高野秀行のレビュー一覧
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イラクの湿地帯=アフワールについて書かれた本。世界史上にはレジスタンスあるいはアナーキー的な湿地帯が存在するらしく、その中の一つである中国の水滸伝になぞらえ「イラク水滸伝」と題されている。
「湿地帯の恐ろしさは、その境界があいまいなところにある。(…)鈍色の雲が地平線まで垂れ込めた空の下、どこまでも続く湿地とも荒れ地ともつかない土地を走っていると、なんだか世界の始まる前の原初の状態にいるような感覚にとらわれる。」
と書かれてるけど、回想やイラクに関する歴史について脱線が多い序盤は今どこにいるんだっけ?と自身が湿地帯に迷い込んだように感じることがしばしば…翌日とか何時とか、時間経過を示したり -
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三畳一間と言わないまでも、昔ながらの下宿の様子がわかる自伝的作品として、藤子不二雄A『まんが道』や吾妻ひでお『地を這う魚』などがあげられるが、本書にはこれらの作品とはまた違った趣きがありむちゃくちゃに楽しませてもらった。
なにせ登場人物達が面白い。パンの耳を貰ってきて毎朝食べるほど異常なほどケチな上、寝返りをうつ音にすら苦情をいれる「守銭奴」、弁護士目指して熱量MAXで他人に世話を焼いて迷惑をかけまくる「ケンゾウさん」、また探検部関係者では宇宙旅行を本気で提唱し始めたり、チョウセンアサガオをどこかから掻っ払ってきた先輩の「加藤さん」、そして盟友のイシカワやキタといった多種多様な奇人変人たちが集 -
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高野氏の著作に関しては飲酒に目覚めた後の少しおちゃらけた文章に慣れていたので、本書の真面目で鋭い語り口には度肝を抜かれた。一般的には知られていないであろう、少数民族を無数に抱えたビルマという国が英国に好き放題にされた後独立国家として目覚め、その統治の難しさから軍事独裁政権に踏み切った実情をしっかりと語り、中国共産党の息のかかったビルマ共産党に侵略され、そこから独立したにも関わらず中国的官僚制度や文化から抜け出すことができず、麻薬に関係した場合は死刑になるという厳罰で持ってこの植物に臨む中国に対してヘロインを密輸する奇妙で矛盾に満ちたワ州という反軍事政権の暗部を日の元にさらけ出し、この汚いビジネ
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積極的に謎の企画を立ち上げて海外にいってアホをやらかしてくる多言語話者で貧乏な著者が、逆に様々な境遇で日本にやってくる外国人と東京を歩き、それぞれの国の文化や価値観、そして「トーキョー」という外国人から見た都会を見つめ直していく、笑いあり涙ありのノンフィクション。アメリカを非難しつつもマクドナルドを美味そうに平らげるイラク人や、暗黒舞踏に憧れて貧乏生活を送るフランス人など多種多様な人々と著者が織りなす台本のない喜劇に腹を抱えて笑い、時に鋭い指摘に極東に位置する日本という国の異様さにもハッとさせられる。一筋縄では行かないのに読みやすく、世界についての扉を開いてくれる良著である。
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著者の納豆への熱ーーい想いが伝わって突き抜けていく!
数日かけて読み聞かせた文章量!!
絵本だけど熱量が半端ない!
納豆って日本だけのものだと思ってたのよ。
だって、外国の人って納豆食べられないイメージが強いじゃない。
そしたらアジアどころかアフリカにまであるなんて!!!
そしてアフリカにまで行って納豆作ってもらって食べてくるんだもん、びっくりよ笑
挙げ句の果てには縄文人も納豆食べてたんじゃないかって自分で縄文時代の納豆(本当にあったのかどうかは不明だけど)作って食べるんだもん。
納豆への愛が凄まじい。
それにしても、日本の納豆菌とアジアの納豆菌の遺伝子がほぼ同じっていうのには驚いたなぁ -
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興味をそそるタイトルに座布団2枚。
著者、19歳から29歳までの語学をめぐる風雲録。フランス語に始まり、リンガラ語、ボタミア語、スペイン語、ポルトガル語、タイ語、シャン語、ビルマ語、中国語、ワ語。舞台はインド、コンゴ、ザイール、ブラジル、ペルー、コロンビア、タイ、ミャンマー、中国。
しかし著者にとって、ことばはあくまで探検を成就するための手段。ポリグロットやマルチリンガルになるのが目的ではない。ことばは、現地の人々との間に良好な人間関係を作るため、情報を得て、探検を可能にするためにある。
語学の習得は現地主義。予習が可能なら、ある程度予習して、現地に乗り込む。現地の人とコミュニケーションをする -
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めちゃくちゃ面白い。
高野秀行が日本の生活について書くということは、彼の実力が発揮されるアジア・アフリカの辺境エリアとは真逆のステージを書くことになるため、地味な作品となることを予想したところ、それは大きな間違いであった。
浮世離れした高野秀行が居る場所は全て辺境と化すのであり、そこがゴールデントライアングルであろうとソマリランドであろうと日本であろうとも彼の周りでは訳の分からない面白いことが起こり続けるのだ。それどころか生活の話となると内容の濃さが段違いに上がり、高野作品の中でも最高傑作と呼んで差し支えない面白さだ。
私が特に好きなのは「プールへ行こう!」で、区民大会に出て名前を呼ばれるくだ -
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ネタバレ納豆は日本だけの食文化という「常識」を吹き飛ばしてくれる。
高野秀行『謎のアジア納豆』『幻のアフリカ納豆を追え!』をもとにした、子ども向け納豆解説。ふだんのノンフィクションのスピード感はない代わりに、発見のエッセンスが詰まっている。
納豆に類するものがほかの文化にもあるのか。それは、実際に世界中を旅して食べてみないことにはわからない。かくして著者は納豆探検の旅に出る。韓国のチョングッチャンに始まり、ミャンマーのせんべい納豆、ネパールのキネマ、中国ミャオ族のガオヨウ、ナイジェリアのダワダワ、ブルキナファソのバオバブ納豆、etc。納豆は世界中にある。
しかし、納豆はいつどこで始まったのか。おそらく