高野秀行のレビュー一覧

  • 世にも奇妙なマラソン大会

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    タイトルの「世にも奇妙なマラソン大会」は本書の3分の1くらいで,高野さんのエッセイ集というのがしっくりくる内容.
    名前変更物語はかずかず読んできた高野本の中でもトップクラスに笑わせてもらった.
    氏の真骨頂は少し寂しさや侘しさを残すような読後感のあるストーリーを描かせる時だと思うんだけど,同級生の友達の話や治験の話でそれを感じることができ,満足の1冊.
    高野秀行デビュー作としてはおすすめしないけど,それなりに氏の著作を読んだあとに読むと面白いこと間違いない.

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    2024年04月26日
  • 西南シルクロードは密林に消える

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    存在がまだ解明されていない西南シルクロードの陸路紀行。中国の成都に始まり、ミャンマーのカチン州、インドのナガランドを経てカルカッタに向かう道中での様々な人との会話や関係を構築していく様子が面白く、高野さんらしさを感じた。「戦後初めて中国からビルマ経由でインドまで運ばれたことを確認された交易品」、と自身を評するさすがの表現力で笑ってしまった。

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    2024年04月13日
  • 【カラー版】アヘン王国潜入記

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    イラン水滸伝から高野秀行作品を読むようになって、今ではすっかり高野秀行ファンになっている。
    自分にはいろんな意味(モチベーション、勇気、体力、時間、お金)で経験できないことを、高野さんは経験し、それを本という形で表現してくれる。まさに本の醍醐味である。この作品は現実の世界での実際の体験記なのだが、今自分が生活している世界からかけ離れすぎていて非常にシュールなのである。日本人がこれまで行ったことのない、ミャンマーのワ州僻地にあるアヘンを栽培している村に長期間滞在して、自分もアヘン中毒になってしまう。現実は小説より奇なりであるが、ノンフィクションは現実より奇なりである。著者はどうなってしまうんだろ

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    2024年04月04日
  • 謎の独立国家ソマリランド

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    この人の本まじでおもろい。
    行動力と探究心がカンストしてるだけで、基本怠惰で捻くれ者の早稲田卒のおじさんだから親しみ深いし同じ穴の狢って感じがする。故にシンプルに憧れる。この人の本全部読む。
    あと金なさすぎて海賊雇おうとする件くそやばすぎておもろい。

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    2024年04月05日
  • ワセダ三畳青春記

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    野々村荘で起こる「リモート」や「スマホ」が当たり前である現代では味わうことのできない人との出会いが織りなすドラマが沢山の物語でした。最後は青春記に相応しい終わり方でニヤついてしまいました。笑

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    2024年03月26日
  • 腰痛探検家

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    単なるおっさんの腰痛治療の話がなんでこんなに面白いのか。

    ご本人も後書きで書かれてますが、腰痛治療に取り組む姿勢がなかなかに狂気じみてて、納豆や未確認生物捜索の勢いと変わらない没頭ぶりに、手ぶらでは帰ってこない探検家魂を感じた。

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    2024年03月25日
  • 謎の独立国家ソマリランド

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    ネタバレ

     2009年と2011年のソマリア--ソマリランド、プントランド、当時の暫定政権が一部を統治していた南部ソマリア--取材旅行をまとめた本。遠慮が無くカネにうるさく氏族を中心に考えるソマリ社会に著者同様に驚き呆れることの連続だった。
     本書では主にソマリランドを中心に話が展開する。2度の内戦を経験しながら他のソマリ地域より平和で民主的な「国家」たり得ているソマリランドの歴史と政治体制は興味深い。氏族主義が浸透しているからこそ氏族単位では扱いきれない政治からは距離を置きつつ、氏族の長老たちが政治家たちを監視するシステムは画期的だが合理的だ。本書で幾度も触れるソマリ人の実利を重んじる性分にも合ってい

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    2024年02月24日
  • 辺境メシ ヤバそうだから食べてみた

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    2、3時間で一気に読破しました。ゲテモノレベル初級〜超上級まで揃っています。超上級(人のOO)はかなりレベル高いので気をつけなはれや!笑

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    2024年02月12日
  • 怪獣記

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    最後の最後に奇跡?が起こります。笑
    映像がヤラセと判明した時点で普通の人であれば萎えると思いますが、ここが作者の違う所で萌え燃えてます。しかも萌え燃え作者と愉快なチームはしっかりと結果を残すことができたようです。

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    2024年02月10日
  • 謎のアジア納豆―そして帰ってきた〈日本納豆〉―(新潮文庫)

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    まさか納豆からここまで驚きと発見に溢れた一冊になるとは。500ページ近い長さでも最後までワクワクしながら読めた。そしてとにかく納豆が食べたくなる。

    納豆文化圏の民族が強く生きてきた歴史を知ることができたとともに、納豆を介して旅先で高野さんが出会った人々の日々の団欒が垣間見えた気がした。私もいつか現地へアジア納豆を食べに行きたい!

