高野秀行のレビュー一覧

  • 【カラー版】アヘン王国潜入記
    村人との別れのシーンは何故か感動した。体当たりのルポルタージュ。面白かった。

    欲望の器はどんどん大きくなり、同じ刺激では満足できなくなる。
    一方で筆者の摂取体験においては、欲望の器を小さくすることによって充足感を得た、とのことだった。
  • 【カラー版】ミャンマーの柳生一族
    ーーアウン・サン・スー・チーをどう思う?オレは、彼女が政権をとっても国を運営することはできないと思うんだけど。(p.140)
    ーー民衆がスー・チー千姫を熱狂的に支持している理由は……彼女がアウン・サン家康の娘だからだ。……このように幕府対倒幕派は……「お家騒動」の側面もあるのだ。そして、そのいちばん...続きを読む
  • 謎のアジア納豆―そして帰ってきた〈日本納豆〉―(新潮文庫)
    文句なしに面白い!
    納豆の起源に迫る大ボリュームの冒険…いや、研究、論文である!
    高野さんの行動力と調査力、観察眼が冴え渡る。
    納豆を食べたことがある日本人は手に取るべき!
  • 【カラー版】アヘン王国潜入記
    ミャンマーの奥地にあるアヘンの生産地で実際にアヘンを栽培し、収穫した筆者によるドキュメンタリーで非常に興味深く面白かった。
    心に残った部分を1つ。
    人間の欲望は器のような物であり、満たされる度に欲望の器はどんどん大きくなっていく。
    アヘンの効能はその欲望の器を小さくする事にある。器を小さくすれば、中...続きを読む
  • 【電子特別カラー版】恋するソマリア
    恋するソマリア

    著者 高野秀行
    集英社
    2015年1月30日発行

    早稲田大学探検部出身のノンフィクション作家、高野秀行氏のソマリアもの第二弾(たぶん)。探検家でノンフィクション作家の角幡唯介氏の、早大探検部先輩にもあたる人。
    「アフリカの角」と言われるソマリアは1991年以降、無政府状態となって...続きを読む
  • 【カラー版】怪魚ウモッカ格闘記 インドへの道
    めっちゃおもろいし、後半の展開はびっくりする。
    私は高野秀行のファンなのでまったく好意的に読めるけども、高野秀行を読んだことのない人には勧めない。何冊か読んで、好きになったあとこれを読むべきだろう。
  • 恋するソマリア
    謎の国の次は恋するソマリア。ちょっと知ったぐらいじゃ、そのベールはなかなか脱いでくれない。慎み深いソマリア。そんなソマリアに一喜一憂しながら、思わぬ方法で懐に入ってしまったり、思いがけず危険な目にあったけど、結果、ディープな現地体験。言語、料理、音楽が文化理解の三代要素。言い得て妙で、ようやく料理に...続きを読む
  • 幻獣ムベンベを追え
    川口浩を見て育った年代の方なら必ず楽しめます。たぶんそれ以外の方でも。
    やってることはハチャメチャだけど、文章は読ませます。
  • 西南シルクロードは密林に消える
    最近、高野さんの作品にハマっている。かなり遅いかもしれないが、「恋するソマリア」を初めて読んでから、その圧倒的な体験と描写のうまさ(臨場感というか自分も探検をしている気にさせてくれ、時にはハラハラし、時にはクスッと笑ってしまう)に惹かれて、同著者の作品(アヘン王国潜入紀、本作)を次々と読んでいるが、...続きを読む
  • 【カラー版】アヘン王国潜入記
    アヘン生産地に行き、そこで実際に半年以上も生活し、村人と一緒にアヘンを作り、そして実際にアヘンを吸って…この人しかできないし、それをこうやって活字にして世に出すのもこの人しかできないだろう。
    「誰も行かないところに行き、誰もやらないことをやり、それをおもしろく書く」という高野さんの真骨頂だと思う。
    ...続きを読む
  • 謎のアジア納豆―そして帰ってきた〈日本納豆〉―(新潮文庫)
    納豆って日本だけのソウルフードじゃないんだ。
    藁じゃなくてもできるんだ…

