高野秀行のレビュー一覧

  • 辺境の怪書、歴史の驚書、ハードボイルド読書合戦

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    クレイジージャーニーにも出ていた、アヘンなどちょっとヤバ目のノンフィクションの多い作家、高野秀行さんと歴史家の清水克行さんが、オススメの本を紹介し合いながら語り合うという内容の本。
    紹介されている本は専門的であったり、かなりの長編であったりしてなかなか読む機会はなさそうだが、お二人の対談を読むことでなんとなく概要がつかめるのでありがたい。

    はじめに出てくる「ゾミア」という本では文明から離れ、辺境に住んでいる人たちが、文明から取り残されているのではなく、文明から意図的に離れたといった説を話されているが、なんか納得できる。
    現代でも多数派であるサラリーマンなどの管理される生き方を嫌い、いろいろな

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    2019年03月06日
  • 恋するソマリア

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    『謎の独立国家ソマリランド』の補記的な位置付けでしょうか?
    併せて一気に読むことをオススメします。
    色んな失敗やドラマがあり、著者のソマリア愛が爆発していて面白い。

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    2019年02月18日
  • 恋するソマリア

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    異文化に出会うと自分の思ってる普通が普通じゃないことに気づかされる。この本は衝撃の連続。未知の世界を体験できる。

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    2019年02月05日
  • 【カラー版】巨流アマゾンを遡れ

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    初期の高野秀行氏の面白さが出ています。旅行案内を発注されて何故か旅行記になってしまう辺り、大学卒業の為のフランス語の課題提出を、何故かフランス語のコンゴ文学の和訳で提出し紛糾した末に無事卒業を勝ち取ったエピソードを彷彿とさせます。
    顔見るとそんなに押し強そうに見えませんが、やはり知らない国に行ってバンバン突き進める行動力からすると、相当の粘り腰なんでしょう。
    旅行案内なのに麻薬の売人とのやり取りを書いていたりして、全く役に立たない案内本だと思います。でもこれが読み物としては最高に面白いです。後年の「西南シルクロード」のような大冒険ではありませんが、そこはやはり高野氏の筆の力がぐいぐいと魅力を振

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    2019年02月01日
  • 謎の独立国家ソマリランド

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    派閥や登場人物が多すぎて、敵になったり仲間になったり複雑で頭の中が大混乱。
    途中からメモに図を描きながら、間違えて解釈しないよう一生懸命読んだ。
    先進国が常識としていることが、この国では常識とは限らない。ここまでの取材力にただひたすら驚き。

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    2019年01月26日
  • 【電子特別カラー版】恋するソマリア

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    ネタバレ

     前著「謎の独立国家ソマリランド」に続き読んだ。前著でラクダ・キャラバンを匂わせていたが、そうではなく、今回は主に南部ソマリアへの旅である。日本に来ているソマリ人留学生と現地南部ソマリアが繋がる様が妙である。著者のお遣いがなんといっても心にくい。
     前著同様に著者の行動力には脱帽するが、現地の情勢や人の動向のめまぐるしい変化にも驚く。
     ホーン・ケーブルTVの剛腕ジャーナリスト ハムディがあっさり、大学で勉強して母国で政治家として貢献したいという思いで、難民としてノルウェーに行ってしまう行動力にも感服する。若い力を感じるうえに、世界はこんなにも動いているんだ、と感じた。
     人間模様が興味深く、

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    2019年01月20日
  • 幻獣ムベンベを追え

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    とにかく面白い。全くバカげてる。
    ジャングルでの生活が生々しく伝わってくる。
    特に狩で捕まえた様々な動物を解体して調理して食べなければ行けなかったりや、マラリヤにかかっても、治療薬もたいして効かず苦しまなければいけないなど都会での生活では想像も出来ないことだらけだ。
    それでも、この体験をした何人かは今だに同じような事をしているという。このような異常な経験はクセになってしまうのだろうか。
    自分ではとてもこのような探検ができるとは(というよりしようとも)思わないが、だからこそ、このような本でその「バカげた探検」を通しての貴重な体験を伝えてくれる人たちには感謝したい。

