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「世界のシワ」とは……世界の「辺境」のこと。先進国がアイロンのきいた清潔な所とすれば、その逆に「シワだらけ」の地域。早稲田大学探検部出身の著者は、そんなシワ地帯を偏愛し、若さにまかせ頭から突っ込んでいく。初デートでは奥多摩の洞窟に突入、コンゴの密林でカロリーメイトに涙し、アマゾンで遭難しかけ、花のパリではマラリアとフランス人を相手に格闘……。 単行本未収録のエピソードを7篇追加、あまりのくだらなさに著者自ら「こんなバカな本は最後にしたい」と嘆く、爆笑探検エッセイ完全決定版ついに電子版で配信!!
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Posted by ブクログ
著者自ら「最高の『バカ度』を誇る」「バカ最長不倒距離」という本書。文庫版あとがきの「今後これを上回るバカな本は書けないだろう。少なくとも、そう願いたいところだ」に笑ってしまった。
ついに朝日読書欄にも登場し、認知度がぐっと高まった高野さん。我が事のようにヨロコバシイ気持ちになりながらも、こんな変な本も書いてるんだよ~んと、これとか「アヘン王国潜入記」とか引っ張り出してきたくなったりする、妙なファン心理なのであった。
この文庫版は何と言っても解説が素晴らしい!井原美紀さんの鋭い観察力と洞察力に恐れ入る。辺境の旅を好む体質について述べられているくだりにはたいそう納得した。
「探検家と普通の人との違いは、その瞬間を怯えながら、苦しみながらも、どこかで(これはおいしい)と喜び、快楽にもだえてしまうところにあるのだと思う」
探検家に必要なのは「タフなサービス精神」「懲りない体質」「健康的で忘れっぽい心」「旅を最初から最後まで遂行するための繊細で緻密な頭脳と、多少のことがあってもびくともしない大ざっぱな神経」「内股の皮が厚いこと」。これはまったく高野さんのことだよね。内股のことは知らんけど。
井原さんが初対面の時の高野さんについて書いているところで思わず膝をうった。私が三月のトークショーで間近に見たときの印象が、その通りちゃんと言葉になっていた。
「地面から5センチ浮いているように飄々と歩くその姿は、冒険ヤローというよりは仙人のようだった。眼鏡の奥からの知的な瞳、穏やかな話し方といい、学者といってもいい」「この地上に縛られるもの(家のローン、口うるさい妻、言うことを聞かない子供など)もなにもないような感じで、哲学的にも身軽そうだった」
Posted by ブクログ
世界のシワってなんじゃい?
おそらく、この本のタイトルを見た大多数の人がそう思うでしょうね。そして表紙は梅干がのった白米。
まったくもってなんの本だが見当が付かないのに、この本を買ってしまったのは、僕も世界のシワに夢
を見たかったからであります。
著者の高野氏は、早稲田大学探検部出身の作家。本書は、そんな著者のライフワークともいえる探検の様
子をまとめた爆笑エッセイ集だ。
著者はひたすらに「世界のシワ」を求める。だから世界のシワってなに?
「世界のシワ」とは、世界の「辺境」のことだという。著者の言葉を借りると、
『アメリカ化が進むと、世界はのっぺりする。イメージで言えば、先進国と大都市を中心に、みんなが
せっせとアイロンがけをしているようなものだ。どこも同じように清潔で快適でおしゃれで便利になる。
では、アイロンが行き届いていないところはどうかと言うと、これはシワくちゃだ。昔からシワだらけ
だったのが、さらに中央部からの、まさに「シワ寄せ」を食らっているからたまったもんじゃない。そう
いう世界のシワみたいな地域は「辺境」とか「僻地」と呼ばれる。山あり谷あり、病気あり内戦あり、犯
罪あり非常識あり、怪獣あり野人あり・・・とたいへんなのだが、なぜか私はそういうシワ地帯が好きで
ある』(はじめに より)
ということだ。ここが「旅人」と「探検家」の違いであろう。もちろん旅人だって世界の辺境を旅するだ
ろうが、探検となると基本的にその姿勢は「攻め」になる。それを世間では「男のロマン」と呼ぶ。
奥多摩の洞窟でデート、コンゴの密林でカロリーメイトに命をかける、バンコクでのアヘン研究、アマゾ
ンでしらみと格闘、アフリカの悪徳ポリスに絡まれる、アフリカのコンゴで初体験・・・。
普通に考えればとんでもないことが次々と起こる。よく生きてるなこの人。そんな感想を持つだろう。
しかし、それが探検家が探検家たる由縁なのである。平坦な道を歩く探険家など探検家とは呼ばないの
だ。普通に生活していてあまり探検家の人とお友達になる機会は少ない。この本を読んで、探検家とはど
ういうものか、世界のシワとはどういう所か、夢を見るとはどういうことか、じっくり吟味していただき
たい。そして、それでもあなたが探検家に憧れるようであれば、あなたはちょっと変人だと自覚したほう
がいいでしょう。つまり、それが探検家の素質です。
ちなみに僕はちょっと変人だと自覚したほうがいいレベルに達しています。
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