高野秀行のレビュー一覧
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当たり前であるが、UMAは発見された途端にUMAではなくなる。UMAには2タイプある。本当に存在するのに発見されないもしくは絶滅してるタイプとそもそも現地の人の心にしか存在しないタイプ。前者はかつてはUMAだったゴリラやオカピなど。後者は永遠にUMAである。
高野作品の未知動物は圧倒的に後者である。にもかかわらず、著者は発見したい気持ちを持って現地に挑む。そこが読み手をワクワクさせる。そしてだんだんと、なぜそのような未知な動物がいると現地の人が信じているのかに興味が湧いてくる。
読み終わって感想を書こうとして、著者のあとがきを読むとここで書こうと思ったことと同じようなことが書いてあって、手が止まる。(^^;;
が、そのまま書いた。 -
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北アフリカから中国まで、3大陸にまたがる大冒険をしたイスラム教徒イブンバットゥータさんの冒険記。中世イスラム世界が豊かに描かれていて、旅行記としてシンプルに面白い。14Cの内容であるが、違和感少なく、読み進めることができる。
現代日本とかけ離れた世界であるから、風俗や生活などの描写はすべて刺激的で面白いのであるが、特にインドでの話が強烈である。「黄金と死の都」と小題が書かれているように、金銀財宝の山と死体の山が隣り合わせの世界であり、とくに残虐さが度を過ぎている。笑える内容では全くないのだが、あまりにもイカレすぎてて、笑ってしまう。
「インドのスルターンは、・・・謙遜、公平であり、貧民を憐れみ、底なしの太っ腹を示しながら、人の血を流すことが何よりも好きである。王宮の門前に殺された人々の横たわっていないことは、まず珍しい。わたくしは、その門前で人を殺し、その屍をさらすさまをいやという程見せられた。ある日、参内しようとすると、わたくしの馬が怯えた。前方を見ると地上に白い塊があった。「何か。あれは」というと、同行の者が「人間の胴体です。三枚に切ってあります。」と答えた。」
「わたくしは、ある大きな学院に宿り、その屋上で眠ったが、深夜、ふと目覚めると、あちこちに人間の皮がぶら下がっているのが見える。」
インド編はずっとこんな調子。バットゥータさんも、これにはさすがに、嫌気がさしたり、落馬しそうなほど驚いたりしている。 -
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ケシの花畑の中で銃を手に持ち満面の笑みを見せる若い兵士たち。
突っ込みどころ満載の表紙である。
「アヘン王国」「潜入記」。
突っ込みどころ満載のタイトルである。
さすが高野秀行。
ミャンマーの北部、中国雲南省と国境を接する山岳地に、アヘンを主力産業とする小さな州がある。
王国では、ない。
そこに、ビルマ国籍を持つ者として中国から国境を越えて潜り込む。
潜入だ。
文字を持たず、ラジオ局も持たないワ州の人たち(ワ人)は、自分たちの住む部落周辺が世界のすべてであるという。
多数民族国家であるミャンマーは、ビルマ人以外の主要少数民族だけでも20以上あり、細かく分類すると120以上にも分けられるらしい。
ビルマ語を知らず、ビルマ人など見たこともないようなワ人ばかりの集落で、著者は7ヵ月を過ごす。
多少の貧富の差はあっても、基本的に自分たちの身の回りにあるもので生活していく暮らし。
特別の宗教はないが、祖先の霊を祀り、年長者を大切にする暮らしは、昔の日本の田舎と同じなのではないか。
にほんでも、昔はたばこ農家があったように、ワ州でアヘンを作っているのは、ただ需要があるからに過ぎないのではないか。
著者はアヘンをそのまま産業にするのではなく、アヘンからモルヒネを精製して主力産業とするよう提言したが、まず「モルヒネ」が伝わらない。
「モルヒネ」の説明のため、「ガン」の患者の苦痛を除去する…というと「ガン」とは何か?と聞かれる。
それでも中国語の文章で提言書を作って提出したが、ミャンマーの政府軍、巨大反政府ゲリラ軍、中国軍、アメリカ政府などの政治的駆け引きの中で、それはどこかに消えてしまった。
今、かの地では、日本の支援によりそばが栽培されているらしい。
