高野秀行のレビュー一覧

  • メソポタミアのボート三人男

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    ネタバレ

    メソポタミアという壮大な歴史を持つ土地を、実際にボートで川を下りながら旅する。その臨場感が、本書の何よりの魅力だった。水の流れに身を任せ、刻々と変わる両岸の景色を眺め、ときには予想もしなかった出来事に巻き込まれる。陸路を移動する旅とはまったく違う、川の上だからこそ味わえる不安や高揚感が、ページをめくるたびに伝わってくる。読んでいるこちらまでボートに同乗し、一緒に川を下っているような気分になった。

    そして、「川から世界を見る」という視点も実に新鮮だった。人々が暮らす町や村を陸側から訪れるのではなく、古くから人や文明をつないできた川をたどることで、土地の歴史や人々の生活がこれまでとは違った角度か

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    2026年09月05日
  • ワセダ三畳青春記

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    早稲田の正門から徒歩たったの5分。路地裏にひっそりと佇む野々村荘、3畳一間、一万二千円。脅威的なやすさ。学生7年目みたいな変態が多い早稲田ながら、思い出すのは8年生のあと再び入学した問題を起こした彼だろう。天才と変人は紙一重であることもまた真なり。これを早稲田は日常として受け入れている。ここが東大、京大、慶応にはない部分であり、なくても全く問題ないと思われている部分であろう。
    探検部の所属、数々の無謀かつ行ったことないところにいく、面白いサークルがあるものだが、そこの部員たるや変人集団。まともな会社に就職して云々、ということに興味ある人はいない。本書の執筆者も、クレイジーな生活を振り返り、やっ

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    2026年09月04日
  • 幻のアフリカ納豆を追え!―そして現れた〈サピエンス納豆〉―(新潮文庫)

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    アフリカの冒険は面白い。
    砂漠とジャングルの狭間は納豆とボコ・ハラムらイスラム過激派が絡む混沌地帯であり、そこに飛び込めるのは辺境探検家の高野秀行ならではだ。
    ブルキナファソの案内人アブドゥルが「クルマ ボロボロ」と日本語で言うのは吹き出したし、ヘラヘラしながら読んでるとナイジェリアの断食する女性に胸にぽっかりと穴が空いたような気分になる。笑いとシリアスの同居はさすがとしか言えない。
    韓国編もDMZや田舎の度を越した廃れ具合が非常に興味深かった。
    全体を通して言えば、テキトーな葉っぱで納豆がボコボコ出来上がる前作の感動には及ばないかな。
    チョングッチャンを食べてみたいけど、どこの韓国料理屋も置

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    2026年09月03日
  • メソポタミアのボート三人男

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    アナクロ、アナログ、アナーキーの3拍子揃ったトリアーナの2人が、現地ガイド(こちらは陸路を車で追っかけてくれる)とともに3人でティグリス=ユーフラテス源流部をパックラフト航行で川下りをする本。1人は山田隊長 (山田高司 1958年生まれ 当時59歳)。1人は筆者。
    いつも、人が絶対に行かないような場所に行ってルポにまとめてくれる高野さん。今回もびっくりするような旅でした。
    トルコなのだが、クルド語を話すクルド人(クルド良く聞くけど始めて意味を持つ言葉になりました)。イスラム圏なのに女の人が自由にしているエリアもあった。そのアレヴィーはアニミズム(水天地日月)崇拝のような宗教。良くイスラムの中に

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    2026年08月15日
  • 謎のアジア納豆―そして帰ってきた〈日本納豆〉―(新潮文庫)

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    昔のやばいところへ冒険した記録も面白かったが、随所に歴史や文化人類学系の小ネタが挟まれていて、食べ物だけの話に終わらない、この類の本もめっちゃ面白い。

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    2026年08月11日
  • メソポタミアのボート三人男

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    高野秀行さんの おかげで
    地球には こんなところが あるんや
    あのあたりには こんな人たちが 
    暮らして いるんや
    を 追体験させてもらえる

    snsでは 絶対に知ることのできない
    その場に身を置かなければ、
    その場に暮らす人たちと出会 ったからこそ,
    語ることのできる
    ほんまもんの暮らしが
    ここにある

