高野秀行のレビュー一覧

  • 酒を主食とする人々

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    期待していた以上に面白かった。
    面白かったというのは、酒を主食とする人々、が面白いというのもあるが、高野先生が面白い。

    面白いことをするわけでも面白いことを言うわけでもないのだが、淡々とした文章が、裏表ないシロウトっぽさがくすぐられるように面白い。

    本当に酒を主食にしている民族があるんや。
    もちろん酒には栄養もカロリーもある。ビールがそもそも、ピラミッド建設に従事する労働者の健康維持のために配られたことを考えても間違いない。
    しかし、アルコールは脳に直接影響を及ぼすことを考えたり、中毒性があることを勘案したら相当信じがたい。なんせ、水の代わりにワインを飲み続けるフランスでも、大人になって交

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    2025年08月02日
  • 世界の納豆をめぐる探検

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    納豆が好きで気になった1冊。
    そしたら、『イスラム飲酒紀行』が面白くて
    気になり出した高野さんの作品だった。
    まさか!!!
    たくさんのふしぎで出会えるとは…!

    アジアのみならず、アフリカでも納豆に
    出会えるとは思っていなかった。

    そして、どれも日本の納豆菌と
    同じような納豆菌とのこと。

    魅力的すぎた。

    あと、イラストの中にナチュラルに写真が
    使われていて、クスッとさせてもらった。

    納豆についての熱量もすごかったから、
    高野さんが書いた他の納豆作品も読みたい。

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    2025年07月25日
  • 酒を主食とする人々

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    世界はのぺっとした特徴のない顔になってしまった。西洋人の勤勉さのおかげである。かの勤勉さには他に対するリスペクトなんかは微塵もないので彼らは迷いもなく徹底的に平坦化していく。幸いなことに彼らの目を逃れたところでは実に多彩な特徴を持った顔を窺い知ることができる。

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    2025年07月19日
  • 腰痛探検家

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    一定年齢以上の多くの人の悩みでありながら、意外と気にせず生きてる人も多い腰痛
    著述のネタを確保する意識が却って仇となり腰痛世界で遭難させる結果になったように思える

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    2025年07月18日
  • 【カラー版】アヘン王国潜入記

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    凄い本ですね。
    あとがきに書いてある「善悪の彼岸」、説明は出来ないけどなんとなく分かる気がします。本当に誰もやらない事をする。
    でも出版社に持っていくと「それ日本人に関係ある?」だって!
    関係無いから面白いんよ!と思ってしまった。次の本が楽しみ。

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    2025年07月16日
  • 幻獣ムベンベを追え

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    探検部ってどんなことしてるんだろう?と学生時代思っていた(なんとなく近寄りがたかった)んだけど、こんなことをしていたのか笑

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    2025年07月05日
  • 恋するソマリア

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    ソマリランドに片思いする高野さんの記録。自分も仕事柄あちこちに行くので、時どきある土地に惹き込まれまるという体験はするけど、本を何冊も書けちゃう高野さんの熱量ってすごいなぁ。片思いパワー笑

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    2025年07月05日
  • 酒を主食とする人々

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    酒を主食とする、というタイトルで好奇心が湧くなら読んでみて欲しい。
    朝からアルコールは飲んでるけども先進国でありがちなファストフード中心とかよりはよほど健康的にみえる人たちが出てきて、食の正解って何だろうかと考える機会にはなる。

    とりあえずチャガ、パルショータ飲んでみたい。カートも噛んでみたい。

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    2025年07月04日
  • 語学の天才まで1億光年(集英社インターナショナル)

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    「イラク水滸伝」で高野先生のファンになったので何か別の著書を読んでみたいと、こちらで検索してたどりつきました。星の数の多いもの…くらいのチェックで選んだので旅行記的なものかと思ってたのですが語学に特化したものなんですね。確かにタイトルに「語学」ってついてましたね。でも、とても面白かったです。

