高野秀行のレビュー一覧

  • 移民の宴 日本に移り住んだ外国人の不思議な食生活
    高野さん、久しぶり。独特の視点と思考から紡ぎ出される食紀行は、東日本大震災という歴史的な災害と同時期という偶然も重なり、深みのある作品に仕上がった。在日外国人の普段の食事に焦点を当てたことで、その国の思想、日本観が伝わってくる。成田のタイ寺院は、行こうと思えばすぐ行ける場所にあるのに、全く知らなかっ...続きを読む
  • 異国トーキョー漂流記
    東京で出逢った様々な国の外国人達を通して高野さんが異国の「トーキョー」を体感!

    改めて高野さんの発想のユニークさに驚いた。
    辺境を旅するため、その国の言葉を覚えるには現地出身者に習えばいい、と色々な伝を頼りに東京にいる外国人を探しだし教えてもらう。
    相手との考え方や風習の違いなんて何のその!
    違う...続きを読む
  • 【カラー版】ミャンマーの柳生一族
    掛け値無しに面白すぎる!
    クレイジージャーニーで見かけたヤバイ人だぁと思って読み始めたけど、ヤバさはそのままにミャンマーの体制や人びとの濃い部分を描き出している。
    人を観察する視線はフラットで、そのフラットさが激ヤバな状況でもそのままだからこそのおもしろさ。
  • 移民の宴 日本に移り住んだ外国人の不思議な食生活
    ソマリラントが楽しかったので、久しぶりに高野さんの本を読みました。
    日本に住んでいる外国人の人たちに料理を振舞ってもらうという楽しい企画。写真もありますが、読んでるだけで本当にお腹すいて来ます。それぞれのコミュニティの人たちが何を思い、どんなふうに日本で暮らしているかもかいまみることができます。
    ...続きを読む
  • 【電子特別カラー版】恋するソマリア
    謎の独立国家ソマリランドに続けて読破。
    この度は南部ソマリアの村の暮らしまで体験しているので、「ソマリランド」ではなく「ソマリア」というタイトルになったのかな。わずかな期間で社内の様子が激変したテレビ局を例に、民主主義になった方が宗教色が濃くなるなど、ははぁなるほど…と勉強になる個所がしばしば。やは...続きを読む
  • 謎の独立国家ソマリランド
    これは、面白い!!
    なかなかボリュームのある一冊だけど退屈とは無縁の読書タイム!ただの物珍しい・楽しい旅行記とは一線を画している。というのもソマリア(ソマリランド・プントランド・南部ソマリア)の歴史や氏族の仕組みなどを文献にあたるだけではなく現地でカート中毒になりながら質問に質問を重ねて詳しく調べ上...続きを読む
  • 【カラー版】ミャンマーの柳生一族

    ユーモアたっぷりミャンマー紀行

    過去に許可などなしにミャンマーに侵入し、ゲリラとも交友のある著者であり、本件は軍事政権側の監視の下でのミャンマー行であったから、本来ヤバイはずの紀行であったのに、同行の船戸与一氏と著者の人柄からか、監視の人達も著者らと一緒になって笑う場面が多い。探検家でノンフィクションの作家であるが、面白おかしくが...続きを読む
  • 謎の独立国家ソマリランド
    欧米人や日本人の感覚としては、かなり危険を伴うことが予想される東アフリカのソマリアへ、著者が現地へ飛び込み、知り得た情報、現地人とのコミュニケーション、感じたことが綴られた渾身のルポルタージュ。
    ソマリアが、北部から南部にかけて、ソマリランド・プントランド・ソマリアの3つに分断されているとは…、この...続きを読む
  • 異国トーキョー漂流記
    第8章「トーキョー・ドームの暑い夜」が秀逸でした。著者が知り合った盲目のスーダン人留学生マフディは、プロ野球が大好き。スーダンには野球というスポーツがないから、イメージできないはずなのに、ラジオ中継を聴いて独特の興奮に魅せられたマフディ。ラジオのアナウンサーから学んだ彼の日本語は完璧です。

