高野秀行のレビュー一覧

  • 辺境の怪書、歴史の驚書、ハードボイルド読書合戦

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    日本の歴史学者である清水克行と、辺境などを渡り歩くノンフィクション作家である高野秀行による読書対談。

    前作に引き続き、異なる背景を持つ二人による対談は面白い。
    そえぞれの知識、体験に裏付けされた着眼点から一冊一冊の本を掘り下げていくため、非常に読みごたえがある。

    本書を読む前は全然興味がなかった「大旅行記」「ギケイキ」といった本についてもぜひ読んでみたくなった。

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    2020年09月20日
  • 謎のアジア納豆―そして帰ってきた〈日本納豆〉―(新潮文庫)

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    毎日朝ごはんで食べる納豆がこんなに奥深い食品だったとは!アジアで納豆が食べられていることに驚き、しかも納豆文化は日本より根付いている。納豆を求めてアジア各国を旅するだけでなく、日本納豆の起源を考察してみたり、納豆を自作したりと盛りだくさんの一冊。

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    2020年09月09日
  • 謎のアジア納豆―そして帰ってきた〈日本納豆〉―(新潮文庫)

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    面白いの一言に尽きる。そもそも納豆が日本以外の国にもあるなんて思いもよらなかったが、「へぇー納豆って外国にもあるんだね」ですまずに、納豆とは何か?納豆の起源は?自分で納豆を作る!というところまでいくのが、他の人にはできない書けないノンフィクション 。

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    2020年08月22日
  • 間違う力

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    一流でやらないより二流でやった方がはるかにいい。
    どんなに実力があったとしても、計画だけでいるのでは何も起こらない。

    二流でも、それをやり続けていれば見てくれる人は出てきて、チャンスがくる!やり始めよう。

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    2020年08月22日
  • 世にも奇妙なマラソン大会

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    世界は広い。そしてこの本の著者も含めて、世界にはいろんな考えを持って行動する一見変わった人たちがいる。いや、変わってると思うのは自分の中の常識の範囲があまりにも狭いからなのかもしれない。
    周りの人たちと違う考えを持てるのは、自分の中に何かしらの芯がある人なんだと思う。
    わくわくしながら読むことができた。
    世界を旅してみたい気持ちにさせてくれる本。

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    2020年08月14日
  • 【電子特別カラー版】恋するソマリア

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    謎の独立国家ソマリランドの続編のような位置づけ。そこで書き残した事や、その後の渡航内容が綴られている。この人のソマリランド愛はすごいなー。ここまで一つの地域を愛し興味を掘り下げる情熱を傾けられる場所を見つけた著者は幸せだ。誰よりも、日本で一番この国を理解していたいと言う希望は、帰国後ビジネスをすると言うアイデアにも行くが、この人は「お金儲け」が目的になってない(イヤそりゃ少しはある)ソマリランド発展に為、そして母国日本と愛するソマリランドとのパイプ作りの為、と言うのが好ましい。
    一般的な生活を体験する、料理を習う、郊外を見る等外国人には困難な事を実現させて行くのは、著者の情熱と友好心と出会った

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    2020年07月07日
  • 謎の独立国家ソマリランド

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    この本でソマリランド、プントランドの存在を知った。著者の好奇心とソマリランド愛に引き込まれる。海賊がなくならない説明、海賊はビジネスって目からうろこだった。難民キャンプにいる人達が笑顔というくだりも印象的。実は皆生き生きして笑みを浮かべているそうだ。それは安心しているから。やせこけた、目がうつろな子供ばかりを難民キャンプの写真に添えるのはプロパガンダ。
    著者は氏族について、日本の士族に置き換えて説明してくれているけど、それでも頭に入ってこない。だが、氏族政治が成り立っている仕組みは興味深い。行ってみたいなソマリランド。

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    2020年06月17日
  • 辺境の怪書、歴史の驚書、ハードボイルド読書合戦

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    【「ここではない何処か」を時間(歴史)と空間(旅もしくは辺境)という二つの軸で追求していくことは「ここが今どこなのか」を把握するために最も有力な手段なのだ。その体系的な知識と方法論を人は教養と呼ぶのではなかろうか。】(文中より引用)

    それぞれ「周辺」と「中世日本史」に惹かれ続ける2名の碩学が、何冊かの本を手がかりに縦横無尽に議論を試みた作品。著者は、前作の『世界の辺境とハードボイルド室町時代』も話題を読んだ高野秀行と清水克行。

    まず読書合戦のために選ばれている著作からしてかなりマニアック。そこからさらにマニアックな話を展開していくわけですから、刺さる人にはたまらない内容になっているかと。気

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    2020年05月08日
  • 【カラー版】神に頼って走れ! 自転車爆走日本南下旅日記

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    相変わらずの高野秀行らしい本。
    バカバカしいことをとても真剣に取り組むというその姿勢や生き方が面白い!

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    2020年04月30日
  • 恋するソマリア

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    高野さんの本、初めて読ませていただきました。
    恋するソマリアというよりは、ソマリアに恋する高野さんって感じですが笑
    正直私はソマリアという国に内戦の負のイメージしか持っていなかったのですが、密着による細かいソマリア文化の描写、国民性を知りとても興味深い国だなあと思いました。

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    2020年03月08日
  • 西南シルクロードは密林に消える

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    とっても読み応えのある本。
    正直西南シルクロードと言われてもピンと来なかったけどそんな事はどうでも良くてとにかく面白い。
    中国からミャンマーへ密入国しジャングルを2ヶ月以上歩いて今度はインドに密入国する。しかもその行程すべてがその土地にいるゲリラにエスコートされながらである。
    なのに笑える。ゲリラとの妙な絆にも愛着が湧いてしまう。
    まったく知らなかったビルマやインド国境付近のゲリラ達について、少数民族について、国について興味も湧いたしとても勉強にもなった。
    今まで読んだノンフィクション物では一番読み応えがあった!

