高野秀行のレビュー一覧

  • 【カラー版】ミャンマーの柳生一族

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    高野さんが先輩作家・船戸与一さんの取材旅行に同行した2週間のミャンマー旅。
    20年くらい前のことですが、ミャンマーの社会が日本の武家社会みたいなことに気づいた高野さん。
    旅の監視役となるミャンマー国軍の情報部がまるで柳生一族じゃないか!から始まります。
    ミャンマー国軍を徳川家にたとえて、柳生一族、老中、大目付まで出てきて、おもしろく、ミャンマーの国家の対立の様子などがわかりました。
    柳生一族とも打ち解けてしまう高野さんの人間力が大好き。
    辺境と言われる場所の、普通は知ることのできない人々の素の姿や魅力を引き出す力もさすが高野さん。

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    2025年08月23日
  • イラク水滸伝

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    誰も行かないところへ行き、誰もやらないことをし、誰も書かない本を書く」著者のポリシーに感銘を受けた身として、とても興味深い内容であった。

    まず、イラクという日本から見れば常に戦争をしているイメージのある国(実際はそうではない)であること。マイノリティの住む世界最古の文明、メソポタミア文明の興ったティグリス川、ユーフラテス川が舞台であること。

    いずれも冒険心をくすぐられるだけでなく、現地民とのリアルなやり取りが読んでいてとても楽しかった。写真も随所に織り交ぜられ、イメージがしやすかった。

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    2025年08月12日
  • イラク水滸伝

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    イラクの湿地帯=アフワールについて書かれた本。世界史上にはレジスタンスあるいはアナーキー的な湿地帯が存在するらしく、その中の一つである中国の水滸伝になぞらえ「イラク水滸伝」と題されている。

    「湿地帯の恐ろしさは、その境界があいまいなところにある。(…)鈍色の雲が地平線まで垂れ込めた空の下、どこまでも続く湿地とも荒れ地ともつかない土地を走っていると、なんだか世界の始まる前の原初の状態にいるような感覚にとらわれる。」

    と書かれてるけど、回想やイラクに関する歴史について脱線が多い序盤は今どこにいるんだっけ?と自身が湿地帯に迷い込んだように感じることがしばしば…翌日とか何時とか、時間経過を示したり

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    2025年08月12日
  • 謎のアジア納豆―そして帰ってきた〈日本納豆〉―(新潮文庫)

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    アジアの山岳地帯にだけ根付いている謎のアジア納豆を調べるという行為は、まずは辺境の旅を一周終えている高野秀行でないと辿り着けない境地であり、深みのある本だった。
    基本的にはいつものバカ話なのだが、日本でアジア納豆作成に挑む場面は意味不明な感動があった。
    これを読んでる間、たまらなくなって毎日納豆を食べていた。
    さらには日本にある外国料理店でアジア納豆を食べられないのかとネパール料理店やビルマ料理店を調べてみたがなかなか見つからない。やはり手前納豆はそんな手軽に表に出てくるものではないのだと痛感している。

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    2025年08月09日
  • 世にも奇妙なマラソン大会

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    いつも通り面白かった。

    もちろん表題作も良かったけれど、とくに好きなのはインド入国のための悪戦苦闘するお話。この直前に西南シルクロードのお話を読んでいたので、さらに楽しく読めた。

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    2025年08月09日
  • ワセダ三畳青春記

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    三畳一間と言わないまでも、昔ながらの下宿の様子がわかる自伝的作品として、藤子不二雄A『まんが道』や吾妻ひでお『地を這う魚』などがあげられるが、本書にはこれらの作品とはまた違った趣きがありむちゃくちゃに楽しませてもらった。
    なにせ登場人物達が面白い。パンの耳を貰ってきて毎朝食べるほど異常なほどケチな上、寝返りをうつ音にすら苦情をいれる「守銭奴」、弁護士目指して熱量MAXで他人に世話を焼いて迷惑をかけまくる「ケンゾウさん」、また探検部関係者では宇宙旅行を本気で提唱し始めたり、チョウセンアサガオをどこかから掻っ払ってきた先輩の「加藤さん」、そして盟友のイシカワやキタといった多種多様な奇人変人たちが集

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    2025年08月06日
  • 【カラー版】アヘン王国潜入記

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    普通、ミャンマーの山中にある世界最大のアヘン生産地に半年も行かないよ。
    政治的に意図的に隔離されていて、そこには私たちと変わらない気持ちで泣いて笑って生活する人たちがいる。

