高野秀行のレビュー一覧

  • メソポタミアのボート三人男

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    プレートが移動して、大陸にぶつかる。大地が隆起して、山になる。風が当たって、雨が降る。水が流れて、実りがある。人が暮らして、社会ができる。2つの川に挟まれた最古の文明。…空気を入れて水に浮かべる。船の種類は「パックラフト」。下っていけば、出会いがある、村に暮らす人々と。お邪魔して、ご馳走され、もてなされて。計画通りとはいかず、順風満帆ではない旅。行き当たり、ばったりしても、面白おかしく話を伝える。衝突を避け、向きを変え、万物を利して、最も低いところを行く。数値にせず、時代を錯誤し、見放された自由を楽しむ。

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    2026年07月29日
  • あのとき死なずにすんだ理由 あの日、あのとき、あの場所で感じた理解不能な恐怖

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    作家たちが日常で経験した不思議な話を集めたアンソロジーなので、もちろん面白さにムラがある。雨宮淳司は本当につまらないというか下品で受け付けないけど、それを払拭するほど平山夢明の作品が怖かった

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    2026年07月23日
  • 世にも奇妙なマラソン大会

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    世にも奇妙なマラソン大会の舞台西サハラの情報は映画シラートも合わせて観ると砂漠の情景や政情がわかると思う(本著とは時代背景が違うと思うが)

    同性愛の話、改名の話、怪談話もあり楽しい1冊。


    怪談を期待してないのに怪談にでくわすと嬉しい。


    謎のペルシア商人の正体ってわかったのかな。気になる。有識者教えて下さい。

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    2026年07月20日
  • アジア未知動物紀行 ベトナム・奄美・アフガニスタン

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    当たり前であるが、UMAは発見された途端にUMAではなくなる。UMAには2タイプある。本当に存在するのに発見されないもしくは絶滅してるタイプとそもそも現地の人の心にしか存在しないタイプ。前者はかつてはUMAだったゴリラやオカピなど。後者は永遠にUMAである。

    高野作品の未知動物は圧倒的に後者である。にもかかわらず、著者は発見したい気持ちを持って現地に挑む。そこが読み手をワクワクさせる。そしてだんだんと、なぜそのような未知な動物がいると現地の人が信じているのかに興味が湧いてくる。

    読み終わって感想を書こうとして、著者のあとがきを読むとここで書こうと思ったことと同じようなことが書いてあって、手が止まる。(^^;;
    が、そのまま書いた。

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    2026年07月18日
  • メソポタミアのボート三人男

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    とても興味深い川旅だった。オスマン帝国のイメージが強かったトルコだけど、それ以外の歴史や文化、自然そしてクルド人のこともいろいろ勉強になった。

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    2026年07月06日
  • 三大陸周遊記

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    北アフリカから中国まで、3大陸にまたがる大冒険をしたイスラム教徒イブンバットゥータさんの冒険記。中世イスラム世界が豊かに描かれていて、旅行記としてシンプルに面白い。14Cの内容であるが、違和感少なく、読み進めることができる。

    現代日本とかけ離れた世界であるから、風俗や生活などの描写はすべて刺激的で面白いのであるが、特にインドでの話が強烈である。「黄金と死の都」と小題が書かれているように、金銀財宝の山と死体の山が隣り合わせの世界であり、とくに残虐さが度を過ぎている。笑える内容では全くないのだが、あまりにもイカレすぎてて、笑ってしまう。
    「インドのスルターンは、・・・謙遜、公平であり、貧民を憐れみ、底なしの太っ腹を示しながら、人の血を流すことが何よりも好きである。王宮の門前に殺された人々の横たわっていないことは、まず珍しい。わたくしは、その門前で人を殺し、その屍をさらすさまをいやという程見せられた。ある日、参内しようとすると、わたくしの馬が怯えた。前方を見ると地上に白い塊があった。「何か。あれは」というと、同行の者が「人間の胴体です。三枚に切ってあります。」と答えた。」
    「わたくしは、ある大きな学院に宿り、その屋上で眠ったが、深夜、ふと目覚めると、あちこちに人間の皮がぶら下がっているのが見える。」
    インド編はずっとこんな調子。バットゥータさんも、これにはさすがに、嫌気がさしたり、落馬しそうなほど驚いたりしている。

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    2026年06月21日
  • 【カラー版】アヘン王国潜入記

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    ケシの花畑の中で銃を手に持ち満面の笑みを見せる若い兵士たち。
    突っ込みどころ満載の表紙である。
    「アヘン王国」「潜入記」。
    突っ込みどころ満載のタイトルである。
    さすが高野秀行。

    ミャンマーの北部、中国雲南省と国境を接する山岳地に、アヘンを主力産業とする小さな州がある。
    王国では、ない。
    そこに、ビルマ国籍を持つ者として中国から国境を越えて潜り込む。
    潜入だ。