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    2019年01月09日
  • 世界の辺境とハードボイルド室町時代(集英社インターナショナル)

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    賠償なんかの法慣習とか神判の有効性とかアト・サキの概念とか古米の扱いとか犬食とかヒゲの意味とか物の怪に対するスタンスとか…話題はもう、多岐にわたる。
    夫々が「ああ、xx時代では…」「ソレは何処其処で…」と速攻で返してくるのが、本当に小気味良い〜

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    2019年01月06日
  • 謎の独立国家ソマリランド

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    ・ソマリ人と一緒にラリって仲良くなって彼らの懐に入り、ソマリ社会の掟や常識を聞き出す著者の情報屋としての能力。ソマリ人以上にソマリ人へ変貌。この人の自然体っぷりはとっても魅力的。

    ・著者は取材生活の中でソマリ語を独学で習得していきメキメキ上達し不自由なく会話している

    ・人の話をちゃんと聞かないうるさいソマリ人。そんな彼らを相手に、「ソマリ論(日本人が好きな日本論のようなもの)」の議論になって、ソマリ人のネイティブ相手に「教えてやろうか、ソマリの歴史ってのはなあ…」と知識で相手を打ち負かすくだりは圧巻で、なんか泣けてくるものがある。

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    2018年12月30日
  • 辺境の怪書、歴史の驚書、ハードボイルド読書合戦

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    ネタバレ

    日本中世の歴史家と辺境を旅するライター。
    セレクトはいかにも〜。政府とか国家とかじゃない歴史、民衆とか民族とか伝承とかの文化人類学寄りなヤツら。
    だけど、対話は期待したより、ずっとずっと面白い!飽く迄も課題本自体は話のキッカケ。両人の守備範囲が惜しげも無く披露されてる。しかしまあ、世の中には知らないことって一杯あるなあ。

    ナウマンゾウはナウマン博士が発見したから…って、知ってます?お雇いドイツ人だったそう。あと、伊達家の「三濁点」とか。

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    2018年12月11日
  • 辺境の怪書、歴史の驚書、ハードボイルド読書合戦

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    辺境作家の高野さんと、日本中世史研究者の清水さんによる、読書会対談。二人の対談はとても面白く、紹介されている本はどれも読んでみたくなります。対談中の用語の多くに脚注が付いているのですが、個人的にはところどころ脚注がツボにはまった。例えば「ピンポンダッシュ」に脚注が付いていたり。高野さんが「おわりに」に書いているのですが、辺境と歴史っていうのは、空間軸・時間軸として自分の立ち位置から離れたところを知ることで、逆に自分が今どこにいるのかを知るために重要な知識なんだということが分かった。それこそが教養。我々は何処から来て何処へ向かうのか、それを考えるために必要なことが教養なんだな。

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    2018年11月30日
  • 恋するソマリア

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     『謎の独立国家ソマリランド』の続編、ということになるだろうか。前作では手始めにソマリアの現状について書かれていたが、本書では更に踏み込んで著者の見たソマリア人ならではのものの考え方や文化について触れている。

     面白い点の一つとして、日本と比較したソマリの人々の気質に関する著者の解釈。国の気質、文化の違いがどうやって形成されてゆくのか、それを鏡として自分達のそれはどうやって形成されてゆくのかが見えてきて面白い。
    「――ソマリの知識人は、漱石や鷗外とは異なり「近代的自我」などには全然悩んでいない。――「イスラム教徒は自分がヨーロッパ人より上だと思っているところがあるからね」とのことだ。イスラム

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    2018年11月13日
  • 謎の独立国家ソマリランド

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    ソマリアという危険極まりない辺境の地で、奥深く完全に現地に溶け込んで取材したからこそ書ける圧倒的なリアリティのノンフィクション。
    普通に面白く読める。

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    2018年11月05日
  • 【電子特別カラー版】恋するソマリア

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    ネタバレ

    氏族が絶対であり、外に向けての愛想はふりまかず、北欧に行っても同胞だけの世界で過ごす。これだけ聞くと内向的な民族に見えるが、ところがどっこいそんな単純な話ではない。期せずして紛争に巻き込まれた体験記など重い話もあるが、いつも通り軽く笑わせる文体でとても読み応えあり。

