高野秀行のレビュー一覧
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ネタバレ本書の書評を見て読みたくなったため、前著の「謎のアジア納豆」を読み、ようやくアフリカ納豆に到達しました。足掛け7年の超大作。体当たり取材というか、納豆が好き、というだけでここまで情熱をかけられるのが凄い。
読書の醍醐味は、”追体験”であることを改めて感じた本です。
著者らしく、前半というか7割は取材した国々のルポ(タイトルとは唯一異なる国が韓国)で、後半の2割は、ちょっとだけ科学っぽい話、最後に文化人類学的考察に納豆が使われるというスタイルは前著と同じ流れ。
アジアの納豆民族は、すべて少数民族(マイノリティ)であり、内陸部の山岳地帯や盆地に住んでいることが多く、肉・魚介類、塩、油といった食材 -
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面白い。ノンフィクション作家の高野氏が世間に発見されかけている?
世界の辺境に赴き、現代日本とは異なる感覚で生きている彼らを紹介してきた高野氏と、室町時代の学者が話す事で生まれるケミストリーが凄い。
高野氏には前々から目をつけて、いつかもっと良い仕事をしてくれると思っていた。高野氏の性格なのだろう、本書でも語っているように難しく、固く文章を書かないのだ。しかしその文章やおふざけの中に深い洞察や見識も感じられており、いつか日の目を見るはずだと思って応援してきた。系譜としては近年ではその名は地に落ちたが本田勝一氏のような作家だと思っている。
室町時代を想像する際に現代の日本人から彼らの生活を -
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試し読み
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事実は小説よりも奇なり。
深夜のテンションで砂漠のフルマラソンに挑戦し、民族独立運動に思いを馳せる。謎のおじさんに優しくされ、男性と女性について考える。名前を変えるためにあらゆる手を尽くし、名前という制度に物申す。
表題作の「世にも奇妙なマラソン大会」は西サハラでおこなわれるマラソン大会。動きがない西サハラの難民問題をアピールするための大会である。そこにスペイン語が響く理由とは。砂漠なだけに蜃気楼のオアシスのようなマラソン大会の印象をもって終わるが、西サハラのことはしっかりと心に刻まれた。
著者の毎日は、出会いと発見の日々だが、それは著者がいわゆる辺境へ行くからではない。どこであっても、 -
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将棋ウォーズ初段です。
ほとんど既知で理解していた内容を復習の意味で読めたのは良かった。
「おすすめの棋書」の紹介と肝に銘じておきたいテクニック格言を列挙しておく。
「おすすめ棋書」
3手詰めハンドブック(浦野真彦著)
5手詰めハンドブック(浦野真彦著)
寄せの手筋200(金子タカシ著)
駒落ちのはなし(先崎学著、読み物として)
ホントに勝てる四間飛車(先崎学著)
上達するヒント(羽生善治著)
◆振り飛車(四間飛車);居飛車の7五歩の仕掛けには
①仕掛けの筋(歩がぶつかった筋)に飛車を動かす(5段目に相手の銀を出させない)
②6五歩で角筋開けて角交換(7七飛車で取る)
③角交換、そして飛 -
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ーーアウン・サン・スー・チーをどう思う?オレは、彼女が政権をとっても国を運営することはできないと思うんだけど。(p.140)
ーー民衆がスー・チー千姫を熱狂的に支持している理由は……彼女がアウン・サン家康の娘だからだ。……このように幕府対倒幕派は……「お家騒動」の側面もあるのだ。そして、そのいちばんの証拠は、スー・チー千姫が少数民族問題について、何一つ具体的な提案をしておらず、少数民族のリーダーたちとそのテーマで議論をすることすら拒んでいる現状だ。(p.66)
なるほどねー、と思った。
何の知識も先入観もなく(映画『ビルマの竪琴』を小学生の時に見たくらい)「なんかまたミャンマーがよくニュース -
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ネタバレ恋するソマリア
著者 高野秀行
集英社
2015年1月30日発行
早稲田大学探検部出身のノンフィクション作家、高野秀行氏のソマリアもの第二弾(たぶん)。探検家でノンフィクション作家の角幡唯介氏の、早大探検部先輩にもあたる人。
「アフリカの角」と言われるソマリアは1991年以降、無政府状態となって、海賊たちが通過する船を襲っているという印象がある。アメリカが介入しようとしたが、悲惨な戦いとなって撤退。その壮絶なる様子はリドリー・スコット監督の映画「ブラックホーク・ダウン」で観た人も少なくないだろう。
しかし、そんなソマリアは、実は今、実際には3分割されていて、そのうちの一つがソマリランドと -
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最近、高野さんの作品にハマっている。かなり遅いかもしれないが、「恋するソマリア」を初めて読んでから、その圧倒的な体験と描写のうまさ(臨場感というか自分も探検をしている気にさせてくれ、時にはハラハラし、時にはクスッと笑ってしまう)に惹かれて、同著者の作品(アヘン王国潜入紀、本作)を次々と読んでいるが、どれもぶったまげる内容ばかりだ。非現実的すぎて、ノンフィクションでありながら、一種の「冒険小説」のような楽しみがある。一生に一度こういう冒険をしてみたいと夢想してしまう。
実際は過酷な探検の日々だと思うが、それを感じさせない楽しそうな描写がそう思わせてくれるのかもしれない。
とにかくものすごくおすす -
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高野秀行さんはノンフィクションの中で一番好きな作家です。面白い上に見た事の無い世界を見せてくれるというスペシャルな存在です。
しかし本が出ている事に気が付かず、半年余り知らずに過ごしてしまい本当に悔しかったです。
今回はアジア納豆の続編で今回はアフリカと韓国です。
韓国は想像しやすいけれど、アフリカあ?と思いましたが、アフリカは一大納豆王国であることが分かりました。しかも大豆だけではなくパルキアという豆や、ハイビスカスの種、バオバブの種等色々な豆で納豆を作るんです。これ想像もしていなかったので本当に衝撃でした。
昔からTVで他国の人々に納豆食べさせて喜んでいる番組よくありましたが、恥ずかしいの