    本作は先生がいろいろな語学を学ばれる話ですが、読んでいたら自分が大学でイタリア語を学んだ時のことを思い出しました。自分はイタリアが好きでイタリアに行ったらイタリア語で話したい!と当時思ってて、大学の講義にイタリア語があるのを見つけてラッキー!とばかりに履修したところ、授業に出て気づいたのですが先生がネイ

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    2025年07月01日
  • 怪しいシンドバッド

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    中国最強!
    トイレ事情を読んでいると、私には無理だなと思ってしまう。
    またまた面白い。次はアヘン王国楽しみ。

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    2025年06月30日
  • 語学の天才まで1億光年(集英社インターナショナル)

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    結構前に読んだ。読書メモだけ残してたので、感想として投稿。

    まず初っ端に、インドで身ぐるみ剥がされる話。実はマザー・テレサに出会っていたのにただのおばあさんだと思っていた話。十分すぎるツカミなのにほんの序の口だった。それもそのはずで、この本は語学をキーに集められた、一つひとつが濃い内容の辺境旅をギュッと圧縮したものだ。そう言えば、インド英語ってなんか勢いが良くて好き。

    著者の語学習得への取り組みは、まずは自宅近くでネイティブを探すことから始まる。彼(or彼女)が先生として優秀かどうかは関係ない。ダメ教師でもとにかく会話を録音して復習しまくる。

    たしかにこれは良い。私も自分と先生の会話を録

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    2025年06月29日
  • 【電子特別カラー版】恋するソマリア

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    めっちゃ面白かった。。。フィクションみたいなノンフィクション。異世界ファンタジーかと思ったらすごい現実。

    前作からの登場人物も元気に過ごしてるし、タカノがどんどんソマリ社会に馴染んで居場所が出来ているので安心感ある。しかし、ソマリ人は超速で走るライオンの群れとはまさにそんな感じ。日本人にはきっつい。裏切られたような気分に何回囚われて、一瞬の気持ちが通じた瞬間の天国がクセになる。柔らかめのDVやん。

    ラストの銃撃にショックを受けたけど、それまでは恐怖の大魔王(やばめの便秘)が一番恐ろしい存在に見えてたから、それもすごい。

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    2025年06月28日
  • 酒を主食とする人々

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    「誰も行かないところへ行き、誰もやらないことをし、誰も書かない本を書く」高野秀行さんの新作ノンフィクションルポ。
    今回の訪問国は「アフリカの京都」ことエチオピア。他のアフリカ諸国とは異なる伝統と文化を持つという。特に南部エチオピアは、ユニークな民族がひしめく秘境。今回、「酒を主食とする民族」は実在するのか?をテーマに取材。いつものように高野さん単独取材ではなく、TV(クレイジージャーニー)取材班も同行。それが故にすったもんだのトラブルが発生してしまうのだが、詳細は読んでからのお楽しみ。ギャラ事情にも驚いた…。高野さんをますますリスペクト。

    高野さんが行く所って、自分では絶対に行かない行けない

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    2025年06月28日
  • 異国トーキョー漂流記

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    20代〜30代前半の高野秀行作品は恋やら愛やらが出てきて趣が違う。ゲラゲラとバカ笑いさせられる中でもちょっと泣けたりする。スペイン語教師の話はムズムズする内容だった。笑
    外国人に積極的に関わることでどれだけの人が救われてきたのか。差別や分断に対抗する人の優しさが身に沁みる。
    特にイラク人との話では交流の中で「もうこれ以上立ち入れない」という局面に至る。彼の様子からイラク社会が恐怖に満ちていたことが見て取れる。国際的な問題の困難さに打ちひしがれる場面だ。
    それでも、次の盲目のスーダン人とプロ野球を見る話では、高野秀行の優しさが彼を助けている。世界平和を実現するためにはこれしかないのだ。

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    2025年06月15日
  • 酒を主食とする人々

