高野秀行のレビュー一覧
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自分では行けない場所、できない体験を高野さんを介して知ることができて幸せです。
今回はエチオピア南部へ。
タイトル通り、お酒を主食とする人たちの暮らしに潜入。
文句なしに面白かったので、本文の紹介はなし。みなさま、ぜひ読んでください。
かわりに、些細な私の変化をお知らせします。
あまりお酒を飲めないからか、日中から飲むことや酔っ払いには厳しい目を向けがちな私。
でも、読み終わったその日は(お正月の親族の集まりということもあり)昼からワインを飲んだし、ビールを飲む夫にも笑顔で接することができました。
もうひとつ。
お酒を主食とする、つまり固形物をほとんど食べない日常が、とても快適だったとか。一方私はお正月の御馳走疲れで胃もたれ中。なるほど、胃腸に負担をかけすぎているんだ、と実感。
液体ばかりの生活は無理だとしても、よく噛んで胃腸への負担をへらすことならできそう。
まだ1日だけだけど、よく噛む、をしています。
クレイジージャーニーの取材の様子を本にした、とあるので、読み終わったら番組を見るのを楽しみに、すごく楽しみにしていたのですが、なぜかUNEXTでこの回を見つけられず。。。
残念。
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Posted by ブクログ
いつだって高野秀行さんの本は面白い。『謎の独立国家ソマリランド』で大ファンになって以降いろいろ読んだけど、最初の本『幻獣ムベンベを追え』しかり、アフリカものが一番面白い。結局、日本的常識に浸りきっている私のような日本人からすると、一番想像を絶する世界がアフリカなんだろう。そして、辺境マニアの高野氏でさえ特別だというのだから、本当にコンソもデラシャもすごすぎる民族。
アルコールという常識に一石を投じる。私のようなアルコールが飲めない(分解できない)体質の人はコンソやデラシャにはいないんだろうか?
ただ、同じ女性として、アフリカにおける家父長制、男尊女卑については胸がギュッと悲しみに潰される。できる長女アルマズに幸あれ!私も彼女が大好きになってしまった。 -
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ネタバレ
インジェラアレルギーから始まったエチオピアへの旅。
ビザが取れない、長い長い道のり、未知なる酒"チャガ"、ヤラセ村・ホルテ村の人々、未知なる酒"パルショータ"、未だ続く村同士の抗争etc.
高野さんの喋り口調が思い起こされながら読み進めました。
エチオピアに入ってから出会った人々のことや口にしたもの、目に入った景色が、自分がリアルに体験したことのように感じられて、没入感マックスで読めました!
アルマズがコーディネーターとして働ける日も近いのかな?
村同士の抗争で"焼き討ち"が未だに行われているというのに、不謹慎にも笑ってしまった。
ヨハネスの家可哀想…日本だと無期懲役だぜ?
多面的にみないとデラシャやコンソの人々の生活は、現代科学では悪とされてしまうのは違うなぁと高野さんの視点から気付かされ。
お酒は飲めないけど、私は食生活に気を付けよう!
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いろいろ気にはなるけどとにかく良いこの表紙に、いつもの高野節を期待して「めっちゃ面白そう」と手に取りました。印象ちょっと違いますね。
ケシの栽培に密着するためミャンマーの山岳地帯・ワ州に乗り込んだ高野さん。
歴史的にも政治的にも複雑。反政府ゲリラの支配区であるワ州の小さな村は、武器の調達・食糧の自給のためにアヘンの生産が公認されている状態。
そこで、ケシの種まきから収穫までの7カ月間を村人と共に過ごします。
「アイ・ラオ」という村人ネームを授かった高野さん。言語や文化の壁はありながらもとことん郷に従い、ケシ畑で奮闘し、村人と打ち解けていきます。
時には険悪になったり怒られたり、全く「お客さん」感のないその溶け込みっぷりはさすが高野さん。
ケシの収穫が終わり村を出る頃には、ちゃんと(?)アヘン中毒にもなっていて、その様子は生々しく面白い。笑い事じゃないけど。
帰国後ワ州を取り巻く状況は一変、村に潜入できたのはまさに奇跡のタイミング。
村人は兵士であり、のどかな農村に穏やかではない空気も漂う中での滞在。あの村人たちやケシ畑、そして「モルヒネ化計画」はどうなったかなぁ。表紙の見え方も変わってくるなぁ。 -
世界の納豆をめぐる探検
- カート