言葉もわからず、生活習慣も全くわからないまま潜入した著者は、そこでケシの種をまき、畑の雑草をむしり、ケシの実からアヘンの汁を取る体験をする。
さらには、村人たちと酒を酌み交わし、マラリヤに罹り、シラミに集られ、アヘン中毒にもなる。
頭が良くてアクティブでアホな高野秀行が満喫できる、これは著者の背骨といっていい好著だ。 -
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ミャンマー北部で政府から事実上独立しているワ州の村に半年以上滞在したルポ。
ケシ栽培の作業に参加し、体調不良になったことをきっかけに自らも生アヘンの虜になったという、身を挺した一作。
といってもこれは20世紀末の、「ゴールデントライアングル」という語が生々しかった頃の作品である。
いまでは情勢は大きく変わっており、過去の出来事である。
それでも「ゴールデントライアングル」最盛期(末期)の実情を伝えるもので、歴史的な意義が生まれているようにも見える。
高野氏の他の作品(といっても私が読んだのは一部だが)と比べると真面目である。
真面目というか、「個人的な体験記」にとどまらず「客観的なレポート」であろうともしているような印象。
ワ州に行くために多くの人々の世話になったという恩義もあるだろうし、現に滞在を認めてくれたトップが後に暗殺されたということもあるだろう。
彼らに託された「ワ州の立場を説明してほしい」という望みに応えているということもあるし、他に類書が少ないことからくる使命感もあったのかもしれない。 -
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ネタバレエチオピア南部のデラシャなる民族は子供も大人もパルショータという酒を食事にして暮らしている…という学術書を読んで衝撃を受けた著者が、テレビ企画で念願かなって2023年に現地を訪問したときの旅行記である。
エチオピアといえばインジェラ、私もインジェラとワットなどを中心としたエチオピアの食生活を研究した本は読んだことがあったが、インジェラを食べずお酒だけをメインに暮らしている民族がいるなんて全然知らなかった。
本当に老若男女、妊婦まで一日中酒を飲んで暮らしているというのはびっくりしたが彼らが全く健康であるというのにはさらに驚く。彼らの作る酒が特別身体にいいのかもしれないが、アルコール生活に適応できる人類が存在する!という事実が常識を強烈に揺さぶってくる。
旅行記はヤギの糞が転がってくる寝床で寝たりとか、強烈な体調不良、身体中あらゆる虫にたかられたり外国人をだます原始的「ヤラセ」生活を見せられたりというトラブルの連続。いくら積まれても絶対現地には行きたくないと思ったが、読んでいるぶんにはめちゃくちゃ面白い(笑)。
チャガやパルショータというどぶろく的な酒は一度飲んでみたいと感じた。お酒は普段飲まないけど、酒粕ドロドロにした甘酒が好きで飲むから似たような感じなのかなという漠然とした期待感がある。はじめは酸っぱいらしいけど…どんな味なんだろうな。 -
世界の納豆をめぐる探検
- カート
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試し読み
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ちょっとまだ入り口の初(はじ)めにを読み返してる程度なので…魔(or真)に亨けないで欲しいのですが…では…まず…梁山泊の発想が笑えました。
って推論(すいろん*1)の方で…北宋末期に居た憂士達を例えてますけども…あの人達歴史的な事件に関与した人達ですよ。
*1‥それは…(漢歴は…)年数は不詳ですが、歴史的な事件とは…靖康の変*2です。
*2‥この 変は、金が(後にリベンジを喰らう、ホンタイジ家の主人と譲らなかった)遼を攻撃する際に北宋との挟撃を約束も…梁山泊の対応を理由に遅延した事態(こと)で…此人(かれら‥梁山泊の志士たち)を北宋の先見どころか委任隊として送られ…金側の不興感を察して謝罪するも…誠意を求められてその怒りから…汴(べん、今の開封*3)への手引きをした人達だと言われてます*4。
*3‥開封は明代以降に土地名を変えられたらしく、*4此人が…日中戦争が起こるまでの間…漢奸に例えられたと言われれています。