高野秀行のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
電車で読んだのが間違いだった。
めちゃオモロイ。いや、どの高野本も基本的にはめちゃオモロイ。
だが今回は親近感の湧いてきやすい日常に焦点を当てているので、より面白おかしさが伝わってくる。笑いが次々と込み上げてきて、ついには目まで達してしまった。マスクを着用していたものの、「それ、そんなに面白いのか?」と周囲から勘ぐられていたに違いない。
面白ければ面白いほど、読み手は話に夢中になってしまう。そう、電車で読んでしまうと乗り過ごしかねない。自分の場合目的地が終点だったが、着いたことにも気づかず居座り続けてしまった…。
学生時代から11年間住まわれていた「野々村荘」での思い出を綴ったエッセイ。(あとがきで知ったが、「野々村荘」は仮名らしい)
居住スペースは何と三畳間という手狭さだが、高野氏が所属されていた早大探検部(他の著書でもお馴染み!)に程近く、家賃も1万2000円と超良心的!(てかそんな好物件聞いたことがない)
他の探検部員も住んでいたため、半ば第二の探検部活動拠点と化していた。
チョウセンアサガオの種を食べ続け、高野氏が「ノイローゼ気味のチンパンジー」に化けた話等、辺境とはまた違う部活動の記録も楽しめる。部やサークルに必ず一人はいる「関わってはいけない先輩」の高野氏だったが、何だかんだで年齢的にはまだ学生(ご卒業後は学生上がり)。たとえ一般的な学生みたいにパッとしなくても(失礼…)、これまた他では味わえない青春特有の輝かしさがあった。
あとどのエピソードにも共通して言えることは、オチが上手い!
「私は首をかしげた。野々村荘お得意の『謎の現象』だ。だがここの現象は私のような凡人には想像しがたい謎を秘めている」(P 167)
「私のような凡人…」というツッコミポイントはさておき、野々村荘の住人は高野氏に引けを取らない変わり者ぞろいだ。
立地的・価格的に変わり種なアパートだから引き寄せやすいのか…?それもあるだろうけど、自分は大家のおばちゃんパワーによるものではないかと睨んでいる。
オープンで寛容、細かいことは気にしない性格。住人同士のトラブルにも仲裁に入り、大体解決へと導くキレ者でもある。会話もいちいちオモロイ。何十年も大家でありながら、築年数や部屋数を把握していないところは何だか好感が持てた。
今ドキこんなにチャーミングなおばちゃんいる?住人たちにとっての「暗闇の提灯」的存在なのも頷けるし、高野氏が11年間ほぼストレスレスで過ごせたのも、彼女の功績が大きいんじゃないかな。
笑いが中心だったけど、終盤はちょっぴりセンチメンタル。ある事情から野々村荘との訣別を果たすからだ。
これまでの野々村荘をめぐるドタバタ劇と毛色が違いすぎて、正直アウェーだった。でも今まで優先してきた野々村荘ライフをふっと手放すことで、ようやく彼も青春の名残から巣立っていったんだな…と、最後はおばちゃん目線になっていた。
電車ではしてやられたが笑、高野本をまた1冊コンプリートした喜びと荘の活気(?)が、自分の中で勢いよく渦巻いている。 -
謎の独立国家ソマリランド
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試し読み
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ネタバレ 購入済み
とても素晴らしい作品です
韓国人女性とのエピソードを読んで
とても切ない気持ちになりました。
人の心を揺さぶる作品はなんであれ本物です。
他のエピソードも非常に興味深く、面白いので
心からオススメさせて頂きます。 -
Posted by ブクログ
著者が早稲田大学の探検部で、コンゴのテレ湖で見かけられたという幻の怪獣(ムベンベと命名)を確認すべく、プロジェクトメンバーを募り果敢に挙行する非日常的な大冒険談である。
そもそもコンゴは日本と国交がなく双方の大使館も無いなか、ビザの取得から苦労し、途方に暮れそうな行程で目的地のテレ湖をめざす。飛行機で行けるのはコンゴの大きな町までで、その後は道があるのは100km先にある村までで、そこからは丸木舟で100km先にある村を目指し、その後は湿地帯のジャングルの中を60km進む。ようやく辿りついたテレ湖は変化に乏しい単調な湖であり、果たしてムベンベが現れるのか、一瞬たりとも目が離せない状況から、3交代で24時間監視体制を組む。カワウソやゴリラなど尋常じゃない物を食しながら、マラリアに罹ったり生死が危うい環境のなか、めげる事なく監視活動を続ける。ムベンベは見つかるのか、その正体は何か、結論は出るのだろうか、半信半疑で読み進める。巻末には早稲田大学探検部のプロジェクトメンバー総勢9名の顔写真と本人からのコメント、またその後の人生が紹介されている。本書のなかでは、それぞれの人物像がくっきり表現されており、著者の類稀な描写力に感心させられる。こんな無謀なことにチャレンジする学生魂が紙面を通して伝わってくる。 -
Posted by ブクログ
イラン水滸伝から高野秀行作品を読むようになって、今ではすっかり高野秀行ファンになっている。
自分にはいろんな意味(モチベーション、勇気、体力、時間、お金)で経験できないことを、高野さんは経験し、それを本という形で表現してくれる。まさに本の醍醐味である。この作品は現実の世界での実際の体験記なのだが、今自分が生活している世界からかけ離れすぎていて非常にシュールなのである。日本人がこれまで行ったことのない、ミャンマーのワ州僻地にあるアヘンを栽培している村に長期間滞在して、自分もアヘン中毒になってしまう。現実は小説より奇なりであるが、ノンフィクションは現実より奇なりである。著者はどうなってしまうんだろうとワクワクドキドキさせるエンターテイメントであり、世界にはこんなところもあるんだとか、ミャンマーの歴史ってそうだったのかなど勉強にもなる作品である。 -
謎の独立国家ソマリランド
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