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試し読み
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納豆を題材にした、壮大な大人の自由研究のような、または世界一おもしろくて読みやすい論文のような、単なる納豆エッセイとは違う、最高におもしろい納豆をめぐる冒険記。
健康にいいとわかっていても納豆はそんなに得意ではなくて、頑張って月に1回食べるくらいだったのに、読み始めたその日から、読めば読むほど納豆が食べたくてたまらなくて、毎日納豆食べてます。
冷房庫に納豆がないと不安になって常に補充するほどに。
納豆は日本のものと思っていたけれど、むしろ日本は納豆後進国では?という高野さんの視点。
アジアの納豆を食べる地域の分布の考察や、各地の食べ方や納豆との向き合い方が本当に興味深くておもしろかったです。 -
謎の独立国家ソマリランド
- カート
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試し読み
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謎の独立国家を確かめに、危険とされるアフリカの国へほぼ単身で行き、そして成り立ちを把握できるまで粘り強く途中で飽きらめることなく取材をして書き上げた本作品はもうエンタテインメントノンフィクションの枠を超えている。
著者の現地の人に馴染んでしまうパーソナリティも凄いが、さすがに今回はカートの存在が大きかったのであろうと思った。
10年以上前の本であるが、この一冊でソマリアの少し前までの状況が把握できてしまう。現状もあまり変わっていないようだ。
敢えて難を言うとすれば、
ソマリの氏族の立ち位置を分かりやすくするために日本の武将名を氏族名にくっつけているが、私個人的には少し読みづらく感じた(笑。エンタメとしの効果を狙ったのと、高野さんはきっと日本史が好きなのであろうと思う。
以下は覚書、少しネタバレなのでご注意。
海賊行為を実践するための見積もりが面白い。
ディアスポラ(海外に住むソマリ人)の影響が大きい。ディアスポラからの仕送りがソマリランドの経済を成り立たせる大きな要因である、
ソマリランドでは、10年に一度国政政党を3つに絞る選挙がある。国会議員に立候補するためにはこの3つの党のどれかに所属しなくてはならない。氏族の長老で構成される貴族院的なものがあり、国会議員で可決された法案は、この貴族院でも可決されないと施行されない。氏族の枠を超えて選ばれた国会議員と氏族の意見の両方が反映される仕組みになっている。西欧の民主主義を超えた民主主義がソマリランドにはある。日本も参考にできるところがあると思った。
イギリス領だったからソマリランド、イタリア領だったからソマリア。ラテン語でiaをつけると国のとか地のとかという意味になる。
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謎の独立国家ソマリランド
- カート
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試し読み
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Posted by ブクログ
盛りだくさんでした。お腹いっぱいです。
私なんかが日頃食べてる料理、食材などはマンネリでレパートリーが少なく、狭い世界で生きてるなぁと思わされた。食材として見ていなかったもの(ゴリラなど)が食べられていることや、やたらと手の込んだ調理法などがあることを知って、あらためて世界は広く人間の歴史は長いなぁと思った。
本書に登場する料理や食材のほとんど、特に昆虫食、は個人的に食べるのは無理であるが、中には、タイの爆弾ナマズことヤムプラードックフーやトルコのカイセリマントゥなど食べてみたいと思う料理もあった。
その他にも、
調理時間がやたらと長いコソボのフリア、タイのおばさんの口噛み酒、南米のカエルのジュース、羊の胃袋の中身のスープ、韓国の超絶臭いホンオ、幻覚が見えるヤヘイ、猫の餌、などなど凄すぎです。
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50代になってもやんちゃな冒険家である高野氏が今回向かったのは、サダムフセインやISなどイスラム過激派の印象が付きまとう、日本人の大半が危険でしかないと思っているであろうイラクである。ただ忘れてはならないのが、この国が原初の文明を生み出した場所であるということだ。