    典型的...続きを読む
  • 謎の独立国家ソマリランド
    圧倒的に面白い…
    久々に陶然たる読書体験であった。

    国際社会では長らく無政府状態とされているソマリアの中にあって、独自の政治機構を有し、もはや浮世離れしていると言えるくらい、治安の良いハイパー民主主義独立国家・ソマリランド。
    この存在を知った著者が、実際にソマリランドへと渡り、歴史・文化・風俗・土...続きを読む
  • 【電子特別カラー版】恋するソマリア
    日常と戦闘が隣り合わせのソマリア南部。
    そこで暮らす人々の意外なほど素朴な暮らしぶりや文化の違いは非常に興味深い。
    なぜ外国人ジャーナリストが狙われるか、
    ということの理由もソマリアの内部にいることで見えてくることがある。
    あまりにも衝撃的な、戦闘に巻き込まれたエピソードをはじめとして脳裏に焼き付く...続きを読む
  • 謎の独立国家ソマリランド
    事実と主観が意識的に書き分けられているので、とても読みやすい。
    そしてエキサイティング。
    人間くさいソマリ人に笑わされた直後、シビアな現実に考えさせられたり。
    ボリュームが大きく歯ごたえがあるが、一読の価値あり。
  • 世界の辺境とハードボイルド室町時代(集英社インターナショナル)
    室町時代の研究者 清水さんと辺境を渡り歩いている高野さんが、意外にも日本の室町時代と辺境と言われる世界の各国各エリアの文化が、似ていることから、それをテーマに比較文化すると面白いのではということで成立した著作。世界の辺境地の文化や特性は、実は過去の時代の特定の国の文化状況と類似しているということは、...続きを読む
  • 世界の辺境とハードボイルド室町時代(集英社インターナショナル)
    タイトルは、村上春樹の『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』に掛けている、そうだとはどこにも書いていないけれど。遠く離れたソマリランドと遠い過去の室町時代が並行世界のようであるということなのだろうか。ソマリアの内戦と応仁の乱って似てますよね、というところから始まった辺境作家の高野さんと日本中...続きを読む
  • 【電子特別カラー版】恋するソマリア
    超異文化交流。
    人間としての通じ合えるところ、違うところを熱意をもって探究する高野さんがすごい。

    世界で最も治安の悪いソマリアに行き、現地の本当の姿を体当たりで体験する。高野さんにとって現地を本当に体験するのは、「言語」「音楽」「料理」である。外国人にとって、現地の料理(ふつうの家庭料理)を楽しむ...続きを読む
  • 謎の独立国家ソマリランド
    ふとしたことでソマリアの情報が欲しくて、たまたま手に取った本だった。ソマリアの歴史と現状を高野氏が現場に入って手に入れた情報を元に執筆したものである。ソマリ人の内戦の歴史、多国籍軍や国際機関の介入、イスラム原理主義の台頭など複雑に絡み合う戦争の要因とその中で平和を維持するソマリランドの謎について日本...続きを読む
  • 未来国家ブータン
    タイトルと写真に興味を惹かれ即購入。ブータンには、幸せな国の側面以外があることをこれまでの読書経験から理解しているが、なぜ「未来国家」なのか、地理や政治、経済は他の国との比較が難しいように思うがどう他の国に理想を提示できるのか、読み進めていきたい。
    高野氏のテンポの良いリズミカルな文章から、ブータン...続きを読む
  • 世界の辺境とハードボイルド室町時代(集英社インターナショナル)
    なぜ辺境へ行くのか、歴史を学ぶのか。今生きている社会が全てではないことを知るため、この一言に全てが凝縮されている。歴史家とノンフィクション作家の対談なのだが、中世日本とアジアやアフリカの辺境に思わぬ共通点があり、とても面白い。
  • 【電子特別カラー版】恋するソマリア
    タイトル「恋するソマリア」には二重の意味が込められています。
    ひとつは、ソマリアを振り向いてくれない美人女性に見立て、追えどもつかまえられない片思いの相手として描く。
    もうひとつは、実在の若き美女・ハムディ姫への恋です。
    わずか17歳にしてケーブルTVの世界に入って、政治家へのインタビューでカネをひ...続きを読む
  • 世界の辺境とハードボイルド室町時代(集英社インターナショナル)
    辺境ライターと日本中世史研究家のハナシが合いすぎる。
    高野秀行は、「ソマリ人の復讐の方法って徹底してるよね?」と言えば「そうそう、あれはすごいよね」と返してくれる話し相手がいなくて淋しいのだという。
    そうか、辺境ライターには、そういう悩みがあったか。
    そんな高野が、中世史研究家の清水克行に出会い、「...続きを読む