高野秀行のレビュー一覧

  • 辺境の怪書、歴史の驚書、ハードボイルド読書合戦

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    いやあ面白かったなあと本篇を読み終え、笑う用意をしながら高野さんによるあとがきを読み出したのだが、まったくこのあとがきは素晴らしかった。感動的ですらあった。教養とは何か、なぜ教養は必要なのか、ということを、これほどわかりやすい言葉で実感をもって語っている文章を他に知らない。
    「教養とは、自分がいる『今ここ』を時間と空間のなかに位置づける羅針盤であり、人生の終わりまで必要なもの」
    胸にしみ通るような言葉だ。

    以前出たお二人の対談本「世界の辺境とハードボイルド室町時代」がとても良かったので、第二弾を期待していたのだが、これは少し趣向を変えた読書会的内容となっている。まあ当然かもしれないが、選書が

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    2018年04月09日
  • 幻獣ムベンベを追え

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    とにかく文章がうまい、読ませるなというのが第一印象。
    早稲田大学の探検部に所属時していた時の出版だが、
    平均的大学生の文章力を余裕で超えている。

    氏は、後に数多くの冒険モノを出版しているが、
    処女作には、作家の全てが宿るというか、この作品には、全てが詰まっている。
    明らかに、著者は、変わりモノだが、その変わりモノを突き通し、
    今では、辺境作家として、一つの地位を築いている。

    今の大学生で、これだけ、無茶苦茶なことをやる人はいないと思う。
    また、そういうことも、今は必要とされていない。

    当時は、世界一周したら、いくらか価値があったのだ。
    今は、その価値はあるかと聞かれたら、多くの人は、そん

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    2018年04月07日
  • アジア新聞屋台村

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    魅力的な人たちにたくさん出会える本。こんな生き方があるのか、こんな考え方があるのかと、普段凝り固まっていた頭が少し柔らかくなったように思う。自分の生き方は自分で決めていく。自分の好きなことを見失わないよう、もっと柔軟に生きていきたいと思った。

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    2018年03月18日
  • イスラム飲酒紀行

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    面白さを保ちながらも、宗教的、文化的示唆に富んでいて、本書も止まる事なく読ませてもらった。

    イスラム原理主義化が進んでいると言われるこの時代に、古くから地域に根付いている「習慣としての酒」に着眼しているのがさすが。

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    2018年01月29日
  • 世界の辺境とハードボイルド室町時代(集英社インターナショナル)

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    辺境滞在に裏打ちされた経験と日本史歴史学者の最新の知識が次々に披露され しかもなんだかリンクしている驚異の対談

    ふたりの対談終盤 現代日本が特殊でアジアやアフリカの辺境や室町時代の日本の方が 世界的に普遍性をもった社会なんじゃないか
    今生きている社会がすべてとは思わないでほしい
    との結論に至る
    なんとも憑き物が落ちるような感覚を受ける本

    知識としてもっとも意外性があったのは アフリカで日本の中古車が売れる理由
    日本の車がすごいということでなく クルマの持ち主が代わった瞬間に、価格が6割に下落する国は日本しかない 中古車輸出ビジネスは日本しか成り立たない それがケガレ意識と関係している
    って

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    2018年01月13日
  • 謎の独立国家ソマリランド

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    ソマリランド、プントランド、南部ソマリアへと行った人の記録で、書き方が面白いのでグイグイ読ませる。
    ソマリの文化に染まっていって日本の常識を相対化してくれる。
    海賊の背景にあるもの、ソマリの文化と歴史、カート食べるとどうなるかとか、真面目な話からおふざけな話まで色々勉強になる。

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    2017年12月25日
  • 世界の辺境とハードボイルド室町時代(集英社インターナショナル)

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    室町時代だけでなく、江戸時代との違い、幕府と京都の距離感の関係性、辺境から現代を読み解く等、相当面白い内容が展開されている。

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    2017年11月25日
  • 世界の辺境とハードボイルド室町時代(集英社インターナショナル)