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    とても興味深い。だけど、テレビ局との取材ということで、なんだかいろんなことがスムーズですね。いや、『デラシャ劇場』とか『虫問題』とか『インジェラアレルギー?』とかはありつつも、いつもの高野さんの旅がバックパッカー自由旅だとしたら、今回のは豪華ツアーだな、と。
    それでも、高野さんの視点はおもしろい。お酒飲んでばかりなのに(笑)ちゃんと人間関係とかお酒の作り方とか原材料の育て方と貯蔵のしかたとか、それぞれの土地のお酒の味の違いとか、飲むとき食べるときの作法とか、よくたった二週間でこれだけ見て聞いてできるものだなぁと思う。誰でも行ってみたらわかるってもんでもないから、やっぱりすごい。

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    2025年06月14日
  • 【カラー版】アヘン王国潜入記

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    牧歌的な農村と官僚主義・強権的な軍事組織が、アヘンの栽培を基底として共存している。ゴールデントライアングルのワ州はその構造自体も奇妙な三角形だ。
    ただ本書でわかるのは個々に名前があり、そこに実際に生きている人々のリアルな暮らしぶりで、その生活は意外に普通、ただアヘンを育てていて軍の支配下にあるという奇妙なバランスを保っている。
    高野秀行は相手を下に見たり、過剰に気を遣ったりしない。あらゆる人にがっぷり四つで対するから、自然な反応が現れる。大いに喜ぶし、泣くし、怒るし、笑う。世界のどんなところにも普通の人間が住んでいるということを思い出させてくれる。

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    2025年05月31日
  • 世界の納豆をめぐる探検

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    ネタバレ

    とても読みやすい。ちょっと脱線するけど、3年のすがたをかえる大豆の時に紹介してみたい。3年でも読めそう。
    納豆が、日本以外にもある。ワラ以外で包んでもできる。大豆じゃなくてもできる。なんてびっくり!

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    2025年05月25日
  • イスラム飲酒紀行

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    以下の2条件に当てはまる人には読むタイミングを考えた方がいいと思う。

    ① お酒が好きな人
    ② 暫くお酒を飲めない環境に行く人

    ①も②も当てはまる私はとても悶々としながらこの本を読み進めた。逆に言えば、悶々としながらでも読みたくなる本だ。

    この本は言わば、お酒が入りにくい場所で何とか酒を見つけ、めちゃくちゃ美味しく楽しんだっていうルポ。

    私は酒が好きなのにも関わらず、規則で飲んじゃいけない場所(宗教と言うよりは現場の規律維持のため)、且、インドネシアの暑い場所に滞在していたため、著者の酒にありつくサクセスストーリーを読めば読む程、喉の渇きが強くなっていくのを覚えた。目を瞑れば浮かぶの、水

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    2025年05月23日
  • 世界の辺境とハードボイルド室町時代(集英社インターナショナル)

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    この間読んだ高野秀行がめちゃくちゃ面白かったので、読んでみた。やっぱり面白い。専門は違うがバックグラウンドは似ている2人。ものすごい知識量だけど、それを感じさせないフランクさ。
    濃い内容の対談集。
    お二人の率直な会話から、それぞれ自分からは言わないような個人的な話なんかが聞けるのもめちゃ面白かった。
    教養主義の死に絶えた時代だけど、やはり、「ものごとを普遍化して考える能力は文字を読むことで高まる」「抽象的にものごとを考えるには読み書きができないとだめ」「経済発展のきばんは人々の教養」
    という言葉に励まされる。この本がでて10年、ますますみんな文字から離れてるけど、本を読む啓蒙が広がるといいなぁ

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    2025年05月19日
  • 世界の納豆をめぐる探検

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    ⸺納豆て、日本の専売特許じゃない!

    高野さんは今まで納豆本を2冊出している(第二集の方は未読)。この絵本はおそらく、それを足してエッセンスを取り出してスケラッコさんの絵で小学生にもわかるものにしたものだと思う。

    高野本の魅力は、ひとつはその饒舌の文体にあるのだけど、今回は封印している。でも、おそらくそのお陰で高野本史上最高にわかりやすくなっている。いや、今までもわかりやすかったんだけど、回りくどい面白いエピソードは省略して結論だけを述べる潔さと、全てカラー写真とはいかない高野本の欠点を補うかのようにカラーのイラストが対象国の風俗を如実に説明して、何よりも写真よりもイラストの方が遥かに料理の

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    2025年05月13日