    文字を持たず、ラジオ局も持たないワ州の人たち(ワ人)は、自分たちの住む部落周辺が世界のすべてであるという。
    多数民族国家であるミャンマーは、ビルマ人以外の主要少数民族だけでも20以上あり、細かく分類すると120以上にも分けられるらしい。
    ビルマ語を知らず、ビルマ人など見たこともないようなワ人ばかりの集落で、著者は7ヵ月を過ごす。

    多少の貧富の差はあっても、基本的に自分たちの身の回りにあるもので生活していく暮らし。
    特別の宗教はないが、祖先の霊を祀り、年長者を大切にする暮らしは、昔の日本の田舎と同じなのではないか。
    にほんでも、昔はたばこ農家があったように、ワ州でアヘンを作っているのは、ただ需要があるからに過ぎないのではないか。

    著者はアヘンをそのまま産業にするのではなく、アヘンからモルヒネを精製して主力産業とするよう提言したが、まず「モルヒネ」が伝わらない。
    「モルヒネ」の説明のため、「ガン」の患者の苦痛を除去する…というと「ガン」とは何か?と聞かれる。
    それでも中国語の文章で提言書を作って提出したが、ミャンマーの政府軍、巨大反政府ゲリラ軍、中国軍、アメリカ政府などの政治的駆け引きの中で、それはどこかに消えてしまった。
    今、かの地では、日本の支援によりそばが栽培されているらしい。

    言葉もわからず、生活習慣も全くわからないまま潜入した著者は、そこでケシの種をまき、畑の雑草をむしり、ケシの実からアヘンの汁を取る体験をする。
    さらには、村人たちと酒を酌み交わし、マラリヤに罹り、シラミに集られ、アヘン中毒にもなる。
    頭が良くてアクティブでアホな高野秀行が満喫できる、これは著者の背骨といっていい好著だ。

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    2026年06月15日
  • 酒を主食とする人々

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    エチオピアにある酒を主食にする人々のお話。
    異世界…。
    異世界すぎる。
    だからこそ、私の想像力では不足しているのでもっと写真を載せてほしかった!

    やっぱり土地には土地に合った暮らしがあり、適した体質があるのだと感じた。
    幸せな暮らしは近代化された欧米傾倒のライフスタイルではなく、その土地だからこそのスタイルにあるのかもしれない。
    自分も室町時代くらいの日本人の暮らしをしたら、いらぬストレスや疲労は減り、ココロ穏やかに暮らせそうな気がする…などと都合良く考えてしまうのは浅はかだろうな。

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    2026年05月24日
  • 【カラー版】アヘン王国潜入記

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    ミャンマー北部で政府から事実上独立しているワ州の村に半年以上滞在したルポ。
    ケシ栽培の作業に参加し、体調不良になったことをきっかけに自らも生アヘンの虜になったという、身を挺した一作。

    といってもこれは20世紀末の、「ゴールデントライアングル」という語が生々しかった頃の作品である。
    いまでは情勢は大きく変わっており、過去の出来事である。
    それでも「ゴールデントライアングル」最盛期(末期)の実情を伝えるもので、歴史的な意義が生まれているようにも見える。

    高野氏の他の作品(といっても私が読んだのは一部だが)と比べると真面目である。
    真面目というか、「個人的な体験記」にとどまらず「客観的なレポート」であろうともしているような印象。
    ワ州に行くために多くの人々の世話になったという恩義もあるだろうし、現に滞在を認めてくれたトップが後に暗殺されたということもあるだろう。
    彼らに託された「ワ州の立場を説明してほしい」という望みに応えているということもあるし、他に類書が少ないことからくる使命感もあったのかもしれない。

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    2026年05月23日
  • 酒を主食とする人々

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    ネタバレ

    エチオピア南部のデラシャなる民族は子供も大人もパルショータという酒を食事にして暮らしている…という学術書を読んで衝撃を受けた著者が、テレビ企画で念願かなって2023年に現地を訪問したときの旅行記である。

    エチオピアといえばインジェラ、私もインジェラとワットなどを中心としたエチオピアの食生活を研究した本は読んだことがあったが、インジェラを食べずお酒だけをメインに暮らしている民族がいるなんて全然知らなかった。
    本当に老若男女、妊婦まで一日中酒を飲んで暮らしているというのはびっくりしたが彼らが全く健康であるというのにはさらに驚く。彼らの作る酒が特別身体にいいのかもしれないが、アルコール生活に適応できる人類が存在する!という事実が常識を強烈に揺さぶってくる。

    旅行記はヤギの糞が転がってくる寝床で寝たりとか、強烈な体調不良、身体中あらゆる虫にたかられたり外国人をだます原始的「ヤラセ」生活を見せられたりというトラブルの連続。いくら積まれても絶対現地には行きたくないと思ったが、読んでいるぶんにはめちゃくちゃ面白い(笑)。
    チャガやパルショータというどぶろく的な酒は一度飲んでみたいと感じた。お酒は普段飲まないけど、酒粕ドロドロにした甘酒が好きで飲むから似たような感じなのかなという漠然とした期待感がある。はじめは酸っぱいらしいけど…どんな味なんだろうな。