彼はこの旅で、世界でも有数の危険地帯でありながら、世界最古の歴史を持つ国、そして砂漠の印象の強い中東の一国の中の湿地帯(!?)で暮らす人々の謎を解き明かすとのことで、旅の目的からして様々な情報がぶつかり合い混沌に満ちている。案の定旅の道程も複雑かつ困難が溢れ返るもので、綴られる文章も序盤から中盤にかけてカオスそのものであった。
本文に書かれている通り、そもそもイラクという国が大変複雑な国だ。シュメール人によるウル・ウルク・ラガシュといった世界史で誰もが覚えるであろう都市国家による支配から始まり、アッカドやバビロニア、アッシリアといったセム語圏の民族に統治が移り、続いてペルシア時代、イスラム教徒の侵攻、モンゴル遊牧民による破壊を経てオスマン帝国支配下に入る。ササン朝あたりまで農業面で重要視されていたイラク(特に南部)であったが、イスラムとモンゴルの侵攻によってその地盤を破壊され、オスマン帝国時代からは、中心地から地理的に遠かったために辺境として扱われ、支配が行き届いていなかったという。
もともとシュメールの都市国家からあぶれたアウトサイダーが割拠していた南部湿地帯は、本書で語られるマンダ教徒やユダヤ人、支配してきた王朝から爪弾きされた人々や、カルマト派のような各地で略奪を働く荒くれ者たちといった様々な人々が、理由は様々あれど逃げ込んできて定住してきた場所だった。オスマン帝国時代に辺境として定着したことによってその混沌としたごた混ぜ具合は更に加速し、今度はイギリス統治に反抗する人々や、共産党員まで逃げ込んでくるといった、もはや悪も正義もなく、ただ「従いたくない!」という反骨精神のみを共有した人々が集まってくるようになった。そんなアウトサイダーたちが民族や宗教の垣根を超えて身を寄せ合って生きてきた場所、それがイラク南部の湿地帯【アフワール】なのだ。
こう整理する目的で書いていてもわけがわからなくなりそうになるが、本書の序盤から中盤にかけてはイラクの成り立ちの複雑さや氏族の多様さの解説を丁寧にしてくれている分その情報量は脳みそを押し潰すかのようで、それに現地の治安問題や氏族間のやりとり、公安のマークなど、次から次へと襲いかかる困難な問題の対処や説明が加わってるためにかなり読みづらい。さらに高野氏とシェイフ山田二人が異国人であるために常に多くの人々から監視されている状態で不自由しており、いつもの軽快なユーモアもあまり見られず文章も重苦しいものになっている。毎年水量やルートの変わる湿地帯の作り出す変幻自在の迷路に迷い込んでいるかのようにその文章は混迷を極めている。
極め付けは2度の下見を経て本格的な旅に乗り出そうとしたところでのコロナパンデミックだ。これはもう読んでいるこちらですら、「あーもう終わったな。」と思ってしまうほどに絶望的なもので、高野氏とシェイフ山田の心境は本当に耐え難いほど辛いものだったと思う。ここで正直本を閉じようかな、と思ってしまったくらいだ。
しかしここから先は、カタルシスしか待っていなかったのである。
ソマリランドを超える程の情報量による読みづらさはあるが、終盤は開幕がウソだったかのように気持ちよく楽しく興奮しながら読める。もし序盤で諦めてしまった人がいるとしたら、ぜひもう一度トライしてほしい。3回目の現地入りからは、情報の渦が一気に整理されて収束し、いつもの高野氏の熱気の漲る冒険が戻ってくる。これまでよりも強烈なものとして。読後感はさながらサムペキンパーの映画を見終わったあとのようだ。
分厚い単行本に恐るることなかれ。ゆっくり読んで楽しんでほしい。シェイフ山田のキャッチーでわかりやすいイラスト群も必見だ。 -
Posted by ブクログ
なんとも刺激的な本。
辺境作家の高野秀行さんと「喧嘩両成敗の誕生」が出世作となった歴史学者清水克之さんの対談集。
高野秀行さんはデビュー作の「幻獣ムベンベを追え」から注目している好きな作家さん。一方清水克之さんは日本の中世の民衆史が専門の学者さん。
普通に考えると共通性もないお二人がソマリランドを媒介にして出会い、社会や国の在り方、果ては人間の思考のあり方の根源にまで想いを巡らせている。
その論考は新たな発見に満ちゾワゾワと今までの常識を揺さぶられる。
高野秀行さんの辺境作家としての行動力にばかりに目が行きがちだが、高野さんの緻密な思考回路や斬新な歴史解釈に、清水さんがインスパイアされて知識と事実に裏付けられた確固たる解釈や解説を的確に与え、それに対して高野さんが自らの体験を元にして話題をどんどん深め発展させていく。
なんとも面白く楽しい対談集であるのだ。
今は文庫でも出ている様なのでぜひ興味のある方は読んでほしい。良質なブックガイドの側面もある。
私もますば「喧嘩両成敗の誕生」を積読本の山から掘り起こし読んでみたい。た