    人は頭も使うけれども
    手や足や身体全部を使って
    生きているのや、
    人類はまだまだ進化の途中や、

    と 高野秀行さんの本を読むたびに
    思わせてもらえる




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    2026年08月09日
  • ワセダ三畳青春記

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    ネタバレ

    面白すぎる!
    何回声出して笑ったか……
    サボテン買いに行って店員さんに見抜かれてるとことか、チョウセンアサガオの記録とかヤバかったなー。
    最後の奥さんとの馴れ初め?も素敵だったな。これは再読しないといけない。
    納豆のやつの文庫が出た!買わなきゃ。
    じゃあ水滸伝とかはまだまだ何年も後だな、単行本買いたい、とにかくこの本はめちゃ面白い(笑)

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    2026年08月07日
  • メソポタミアのボート三人男

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    今作では隊長の活躍が目立った。
    ダジャレを言いつつも、ハッとするような発言が多く勉強になった。味のある挿し絵がこれまでより多いのも良かった。
    場所柄センシティブな問題もあるけども、旅する二人のやりとりにニヤニヤし、シティボーイでディープグルメの案内役レザンのポンコツぶりに苦笑した。
    ハーブがたっぷり入った自家製チーズを食べてみたい。

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    2026年08月05日
  • メソポタミアのボート三人男

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    いつも楽しみにしている高野さんの本。
    今回もすごく面白かった。
    話の中心は旅先で出会う様々なクルドの人々。
    読んでみるまでメソポタミアとクルド人が全然結びついてなかった。
    クルド人といっても住む国、宗教、支持政党など様々に違っており、考え方や生活スタイル、言語なども一様ではないことを知った。
    川を旅して、キャンプをはって、その土地に暮らす人と触れ合うことで、心からその土地と人をわかろうとする筆者の姿勢は素晴らしいといつも思う。
    どうしても日本では問題ばかりがクローズアップされてしまうが、メソポタミアの地で日々暮らすクルドの人との交流を書いた、希少な本だと思う。

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    2026年08月03日
  • 謎の独立国家ソマリランド

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    ネタバレ

    ノンフィクション作家である高野秀行さんが謎の国家に潜入取材を行った記録を書いたこの本。高野さんは、とある番組で知っていたが初めて著作を読ませていただいた。ソマリランドという国を知ったのはいつであったか、携帯で時間つぶしにWiKiでソマリアのことを調べたのが切っ掛けであった。ソマリア海賊の話などをニュースで聞き、物騒な国なのだと思っていたが本を読んでその民主的な先進性に驚かされる。願わくばこの国家が大国の思惑に左右されることなくその彼らなりの平和を享受してほしいものである。本一つで大陸の謎国家に旅させてくれた高野氏に感謝したい。しかし、カートを噛んでみたいと感じてしまったのは内緒である。

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    2026年08月02日
  • 酒を主食とする人々

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    高野さんの本は本当にハズレがない!その地の文化の話も高野さんの体験話も面白いが、文化への考察もあって単なる体験談に終わらない。

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    2026年08月01日
  • メソポタミアのボート三人男

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    おじさん二人が地元と触れ合いながらメソポタミアの川を旅するドキュメント。

    様々なトラブルがあったり、クルド文化について教えてくれたりするけれど、一番印象に残ったのは食事。子羊のリブに米や野菜を詰めたカブルガを東京の十条のレストランで再現してもらうシーンには涎涎

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    2026年07月30日
  • アジア新聞屋台村

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    ワセダの三畳間で燻っていた若者が、ひょんなことからアジア系新聞社に関わり、多国籍な仲間たちと新聞作りに振り回されていく自伝的ノンフィクションです。
    読んでいてまず感じたのは、“昔のアジア雑居ビルみたいな熱気”でした。台湾人社長、中国人編集者、タイ人記者、怪しいブローカーみたいな人物まで入り乱れていて、新聞社なのにどこか屋台街みたいな胡散臭さがあります。
    特に印象に残るのは、みんな理想や夢を語るのに、現実はかなり適当で泥臭いところでした。
    原稿は飛ぶし、金もないし、トラブルも絶えない。それでも、不思議と前へ進んでしまう勢いがあり、90年代アジアの雑多なエネルギーがそのまま閉じ込められている感じが

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    2026年07月30日
  • メソポタミアのボート三人男

