高野秀行のレビュー一覧
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ソマリランドのルポで一気に高野さんの視点の面白さ、世界の辺境の地の興味がそそられました。私は酒のみではありませんが、イスラム文化は大好きで敬愛しています。実際に、この中から、イランとトルコに行ったことがあります。その時の楽しい旅の思い出がよみがえりました。
イランって、外国人観光客は秘密警察に常に監視されている?私たちはそんな感じがしなかったので、ちょっとびっくりです。もしかしたら気づかなかっただけかしら?
酒を飲んで楽しくなる。この人間の娯楽を遮断されたイスラム世界。でも、実は寛容だったりする。隠れて飲んでいる。アタチュルクはアル中並みの酒飲みだったか(笑)翻って、仏教の方が、明確に飲酒を禁じているとは!
この本、一つ残念な点は、各エピソードがいつの旅行か書いてない。 -
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椎名誠氏のミャンマー本を読んだので続いてこちらを。
「柳生一族」の意味を知らないまま読み始めたので、日本から逃げた誰かの話だと思い込んでいた。反省。
ミャンマーで江戸時代の柳生一族のようにスパイ活動をする集団と、船戸さんの取材に通訳として同行する高野さんの現地取材小説。ミャンマーにはほとんど正規入国していないという高野さんが、おもしろおかしく、しかし真面目にミャンマーの現状を紹介している。そして、最後の最後にまたミャンマーに変化が起きてびっくりである。
ミャンマーの周縁部の統治状況、パンロンでのアウンサン遺構の紹介の雑さ、ミャンマーの識字率の高さ、椎名本で出てきたタナカ(こちらではタナッカー)の様子など、色々と興味深い話が続く。個人的には、それまで監視/護衛を怠らなかった三十兵衛がパゴダの中では全てを忘れて祈りを捧げているシーンが印象的であった。
その後みなさんどうなったのでしょうかね…… -
世界の納豆をめぐる探検
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試し読み
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著者の高野さんのソマリアに対する想いは、タイトルの通りまさに恋。好きだからもっと知りたい、忘れられたくない、ドライにされるけどそれ故にさらに燃え上がる。そんな様子は面白くありつつ、なんだか健気で応援したくなる。色んなことがてんこ盛りで感想がまとまらないが、高野さんの情熱溢れる本に、読者の私もソマリアに恋させられてしまった。もっと知りたくなる、不思議な魅力を持つソマリア。
よりディープなソマリアを知ることができる本書は、ソマリア一般家庭の話から今回は謎の南部の話まで幅広く、そのテンションはまさにジェットコースターのようだが、それがたまらなく、最後まで飽きずにあっという間に読めてしまう。
それにしても高野さんの文章はどんな話もおもしろく、人を引き込む力があると思う。恐怖の大王の話はこちらも手に汗握るほどの臨場感に溢れ、神々しい光がありありと目に浮かんだ。しばらくして、一体私は何を読まされているのだろうと我に返った。 -
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涙なしには読めなかった。
グルメ要素を期待して読むと少しがっかりするかもしれない。
だけど、「あなたの食事事情を教えてください」という最初の入りで、一緒に食事を交わすことで文化や国籍は違えど打ち解けられる。
そして打ち解けることで、本当にその人の事を知れる。
だから他文化に触れたい、日本に住んでいる外国人を知りたい、そんな期待を持ってこの本を読むと、かなり満足度がある。
著者の高野さんの人柄がもっと好きになる本。
盲目の旦那さんとの結婚を機に、スーダンから日本に来た女性、フィリピン女性たち、色んな過酷な状況も乗り越え日本で暮らすイランの女性。
自分の実家が近くにないのはもちろん、母国語ではない国で子育てをしている女性たちに本当に胸が打たれ、その中で仕事も頑張る姿に勇気を沢山もらえた。
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アジアの辺境の地で出会ったのは、納豆。
何故、納豆がそこにある?そもそも納豆とは?