    全文はブログで
    www.akapannotes.com

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    2025年09月06日
  • 【カラー版】アヘン王国潜入記

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    高野氏の著作に関しては飲酒に目覚めた後の少しおちゃらけた文章に慣れていたので、本書の真面目で鋭い語り口には度肝を抜かれた。一般的には知られていないであろう、少数民族を無数に抱えたビルマという国が英国に好き放題にされた後独立国家として目覚め、その統治の難しさから軍事独裁政権に踏み切った実情をしっかりと語り、中国共産党の息のかかったビルマ共産党に侵略され、そこから独立したにも関わらず中国的官僚制度や文化から抜け出すことができず、麻薬に関係した場合は死刑になるという厳罰で持ってこの植物に臨む中国に対してヘロインを密輸する奇妙で矛盾に満ちたワ州という反軍事政権の暗部を日の元にさらけ出し、この汚いビジネ

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    2025年08月03日
  • 移民の宴 日本に移り住んだ外国人の不思議な食生活

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    日本で暮らす外国人ってどんなご飯を食べているのか。
    高野さんが各地の外国人のコミュニティで取材し
    食べ、味わい尽くした一冊です。

    どういう経緯でここに住んでいるのか
    外国人を取り巻く状況とか
    異国で体験する震災とか…
    様々な事情がありつつも、みなさん自国の誇りをもちながら柔軟に明るく暮らしている様子が伝わってきます。

    高野さんの人たらしのキャラクターもいいなぁ。
    あと、お腹がすく!

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    2025年08月01日
  • 異国トーキョー漂流記

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    積極的に謎の企画を立ち上げて海外にいってアホをやらかしてくる多言語話者で貧乏な著者が、逆に様々な境遇で日本にやってくる外国人と東京を歩き、それぞれの国の文化や価値観、そして「トーキョー」という外国人から見た都会を見つめ直していく、笑いあり涙ありのノンフィクション。アメリカを非難しつつもマクドナルドを美味そうに平らげるイラク人や、暗黒舞踏に憧れて貧乏生活を送るフランス人など多種多様な人々と著者が織りなす台本のない喜劇に腹を抱えて笑い、時に鋭い指摘に極東に位置する日本という国の異様さにもハッとさせられる。一筋縄では行かないのに読みやすく、世界についての扉を開いてくれる良著である。

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    2025年07月28日
  • 幻獣ムベンベを追え

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    モケーレ・ムベンベ、知ってる!!
    でも周りは誰も知らないしテレビとかにも出てこない。そのうち「私が作り出したマボロシだったんかな…」と思い始めたその時、この本を見つけました。

    早稲田大学の探検部、謎の怪獣ムベンベを探してコンゴの奥地へ。
    現地のガイドにやられ、高熱にやられ、食糧が尽き
    ムベンベはなかなか見つからず〜

    ムベンベに対してこんなに熱い人達がいたなんてもう感動。
    しかも、自分には絶対全く1ミリも縁のない世界だからこそ、知りたい事がありすぎ。高野さんおもしろすぎ。

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    2025年07月25日
  • 異国トーキョー漂流記

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    探検は無いが、高野さんのとてつもない優しさとそそっかしさが満載で面白い。
    マクドナルド好きのイラク人の話と、飛行機でたまたま隣に座ってたペルー人の話は、まさにノンフィクションはフィクションより滑稽なりである。またどちらも切ないオチがあって印象深い。

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    2025年07月25日
  • 【カラー版】ミャンマーの柳生一族

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    舩戸与一の付き添いという緩い立場の高野秀行がのびのびと笑いの才覚を発揮されており、面白くて仕方ない。
    他のミャンマー2作もとても面白いが、これは病気になったりヒルに襲われたりしないので軽く読めて良い。
    ミャンマーにおける秘密警察のような役割を担う柳生が、次第にアホな高野・船戸ペアに懐柔されていくのが笑える。トイレの前で待つ三十兵衛、本当に勘弁して。
    外国の小難しい政争を日本史になぞらえて説明するという意味不明な技法を開発しており、これは後にソマリランドなどでも活かされることになる。
    とにかく笑えて楽しい馬鹿な小説だ。

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    2025年07月19日
  • 世界の納豆をめぐる探検

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    著者の納豆への熱ーーい想いが伝わって突き抜けていく!
    数日かけて読み聞かせた文章量!!
    絵本だけど熱量が半端ない!