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    2026年05月15日
  • イラク水滸伝

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    探検×文化人類学のノンフィクション。
    危険なイメージが付き纏うイラクとイラクの中のアフワールの人々の生活が垣間見れる貴重な本。

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    2026年05月12日
  • 移民の宴 日本に移り住んだ外国人の不思議な食生活

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    日本には多くの外国人が暮らし、それぞれ異なった豊かな食生活を送っている。街中を歩いていると、外国人はたくさん目にするが、その多くは観光客だろう。だが、日本に暮らし、それぞれその国ごとに異なったコミュニティや食文化を持っているというのは当たり前のことなんだが、それに気づいていなかった自分がいた。外国の食文化に触れるとなると、レストランや海外旅行が思い浮かぶが、こういった日本に住む様々な移民の方々の食文化に触れることも、また1つの手段なのかもしれない。できれば自分もそういった食の体験をしてみたい。

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    2026年04月29日
  • イラク水滸伝

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    イラクの湿地帯の住民やその生活、文化などに関する詳細でかなり包括的な探検記。湿地民はレジスタンスであるという分析にも納得させられる。これだけの探検記は例を見ない。

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    2026年04月24日
  • 異国トーキョー漂流記

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    高野本結構読んでるからあの時のあいつかーってなるのかなり嬉しい。
    最近出会いとか人と関わるって別にそんな重要なものじゃなくて、限られた満足したコミュニティでぬくぬく閉鎖的に生きるほうが幸せなんじゃないかって説を唱えてたんだけど、これ読んだらさすがにそんなことないなって思った。

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    2026年04月14日
  • ワセダ三畳青春記

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    「語学の天才まで1億光年」で強烈なインパクトを受けた高野さんの学生時代の手記ということで以前から興味があった本。かく言う私も80年代に農家の2階に下宿(間借り)していて4畳半で月5,500円。風呂とトイレは大家さんと共同というものだった。高野さんの生活様式はとても懐かしく、ほほえましくも思えた。場所は違えど、この時代の学生はこのようにして青春を謳歌していたのだと振り返ることができた。最後、野々村荘を出る瞬間まで、どうにか「その人」と続いてくれ!と祈りながら読み終えた。

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    2026年04月11日
  • 間違う力

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    高野さんと同世代の自分としては、早稲田大学の探検部の雰囲気が懐かしく、面白く。大学時代に椎名誠の本を面白く読んだ気分を思い出した。
    それにしてもはちゃめちゃ。でも楽しい人生。
    「てきとうでも『今、はじめる』ことが大事」という章が、特に良かった。自分の残り時間は短い。面白おかしく読んだけど「てきとう」でも始めちゃえばなんとかなるかもな、と妙にしっとり考えてしまった。

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    2026年04月10日
  • 世界の納豆をめぐる探検

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    日本でおなじみの納豆が、アジアやアフリカのさまざまな地域で食べられていることを知り、ますます親しみがわいてきた。
    納豆の起源についてはまだわからないところもあるようだが、研究が進んで早く解明されるといいなと思う。

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    2026年04月06日
  • 移民の宴 日本に移り住んだ外国人の不思議な食生活

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    日本に住む外国人コミュニティに突っ込んで取材していくというのはありそうで無かったルポだ。高野秀行の専門とする辺境旅のひとつと言えるだろう。
    飛び込む先がイランにロシアに、朝鮮族(朝鮮族という民族を初めて知った)と、今読むと凄いところばかりに行っている。だからこそ得られる知識の価値が高い。
    時節柄、東日本大震災や排外主義に触れるので高野秀行作品の中ではシリアスな場面も多い。バカ笑いできるエピソードばかりが載る『移民の宴2』が書けるような、明るくて気さくな日本にしていきたい。

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    2026年03月27日
  • 酒を主食とする人々

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    いや〜、面白かった。自分が一生行くことが無い場所の生活を赤裸々に書いてくださって、ただただ脱帽。すごいなぁ。世界は広い。人間って本当に色々な所で生きているんだなぁ。

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    2026年02月23日
  • イラク水滸伝

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    ちょっとまだ入り口の初(はじ)めにを読み返してる程度なので…魔(or真)に亨けないで欲しいのですが…では…まず…梁山泊の発想が笑えました。


    って推論(すいろん*1)の方で…北宋末期に居た憂士達を例えてますけども…あの人達歴史的な事件に関与した人達ですよ。

    *1‥それは…(漢歴は…)年数は不詳ですが、歴史的な事件とは…靖康の変*2です。

    *2‥この 変は、金が(後にリベンジを喰らう、ホンタイジ家の主人と譲らなかった)遼を攻撃する際に北宋との挟撃を約束も…梁山泊の対応を理由に遅延した事態(こと)で…此人(かれら‥梁山泊の志士たち)を北宋の先見どころか委任隊として送られ…金側の不興感を察して謝罪するも…誠意を求められてその怒りから…汴(べん、今の開封*3)への手引きをした人達だと言われてます*4。

    *3‥開封は明代以降に土地名を変えられたらしく、*4此人が…日中戦争が起こるまでの間…漢奸に例えられたと言われれています。

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    2026年02月21日