3年間の探訪レポで追求した納豆ワールドを堪能あれ!
カラー口絵8ページ
・プロローグ 日本は納豆後進国なのか?
第一章 納豆は外国のソウルフードだった!? チェンマイ/タイ
第二章 納豆とは何か
第三章 山のニューヨークの味噌納豆 チェントゥン/ミャンマー
第四章 火花を散らす納豆ナショナリズム タウンジー/ミャンマー
第五章 幻の竹納豆を追え! ミッチーナ/ミャンマー
第六章 納豆
第七章 アジア納豆は日本の納豆と同じなのか、ちがうのか
第八章 女王陛下の納豆護衛隊 パッタリ/ネパール
第九章 日本納豆の起源を探る 秋田県南部
第十章 元・首狩り族の納豆汁 ナガ山地/ミャンマー
第十一章 味噌民族VS.納豆民族 中国湖南省
第十二章 謎の雪納豆 岩手県西和賀町
第十三章 納豆の起源
・エピローグ 手前納豆を超えて
謝辞 参考文献有り。適宜地図有り。
タイ、ミャンマー、ネパール、ブータン、中国、そして日本。
気づくのは、民族、歴史、国内情勢、人種問題、
何処も辺境で過酷な自然環境、伝統文化に食文化。
知る&体験では、日本との作り方の違いと、
料理であり調味料でもある日常の食。
せんべい納豆、碁石納豆、味噌納豆、竹納豆、雪納豆など。
とにかくアクティブ。各国を巡り、日本では大手メーカー等で
情報収集、日本の研究者の話を聞き、文献を調べ、
様々な葉を使って納豆作成。納豆菌を研究所で検査してもらう。
そして交友関係の広いこと。同行する先輩までいるし~。
「世界の納豆をめぐる探検」からの納豆繋がりな読書です。
絵本も面白かったけど、こちらは更に興味がそそられます。
ましてや、片野ゆかさんが奥様だったとは!
先に「動物翻訳家」「セカンドキャリア」を読んでたのに、
分からんかったなぁ。
ともあれ、納豆汁のことがいろいろ分かって嬉しい。
次はアフリカ納豆を読みたいところだけど、
日本国内の納豆にも興味惹かれています。 -
世界の納豆をめぐる探検
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試し読み
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早稲田大学探検部の学生が、コンゴまで幻の獣「モケーレ・ムベンベ」見つけに行く実話。
正しくクレイジー・ジャーニー。
高野秀行さんの「ワセダ三畳青春紀」がとても面白く、他のも読んでみたいと思っていたころ、インスタでこちらをおすすめしていただいた。
高野秀行さんが作家として活動していくきっかけになった本でもあり、なるほど本当に文章が読みやすく、ユーモアのセンスが素晴らしかった。
終始ニヤけてしまう。
ムベンベを見つけられるのか、見つけられないのかとか、ムベンベは何かとか、そこが大事なポイントではない。
このために、生死をかけて日本との国交がほぼ皆無のコンゴのジャングルに飛び出る80年代の学生のバイタリティとクレイジーさに感動する。
そしてそこで体験した1ヶ月以上にも及ぶ生活が、私自身では絶対に経験できないことだから、読んでいてとても面白かった。
毎回本を開くとコンゴのボア族とジャングルにいた。
(自分は居心地のいいベッドのなかだったり、電車の中だったりだったけど)
現代社会の問題が盛り込まれた本から一息つきたい方にはおすすめ。
多様性、LGBTQ、精神疾患、貧困問題、少子高齢化、SDGs、ジェンダー平等、教育格差、長時間労働、
情報リテラシーの格差、生産性の低迷、移民問題とは…?