    納豆って日本だけのものだと思ってたのよ。
    だって、外国の人って納豆食べられないイメージが強いじゃない。
    そしたらアジアどころかアフリカにまであるなんて!!!

    そしてアフリカにまで行って納豆作ってもらって食べてくるんだもん、びっくりよ笑
    挙げ句の果てには縄文人も納豆食べてたんじゃないかって自分で縄文時代の納豆(本当にあったのかどうかは不明だけど)作って食べるんだもん。
    納豆への愛が凄まじい。

    それにしても、日本の納豆菌とアジアの納豆菌の遺伝子がほぼ同じっていうのには驚いたなぁ

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    2025年07月17日
  • 西南シルクロードは密林に消える

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    高野秀行作品は多々読んできたが、その中でも道程の長さとアウトローっぷりは最大級だ。
    カチン軍と行動してるときに中国の公安に捕まる場面はハラハラしたし、めちゃくちゃな言い訳に爆笑してしまった。
    ナガ人の世話になっているときの大どんでん返しにも笑った。
    高野さんが現地人と育んだ友情や、日韓ワールドカップの熱狂、モンゴロイド人の団結といった描写は外国人排斥に熱狂する今の日本のニュースと落差を感じた。

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    2025年07月17日
  • 西南シルクロードは密林に消える

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    過去何冊か著者の本を読んできたけれど、一番激しかった気がする。これまで読んできた本も現実離れしていたが、数段越えてきた。

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    2025年07月06日
  • 謎のアジア納豆―そして帰ってきた〈日本納豆〉―(新潮文庫)

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    意外とアジアのあちこちにあった納豆。
    これ読むと納豆が食べたくなっちゃう(›´ω`‹ )ハラヘリペコグゥ...

    なんだか自分で納豆が作れるような気がしてくる。

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    2025年06月26日
  • 語学の天才まで1億光年(集英社インターナショナル)

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    興味をそそるタイトルに座布団2枚。
    著者、19歳から29歳までの語学をめぐる風雲録。フランス語に始まり、リンガラ語、ボタミア語、スペイン語、ポルトガル語、タイ語、シャン語、ビルマ語、中国語、ワ語。舞台はインド、コンゴ、ザイール、ブラジル、ペルー、コロンビア、タイ、ミャンマー、中国。
    しかし著者にとって、ことばはあくまで探検を成就するための手段。ポリグロットやマルチリンガルになるのが目的ではない。ことばは、現地の人々との間に良好な人間関係を作るため、情報を得て、探検を可能にするためにある。
    語学の習得は現地主義。予習が可能なら、ある程度予習して、現地に乗り込む。現地の人とコミュニケーションをする

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    2025年06月01日
  • ワセダ三畳青春記

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    めちゃくちゃ面白い。
    高野秀行が日本の生活について書くということは、彼の実力が発揮されるアジア・アフリカの辺境エリアとは真逆のステージを書くことになるため、地味な作品となることを予想したところ、それは大きな間違いであった。
    浮世離れした高野秀行が居る場所は全て辺境と化すのであり、そこがゴールデントライアングルであろうとソマリランドであろうと日本であろうとも彼の周りでは訳の分からない面白いことが起こり続けるのだ。それどころか生活の話となると内容の濃さが段違いに上がり、高野作品の中でも最高傑作と呼んで差し支えない面白さだ。
    私が特に好きなのは「プールへ行こう!」で、区民大会に出て名前を呼ばれるくだ

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    2025年05月31日
  • 世界の納豆をめぐる探検

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    ネタバレ

    納豆は日本だけの食文化という「常識」を吹き飛ばしてくれる。
    高野秀行『謎のアジア納豆』『幻のアフリカ納豆を追え!』をもとにした、子ども向け納豆解説。ふだんのノンフィクションのスピード感はない代わりに、発見のエッセンスが詰まっている。
    納豆に類するものがほかの文化にもあるのか。それは、実際に世界中を旅して食べてみないことにはわからない。かくして著者は納豆探検の旅に出る。韓国のチョングッチャンに始まり、ミャンマーのせんべい納豆、ネパールのキネマ、中国ミャオ族のガオヨウ、ナイジェリアのダワダワ、ブルキナファソのバオバブ納豆、etc。納豆は世界中にある。
    しかし、納豆はいつどこで始まったのか。おそらく

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    2025年05月31日