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    プレートが移動して、大陸にぶつかる。大地が隆起して、山になる。風が当たって、雨が降る。水が流れて、実りがある。人が暮らして、社会ができる。2つの川に挟まれた最古の文明。…空気を入れて水に浮かべる。船の種類は「パックラフト」。下っていけば、出会いがある、村に暮らす人々と。お邪魔して、ご馳走され、もてなされて。計画通りとはいかず、順風満帆ではない旅。行き当たり、ばったりしても、面白おかしく話を伝える。衝突を避け、向きを変え、万物を利して、最も低いところを行く。数値にせず、時代を錯誤し、見放された自由を楽しむ。

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    2026年07月29日
  • あのとき死なずにすんだ理由 あの日、あのとき、あの場所で感じた理解不能な恐怖

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    作家たちが日常で経験した不思議な話を集めたアンソロジーなので、もちろん面白さにムラがある。雨宮淳司は本当につまらないというか下品で受け付けないけど、それを払拭するほど平山夢明の作品が怖かった

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    2026年07月23日
  • 世にも奇妙なマラソン大会

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    世にも奇妙なマラソン大会の舞台西サハラの情報は映画シラートも合わせて観ると砂漠の情景や政情がわかると思う(本著とは時代背景が違うと思うが)

    同性愛の話、改名の話、怪談話もあり楽しい1冊。


    怪談を期待してないのに怪談にでくわすと嬉しい。


    謎のペルシア商人の正体ってわかったのかな。気になる。有識者教えて下さい。

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    2026年07月20日
  • アジア未知動物紀行 ベトナム・奄美・アフガニスタン

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    当たり前であるが、UMAは発見された途端にUMAではなくなる。UMAには2タイプある。本当に存在するのに発見されないもしくは絶滅してるタイプとそもそも現地の人の心にしか存在しないタイプ。前者はかつてはUMAだったゴリラやオカピなど。後者は永遠にUMAである。

    高野作品の未知動物は圧倒的に後者である。にもかかわらず、著者は発見したい気持ちを持って現地に挑む。そこが読み手をワクワクさせる。そしてだんだんと、なぜそのような未知な動物がいると現地の人が信じているのかに興味が湧いてくる。

    読み終わって感想を書こうとして、著者のあとがきを読むとここで書こうと思ったことと同じようなことが書いてあって、手

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    2026年07月18日
  • メソポタミアのボート三人男

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    とても興味深い川旅だった。オスマン帝国のイメージが強かったトルコだけど、それ以外の歴史や文化、自然そしてクルド人のこともいろいろ勉強になった。

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    2026年07月06日
  • 三大陸周遊記

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    北アフリカから中国まで、3大陸にまたがる大冒険をしたイスラム教徒イブンバットゥータさんの冒険記。中世イスラム世界が豊かに描かれていて、旅行記としてシンプルに面白い。14Cの内容であるが、違和感少なく、読み進めることができる。

    現代日本とかけ離れた世界であるから、風俗や生活などの描写はすべて刺激的で面白いのであるが、特にインドでの話が強烈である。「黄金と死の都」と小題が書かれているように、金銀財宝の山と死体の山が隣り合わせの世界であり、とくに残虐さが度を過ぎている。笑える内容では全くないのだが、あまりにもイカレすぎてて、笑ってしまう。
    「インドのスルターンは、・・・謙遜、公平であり、貧民を憐れ

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    2026年06月21日
  • 【カラー版】アヘン王国潜入記

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    ケシの花畑の中で銃を手に持ち満面の笑みを見せる若い兵士たち。
    突っ込みどころ満載の表紙である。
    「アヘン王国」「潜入記」。
    突っ込みどころ満載のタイトルである。
    さすが高野秀行。

    ミャンマーの北部、中国雲南省と国境を接する山岳地に、アヘンを主力産業とする小さな州がある。
    王国では、ない。
    そこに、ビルマ国籍を持つ者として中国から国境を越えて潜り込む。
    潜入だ。

    文字を持たず、ラジオ局も持たないワ州の人たち(ワ人)は、自分たちの住む部落周辺が世界のすべてであるという。
    多数民族国家であるミャンマーは、ビルマ人以外の主要少数民族だけでも20以上あり、細かく分類すると120以上にも分けられるらし

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    2026年06月15日