これらはコンゴのムベンベが現れるというテレ湖には無縁。
久しぶりに全てから解き放たれて、読み終わった後はかなりの爽快感があった。 -
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移民―様々な要因や事情によって母国を離れ、日本に移住してきた在留外国人は300万人を超える。その中でも独自の暮らしや文化を異国でも守り続ける人々がおり、また意外なほどに日本の食や習慣を受け容れている人々もいる。そんな日本の中にある外国のお話を各地で取材してまとめたエッセイ集となっている。
取材のタイミングが東日本大震災直後ということもあり、移民たちの中には母国に戻ってしまったり、東日本から西日本に移り住んだりといったケースも多かった。その中でもとくに信仰面では、教会やモスクといった象徴的な建物を異国においても守り続ける姿勢が垣間見える。そしてそこが同胞との接点であり、不安を解消するコミュニティとなっていた。
印象的だったのは、移民第一世代の外国籍の人々が母国の食や文化を大切にする一方で、子や孫の第二世代になると日本食や日本語を日常的に扱うようになる点だ。とくにムスリムやヒンズー教徒のような禁忌の多い宗教でも、肉食が少なく調理が簡単な日本食は好まれるようで、割とどの国の出身者でも寿司やラーメンは好むといった傾向がみられる。
もちろんこういった表には見えない差別や暮らしにくさといった面もあるのかもしれないが、決して深くは混じらずとも表面的に穏便に済ますといった日本社会の特徴は、外国人コミュニティにとっても無難かつ平和に暮らせる場所なのだろう。 -
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『語学の天才まで1億光年』をだいぶ前に既読していて。ためになったし超絶!面白かった(ゆえに星五つ)のだけど、何て感想を書いていいものか分からないくらい完結していたので星だけ付けて寝かせていました。
そこに出てくるユニークな外国人たちとほぼリンクしていて少し違うエピソードもありつつ、こちらもまた面白かった。
『語学』のほうはタイトル通り、どのようにして多言語を習得し、それを活かしながら多様な国々人々とコミュニケーションを取ったか。そしてそれがいかに魅力的か。
『異国トーキョー』は、関わった外国人たちの異文化習慣や価値観に触れることで高野氏の中でいろいろなことが芽吹き培われていったこと。
言語、文化、習慣etcが違えど、人間同士のやりとりが微笑ましく…いや、もう、ただただ、
高野氏や外国人たちの純情さが愛おしく切なくなる。
端々に外国人たちの姑息さだったり高野氏が自虐する動機のセコさがチラチラと見えますが。相手に向き合った途端に読んでるこっちが心配になるほど人が好い。
読後、何故だか「じゅんわり」あたたかくなっちゃう。
今のところ(他の既読本も良作だけど)一番好きな高野本です。
ちなみに、サラサラッと読めて(物理的に)薄めなところもまた他の作品と違っていいところ。 -
世界の納豆をめぐる探検
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試し読み
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面白かった!文化人類学、風俗、言語学、スーパーサバイバル術(対人)などなど、多岐にわたって軽快に語られる。
現地のテロやコロナ禍、体調不良など様々な困難に見舞われるけど、凄まじいポジティブさを見せてくれる。タフだなぁ、と思う。
マーシュアラブ布の解明は、ほんとにエキサイティングだったし作者の興奮も伝わってくる。
イラクと日本じゃ完全にアウェーだと思うのに、身内に入ってしまうとすっかり仲良くなるのが筆者の人間力を感じた。
正直イスラム社会の女性への扱いが酷すぎて、特にアフワールでのゲッサブゲッサには到底着いて行けそうにない。それは筆者もそう思っているのだけど、それとその他の考え方は切り離して公平に見ているところが成熟した大人を感じさせる。相手の懐に入った以上、自分たちの価値観は自分の身のうちに収めて相手の世界を先入観なしで公正な目で見ることはなかなかできない。
ノンフィクションなのに、めちゃめちゃ中世ファンタジー読んだ気分にもなる訳のわからない本。(めっちゃ褒めてる。)