教養主義の死に絶えた時代だけど、やはり、「ものごとを普遍化して考える能力は文字を読むことで高まる」「抽象的にものごとを考えるには読み書きができないとだめ」「経済発展のきばんは人々の教養」
という言葉に励まされる。この本がでて10年、ますますみんな文字から離れてるけど、本を読む啓蒙が広がるといいなぁ。 -
世界の納豆をめぐる探検
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試し読み
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⸺納豆て、日本の専売特許じゃない!
高野さんは今まで納豆本を2冊出している(第二集の方は未読)。この絵本はおそらく、それを足してエッセンスを取り出してスケラッコさんの絵で小学生にもわかるものにしたものだと思う。
高野本の魅力は、ひとつはその饒舌の文体にあるのだけど、今回は封印している。でも、おそらくそのお陰で高野本史上最高にわかりやすくなっている。いや、今までもわかりやすかったんだけど、回りくどい面白いエピソードは省略して結論だけを述べる潔さと、全てカラー写真とはいかない高野本の欠点を補うかのようにカラーのイラストが対象国の風俗を如実に説明して、何よりも写真よりもイラストの方が遥かに料理の中身がわかりやすい。
第一集のミャンマーの納豆煎餅、ネパールの潰したキネマ(納豆)など今ひとつイメージわかなかったものが、今回見事にわかった。
その他興味深いことを箇条書き。
・菓子箱納豆(簡単手づくり納豆)は、煮た大豆を箱の中に稲藁と入れて、コタツの中で2-3晩温める。岩手県には「雪納豆」なんてのもある。一度食べたい。
・中国ミャオ族のガオヨウはほぼ日本納豆(シダの葉を使う)。
・韓国チョングッチャンは納豆汁。今では生チョングッチャンも売られている。特産は全州隣の元州(ワンジュ)。隠れキリスタンの多い地域で、3日で作れる納豆が逃げる時重宝したらしい。作り方は煮豆に藁を入れる方式。全州の食は有名で数度食べに行ったが、この背景は全く知らなかった。隠れキリスタンの木造教会見てみたい。
・中国朝鮮族のチョングッチャンはパック納豆をタレと一緒にお椀に開けてお湯を入れるだけ。今度真似しよう。
・納豆菌はアジアも日本も基本同じだった。
・アフリカにも納豆があった。
・第一集では、納豆は縄文時代から始まった説を唱えたが、今回は大豆由来の納豆以前に、その親種であるつる豆からも納豆ができることを発見。結果、納豆が先で、その後に大豆が作られた説を高野さんは唱えている。
・納豆は世界各地で、豊かではない、肉や魚を摂取しにくい所で伝わってきた。それは手軽に取れて、栄養高く、出汁にもなるものだったからだろう。 -
世界の納豆をめぐる探検
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試し読み