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    良き質問者は
    良き回答を引き出す

    博覧強記のお二人から
    丁々発止、縦横無尽に
    あっちや こっちへ と 
    対談をされて
    歴史的な
    文化的な
    博物学的な
    興味深い話が
    とどまるところを知らずに
    溢れ出てくる

    これを面白いと
    言わずして…

    いゃあ
    知的な好奇心を気持ちよく
    揺さぶってくださいました

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    2017年11月22日
  • 【電子特別カラー版】恋するソマリア

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    内容(「BOOK」データベースより)
    台所から戦場まで!世界一危険なエリアの正体見たり!!アフリカ、ソマリ社会に夢中になった著者を待ち受けていたのは、手料理とロケット弾だった…。『謎の独立国家ソマリランド』の著者が贈る、前人未踏の片想い暴走ノンフィクション。講談社ノンフィクション賞受賞第一作。

    なんとディープな本なのでしょうか。そもそもソマリランドって何ぞやという「謎の独立国家ソマリランド」でかなり突っ込んでその成りたちから、観光案内から、政治情勢から、現地の人達との交流と盛り沢山でお送りしていたのに、さらに奥があったとは全くもって驚き。料理を含む女性達の普段の生活がふんだんに書いて有って、

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    2018年02月13日
  • 世にも奇妙なマラソン大会

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    同僚から筑波山トレイルマラソンに誘われて軽い気持ちで出場し、着ていた加圧スパッツのおかげで太腿が内出血を起こし、ゴール間際で一時うずくまりながらも這う這うの体でゴールし、その後1週間筋肉痛で使い物にならなくなったことを思い出した。「名前変更物語」は声を出して笑ってしまった。「謎のペルシア人」から始まる短編は『世にも奇妙な物語』に通じる怖さを感じた。

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    2017年08月26日
  • 腰痛探検家

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    私も腰痛調査隊。著者ほど時間もお金もないため、地元公立病院の整形外科でMRI検査を受けたり、整骨院通いをする以外には、インドメタシンやフェルビナクなどの薬効を謳った塗り薬を試す調査を行っている。最近では動物用消炎鎮痛剤をネットで購入して使用しているが、私もまた腰痛の密林から出ることができない。腰痛、恐るべし! そんな腰痛を抱えてサハラマラソンに行っていたとは『世にも奇妙なマラソン大会』本編では触れられていず、あとがきを読んで驚いた。

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    2017年08月26日
  • 【カラー版】ミャンマーの柳生一族

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    早大探検部の先輩・船戸氏に随行する形でミャンマー(ビルマ)入りした著者。入国前の審査から船戸氏との扱いに笑えたが、題名のとおり軍事政権の情報部を隠密・柳生一族になぞらえての記述は、まさにエンタメ系ノンフィクションと呼ぶに相応しい。奇しくも2015/11/11現在、ミャンマーでは千姫ことアウン・サン・スー・チー氏率いるNLDが勝利を収める報道が世界を駆け巡った日だったことは偶然にしても出来すぎ(笑)

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    2017年08月24日
  • アジア新聞屋台村

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    ベトナムつながりからエイジアンという不思議な新聞編集に携わることになった著者。良くも悪くも日本の常識が通用せず、始めは著者もそれを楽しんでいたが、後半になりいい加減さに辟易し、だが最後にはアジアの大らかさに気付く。そんな構成が好ましい。しかし、著者と朴さんの淡い恋模様が切ないね。もし恋愛が成就していたら、黒船は現れなかったか? いや、そんなことは無いだろうな〜(笑)

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    2017年08月24日
  • 【カラー版】巨流アマゾンを遡れ

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    『地球の歩き方』から依頼された仕事が「高野が歩いた地球」となって企画ともどもお釈迦になった作品。確かに読者を旅に誘うような書き出しを訝しく思ったものだ。辺境を書かせたらぴか一の著者だと思うし、その理由は解説の浅尾氏が余すところなく書かれている。いつの間にか著者のファンとなり、2015年10、11月は著者の本を続けざまに読んできた。積読本もあと数冊ある。引き続き高野の旅を楽しもう。