    納豆感が変わった一冊。
    納豆を中心に色んな国、文化が登場し、それぞれで食べ方や作り方が違う。だけど納豆。

    楽しい一冊でした。
  • 幻のアフリカ納豆を追え!―そして現れた〈サピエンス納豆〉―
    アジア納豆のような、日本以外でも納豆食べてるというような衝撃はないが、世界で食べてる、いろんな納豆がある、納豆技術が古代にもあったみたいという面白さ。

    もはや納豆研究書に近い
  • 移民の宴 日本に移り住んだ外国人の不思議な食生活
    在日外国人の、個々のストーリーや日本と混じり合った食文化の記述がとても魅力的だった。
    日本にいながら旅をしている気分になった。
  • 謎のアジア納豆―そして帰ってきた〈日本納豆〉―(新潮文庫)
    そもそも日本以外の国でも納豆が食べられてることを知らなかったけど、世界中に広がる納豆文化圏が少しだけ見えた。
    そして各地に行っては食べ、作っては食べ、もらっては食べしてる描写を読んでいたら、何故か毎日納豆を食べるようになっていた。
    自分は世界の納豆に興味ないから、日本で最も美味しい市販納豆を探そうと...続きを読む
  • ワセダ三畳青春記
    早稲田大学探検部出身の著者が11年に渡って過ごしたアパート 野々村荘での日常を綴った体験記。

    初っぱなから笑わされましたー!
    突っ込みどころ満載で何も考えず肩の力を抜いて楽しめるのが良い。
    住人が一癖も二癖もあり高野さん本人も個性的ですが、大家さんもなかなかおおらかというか大雑把というか…。
    住人...続きを読む
  • 幻のアフリカ納豆を追え!―そして現れた〈サピエンス納豆〉―
    高野秀行さんはノンフィクションの中で一番好きな作家です。面白い上に見た事の無い世界を見せてくれるというスペシャルな存在です。
    しかし本が出ている事に気が付かず、半年余り知らずに過ごしてしまい本当に悔しかったです。
    今回はアジア納豆の続編で今回はアフリカと韓国です。
    韓国は想像しやすいけれど、アフリカ...続きを読む
  • 謎の独立国家ソマリランド
    高野秀行の体を張った渾身のルポ。世界から危険だと思われていたり、実際に危険だったりする場所に乗り込んで極力現地に馴染む。そういう手法が最大限活かされており、これまで日本はもちろん、旧宗主国という比較的なじみの深い国でも理解されていなかったことが書かれている。
    何しろ我々には縁遠い場所だが、日本の読者...続きを読む
  • 辺境の怪書、歴史の驚書、ハードボイルド読書合戦
    『「ここではない何処か」を時間(歴史)と空間(旅もしくは辺境)という二つの軸で追及していくことは「ここが今どこなのか」を把握するために最も有力な手段なのだ。その体系的な知識と方法論を人は教養と呼ぶのではないだろうか』

    教養とは経験や知識で積み上げたものの【解像度を上げる】こと。素晴らしい知的バトル...続きを読む
  • 幻のアフリカ納豆を追え!―そして現れた〈サピエンス納豆〉―
    納豆求めて東へ西へ、弛まぬ追求と洞察。たかが納豆、されど納豆。ナイジェリア、セネガル、ブルキナファソの西アフリカと韓国。異色な取材の組み合わせも見事に調和する。距離と言語のギャップを乗り越えて通じ合える国、近いけど感覚のずれを認識して付き合わなければいけない国。世界は広いようで狭い。イトイ新聞での著...続きを読む
  • 幻のアフリカ納豆を追え!―そして現れた〈サピエンス納豆〉―
    アフリカにも納豆がある、というのはちょっと信じがたいものがあるが、本書を読むと、いやいや、しっかりと根付いた食文化なのである。しかも、前作アジア納豆と全く違う様相を見せつつ、根底にはしっかりと納豆セオリーが流れていることが確認される、納豆探求の最終形態