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    2018年11月02日
  • 恋するソマリア

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    最近はクレイジージャーニーでおなじみ高野秀行氏の、『謎の独立国家ソマリランド』に続く第二弾。前作で色々とお世話になった、地元TV局のワイヤップやハムディも登場する珍道中である。

    今回も北部のソマリランドや南部ソマリアへ渡航しているのだが、前作とは違い一般の家庭を訪問したり、TV局の職員にソマリアの家庭料理を習うなど、高野氏のソマリア愛がどんどん深まって行く様子が非常に面白かった。

    ソマリアといえば戦争と海賊のイメージしかなかったが、このシリーズ作品のおかげですっかり身近な存在になってしまった、今後もぜひ定期的にレポートしていただきたい。

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    2018年10月30日
  • 移民の宴 日本に移り住んだ外国人の不思議な食生活

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    他国の人と関わる事がとても少なくなりました。世間的にはグローバル化が滅法進んでいますが、僕の生活ではより一層日本人としか接さないのであります。
    そういえば昔はバイト先に外国の方が沢山居たのでいじられたり、一緒にサッカーしたりで結構楽しかったし、友達の奥さんがフィリピン人だったので、友達のフィリピン人たちとみんなで海に行ったりしてとっても楽しかったです。誰も彼も心の垣根が異常に低いのですぐ仲良くなれたのが印象的でした。周囲の人間とと上手くやれなかった頃だったので、とても癒されたのを思い出します。
    食べ物は日本向けにアレンジされた物しか食べたことが無いので、きっと口に合わないんだろうなあと漠然と思

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    2018年10月29日
  • 【カラー版】未来国家ブータン

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    ブータン国民がなぜ世界一幸せなのか?
    それは、「ブータン方式」が機能しているからである。

    本書の中で触れられているブータン方式は、なかなか、いわゆる先進国と呼ばれる日本のような国では見られないシステムと感じる。
    病気一つ直すにも、患者に様々な選択肢が与えられており、病院に通うもホメオパシーのような医療を受けるも自由である。

    選ぶ自由があることによって、その選択肢が間違いだったとしても、自分で選んだのだからと自分を責める時もある。

    けれど、 ブータン方式は違う。


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    2018年09月30日
  • 恋するソマリア

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    読書の魅力のひとつというのが、様々な考え方の人間がいることを知ること、と思っているが、まさにこの本はその魅力を煌々と放っている。
    教科書的な異文化理解でなく、そこにいる人たちに密に関わり、筆者が学びながら綴ったこの本は、まさに異文化恋慕とでもいうべきものである。筆者の努力、苦心が感じられ、ソマリの日常に触れられたときには、その苦労が報われたな、と感動すら覚えた。そうして汗をかき、実際に体験しながら書かれた内容なので、生の感想が伝わってきて面白い。

    しかし、自分が行ってみるのはどうか?と言われれば、やはり怖いので遠慮させていただきたい(笑)

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    2018年08月27日
  • 辺境の怪書、歴史の驚書、ハードボイルド読書合戦

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    本書はノンフィクション作家の高野秀行氏と中世史家の清水克行氏の読書対談第2弾。高野氏は以前に「間違う力」を手に取って以来、気になる作家ではあったが、まさかこれほどの教養をお持ちになっているとは思わなかった。高野氏の場合は、(あくまで想像だが)経験が先行しその後に読書によって知識を得ることで教養を身に付けていったと思われ、その経験から得られた教養が見事に歴史の事実と一致していることは驚きの一言に尽きる。本書で紹介されている作品は、お二人の対談を読んでいると、本書で紹介されているどの作品も読んでみたくなるが、どれも読みごたえがあって尻込みしてしまう。まずは手軽な「世界史のなかの戦国日本」あたりを読

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    2018年08月13日
  • 幻獣ムベンベを追え

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    幻のムベンベを探して探検をする様子が事細かに書かれていて面白い。これがノンフィクションだというのが驚きだ

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    2018年08月11日