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    2017年08月23日
  • 怪しいシンドバッド

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    10年間の冒険を集積した1冊。既に一冊の冒険譚になった章もあったが、脇の話として楽しめた。第六章客家の土楼や第七章の野人は読み応えがあった。カバーデザインがあまりに漫画チックなので、最初は買おうかどうか迷ったが、読後感に影響はなかった。大槻ケンヂ氏の解説も好ましい。同じ1966年生まれだが、大槻氏は早生まれ。著者は私の同級であった。

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    2017年08月23日
  • 怪獣記

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    著者の文庫は集英社か講談社に大別される。そして本書は講談社だ。いきなり巻頭カラーページが充実! 並々ならぬ力の入れ具合は、果たして妥当であったと巻末で納得した。著者のこだわりである未知の未知生物を探すトルコの旅は、いつものように現地の人達との交流の面白さと、民族問題に対する洞察に唸らされた。ワン湖一周の探査を終えようとしたその時、未確認物体(生物であるかも今のところ不明)を目撃するとは驚きだ。解説には、あの宮田珠己氏だったのも最高!

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    2017年08月23日
  • 【カラー版】怪魚ウモッカ格闘記 インドへの道

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    格闘? 葛藤記なんじゃないか。ウモッカはUMAサイトで話題の怪しげな魚の名前。いつものように現地の言語習得を含めた準備に余念のなかった著者だが、『西南シルクロード』で鬼門とも言うべきインドのビザが取れたことから運命の針が探検から180度逆に振れてしまった。著者も本書で書いているが、カルカッタの空港で入国を拒まれロビーでの生活をする様はまさに映画『ターミナル』の世界だ。既に別の著作で読んだ「名前変更物語」がウモッカ探しに端を発していることを知り思わずニヤリ。インド行きの悲願はとうとう神頼みだ。

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    2017年08月23日
  • アジア未知動物紀行 ベトナム・奄美・アフガニスタン

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    短編、と言うべきか。ベトナム、奄美、アフガニスタンでのUMA探索が集積され、比較して読みながら楽しむ機会を与えてくれた。奄美のケンモンは『神に頼って走れ!』でその一端を読んでいたので、一粒で二度おいしいと言ったところか? 本書のカバーは、それを思うと笑ってしまう。9・11後のアフガニスタンと言えば命の危険が伴う場所だ。無事に帰国できたことは本書を読めば判るのだが、ホッとする。ペシャクパラングの考察もなかなか面白い。

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    2017年08月23日
  • 世にも奇妙なマラソン大会

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    なんの自慢にもならないが、時間に余裕があっても間際にならない
    と動き出さないタイプの人間である。まだ真面目に編集者家業をし
    ていた頃、締め切りギリギリにならなければ原稿が書けなかった。

    明日には先方に渡さないといけないという日の真夜中。ウンウンと
    唸りながら資料とにらっめこをしていると、ひらめく一瞬がある。

    そこで怒涛の原稿書きに突入する。うんっ、私って天才じゃないか。
    これでいいだろう。さぁ、ひと眠り。

    起きて自分の書いたものを読み直して愕然とする。腐っているでは
    ないか。なんでこんな酷い文章であんなに満足していたのだろう。
    あーーーっ、自分のバカバカ~。

    このよ

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    2017年08月23日
  • 【カラー版】辺境中毒!

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    不思議な書籍『本の雑誌』に掲載されたエッセイ、対談等の集大成。初めは著者の辺境紀行番外編かと思って読み進めたが、あにはからんや著者の奥深さや新鮮な面が見られてとても良かった。本書で紹介された本や作家にとても興味がわき、またしても読みたい本が増えてしまった。書評「辺境読書」の充実度がすごい。自分も旅に文庫本を携行するが、旅先の宿でも読書してしまうのは、旅の目的地に対して集中していないのかな~?

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    2017年08月21日