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    2024年02月09日
  • 幻獣ムベンベを追え

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    恐らく当時テレ湖は秘境又は未開の地だったのでしょう。そこに行って調査をし、餓鬼になり、ゴリラとチンパンジーを喰らい、ジャングルの虫とも戦い、若さもある、時間もある、有り余るエネルギーをパワーを探検にぶつけているさまが伝わってきました。結果は...でしたが、みなさん社会人になり、メンバーのその後の人生の中で幻獣ムベンベは生きている!気がしました。

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    2024年02月06日
  • 異国トーキョー漂流記

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    高野さんの他の著作を読んでいると、状況や当時人物に共通しているものがあって、ストーリーを補完してくれる楽しさもある。

    高野さんが狂言回しとして、トーキョーにやってきた7人の外国人の物語が綴られる。

    スペイン人とペルー人、イラク人の話が好み。みんな、話に少し寂しさというか、ビターな雰囲気があって、そこが良い。

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    2024年01月23日
  • アジア新聞屋台村

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    タイ人にインタビューしようと連絡先を聞いたらカンボジア人で、実際にあったらラオス人だったみたいなエピソードが高野秀行作品で一番笑った

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    2023年12月14日
  • 【電子特別カラー版】恋するソマリア

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    前作よりさらに病的になった筆者の「ソマリ愛」が伝わってきました。ワイヤップとハムディのキャラクターもさらに掘り下げられていて、2人を通してソマリをさらに理解することができました。今作は、南部ソマリアがメインで、前作では語られなかった南部の普通の暮らしを垣間見ることができました。また、どの世界も宗教と政治は切り離せないこと、現地民と心を通わせるには、言語を習得することが大切なんだなあと思いました。ただ、南部ソマリアは非常に危険な状況なので、行きたいとは思いませんでしたが…。

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    2023年11月18日
  • 謎の独立国家ソマリランド

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    ソマリランドが奇跡の国だということがよく分かりました。読み進めていく内に、ソマリ人に愛着をもっている自分がいました。カートは一度体験してみたいです。

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    2023年11月14日
  • 恋するソマリア

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    ソマリ世界に恋焦がれてしまった、高野さんのソマリア紀行本第二段。高野さんのソマリランドに対する飽くなき好奇心が突き抜け過ぎて、片思いを拗らせてしまったようになっちゃっている。前作のソマリランドに比べてより庶民の生活に触れており、かなり詳しいソマリア文化紹介本でもある。とても読みやすい。恐怖の大王のあたり、かなり緊迫感があってドキドキしてしまった。

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    2023年11月01日
  • ワセダ三畳青春記

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    '語学の天才まで1億光年'を読んで、すっかり、この著者の作風や破天荒な内容に魅了された。
    本作は、この著者の原点とも言うべき、早稲田で過ごした11年間の驚きの生活や、そこに下宿している奇妙な人々の記録である。探検部の後輩からの紹介で、実家からこの下宿に転がり込む。
    三畳一間で鍵はない。誰でも自由に出入りする。太っ腹な下宿のおかみさん、司法試験浪人という不動の地位の住人、ドケチも超がつく非日常的な動きをする住人など、世間離れした人物が集う異空間。エピソード形式で綴られていく世界が、ウソ?と思える連続で、読むほどに味わいがでてくる。最後に下宿を出る話になるが、何だかほんのりとし

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    2023年10月22日
  • 西南シルクロードは密林に消える

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    こんなに夢中で本を読んだのは久しぶりでした。
    圧倒的スケールで描く、ノンフィクション体験記

    ビザ無しで中国、ミャンマー、インドを現地(地元ゲリラ)の方と巡る冒険は、本当に読み応えがあった

    自分の中では、高野秀行さんの最高傑作だと思う

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    2023年10月16日
  • 間違う力

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    雨の日に数時間で一気読みしてしまった。高野さんの人生体験、人生観、モットーといったものが展開されている。

    最初から奇人変人だったのかと思いきや、高校まではどこにでもいる品行方正な優等生。早稲田に入って周りの高い才能に気付いてこれと伍していくために奇襲作戦を常にとるようになったとか。そして行き着いたところが、人が行かないところに行き、やらないことをやり、それを面白おかしく書くことがモットーになったという。

    彼のモットー10条に沿って話が展開され、どれもこれも面白いが、あとがきで、更に煎じ詰めると、
    以下の3点、とりわけ③に尽きると言う。
    ①とにかくやること
    ②手段を選ばないこと
    ③正しいかど

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    2023年10月09日
  • アジア新聞屋台村

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    最高。なんか、泣ける。

    高野秀行氏と言えば、いつも無茶苦茶なことに自ら突っ込んだり時に巻き込まれたりして大変な思いをしつつ、それを面白さに変換しながら、やりたいことをやって、したたかに生きる人だ。
    簡単に言えば、自由で柔軟な人。読者は、そこに憧れるんだと思う。ほんとうは私だってこんなふうに生きてみたい、と。

    本書は、著者の自伝的一冊で、タカノ青年があるアジア系新聞社"エイジアン"で働くことになった数年の顛末を描いている。スタッフはほとんどがアジア系のメンバーで、著者以上に自由でしたたかで驚くほどいい加減である。そもそも読者にとって高野秀行氏こそがもっとも変で魅力的な生き

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    2023年09月26日