高野秀行のレビュー一覧
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タイトルを見て、面白そう!と手に取った本。
あのクレイジージャーニーの取材を元にしているそう。
筆者が酒飲み民族との出会いを求めて、エチオピアのコンソとデラシャという村を訪れたときの記録。
酒が主食⁈と驚くが、生まれたときからそういう環境で育つっていうのはそういうことなんだろうな、と人間の不思議を感じる。
一種の酒だけで生きていけるの?って思うけど体格などにも問題ないとのこと。
栄養バランスとか気にしてめっちゃ多種多様な食材や料理を口にしている我々だって、逆の視点から言えば不思議なのかもしれない…。
酒以外にも、未知の世界の話は面白かった。
劇団デラシャにフェイク家族、思わず笑ってしまう。 -
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高野秀行さんて、「誰も行ったことのないところに行く」とか言ってるし、めちゃくちゃ破天荒な人なんだろうな、と、はじめの頃は思っていたし、実際、到底真似できないことばかりなさっているのでこれから述べる感覚はおかしいかもしれないのだが、読めば読むほど妙に親近感が湧いてくるのだ。これももしかして、異世界の人だと思ってたら案外話していることがわかって嬉しくなる、という「人間みな同じ」経験なのだろうか。同時代に生きる日本人の書いたもので、「驚き」と「共感」の両方がこんなに高いレベルで、一切のストレスなく得られるって、すごいことだ。
『アジア新聞屋台村』と読けて読んだので、“高野さん青春記”をさらに見せ -
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ネタバレエチオピアの奥地、酒を主食とする民族を求めて調査に向かった話。
テレビでは見れない民族ツアーの裏側の生々しいリアルな話がてんこ盛りで面白い。
小さい頃から酒を飲んでいて、毎日浴びるように飲んでるが健康。むしろ日本人より健康のようにも見え、現代医学の」酒の飲み過ぎは不健康」を根底から覆す。
文明が遅れているのではなく、彼らなりの進化をしている。我々が進んでいる文明、技術が果たして適切な方向性なのかを改めて考えさせられた。
あまりこういう体験記は読まないが、自分がおそらく一生体験しないことを本を通して感じれるのは本当に素晴らしいと思いますね。 -
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ネタバレ三宅香帆さんがおすすめしてたので
- 書き出しが素晴らしい
空港から話が始まる旅行記にはろくなものがない。成田であっても目的地の国の空港であってもーーというのが私の持論なのだが、この旅行記は私が成田空港へ向かうところから始まる。ろくな旅行記でないことがこのことからもすぐわかる。
- エチオピアのビザがないと飛行機に搭乗できない。。。1週間遅れての出発となる。
- 旅のきっかけは砂野唯著『酒を食べる エチオピア・デラシャを事例として』
- エチオピア南部のデラシャという民族は栄養の大部分をパルショータと呼ばれる酒から得ているというのだ。パルショータはイネ科モロコシ属のソルガムという -
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高野秀行のバカUMA本としてはやや地味。『酒を主食とする人々』の番組作りと同様、TK調査や日程のタイトさといった煩わしい要素が足かせになって、本領発揮できてない感が否めない。
ブータン紹介本としては素晴らしい。
なぜ中国とインドに挟まれて伝統的な国家を守ることができているのか解き明かしている。後進国だからこそ先進国のニの轍を踏まないという無敵の国家運営をしている。
そんなブータンがインドと鉄道を結ぶというニュースが今日出た。ニムラとパートナーを結んだように、実利があるビジネスチャンスは決して逃さないのが実にブータンらしく思えた。(工事費は全てインド持ちのようだ) -
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この本のおかげで、私は家にいながら、イラク特にアフワールを旅することが出来た。語学の天才まで〜が面白かったので、こちらも読んでみたが、こちらも負けず劣らず異世界タイムスリップをさせてくれた。
読み進めると、ブリコラージュという手法だったり、アーティストの山口晃さん登場だったり、万城目学のヒトコブラクダ層ぜっとを彷彿とさせる遺跡だったり、今まで私が血肉にしてきたキーワードが出てくる、出てくる。分かるよ!知ってるよ!のオンパレード。「あー、この本は、今、出会うべくして出会ったんだなぁ」とご縁を感じてしまった。
楽しい内容だけでなく、学びもあった。
アフワールの婚姻関係についてである。13才で結 -
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高野先生のソマリア2冊目。
相変わらずの先生のソマリア愛を感じます。
ただ前作の明るさが少し鳴りを顰めた感じがします。高野先生の筆才とは別の話ですがソマリアの状況も刻一刻と変わりますからね。ソマリアを愛していて状況もわかってきた先生だからこそ書ける世界なのかもしれません。
そして先日万博に行ってきたのでソマリアも覗いてきましたが、特産物とパネル、以上!みたいな感じの展示でした。当然3つに分かれてるとかそんなことは微塵にも感じさせず。。たぶん南部ソマリアが持ってきた展示物なんだとは思いますが。当然といえば当然なんですが、そんな状況が少し残念さを感じました。 -
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私も今英語が通じない国への旅行を計画していて、少しでも深く現地を知るために新たな言語を学び始めたところだったので、目的があれば頑張れるというのは私も全く同じだし、目的がなければ頑張れないというのも本当にその通りだ。
作者の勉強法はだれにでも真似できるものではないけれど、ネイティブが書いた文をとにかく読むというのは有効そうだと思った。そして、伝えたいことがあれば語学は上達する。
現代では英語が話せれば最低限旅行はできるけれど、作者のように現地の人々や文化を深く理解したり、英語が全く通じない場所で暮らしていけたりはしない。
情報を伝達するという目的のための語学は今後必要なくなるかもしれないが、 -
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言語にまつわる国民性(民族性?)や社会がよく分かり、世界の広さを感じさせる一冊。
近年、ICTの発展が著しく、中には「語学を学ぶ必要なんてない」という人がいる中で、語学を学ぶ必要性をこの本を読んで改めて感じた。
私はどこか、言語を目的として勉強してしまっているところがあったが、あくまでもコミュニケーション手段であり目的ではないことを思い出させてもらった。
筆者曰く言語には2面性があり「情報を伝える側面」と「親しくなる側面」がある。この本では言語の「親しくなる側面」について、筆者の突拍子もない体験談から学ぶことができた。
言語や人間に興味のある人はぜひ読んでみてほしい。
自分の中の好奇心を奮 -
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比較的長い間、海外生活をしていた事もあるのだが、基本的に外国語を覚えるのは得意ではない。根気強く暗記したり、思い切って人に話しかけて実地で修正しながら覚えていくという事も、性格的にあっていないのだと思う。
だから、著者の〝修正しながら会得する“方法、飛び込めば何とかなる的な方法が取れる人は羨ましい。だったら自分には関係ないなと思いながら読んでいたが、実際には、ノートにメモを取り法則を見抜いたり、テープ録音して聞き直したりと、その陰に多大な努力があったわけだ。それを表立って見せず、面白おかしく紹介するのは著者の話術だろう。なんだか、色々、反省する。
本書はこうした語学習得のノウハウ本でもある