    しかしよくぞ陸路で最後まで制したなぁ…
    普通途中で諦めちゃいそうなものだけど。

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    2020年02月26日
  • 世界の辺境とハードボイルド室町時代(集英社インターナショナル)

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    「ソマリアの内戦と応仁の乱は似ている」というところから話が始まる。最初はソマリランドと室町時代の比較をしているのだが、本の後半では東南アジアやアフリカの話も出てくるし、日本史の方も中世史だけではなくなり、最後は日本国について語るところに収束している。対談形式なのだけれど、どちらかの専門に偏ることなく、辺境も歴史も面白そうな本だった。

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    2020年02月09日
  • 【カラー版】未来国家ブータン

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    SFチックなタイトルですが、ブータンの現地人に取材した紀行文。ブータン人の文化に深く切り込んでいて、今まで触れたことのない価値観はとても面白い。

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    2020年02月03日
  • 【電子特別カラー版】恋するソマリア

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    謎の独立国家ソマリランドの続編。
    前作は歴史的背景など難しいところもあったが、今回はソマリランドの家庭料理、南部ソマリアでの危険地域での旅行記のような内容で非常に読みやすい。
    ワイヤッブ、ハムディのその後も気になるので続編を期待。

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    2020年01月18日
  • 西南シルクロードは密林に消える

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    とてもとても面白かった。ユーモアと暖かさのある文章で、もの凄く危険な旅がそれだけじゃない、人々との交流や現地の人々のくらし、文化をとてもわかりやすく、でも時に鋭い考察を交えて、決して押し付けがましくなく、伝わってきた。ホモサピエンス全史の次に読んだという偶然も、より理解が深まってあっという間に読めた。なんだろう。初めて読むタイプのノンフィクション。次の高野秀行さんの本も絶対読む。

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    2020年01月03日
  • 異国トーキョー漂流記

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    在日外国人との交流を通し、著者のペーソスがかたられる。
    著者の得意な冒険記的な作品ではなく、命を預ける相手という濃ゆい付き合いではない。東京という大都市の中で袖擦り合う程度の淡麗な関係であるため、外国人諸氏との付き合いも淡麗である。何度か一緒に飲んだことがある痴人と友達の間くらいの関係、といった程度の濃度である。
    長い人生の中で少しの間交わった外国人たちとの交友がテーマであるため、著者の関心は2つに絞られる。在日外国人の東京における生き方と、在日外国人との交友を通した著者自身の生き方である。
    個人的には、日本野球に詳しい盲目の青年の話が印象的だった。障害という日本で生活するためのハンデを笑い飛

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    2019年12月06日
  • 西南シルクロードは密林に消える

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    すごくよかった。
    著者の人間観察の目が他の著作よりも冴え渡っている。長い旅をともにしたから、その過程で様々な側面を目にしたのだろうか。他の著作より登場人物が多面的で魅力的に描かれている。著者の苦労話や体験記という枠組みは後退し、個性的な人々がリレーのバトンのように著者を運んでゆく。お節介焼き、快楽主義者、未来の独裁者、そして最後には第二世代の若者。。。運ばれるバトンの目を通した群像劇のように思える。そして昔も今も何かが運ばれて目的地に到着するということは本当に感動的なことだ。

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    2019年12月06日
  • 怪獣記

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    ”本の雑誌40年特集"から、かな。それは置いても、筆者の他作品はとても楽しませてもらったし、本作も読んでみたい度は高い。そしてUMA。一時期かなり興味あったな~、みたいな感傷に耽りながらも、そういえば最近はめっきり縁遠くなったもんだ、と思いつつ読み進めた次第。8割方読み進めるまでは殆どがスカで、すったもんだはあったけど、結局見つかりませんでした的な、バタバタ劇を楽しむ本かと思い始めたところで、核心に迫る事態が出来する。遭遇を抜きにしても十分楽しませてもらったし、笑わせてもらったけど、クライマックスで興奮もひとしお。怪獣っているんですね。ワクワクする。

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    2019年10月17日
  • 怪獣記

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    ネタバレ

    いやー、すごく面白かった。最初の書き出しから事件の匂いがして惹き付けられた。最後まで面白かった。絶対に自分が行かないところにいって、絶対にやらないことに時間を使ってくれる人。

    自分の目で、確かめたい!という気持ちがすごい。夢のある怪獣を追っているはずが、すごくホットな政治やいざこざの話に直面してしまったり、異文化の暮らしに感銘を受けたり、ものすごく人間くさいところを「意図せず」拾ってしまっているのも、彼の信念がそうさせているのだろうと思う。

    なんかそのお土産が、今回すげーでかくね、って思ったけど、それだけでかい獲物だったのだろう、ジャナ。

    そういう、未確認生物っていうのは、なんかそれだけ

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    2020年02月07日
  • 地図のない場所で眠りたい

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    【ノンフィクションは事実を積み上げていって真実に近づければいいものだと思うんですけど、小説は事実の積み上げもなくて真実を書かなくちゃいけないというイメージがあるんですよ】(文中より引用)

    探検家と作家という二つの顔を持つ高野秀行と角幡唯介による対談録。早稲田大学探検部での活動に加え、ソマリアや北極への渡航、そして自身の経験を書き記すことの意義について語り尽くした一冊です。

    思った以上に「書くこと」論やノンフィクション論にページが割かれている印象を受けました。ただそれが、探検というテーマを目的として読み始めた人にも「なるほど」と思わせてくれるほどに興味深い点が嬉しい驚き。結果としては幅広い楽

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    2019年10月07日